沢山の絶望をあなたに 作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア
協商連合に対し、帝国軍は空軍及び海軍を主軸として魔導師をコマンド部隊を運用した。
敵の要所に空軍や海軍で攻撃を行い、魔導師を投入し攻撃対象となっている現場を麻痺させる作戦である。
前線には大量の砲兵と戦闘爆撃機を投入し、後方には戦術爆撃を行い、敵軍主力と予備を釘付けとした。
オース港にはターニャ・フォン・デグレチャフ率いる203航空魔導大隊が、協商連合首都シュヴェーデンには黒手袋と災厄の分隊が、潜水艦及び高速艦艇に輸送された魔導師が思いも寄らぬ地域より出現し協商連合は継戦能力を一度完全に麻痺させたのだ。
空軍と海軍の支援のもと魔導師は各地で籠城戦を展開する、近くの都市や街及び軍事基地をただひたすらに襲撃し、増援を海軍と空軍による間接射にて迎撃し続ける。
海上ネットワークを喪失した協商連合は輸送力の問題で、前線で砲弾を欠乏させ、食料の不足から兵の能力低下を引き起こし、数え切れない程の凍傷患者を生み出したのだ。
無論連合王国や共和国は協商連合を見捨てた訳ではない、帝国軍の支配領域を打通する為に海軍だけで戦艦を含む約100隻以上の戦力が、そして両国併せて旅団規模の魔導師を投入したが、その悉くが返り討ちに遭ったのである。
...オース港にて魔人に悪魔の手勢によって須く、そして同時に投入された戦闘艦が帝国空軍の誘導爆弾によって海の藻屑となったのだ。
軍は崩壊し政府は形骸化、彼らは飽和攻撃により何もする事ができずに帝国に降伏したのである。
「忙しかったみたいだねソッチは、いいじゃないか私も『吟遊詩人』の扱う魔法を見たかったよ。」
「気楽そうだな、首都を強襲して機甲師団と正面から撃ち合い被弾一つしないとはな。」
「『黒手袋』がエスコートしてくれたからね、それはそれとして士官教育を受けた時にしたビバーク、その口頭試験を本当に実践するとは思わなかったよ。」
「何をしたんだ?」
「要塞陣地に籠る敵兵1個師団を現有の兵力で陥落させる方法だ、ターニャもそんな感じの質問受けただろ?私は魔導術式で諸共吹き飛ばすと答えた。」
「バカなのか貴様は。」
「教官には怒鳴られた、記録がどうなったかは謎で仕方ない。」
「でしょうね!!」
「有言実行によって評価も爆増だよ、ターニャも同じでしょ?増強大隊よかったね親父が提案を呑んでくれて。」
「何故それを知っている?もしや貴様後押ししたのか?!」
「いやぁ迂闊だったね、意外とアホだよね君。」
「クッ、否定できないのがもどかしい。」
既に銀メッキが剥がれております