沢山の絶望をあなたに   作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア

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対BETA大戦
サクロボスコ事件と地球で


サクロボスコ事件の勃発である、私と帝国を除き実質的にBETAと人類の初めての直接邂逅だ。

 

一足先に標準配備される事になった"汎豪州共同体"仕様の最新鋭兵器群、その主力である機械化装甲歩兵が月面にあるだけ送り込まれていた。

そして合衆国及び国連によって製造された88mmの無反動砲及び迫撃砲、そして惑星探査用ドローンを改修して製造された特攻用の自爆ドローンとその生産ラインが分散して納入されている。 

 

 

戦車級に向かって大量のドローンが肉薄を行い、要撃級に指向された迫撃砲及び擲弾は効果的にBETAに打撃を与えていた。

それでも駆除しきれなかったBETAに対しては大型MMU及び機械化装甲歩兵が投入され、確実な駆除を行っていた。

 

 

だがそれでも小型種による後方への浸透は完全に防ぐ事はできず、少なくはない被害を出していた。

 

 

現在は辛うじて前線を維持しているが、このままでは損耗に補充が追い付かずローテーションが崩壊し、遠くない間に人類はBETAによって月面から追い出されるだろう。

 

 

この現状の打破の為に12名の科学者及び研究者と私が国連本部に招集された。

 

 

備考としてこの12名は火星表面の巨大建造物発見により、火星生命が知的生命体である可能性が示唆された為の、コミュニケーション方法を確立する事を目的として研究を行なっているらしい。

 

オルタネイティブIは特務調査機関ディグニファイド12とかいう組織だったらしいんだが、まあ滅茶苦茶胡散臭い連中なんだよな、そしてその連中が旗振り役とかいうね終わってるわ。

 

 

「それでは開始させて頂きます」

 

「手元の資料をご確認ください。

目的はBETAとの交渉方法の確立、手段としてのBETA研究と目的としての人工ESP能力の発現です。

何か質問はございますか?」

 

 

その順序と目的、それに至った経緯が記されている。

 

曰く半世紀前に存在した欧州一の軍事大国であった帝国、そこで研究されていたのがBETAであり、その研究の為に優秀な魔導師及び科学者や技術者が参画していた、そして従来のESP及びPK能力者の能力を飛躍的に向上させる事で生み出された『現行の技術では再現不可能な代物を用いてBETAと接触していた』事が判明している。

 

その再現のために必要な人材を探していたらしいのだが、前々から私という存在に目星をつけていたらしい。

 

 

...その一員だったのでは?

と、私は今言及されている形なのかな。

 

 

ホムンクルス或いは人造人間の強力なESP能力の発現の為に協力して欲しいらしい、まあ私としては報酬次第だな。

 

曰くあからさま過ぎたらしい、1930年台から宇宙からの侵略者の存在を示唆し、技術開発及び軍事研究と産業的な開発活動を推進していた態度は証拠とも言える()()()

 

 

「素人質問で恐縮なのですが、なぜBETAとの交渉を目論んでいるのでしょうか、また交渉を成功させたとして『アレ』とはどの様に関わっていくつもりなのでしょうか。」

 

「平和的な解決策としてBETAと交渉を行い、持続的な友好関係を構築する為だ。」

 

「持続的な友好関係ねぇ...」

 

 

BETAとの友好関係の構築なんぞ冗談にすらならない、そもそも彼らには我々の知る友好という言葉は存在しないだろうに、そこから矯正する必要がありそうだ。

第四の対BETA諜報員育成計画の方が個人的には方向性からしてやる気は起きるんだがな、まあこれは第三計画ESP能力者によるBETAとの意思疎通の策案的な?そんな感じの会議だろう。

 

 

「不服か?」

 

「我々人間は自分達人類の事ですら解き明かす事ができていない、だというのに『BETAの解明』をしようだなんて傲慢じゃないか。」

 

「何を考えてその様な世迷言を?神にでもなったつもりか?」

 

「冗談、神なんていう低俗な存在と並べられては人類が可哀想だ。

この場にはカトリックとプロテスタントしか居ないのか知らないのだろう、驚くべき事に『ルーシー』には()()という言葉がないらしい、同じくBETAに()()()()()()()()()()()()に加え『物事を抽象的に表現する機能があると』考える機能が存在すると考えるその妄想癖に気付けない間は君達と関わるだけで気が滅入る。」

 

「ならば我々がBETAと呼ぶ存在を貴様はどう見る?」

 

「生命というよりアンドロイド、正確には『彼らは目的に準じた何かを行う機械』と考えられる。

更に要素を追求すればBETAの正体は『有機生命体を元とした資源回収及び加工・生産及び輸送を目的とした機械』である、特定の資源を生み出す為に彼らは入植を行い、そこで資源を精製している存在だ、故に彼らは我々の事を()()()『再利用可能な資源』としか認識しない、無論『例外』はある筈だが、まあその例外は無い方がいいに違いない。」

 

 

その例外こそ重頭脳級だ、アレはBETAの最終的な意思決定を行う機関である為に、恐らくBETAの創造主とやらですら予測不能な行動を選択する。

興味を持たれたたけるちゃんえぇ...

 

 

「BETAの存在を知り尽くしているな、その頭脳は惜しい、益々興味が湧いた。」

 

 

気分はそっくり!!今すぐにでも人体実験されそうな雰囲気だね!!

何か本題からズレてるね?私を前にしたターニャの気分とそっくりだ、あかん命の危機だこれ。

 

「ならば今BETA大戦では、どの様な手段をとる?」

 

「勝手にやってろ、ヒントは十分に与えたからな、私は帰らせてもらう。」

 

 

逃げるんだよォ!世界の果て(豪州)まで!

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