そこでいきなり凄い人物と出会う…
そして衝撃的な事実まで!
【1章】
〔紫と優〕
今少年は優と一緒に人里に来ていた。
人里は読んで字の如く、人間が住む里だ。
実は人以外も住んでたりするが、実際 気付いて無かったり、人里の皆から受け入れられてたりする。
そんな様々な交流も含めた場所なのだ。
人の服装、建物の形からして時代的にあまり古くは無く、外国からの品が入って来てる時代らしい。
「ここに入ろう」
優が少年を引っ張って店の中へ入る。
中の風景はやや古風だが新しくもあり、とても中途半端である。
優が まあ座れよ と言うので、少年は近くの空いてる座敷に座った。
「どうだぁ? なかなか賑やかだろぉ?」
優は座敷に座りながら笑顔で少年に言う。
「あまり人の居るところ苦手なんですよね、僕」
少年は肩を竦めてそう言う。
「そうか、まあそれは仕方ないな。んで、とりあえず…お前の名前は?」
「僕の名前は
「園岾 晃太 か。意外と普通だな、俺の名前は…」
と、突然 優は晃太の耳元で囁く。
「・・・だ」
「へぇ…って、えっ? さっき優って…」
「あれは俺の自称名だ。本名はそれだ。教えたのはお前で二人目だ」
「そうなんですか…」
「間違っても誰かに言うなよ。俺の大切な名前だ、バカにされたら困る」
優は晃太に名前を言わないよう念を押す。
そんな言ったら死ぬワケじゃ無いのに…まあ、言われたら言われたで約束は守るけど。
「わかりました。誰にも言いませんよ、絶対に」
「ならよろしい。じゃあとりあえず何か食おうぜ」
優が注文し出した。その時だった…
晃太は背後に異常な冷たさを感じた。
恐る恐る後ろを振り向くと…
「あれ?」
誰も居なかった。
何だ、気の所為か。
晃太はホッとして前に向き直る。と…
目の前に見た事が無い西洋風な服装の女性が座っていた。
まず晃太は少し硬直し、目をパチクリさせてから…
「うぅわぁッ!!?」
びっくり仰天した。
「初めまして」
「だだだだだだだ誰ですか!」
女性の軽い感じな挨拶にも驚いた晃太はオドオドしながらも女性に訊く。
と、そこへ注文を告げ終えた優が戻って来た。
「あ、紫ぃ。何時の間に居たんだ?」
「ついさっきよ」
晃太は知った顔のように話し掛ける優にも驚いた。
「あの…二人とも、お知り合いですか?」
晃太は優と紫に訊く。
「あぁ、実はな…夫婦なんだ、俺達」
「へぇ…夫婦……はいぃ⁉」
晃太は時間差で驚愕する。それはいきなり現れた女性が知り合いの男と夫婦だと聞けば誰だって驚くだろう。
「マジですか…⁉」
「本当だぜ。なあ、ゆかりん♪」
「えぇ。あ・な・た♡」
光景的にお見苦しいぞ あんた達…
晃太はひっそりとそう思った。
「まだ自己紹介してなかったな。この人は
「以後、よろしくね」
晃太は黙って会釈だけした。
「それで、実は用があってあなた達の前に現れたの」
突如 紫が切り出す。
「あなた達に探してほしい物があるの」
「探し物か? どんな物だ?」
優が紫に訊くと、紫は真剣な面持ちで言った。
「スペルカードよ…」
紫の言葉に首を傾げる晃太と、一体どんなスペルカードなのか気になる優。
スペルカード? 何だそれは…?
紫がスペルカードを探してほしい? 何かあるな、こりゃぁ。
紫は続けた。
「ただのスペルカードじゃないわ。零のスペルカード、“はじまり”を探してほしいの」
「はじまり? 何だそりゃ?」
「私が幻想郷を創る前から存在したとされるスペルカード、それが“はじまり”よ。誰が創ったのか、誰が使ってたのかさえわからない。名前もこちらが勝手に付けたもの。けど、一つわかるのは…幻想郷を一瞬で滅ぼす力を持ってるわ」
何がなんだかさっぱりな晃太をよそに、優と紫は話を進めた。
「滅ぼす? やべぇじゃねぇか。何で、はじまりなんて名前を付けたんだ?」
「名前の意味は破壊を司るからよ。滅ぼすほどの力は創造をも生むのよ」
「破壊こそが最大の創造か。だからはじまりって名前を」
「更に、はじまりは幻想郷の干渉を長い間受けた者には探せないし、触れる事が出来ない。これはスペルカード自体が生まれたての状態だからよ。創造の力は最も浄らかで穢れてる安定的で不安定な力、だからあなた達 二人にお願いしたいの」
「ちょっと待ってください、二人って、僕もやるんですか?」
紫の言葉に突然 間に入る晃太。
晃太の言葉に紫は勿論と返した。
「だからあなたを幻想郷に招待したのよ。約1億3000万の中からあなたを選んだ、あなたは幸運なのよ?」
「そ ん な 幸運 は ハ ッ キ リ 言 っ て 必要 無 い で す」
紫が微笑みながらそう言うと晃太はありがた迷惑を表面状に口にした。
「まあまあ。ここに来たのも何かの縁だと思って、な」
苛立つ晃太を優が宥める。それに優も同じ外来人だが、晃太とは幻想郷に来た時の印象の受け方が違う。
「取り敢えず、後で話をするから、私の家に来てちょうだい」
「わかった。先に行っててくれ、後で行く」
優が紫にそう言うと、紫は店の外へ出て行った。
直後、優が注文した串団子が来た。
「まあ、先ずはこれを食おうぜ」
そう言って優は串団子を二つ取って一つを晃太に渡して食べ始めた。
晃太も渡されたままに串団子を食べた。
「あぁ~美味かった!」
「美味しかったです」
優と晃太は7本あった串団子をあっという間に平らげた。
そして…
「じゃあ行くか」
「……そうですね」
そして、優と晃太は店を出て行った…
続く
次回は優の能力。
今まで普通だと思っていたそこのあなた、その考えは一気に覆る。
知ってる人は知っている、優の能力とは…