沢山の絶望をあなたに 作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア
「あぁぁああ!!BETAの奴らは何で光線級を繰り出して来ないんだよ!!
...ふざけるなぁぁぁ(夜神月風)!!
月面での戦闘には必要ないってか、なら絶対に引き摺り出してやるからよ覚悟しやがれ。」
「二年前から言ってるじゃないか、そろそろ本気出してくれよ。」
「分かってる!!だが既に選べる選択肢は全て使った!!
精密攻撃が可能な駆逐艦の248mmも物量攻撃の可能なMLRSの248mmも...既に5年も経ったのにだ!!
ドローンも機械化装甲歩兵も戦術機も投入したが、まだBETAは光線級を繰り出してこない。」
既に1972年、原作通りなら恐らく来年4月19日に、BETAが火星から送り込んできた着陸ユニットがカシュガルに陣取る事になる。
TKX-50の標準導入も進んでいる、夢にまで見た万能砲弾まであと少しだ。
そんな事は露知らずターニャは彼女の精神の不和、その恐怖心の因果を思考していた。
...BETAに対して、正面から激突しても彼女が負ける事はないだろう、だというのに何故そこまで恐怖するのだろうか、私にはその理由が分からない。
得体の知れない人間だった彼女達、短い熟考の末に導き出した結論はこれまでの行動に完全に反するモノである。
「月は捨てる事にする、地上での通常兵器によるBETA殲滅を遂行しようと思う。」
「5年も連続して大量の資金と人材を投入したのか、大赤字だな、これまでの投資が全てパァだな。」
「構やしない、要員の回収の準備を急ぐぞ。」
「となると拠点はステーションになるな、合衆国製の施設を間借りする必要がありそうだな。
...それで構わないと?」
「何もそこまで強調せずとも、別に問題ないだろう必要なんだからな。
...関係は険悪ではあるが費用は国連持ちだし、駄目だったら新しい宇宙港を建設するし。」
タスマニア島の超大型マスドライバーの建設も進んでいるしな、必要となれば新しく建設すればいい。
「軌道エレベーターは導入しないのか?」
「必要性は感じない、駆逐艦でも地球の地表から月面に向かい帰ってくる事ができるんだ、わざわざ中継地点を作る必要はないだろう。
...それにだな、まだワイヤーの正式な選定すらできていない今いきなり完成させる事は難しいだろう、国連も合衆国も実用化しあぐねているところだ。」
ついこの間も理由は不明だが破壊されたユニットが太平洋に落着しただのという話を聞いた、というか軌道エレベーターは策源地であり、それを必要としない私達や前線国家はマスドライバーで十分なのである。
...いらないかと問われれば嘘になるが、それを月で私達は代用しようとしていたのだから、その月が無くなった今用意する必要はあるかもしれない。
その時はギルバート諸島に建設するとしよう、連合王国改め英国政府との交渉を進めておくか。