マスキッパと私   作:スナエ

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30年の旅路と、これから

 30年、か。

 私がポケモントレーナーになってから、30年が経った。

 一番の古株はゴーストである。

 私は、ゴーストは家族という感じがしていた。

 相棒は、マスキッパである。

 マスキッパは、ポケモン生態学者の私の助手だ。

 私は、シオンタウンで生まれ、ノモセシティに研究所を構え、カロス地方やガラル地方を旅して、テーブルシティのアカデミーで特別講師をしている。

 そろそろ、バカンスで綺麗な海へでも行こうかな。

 アローラ地方がいいだろうか? いや、別の地方もいいな。

「次は、どこへ行きたい?」と、私はマスキッパに尋ねた。

 

「すきゅきゅっ!」

 

 マスキッパは、くるりと回る。

 

「まあ、一緒ならどこでも楽しいだろうがね」

「すきゅ」

 

 私もマスキッパも湿地が大好きだが、美しい海も大好きだ。

 シオンタウンの南には、釣りの名所があったし、私は水に親しみがあるのだと思う。

 ゴーストとドクロッグも水が嫌いということはないし、みんな連れて行けるだろう。

 せっかくなら、知人のホエルオー骨ポケモン群集の研究者と過ごすのもいいな。

 ん? そうなると、結局は研究をすることになるのでは?

 まあいいか。私は、どこまで行ってもポケモン生態学者なのだろう。

 そうと決まれば、さっそく連絡した方がいい。

 私は、スマホロトムを取り出し、知人と通話することにした。

 

「やあ、久し振り。元気にしているかい?」

『久し振り! 元気だよ! この前、ホエルオーの死骸を見付けてから、大忙しさ!』

「楽しそうで何より」

『それで、なんの用なんだい?』

「いや、君のところにお邪魔させてほしくてね。いいかな?」

『もちろん! 共同研究でもするかい?』

「いや、私は私で研究する。そちらにも湿地があるだろう?」

『ああ! いつ来る?』

 

 知人は、ずいぶんと乗り気らしい。

 私たちは、日程をすり合わせた。

 

『それじゃあ、待ってるよ!』

「ああ。楽しみにしているよ。では、またね」

 

 通話を切る。

 

「さてと」

 

 旅支度を始めよう。

 服装は……いつもの白衣でいいか。その下にバカンスっぽいシャツでも合わせれば、それで。

 白衣を着ていないと落ち着かないからな。

 あとは、ダイビング道具は……貸してもらえるだろう。

 研究資料のデータと、計測器と、そのくらいかな。

 

「よし」

 

 これで大丈夫。

 さあ、新しい冒険をしよう。私のポケモンたちと一緒に。

 私は、パルデア地方を後にし、未知へ向かって歩き出した。

 知るということに、果てはない。

 私の旅は、研究は、生きている限り続いていくのだから。

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