沢山の絶望をあなたに 作:エレオノーレ・フォン・ゼートゥーア
「第九世代戦術機開発かぁ...どうするかねぇ...」
私の無限の思考資源それを活用するにはだ、雛形でも手本でも何でもいいから目標たる形がないといけない。
例えば0号もただのMMUから1世代戦術機相当の性能にグレードアップさせた後に第2.5世代相当の戦術機に改修する事ができた。
同じく最初から第3世代戦術機相当の性能を有する1号も戦闘機と攻撃機のいいとこどりして改1号として改修したり、軌道展開能力を付与したりして第四世代戦術機相当の機体として魔改造したりもした、私の頭脳なら費用の高騰を抑えてそれくらいの事ならできるのだ。
だが何も先が見えない今、新たな次世代戦術機たる第九世代戦術機の開発と生産を行う事ができないのだ。
...例えば明確な指針があれば簡単に開発が進む、例えば第八世代戦術機の様に、0~3G環境下での運用及び完全循環型生命維持装置の搭載や重力勾配航法と短距離空間跳躍の併用による単独惑星間展開能力等々とな。
だがそれでは足りない、負けてしまった未来では何が必要だろうか。
...強いていうならば原作にある桜花作戦、その際に投入されたBETA戦力をどれくらい少数の兵力で撃破できるだろうか。
小型種及び中型種を含めれば恐らく10兆匹程であり、その内投入されたBETAの数が1兆匹程度だと考えられる。
勝手な想像だが戦車級が8兆程だろうか、要塞級や母艦級そして門級含む各種部材で1兆ぐらい、もう1兆が要撃級や突撃級や光線属種そしてその他の小型種かな。
無論これは桜花作戦に向け総動員されたBETAの戦力だ、普段はこんな馬鹿げた数のBETAは存在しないだろうけどな、本来の10分の1から25分の1ぐらいだろう。
...それでも1つの惑星に1兆という数の兵器を運用する陣容は未だ人類には生み出せない圧倒的な指揮能力だ、その戦力を前に人類は精鋭兵と高性能兵器の組み合わせによって正面からドミノ倒しにするかの様な戦闘を続けていた。
無論それでも追い込まれていたがな、理由としては常に最高の状態で兵器を運用できないから。
...4機のF-4を1機で対処可能なF-15が4機居ても1機で対処可能な不知火を筆頭とした第三世代戦術機でも、その性能を最大限に発揮できなければ当然の帰結である。
理由としてその性能を完全に発揮するには、人間の思考資源
...全戦術機乗りがその性能を最大限発揮するには、アルフレッドやユウヤそしてテオドールや尚哉に匹敵する才能が必要なのだ。
ただ人類がBETAや私の手を借りずに永久機関を手にする事ができる今なら、これらの条件を打破できる。
...一応自分の中で次期主力戦術機に相当する代物を出力してみたが、BETAよりも悍ましい
それはハード的な問題ではなくソフト的な問題、私の様に資源使用量が文字通り無制限ならば問題にならないが、まあ特別な私以外の人間は違うのだ。
...普通の人間には腕と脚は二本づつしかないし跳躍ユニットで空も飛ぶ事はできない、この違和感を完全に補完できる人間はそうそう居ないのだ。
ただそんな彼らと違ってアイデアがポンポンと生まれてくる人間じゃないのだ私は、精々現場の声を参照しつつ技術部や開発部に色々とアイデアを強請り、それに将来性のある機能を付け加える事ができる様にするぐらいだ。
超重光線級による極大出力照射及び、重頭脳級の触手による侵食能力を無効化を可能とする複合障壁の展開、同様の性質を有し無効化する事を可能とする複合粒子素材を採用した装甲と近接兵装の運用。
...複合量子式無制限の超長距離瞬間転移能力の獲得、散乱的な量子的相違性の修復能力付与、100年連続無補運用能力の賊与といったところだろうか。
「生まれた直後から死ぬまで戦わせる兵器か、常軌を逸してるな。」
「たった100年だ、今なら人類メロテアなりを修復する事で1000年以上生きる事が余裕でできるからな。
...誤差みたいなモノだよ、ほんのちょっとしたね。」