沢山の絶望をあなたに   作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア

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帝国対世界
1923年6月2日開戦日翌日共和国のとある一卒兵の視点


数では勝っている、継続的な強攻作戦策により敵の増援を各個撃破する事で頑強な帝国西方方面軍と増援として配備されるであろう中央軍の撃破ができると思われていた。

 

初戦は順調だった、低地地方では敵の前線を後退に追い込み、戦車と155mm重砲を利用した追撃戦は順調だった。

加えて長砲身化と重装甲化が成されたFCM 2bisが、帝国の二号戦車による反撃も完全に抑え込んでいた。

航空優勢も確保されていたし、各地で帝国の観測魔導師は我が国の航空魔導師に追い回されていた。

そんな状況だ、誰もが初戦での勝利を確信していた。

 

だが、ラインから厄災が迫って来ていたのだ。

百発百中のプラズマ術式を無尽蔵に放つ怪物が多数の手勢を連れて、魔導師も戦車も航空機も全て蒸発させられた、唯一直接攻撃を逃れた重砲兵も収束爆裂術式弾によって無力化されたし、唯一奴が目を向けなかった歩兵や軽装甲車両も同行していた魔導師や120mmの重砲や二号戦車によって蹂躙された。

 

 

それでだ、後方支援部隊と連絡線を失った最前線の歩兵は、帝国の尋常じゃない歩兵火力を前に壊走中の敵部隊によって戦闘能力を喪失した。

馬鹿げてる、我が軍が勝るのは総合戦力数と155mm含む超大口径の重砲のみか、条件は対等なのに(両軍共に組織的戦闘能力を失っていた)、どうして壊走中の敵部隊を追撃した我が軍の方が被害が多いんだか。

 

 

たった1人の魔導師によって重砲240門戦車540両航空魔導師128人戦闘機および爆撃機を約600機が初日によって撃破されたんだ、付随する被害は認識する事さえ困難だろう。

 

 

地獄じゃない、それは粉う事なき現実だった。

厄災が、帝国から厄災が悪魔を連れて共和国軍を攻撃して来たんだ。

 

 

ウチの軍(共和国軍)も厄災を前に狂ったさ、水銀みたいな劇薬を炸薬代わりに装填した砲弾を厄災に投射してやがったからな。

笑えるだろ()()()()()()()()()()()()()()()()()なら、『電波を遮断すればいい』と思っていたらしいぜ。

 

馬鹿みてぇだよな、二次被害は無視らしい、これから俺達数少ない生き残りは1年から5年かけて苦しみながら死ぬ事になるんだぜ笑えるよな。

 

 

それも意味がなかったんだから、俺達も死にきれねぇよなぁ。

 

 

その厄災は若き麗しき少女であった、遠いどこかを見つめる彼女は、我々を視認するまでもなく共和国軍だけを確実に撃破していた。

 

荷が下りたかの様に、どこか穏やかな顔をしながらだ。

 

 

帝国は悪魔だった、その悪魔を育て上げたのがこの少女だと、世界に悪魔を齎す厄災であると我々は気付いてしまったのだ。

以降我々は、帝国の兵器や戦術を模倣し凌駕せんとする事になる。




門数ほぼ無限の空飛ぶレーザー級と師団規模の重装戦闘団が最前線の少し後方を横凪ぎにしながら戦域を打通しまぁす
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