沢山の絶望をあなたに   作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア

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月軌道にて

「合衆国の狙いは月面のH00ハイヴ跡地にあるリプスキー(Lipskiy)基地、そして月面恒久基地プラトー1の破壊なんじゃないか。」

 

 

...H00リプスキーハイヴは確かにウチ(共同体)の影響は強いけど国連のだろ?

それに月面恒久基地プラトー1に限っては合衆国が音頭を取ってるじゃないか、何をしたいのか分からないな。

 

 

「なら好きにさせるか、月面を囮にして敵部隊の撃破を優先しよう。」

 

 

彼らが国連と戦争をする道を選ぶとしても私がする事はないな、オルタネイティブVIの目的は通常兵器によるハイヴ攻略と地球からのBETAの痕跡の抹消だから、月面がどうなろうと知った事じゃない。

...火星含む他惑星や衛星のBETA駆除は提言したのは私だし2号戦術機の提供含む多くの支援は行なったけど合衆国等から君達を守るとは約束していない、私は私の味方なんだよなぁ(彼女に実権握られてる国連宇宙軍カワイソス)

兵器いっぱい欲しいんだったらさ、給付金アテにしちゃだめじゃない?

自己防衛、投資、あと惑星開拓、地球脱出だよね。

だから国なんかアテにしちゃだめよ、アテにするから文句が出るわけでしょ。

...それでも戦力まで求めるなら私に庇護される立場に甘んじておけやゴラァ!!

 

 

「意外だな、月面基地の死守に動くと思ったが。」

 

 

目的は月面にあるH00の重頭脳級の標本とかだろうしね、例え奪取されても運用はできない代物だし、蛋白質含む各種物質は分解及び置換を済ませているから、得られるモノは何もない。

...んで重頭脳級の諸々の情報はあるがそれはくれてやってもいいと思っている、ウチだけ持ってても不平等だし全員がG弾を使えれば使わんやろ的な相互確証破壊は将来的に構築できる筈だからな。

 

てか全て公開してるんだけどね、彼らによってその裏が取れるとなれば追々面倒も減るしどうでもいいか。

 

 

「別組織だよ共同体と国連は、同じくワルシャワもね。

ワルシャワは親父の支配下だから合衆国や国連そして日本や連合王国からすれば共同体と同一組織だが、武器弾薬兵器もほぼ全て共通してるしね、国連も宇宙軍に関しては駆逐艦に戦術機とドップリ頭まで浸かってるもんなぁ。」

 

「傀儡にも等しいじゃないか...」

 

「だとしてもだよ、手足はウチのでも頭はそのままさ。」

 

「一番タチが悪いな、制御不能で反感も抱かれるその上彼らは我々を盾にして交渉を無理やり通すから嫌われる訳だ。」

 

「むくー...」

 

 

ターニャは一度熟考に入る、たかだか情報の揃っている重頭脳級の為にあの国が軌道要塞や新鋭の戦術機を投入するのか。

...それは有り得るなと思ったターニャであった、あの国は無意味な戦争を定期的に起こすから。

 

 

「...うん?」

 

 

目の前にいる彼女が、()()に気付いたらしい。

 

 

「今度は何が脳裏に浮かんだんだ?」

 

「合衆国の狙いはターニャの戦闘記録なんじゃないか?」

 

「...はぁ?!」

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