沢山の絶望をあなたに 作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア
私の名前はエレオノーレ・フォン・ゼートゥーア魔導大佐、1923年現在18歳のバチバチの結婚適齢期を迎えた
1920年代に男女平等を謳うリベラル極まった帝国であれ、未だLGBTQQIAAPPO2Sの理解には至っていないご様子、親父からは会う度に子供は作らないのか?と聞かれ、王侯貴族や高位の階級の軍人からの結婚の申し出を蹴り続ける、セクハラモラハラ三昧の毎日だ。
いや勘違いしないで欲しい子供は居たら嬉しいんだ、親父に孫を抱かせてやりたいし何だかんだ前世でも子供は好きだったし、ただ野郎に身体を許すのが何となく忌避感があるだけなんだ。
てか女子同士で風呂に入った記憶もあんまりないから同性への耐性もない、帝国有数の貴族だし浴場の利用後でメイドに世話をされる事もあっがそれは別だぞ。
緒戦で私と恋仲と噂されてたバディも死んじまったし、何ていうか軽い未亡人的な扱いをされているのが少々不服だ。
これがナマモノ系という奴なのだろう、何処ぞの極東に存在するという納豆菌に侵されたゾンビ共が喜びそうな存在になってしまったのが非常に気に入らない。
「オロロロロロ」
おのれ腐女子共め、二度目の人生でも再び私を苦しめるか!!
「大丈夫か?生理現象を抑えるぐらいの事ならできるが、よければ医務室まで肩を貸すぞ。」
私の魔力の抵抗性に優れた肉体に軽々と影響を与えられる事から察するに中々の魔導師だろう、恐らく97式をフルスペックで運用できる中央軍所属の魔導師、或いは先天的に魔導の才に恵まれたであろう吟遊詩人や数年後ターニャがライン戦線で現地訓練するグランツ並みの隠れた未来のエース・オブ・エースか、或いはターニャか、ターニャでした。
名目上では重金属類によって肉体的なダメージを癒す為の療養という事になっている、だが現実はこの有様なのだが、あまりにも精神が弱過ぎる、悲哀しか醸し出せない。
「ああ問題ない、少し調子が悪かっただけだ。」
「はい、いいえ、失礼致しました大佐殿!!ご無礼を承知でどうか私に手を貸させて頂けないでしょうか。」
上官への擦り寄りか?いいだろう、君にも今私が抱えている心の中で渦巻く腐敗物に対する存念を聞かせてもらおうじゃないか。
「君は身に覚えはないか?
友愛を騙り親愛を深め、共に出歩いた異性の友人が、自らを腐敗した性愛対象として見ていた事を吐露してくる絶望を。
『誰にでも屈託ない笑顔を向けるところとか、子供好きなところとか、本当に好き。
誰もが一千年の恋も冷め、万年の呪いに苛まれもするさ。」
「まさか、それは、まさか!!大佐殿!!」
「奴らは我々の魂を腐蝕させてくる、一度死しても己の魂が宿る肉体を蝕んでくる悪魔なのだ、すまない中尉今は1人にしてくれ。」
「失礼致しました大佐殿、軍人としてではなく同郷の親友として、健闘を祈ります。」
そして二人が別れ、互いに精神状態を落ち着かせた時に思う。
誰でも異性のオタクと交友関係を持った男子が一度通る道、また逆も然りである。
実績解除再び
帝国の叡智(笑)