「クソッ!これで最後かよっ!?いや俺は仮にもジャンプの主人公なんだよ。今まで色々な人救ったし、なんなら地球も救ったし?こんな善行してるんだし勝利の女神様も味方してくれるよ。そうだよそうに決まってる。よっしゃ行くぜェェェェ!!!」
・・・・・・
「それで?またパチンコで稼いだお金をすべてスってしまったんですか?」
もうすっかり馴染んできた事務所でえーちゃんに詰め寄られてる銀時。この世界にきてもパチンコはやめらないらしい。
「いやー未来見えてたんだけどな。未来への栄光の架け橋かけてたし、かかってたよ。勝利確定BGMだったんだけどね」
「かけたのは全財産でしょう。それにあなたのかける橋なんて蜘蛛の糸くらい細いじゃないですか」
「ナメんじゃねェよ!俺の糸は燦然と輝く白が見えるくらいには濃く見えてr「次ふざけたらメガネビームで」それだけはやめてください」
恐ろしく速く土下座する銀時。メガネビームとは一体なんなのか。恐ろしきかなメガネビーム。
「ったく。なんでメガネがあんななんだよ。魔改造にも程があんだろ。うちのメガネにも見習ってほしいね」
メガネのことで愚痴をこぼしていると、のどかが部屋に入ってきた。
「あ、銀さん。今日は事務所周りの一帯の見廻りお願いします」
「へいへーい。どーせ不審なやつなんてそうそう出ないと思うがな。街を練り歩くだけで金貰えんのなら楽でいいけど」
銀時の仕事は裏方だけでなく、大事なホロライブメンバーの安全を守るための見廻りなどもあった。あとそれぞれのホロメンのマネージャーとしての手伝いもたまにある、と銀時は聞いている。
「てかあの配信からしばらく経つけど、俺そら以外のホロメンってやつに会ったことないんだけど?大丈夫なのか?」
「あーそれについては大丈夫ですよ。今はメンバーのスケジュールがそれぞれ立て込んでるだけですから。順を追って顔を合わせられるようにしていきますので」
「そォかよ。そいじゃちょいと行ってくらぁ」
「「行ってらっしゃい!」」
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「♫〜♩〜」
うろ覚えの歌を口ずさみつつ、すっかり慣れた街を歩いていく銀時。
「しかしまァやっぱあんま江戸の街並みと変わんねェな。建物は瓦屋根が減っただけで、歩いている奴らもほぼ似たようなもんだし」
この世界ではさまざまな種族が暮らしており、街を歩く様々な種族も宇宙人である天人と然程変わらず、銀時もこの世界に簡単に順応できていた。
「ん?ありゃあ…」
道の先を見れば二人の獣人に絡まれている少女がいた。
「はぁ、どこでもバカな奴がいるのも変わんねェらしいな。メンドーだがしょうがねェ」
これも仕事だと思い、助け舟を出すため歩みを進める銀時。とはいえ仕事でなくてともこの場面に遭遇していたらどちらにせよ助けていただろうが。
ところが、銀時が動くよりも早く、絡んでいたはずの獣人たちが盛大にこっちへ吹っ飛んできた。
「「ぎゃああ!!?」
「ぬおッ!?なんだァ!?」
「かざまの勝ちでござるな!」
吹っ飛ばされた方を見れば和を感じる羽織を羽織りながらも現代を感じるスカートを着た、碧色の目をした金髪の少女がいた。
「な、なんだあいつ。ナンパされてんじゃなかったのか。ってかだったらカッコつけてた俺恥ずかしいじゃん!銀さんめちゃくちゃカッコよく助けに行く雰囲気だったのに!勘違いって!羞恥心で死ぬよ銀さん!…ん?」
ふと少女の後ろを見ると元いた世界ではよく見たものを背負っていた。
「こりゃまた随分と物騒なモン持ってンな」
「ん?あなたもさっきの人たちの仲間でござるか?」
「え?いや俺は…」
「じゃあかざまと一手仕合うでござる!」
「ぬわっ!?」
少女はそう言うやいなや刀を抜き、銀時に斬りかかってきた。咄嗟に銀時は避けるが鋭い刃はさらに追い打ちをかけてくる。
「おいおい!この世界は出会ったら勝負するのが挨拶なのか!?ポケ◯ンの目と目が合ったら勝負より物騒じゃねェの!」
ガキィィンッ!
(!この人……強い!)
