沢山の絶望をあなたに   作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア

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皇帝の復権

ワルシャワ条約機構にて、否ベルリンにてゲオルグ・ザクセン・フリードリヒと呼ばれる人物が皇帝として戴冠した。

 

ベルリン戦域にて魔導師として古代の魔法を扱う彼は大きな戦果を挙げていた、超能力者である魔導師であれただの歩兵としての戦果としては異様の実績であった。

...無数の小型種及び中型種、そしてレーザー級や要撃級のみならず100以上の重レーザー級や要塞級を撃破していた。

 

真偽は何であれ彼は、帝国にて発展していたMP能力である魔導を色濃く受け継ぐ帝室の血筋であるのは確かなのだ。

国内外問わず多数の支援があった、戦時中にて強い祖国を求めた人達の後押しで、そして今度こそ『先の大戦での雪辱を果たさん』と、そういった狂気の中で担ぎ上げられたのだ。

 

 

疲弊したドイツ、なれどその陣容は単独で先の大戦と同様に連合王国や共和国そして北欧を併せた戦力よりも多い。

東方にあるのは連邦ではなくそれよりも恐ろしいBETAだが、オリジナルハイヴという司令部を失ったただの残党であり、さしたる脅威ではないため240師団程度、そして十数年という平穏にて960師団を動員した帝国軍は残る720師団を全て西方に投入していた。

 

レガドニア協商連合は120師団、共和国は520師団を動員し、連合王国とイルドア王国は160師団の軍勢を展開している。

 

総戦力では220師団ほど劣っている、だが此度の大戦は先の様な多対一の戦争ではなく同盟も協調もない乱争だ。

...その中で唯一東方のBETA支配領域という隅を手に入れた帝国に、正面から対抗できる戦力を有する国は欧州に存在しなかったのである。

 

唯一先の大戦の様に合衆国が戦略核兵器やG弾等の大量破壊兵器を用いて、都市を完全に消失させる事ができれば展開はそのままの筈だった、だが合衆国はアメリカ大陸や太平洋で多方面戦争を展開しているため、先の大戦と違い彼らは自前で用意できる物資及び兵員のみで抗わなければならないのだ。

 

故に彼らは、目前に存在する世界最大の軍事帝国を撃破する為にあらゆる手段を講じた。

新鋭の第五世代戦術機に世界最高クラスの演算能力及びアクセス能力を有する00ユニット、そして戦略級の超長距離射爆ユニット足り得るマスドライバーまで各々が必要とするとしていた物資や兵員を用意していた。

 

ただ、ワルシャワとの国力差は埋める事ができなかった。

欧州列国全てとワルシャワが総合的に対等なだけで、ただ一つの国として単独で対BETA戦争の遂行が可能な国を相手に勝利する事はできなかったらしい。

 

空が三割・血溜まり七割と呼ばれたライン戦線は欧州全体に波及していた、北海からドーバー海峡そして旧帝共国境からイルドアと旧帝国の国境にまで。

軌道要塞から戦術機そして超水平線砲やマスドライバーに軌道爆撃それらが総動員されている、無論ワルシャワの負った損害も少なくはなかったが、それらを一元化して運用できるワルシャワ条約機構の勝利は揺るがなかったのである。

 

イルドアとはシチリア島での睨み合いとなり共和国は本土を喪失しカナダへ政府が亡命、連合王国とは海上及び軌道上での戦闘が中心へ推移していった。

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