沢山の絶望をあなたに 作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア
ソ連はウラルまで押し込まれたけど、そこで何とか生き残ってるみたいだし、中国はまだ四川にまで前線が届いてない。
しかもモンゴルにもまだハイヴ立ってないからね、どうもBETAの侵攻は頭打ちかね。
「親父そろそろ一度連邦共和国に行くか、一応テロメアは伸ばしてるがもう100歳超えてるんだもんなぁ、私も70手前だし祖国が恋しくなってきた。」
「遅いぞ、にしてもエレナは全く歳を取らんな、もう70になるのか。」
眼光は未だ衰えず、そして身体の不調もないか、そしてジョークを飛ばす余裕はあると。
「悪かったって存外時間が経つのは早くてさ、でも個人的にはもう少し年は取りたいんだ。」
「そのままでいいと思うが...
何だったか、丸々と太りたいんだったか。」
「そうそう恰幅良くなって『どうだ明るくなっただろう?』って、ターニャに身長も越されちゃったし、一企業グループの頭領としてもう少し威厳が欲しいんだよねぇ。」
「エレナはそのままでいい、ワシにとっては最初で最後の一人娘だからな、いつまでも可愛らしい姿なのは悪い事ではない。」
私の事を20にもなっていない貴族の令嬢か何かと勘違いしてないだろうか、まあ確かに肉体年齢はその程度だが。
「未だ良縁はなしか?
何十年も前からそろそろ孫を抱きたいと何度もいっておろう、この親不孝者めが。」
「勘弁してくれって、精神的な同性愛はちょっと無理。」
「誰が自分で産めと言った、生やす事ぐらいはできるじゃろう。」
「ちょっと親父?!何か大事な部分が拗れてない?!」
もしかしたら親父は限界なのかもしれない、ボケ一歩手前か、120を越してF◯TANARIを妄想してしまったか。
...哀れなり、これが参謀本部の叡智()か。
下の方も元気そうだな、ワンチャンス私の娘or息子ができるより先に兄弟が生まれそうだ。
親父の言葉に『でも確かに、それならアリか。』そう思ってしまったのが何か嫌だ、親が親なら子も子である。
私の理想ってどこかズレてるわ多分...
ただの下品なド畜生かもしれない、そら親父も今のままがいいって言うわ。
私のそれはただのコミュ障童貞の粋がりである、そこんところが可愛らしいのかもしれないが。
...私はまだまだ子供だな、全く頭が上がらんよ。
「アッハッハ!!まだまだ子供だなエレナよ!!」
「クッ...できらあぁ!!」
そんな当たり障りしかない談笑をしていたところ、裏から使用人がやってきた。
...待ち切れず国連から来たか、ようやく我らがハイマートへの帰還が果たせそうだな。
「ヘレン...いえエレナ様、お客様がお待ちです。」
「分かった、今すぐ行く。」