沢山の絶望をあなたに   作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア

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世界の夜明け前

世界最大の宇宙ステーション、否世界初の超巨大スペースコロニーにて航空宇宙軍の主力たる戦艦や駆逐艦が大量のAL弾及び戦術機を収容していた。

 

総数は戦術歩行戦闘機だけで2400機に及ぶ、戦術歩行戦闘攻撃機を加えれば2600機を超し、全て第二世代機以上の戦力で構築された軌道戦力は確実にオリジナルハイヴを撃破可能とする陣容だ。

...そして、横浜より接収された超兵器XG-70d 凄乃皇・四型が中心に在った。

 

 

「どうかな香月博士、XG-70dの乗り心地は。」

 

「家じゃないのよ?」

 

 

中には下水道にコンロ、果てに冷蔵庫までもがそこに収容されていた。

 

 

「凄乃皇を別荘か何かと勘違いしているわよね」

 

「まあまあ、気にしたら負けだよ。

ほら、各武装の調子を確認して欲しいな。」

 

 

荷電粒子砲一門

2700mm電磁投射砲二門

120mm電磁投射砲八門

小型VLS36基

大型VLS16基

36mmチェーンガン12門

が既に搭載されていた

原作では整備が間に合わず36mmチェーンガン六門・小型VLS・大型VLS・荷電粒子砲一門のみであった、だがこの世界において既に完全整備状態となっており、双発のムアコック・レヒテ機関によって荷電粒子砲及びラザフォード場の展開そして各種補助武装の同時運用が可能となっている。

 

 

彼女自ら整備したそれは、世界に名立たる天才であっても唸る事しかできない代物であった。

 

 

「見る限り最高の状態ね、何も言う事ないわよ。」

 

「ならよかった」

 

「あの戦術機は?

見る限り新型みたいだけど、なんかスパイの真似事みたいで嫌ね。」

 

不意に目にした戦術機は、どこか1号戦術機の面影がある。

だが明らかに性能も武装も何もかもが違う、軌道展開能力を有し専用の長刀や突撃砲に加えて戦術機専用の外装型の航行ユニットなんて代物はあっただろうか。

...加えて国連軍でも見た事も聞いた事もない独自の追加装甲に支援砲、考えるまでもなく共同体の新兵器群だ。

 

「ああアレね、少し前に私が開発した第四世代戦術機だよ。

光線級のレーザーを回避もしくは防御して反撃する能力がある、今回はオリジナルハイヴ攻略用の予備戦力というか陽動に用いられる兵器だよ。」

 

 

馬鹿げていると思ったのは彼女だけじゃない、ターニャも同じ事を思っていたから。

...だがそのターニャの戦闘情報を基に整備された機体なのだからターニャも呆れられる側の存在なのだ、その事を察した彼女も何も考えない事にした、その中に自分の因子(情報統合学)を感じ取れたから尚の事口を噤む。

 

 

「一人で戦車に戦術機に各種兵器の開発を行えるなんて...

頭の中どうなってるのよ、私のしてきた事なんて本当に児戯にも等しいじゃない。」

 

「そこは否定させてほしいな、実際博士は別世界だけど00ユニットを完成させていたし、以前にも試製99式電磁投射砲の開発とか色々携わっていたじゃないか。」

 

「00ユニットなんて()()作ってないし、あんな木偶なんて私が居なくても近衞が作ってたわよ。」

 

「だとしてもだ、博士じゃない限り対BETA諜報員を生み出してから情報を奪う事なんてできなかったよ。」

 

 

私が生身で過去にした事は口にしないでおく、普通に伝える必要のない事だから、嘘も方便である。

...何度も同じ手段を用いる行為は危険極まりない、重頭脳級同士での情報の伝達は行われていなかったみたいだけど、既に二度接触しているしそろそろ対抗手段を用意してきても不思議じゃないだろうからね。

 

 

「生身でそれを2回もしたアナタが言うと、すっごく不愉快ね。」

 

「...いや道行が大事なんだぞ?!

そもそも博士が居なきゃ私もそこに居るターニャもこんな作戦を平和に実行する事はできなかったし、自信持ってくれよ。」

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