沢山の絶望をあなたに   作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア

69 / 77
次の戦争へ

地球にて次々とハイヴが攻略されている、それらを前線国家に任せ共同体・合衆国・国連は月面及びスペースコロニーを拠点として、火星のハイヴ攻略を目標としている。

 

その最中、各国では次世代新型機の開発が邁進されていた。

 

第四世代戦術機

0〜1G環境下での運用を可能とする

外装式の航宙ユニットを装備することによって軌道展開能力を獲得し、携帯型の高出力荷電粒子砲及び電磁投射式の標準化された突撃砲、そして専用に開発された近接戦用長刀が装備可能。

 

共同体にて運用されている第四世代戦術機と同レベルの代物を、国連や合衆国の列国は開発していたのである。

 

その最中共同体では、第四世代戦術機を上回る第五世代戦術機を開発していた。

 

 

「どうだいユウヤ・ブリッジス君、世界初の第五世代戦術機である2号戦術機の乗り心地は。」

 

「0号や1号とあまり変わらないな、ただ感じるGが弱いのは何でなんだよ。」

 

「ラザフォード場で機体にかかるGを軽減しているんだ、大体3から5分の1ってところかな。

...だから10G以上の負荷を出しても、強化装備なしでそのまま戦闘できる。」

 

 

ユウヤは現在ワイシャツに短パンという、戦術機に搭乗するには考えられない服装でその機体を操っていた。

 

 

「Lightning IIみたいな固定式の近接格闘兵装はないのか?」

 

「ない」

 

 

彼女の凛とした顔にドン引するユウヤであった、いや『近接格闘戦を考慮しないでマトモな戦術機は作れないだろ』と。

 

 

「TYPE-00やSu-47までとは言わない、せめてLightning IIに並ぶぐらいの近接兵装は必要だろ。」

 

「道理だな、重力場が頼りにならない場所で近接兵装を持たずにハイヴで戦闘をこなすなんて事は不可能だしね。

二つの跳躍ユニットに短刀と長刀が一つづつ、合計4本備え付けられている、無論手で掴んで扱う事もできるし、空力を有余した設計だから使い方次第じゃ化けると思う。」

 

「TYPE-94か?いやF-14を意識したのか?」

 

「0号や1号とは違い最初から付属してる豊富な近接兵装と高度な各種センサー群の同時搭載、そして高い格闘戦能力を設計段階から付与している。

...ここから外装式の航宙ユニットや多目的追加装甲、そして電磁投射式の突撃砲や荷電粒子砲を装備可能とする。

勿論近接戦用のブレードベンや反応装甲、そして迫撃砲や榴弾砲に重砲、そして長距離誘導弾もアタッチメントとして選択可能だよ。」

 

 

重力場を利用して爆発等を偏向させたり、1分間レーザー級の最大出力照射や、重レーザー級の最大出力照射を8秒間防御可能とする事ができる。

...そして地球上のあらゆる環境にてマッハ1以上の速度で巡航可能とする、真空空間にても例外ではない、水中でも一応音速ほどじゃないが中々の速度で運用できる筈だ。

 

 

もちろん重力場を利用して無理矢理構造物を破壊したり、BETA等を無理矢理引き裂く事も可能だから選択肢は無限に等しい。

 

 

彼は頭を掻きながら答える

 

 

「これ、俺が開発に携わる必要はあったか?」

 

「私とターニャには魔法である種使い慣れてる技術だけど、大半の人にとってはそうではないからね。

効率のいい重力場の運用方法とか色々と纏めて欲しい、そして空力の利用を先のXFJ計画で深く学んだ君にしか、この機体をマトモに使える代物に昇華させられる人物が居ない。」

 

「そこまで言われたらな、閣下には借りもあるしな、煮るなり焼くなり好きにしてくれ。」

 

「言ったな?

なら、新型OSの開発者になってもらおうか。」

 

「どうしてそうなる?!脈絡がなさすぎるぞ?!」

 

「戦術機の先行入力とキャンセル・コンボだ、XM3って新概念OSだが、そのシステムを香月博士に作ってもらった。

例えば操作の補正や着地時における安定性に偏重した動きをキャンセルして、次の動きを予め入力しておき、ボタンやペダルを操作する事によって予め登録していた機動や攻撃を出力する事ができる代物だよ。

...つまりこれがあれば、極論だけど新人衛士が米国の最精鋭インフィニティーズと同じ戦いができる様になるんだ。」

 

 

少しシュールな光景になってはしまうが、理論上は『全ての戦術機が地表にて反転したまま飛行して敵戦術機を狙撃する事ができる』と理解させられた彼はその有用性をその場で理解したのだ。

 

理論上ではハードの改良もなしにF-4系列機がF-22Aに匹敵する機動砲撃戦能力と、不知火に匹敵する近接格闘戦能力が得られるのだ。

...無論近接兵装・ステルスの壁・跳躍ユニット等のハードの壁はこのOSだけでは変えられないが、このOSがあるだけで迫るものとなる、その有用性は将来において戦術機の標準装備となる機能だと確信できた。

 

人の身では銃撃戦を行いながら近接戦闘への移行の判断をしつつ、重力場を操るなんて芸当は不可能だ。

...それを解決するために先行入力とコンボ、そしてキャンセル機能が必要なのだ。

 

そしてそれだけじゃ遂行できない任務の為に、各種アタッチメントでハードの改良を可能にすると。

...考えなくても体と魔法の両方を最適に動かせる女史と、思考資源の制限のない閣下にはできない仕事か。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。