ポケモン世界、問題多し   作:前途多難な転移者

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お久しぶりです、少し悩みましたが話が纏まりました


死者への手招き

 

「最低でも三匹は欲しい所だねぇ…」

 

ボクレーとラルトスをボールから出して戯れていたら、カエデがそう呟く

 

「なぜなんです?」

 

そう問いかけると、カエデは答える

 

「それはね、ここメイガイ地方では…」

 

そう言いかけた時、辺りの空気が急に冷え込む

 

先程まで居た虫ポケモンや鳥ポケモンも、何かから逃げる様に遠ざかって行く

 

ボクレーはドクロを抱えて蹲り、ラルトスはふわりと浮かぶと、辺りを見渡し警戒する。

 

「…っ!?嘘、まだその時間じゃないはず(・・・・・・・・・・)なのに…なんで…!?」

 

カエデはそう言うとボールからポケモンを出した

 

「クォン!」

 

出て来たのはよく知る姿のルカリオと

 

「こぉーん!」

 

白く、尻尾が先でくるりと丸まっている…アローラキュウコンだ。

 

二匹は警戒態勢を取り、いつでも攻撃出来る様に構えている。

 

それとほぼ同時に、森に霧が出て来た。

 

「カエデさん、これは…!?」

 

「メイガイ地方には、特定の時間になると島の死者に対して、『死者への迎え』が来るの」

 

そう言うカエデの額には汗が滲み、足は震えている。

しかし、その目には怯えがあるものの、立ち向かう意思が灯っていた。

 

すると、いつから居たのか、霧の中に人影がぽつり、ぽつりと現れる。

 

時間が経つ毎に増えて行き、カエデとカナエを囲む様に、10人の人影が現れる。

 

「そして、その『死者の迎え』をするのは…ゴーストタイプのポケモン…!」

 

人影が揺らめく

 

霧の中から現れたのは

 

「ギ…ギギ…ギッ…!」

 

「ギガ…ギギギ…!」

 

人型の土塊と、一振りの刀だった。

 

土塊の目に当たる部分にはポッカリとした空洞があるのみだ。

 

一振りの刀には鍔の部分にギョロリと一つ目がある。

 

「コイツらは、『死者の迎え』をする中でも、弱い部類よ。でも油断したらやられる…それに、コイツらは強い相手に対してより強くなる特性がある…!」

 

「コイツら、ポケモンなんですよねっ!?」

 

ジリジリと、近寄って来るポケモン達にラルトスがひのこを放つ

 

しかし、ひのこが当たろうと平気な風で寄ってくる。

 

「ええ、コイツらはヒトツキ!見た目通りのじめん・ゴーストタイプよ!」

 

「ギ…ギ…ギャァァ!!!」

 

ヒトツキ(メイガイの姿) タイプじめん・ゴースト

 

ヒトツキの一体が飛び上がり、その刀身に炎を纏わせて、ルカリオへと切り掛かる

 

ヒトツキの"むねんのつるぎ"!

 

「じめんタイプなのにほのお技!?」

 

「本体が刀だもの、ルカリオ、ボーンラッシュ!」

 

「クォン」

 

ルカリオは冷静に波動で骨を生み出すと、ヒトツキの攻撃を受け止める。

 

そのまま鍔迫り合いもなく弾き返すと、返す様にヒトツキの土塊で出来た人型へボーンラッシュを叩き込む

 

土塊は砕け散り、ヒトツキの目がギロリとルカリオを睨み、再びむねんのつるぎを放つ

 

「避けてヒトツキへボーンラッシュ」

 

カエデの指示通り、ルカリオは最低限の動きでむねんのつるぎを回避し、お返しと言わんばかりにヒトツキの目に向けてボーンラッシュを叩き込む

 

「ギギャァァァ!!!」

 

人の悲鳴とほぼ変わらない鳴き声を上げ、飛びかかったヒトツキは逃げる様に去って行く。

 

周りのヒトツキ達はそれを見ても動かず、逆に逃げて行くヒトツキに対して呆れている様な目をしている。

 

そもそも複数体で囲んで来ているのに、全員でかかってきて居ないので少し不自然だ。

 

よく見れば、ヒトツキ達は自分を見ている様だった。

 

細々と動く事はあれど、こちらを襲うという素振りはない。

 

警戒するカエデとルカリオとアローラキュウコンに対して、ガタガタ震えるボクレーとやんのかコラ!とすぐにでも攻撃しそうなラルトスを抱えている自分

 

そんな硬直状態が長く続くのだろうかと思ったその時

 

「ギー…」

 

数分程経っただろうか、一匹のヒトツキがじっとこちらを見た後、『時間を無駄にした』という様な目と仕草をしてこちらに背を向ける。

 

そのまま霧の奥へと進んで行くヒトツキ達と共に、霧も薄くなって消えて行く

 

そして、霧が完全になくなり、先程まで居た山の中に戻った。

 

空を見れば夕焼けになっている。十数分と思っていたが相当時間がかかっていたようだ。

 

「…今日はもうダメ、早く下山して帰ろう。私が先導するから離れない様について来て」

 

「わかった」

 

そのまま、カエデとルカリオ達が周囲の警戒をしてくれたのもあってか、ポケモンに遭遇する事もなく山を降りる事ができた。

 

山を降りた先で、ミヌサキさんが待っていた。

 

「随分と長い時間が経った様じゃの…大丈夫だったか?」

 

「うん…なんとか大丈夫…それより、おじいちゃん」

 

カエデはそう言うと、ミヌサキさんへ先程起きたヒトツキの件を話した。

 

「…なんじゃと?…カナエ、キミは今日ウチに泊まりなさい。そして、夜間は外に出てはならんぞ」

 

「…わかりました」

 

真剣な顔で告げるミヌサキさんに、自然と頷いた。

 

 

 

 

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