私という一頁の物語   作:スナエ

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欝々する

 うつが酷い。

 昨日、猫カフェで楽しく過ごしたのに、今日はコレだもんな。嫌になる。

 薬を飲み、ソファーに寝転ぶ。

 

「死にたくないし、生きたくない……」

 

 いつも通りの早起きだから、出勤時間までは、かなり休めるだろう。

 私は、微睡みながら、断続的に夢を見た。

 歯が砕ける夢。吐いても吐いても、歯の欠片が口の中に残って、気持ち悪い。

 人殺しをしたことを後悔している人が見る夢だって、インターネットで読んだっけな。

 つまり、私は人殺しをしたくらいの後悔を抱えているということ?

 それは、人を殺さなかったことかな? 子供のうちにやっておけばよかったな。

 殺すまでしなくとも、金属バットで殴るくらいはしてやればよかった。子供のうちに。

 私を苦しめた奴、全員。

 幼稚なクラスメイトのカスどもと、その親。クソみたいな教師ども。最悪な血縁者たち。

 全員、どうせ私より幸せに生きてんだろ?

 私まともですって面で、結婚して子供作って生きてんだろ? 知ってんだから。

 同窓会なんか出るもんか。ミステリの犯人になっちまうよ。

 殺すなら、おまえじゃない。おまえの大切な子供を殺すよ、俺。その方が辛いだろ? 親の因果が子に報い、だな。

 俺は、厄災になって、おまえらを蹂躙するよ。

 誰も救ってくれないから、この世を呪うしかないじゃないか。

 あーあ。ダメだな。自分で自分を救わなきゃならないのに。

 過去は消えない。今なんて、どこにもない。未来は、自分で輝かせるもの。

 思い出せ。俺の大切なもの。全ての物語を。

 星が見たいなら、生き抜け。

 私は、なんとか己を奮い立たせ、仕事に向かう。

 そして、いつものようにカウンセリングをした。お茶とお菓子を用意し、「カウンセラーの現海砂子」をする。

 誰も気付かないでくれ。私の真実に。

 ひとりの少年のことが、頭の中に浮かんだ。

 君は、知っちゃったんだ。ろくでもない私のことを。

 でも、何故か君は、興味深そうに私を見ている。

 どうして? こんなに醜い生き物をさ。

 当真勇くん。何を考えてるの?

 私は、思わずメッセージを送ってしまった。

『私といて、何かいいことある?』

 メンドクサイ奴。

『あるぜ』

『教えねーけど』

 あるのか。いや、教えてよ。

 釈然としないが、それ以上は訊けなかった。

 元気になったら、問い詰めよう。いよいよメンドクサイ奴になるけど。

 ホワイダニットの推理小説の探偵みたいに、私は、君の真実を探ろう。

 

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