沢山の絶望をあなたに   作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア

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月面での異変

「...要塞級の出現だと?

えぇ、マジか光線級じゃないのか。」

 

曰く戦車級と要撃級の盾になっているとの事、なるほど確かにアレの装甲なら88mm擲弾やドローンによる攻撃は痒い程度だろう。

 

「予定が狂ったらしいな、どうする。」

 

「本格的に国連への駆逐艦の武装化を提言するしかない、既に設計図は国連にもあるし専用の生産ラインはウチで用意してる、必要となれば彼らも首を縦に振るだろう。」

 

 

そして今度こそ国連は計画を承認してくれた、一週間後にはBETA要塞級の骸が月面で散見される事になるだろう。

...思ったよりBETAは得体の知れない存在だ、正直怖いと思った。

 

現れた脅威に最低限のユニットでの対応を行う効率性は何というかね、ヘイト管理が上手であると表現する他ない。

...何だろうなこの恐怖は、的確な一手を繰り出してくる様は正直震えた。

 

 

それでも駆逐艦によって要塞級が無力化され続ければ、いずれBETAは光線級を繰り出して来るに違いない筈だ。

 

 

そして88mm擲弾が最大だった砲火力は120mm無反動砲にまで拡張され、駆逐艦の軌道爆撃はより苛烈なものとなり、月面での要塞級に対する絶望感は緩和された様に思える。

...理由としてが120mm無反動砲は要塞級の装甲を貫く事ができるから、打撃を与えられる部位は関節部などに限定されているが、それでもないよりはマシなのだ。

 

 

「月面恒久基地とやらも完成したしね、そこを失陥しない限り、支援ありきとはいえ人類は月面で抗い続ける事ができるらしいし。」

 

BETAの着陸ユニットがカシュガルに着陸するまで残り2年、それまでにBETAのハイヴから光線級を引き摺り出してやる。

 

...月面での戦争?

大いに結構、地上で核兵器を使うより全然マシだ。

 

私含む宇宙進出を達成したグローバリストの偽りない本音である、ただまあ現実は地球で『良い良い』している人間達が主権を握っているのだから中々上手くいかないというね、やはり敵はBETAではなく同じ人類だったか。

 

「それで?何をするか決めているのか?」

 

「地球にて用いる、対BETA用の兵器群を開発する。」

 

「そういえば前々から言っていたな、コックピットユニットを駆逐艦だけではなく戦術機等にも適応したいって。」

 

「既に戦術機に適応させたんだ、次は通常の戦車に砲兵に歩兵にと段階的に適応させてもいいんじゃないかな。

...って、まあ不可能じゃないだろうし。」

 

「不可能じゃないから可能っていう訳じゃないぞ...」

 

「政府に話をつけてくるわ、機械化歩兵装甲は既に目的を果たしているが、これから開発を行う戦車や装甲車に自走砲の設計図と実物を供与してもらう必要があるしな。

...流石に旧帝国製の戦車や自走砲が次期主力ですと言われたら彼らも困るだろうし、流石に豪政府から逸脱した動きはしたくないし。」

 

「...今更じゃないか?」

 

「これまでは豪州政府にお伺いをして、了承を経た後に国連や合衆国と取引をしていたんだよ、流石にその枠組みからは逸脱してないからな。

だけど独自に兵器開発と量産を行なってしまったら激おこプンプン丸だからね、明日にでも内戦が勃発するぞ。」

 

「駆逐艦の武装化と、その武装の生産ラインを国や国連から許可を得る前に整備していた癖に何をいう。」

 

「これは新しく整備した生産ラインが偶然有効活用できると判明したからだ、失敬な。」

 

「はいはいそういう事にしておく、それで何をする気だ。」

 

「あちき重砲大好き、迫撃砲大好き、戦車大好き、戦闘車両大好き。」

 

「そういえば、貴様は静止戦と機動戦が大好きな人間だったな。」

 

「何だその変態、私は迫撃砲を用いた敵軍の損耗の拡大と砲兵と戦車を用いての敵軍に対する打撃戦術が好きなフレンズなんです。」

 

「合っているではないか?!」

 

 

240mm以上の砲なら弱点に直撃させるまでもなく要塞級を一撃で撃破できる、高度なデータリンクに組み込まれた砲兵や攻撃ヘリがあれば、将来戦術機が担う筈だったであろう作戦を一部代替する事が可能となる筈だ。

 

汎豪州共同体政府に送ったメールからの返事が来た、曰く規格の選定から許可してくれるらしい。

...代わりに国内各種兵器群の更新の役割を担う事という条件が出されている、私は国内他企業への一部製造の委託を条件に出し、汎豪州共同体政府は了承した。

 

 

「了承されたぞ」

 

「早過ぎだろ...」

 

「まあBETAの恐ろしさはPTSD患者を出してまでも示してきたからな、嫌な話だが第0世代戦術機や機械化装甲歩兵の実戦投入を推し進めていたから、駆逐艦や機械化装甲歩兵含む各種ユニットから送られてくる悲惨な情報には事欠かない、ただそのプロパガンダが効果的過ぎたんだよ、二つ返事どころか更なる要求を求められるとは思わなかった。」

 

「だがよかったじゃないか、何であれ目的は達成できたんだから。

...いつの間にか我々が汎豪州共同体の経済の6分の1を占めているのか、国際的にも宇宙における兵器開発は独走状態か、そろそろ合衆国なりが圧力を強めて来そうだな。」

 

「おい止めろフラグを立てるな...」




1年で更に豪州の4分の1を支える主人公、単純な国際的影響力は汎豪州共同体政府の比じゃないそうです、何てったって資源開発から軽・重工業どころか宇宙開発にかけて何でもできますからね。


豪州がある限り武器弾薬は無尽蔵...人類という種を絶やしてはならん!
byディグニファイド12
フラグ立てていきましょう
byエレオノーレ
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