銀時も何度も窮地を共にした愛用の木刀で応戦し、刀を弾く。まさか弾かれるとは思わなかった少女は一瞬の隙を晒した。その一瞬は勝負の世界では命取りである。
「!」
いつの間にか少女の首に木刀が添えられていた。これが本当の勝負で銀時が真剣、そして殺意をもった攻撃なら、少女の首と胴は泣き別れだっただろう。
「俺の勝ちでござるな。これに懲りたら誰かれ構わず勝負をふっかけねえこったな」
「な、なんで振り抜かないでござるか。慈悲などいらないです。負けたら潔く散る、それが侍です」
「慈悲なんかじゃねェや。オメェにあげるくらいならペットにでもあげるわ。喧嘩ってのは何か護るためにやるもんだろう。俺はただ俺の
そう言って去ろうとする銀時だったが、少女はへたり込み、顔をうつ伏せ肩を震わせていたため、泣かせただろうかと少し心配になった。
「か……」
「か?」
「カッコいいでござる!」
「はァ?」
少女の目はキラキラと輝いておりすごい眩しかった。
「かざまを弟子にしてください!」
「はァ!?嫌だよめんどくせー!!いきなり斬りかかってくるやつの師匠なんてこえーし!」
「そこをどうにか!」
綺麗なフォームで地面にめり込む勢いの土下座をキメる少女。
「ちょ、ちょっとお嬢ちゃん?そんな道端で簡単に土下座しちゃいかんよ?それにここお外だしね?これ絵面が良くないっていうかね?」
「ちょっとあれ大丈夫なの……?」
「警察に通報した方がいいんじゃない?」
少女が成人男性に土下座しているというヤバめの絵面に、周囲からヒソヒソとざわめきが広がり、訝しむ視線が銀時に突き刺さりまくる。流石に初配信の次が牢屋からの配信は避けたいので冷や汗をダラダラと流しながら少女を説得する。
「だあもう!おい一旦そこのファミレスに行くぞ!話ぐらいは聞いてやるから!」
「ほんとですか!」
侍移動中……
ファミレスに入った銀時はパフェを注文し、少女はうどんとサラダを注文した。
「んで、お前はまず誰なんだ?」
「そう言えばまだ名乗っていませんでしたね。では自己紹介を、ホロライブ6期生、holoXの用心棒の風真いろはでござる!以後お見知り置きを!」
「……」
少女――風真いろはの言葉に銀時は言葉を失ってしまう。この世界に来てとてもよく知っている名前が耳に入ってきてしまったからだ。
「……うん、気のせいだよね?銀さんももう歳かな、耳が遠くなっちゃってるよ。ごめんねもう一回言ってくれる?」
「ホロライブ6期生、holoXの用心棒の風真いろはでござる!」
「やっぱ聞き間違いじゃなかったァァァァ!!?お前ホロライブのメンバーだったのかよ!!てことはアイドルだよね一応!!」
「一応っていうか普通にアイドルでござる」
「アイドルが刃物振り回してんじゃねェよ!!怖すぎんだろ!!」
「いやー、勝負を仕掛けられたのかと思って」
「多分、あの人たちあなたのファンかただのナンパだからね!?」
さっき吹っ飛ばされた人たちを今更ながら哀れに思いつつ、やはりホロライブという企業はやばいところではないかと、顔を手で覆ってため息を漏らす銀時。
「はぁ…まぁいいや、もう。さっきも言ったけど俺は弟子なんかとらねェんだよ。俺にも仕事があるしな」
「でも平日の昼間からぶらぶらお散歩してたじゃないですか」
「うるせェ!あれも仕事の一環なの!てかまずお前俺のこと知らねェのか!」
「知らないでござる」
「……俺も自己紹介な。ったく、自己紹介とか学生時代の嫌な記憶が蘇るぜ。ホロライブスタッフ、そして万事屋銀ちゃんホロライブ支店の社長、坂田銀時でーす」
「……ええええええェェェェ!!?」
銀時の紹介に、ファミレスであることも忘れて大声をあげ驚くいろは。
「も、もしかして最近入ったっていう新しい男性スタッフって」
「俺だね、それ」
「うう、そ、それは失礼しました。いきなり斬りかかったりして……」
「あら案外いい子。それさっき吹っ飛ばした連中にも言ってやれよ。ともかく俺は弟子をとらねえ。わかったな」
「……銀時さんは侍ですよね?」
「あーまあ一応そうだな」
「かざまも侍なんです。さっきの戦いで銀時さんの、その、なんて言うか、魂の光を感じられた気がして。かざまが追い求めている魂、『侍の魂』が私の魂があなたに元にいたら、私も見つけられんじゃないかと思うんです」
そう言ういろはを見て、銀時は共に万事を護ってきた新八のメガネを思い出す。
「はぁ、言っとくが俺はそんな大層なモンじゃねェ。お前が思ってるような立派な侍でもねェし」
「……」
「……そんな捨てられた子犬みたいな目でこっちを見るのやめてくんない?……弟子はとらねェ。だが、俺の雑用の手伝いをするってんなら、着いてきてもいいぜ」
「っ!よろしくお願いします!」
こうして新たな万事屋メンバーが加わったのであった。
「そうえばholoXの用心棒とか言ってたが、そっちは大丈夫なのか?」
「大丈夫でござる。ぶっちゃけそんな危機はあまり来ないし、一応かざまと同じ役割でもある掃除屋もいるでござるから」
「掃除屋って怖。holoXってなんなの?」
「秘密結社でござる」
「ほーん、秘密結社ね。秘密結社……ってオイぃぃぃぃぃ!!!秘密結社が堂々とアイドルやってんじゃねェよ!!秘密もクソも無えじゃねェか!」
「アイドル活動は地球征服のためでござる」
「やっぱホロライブやべーわ」
侍と言えばやっぱ、ござる。
なんか長篇とかもやってみたいですがとりあえず考えられるまでは日常とか書いていき、リクエストももらったので混ぜていこうと思います。じゃんじゃんリクエストしていただけたら嬉しいです。
感想、評価もモチベーションに繋がるので送っていただけたらめちゃくちゃ嬉しく心がたぎります。