二度転生したらスラりんだった件   作:Kut-Ku

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11話 異議あり! クイッ

 

 

 

―――王宮法廷の間―――

 

 

 

 

*リムル・side

 

 

「カイジン及びその仲間は国外追放とする! 猶予は明日まで、それ以上この国に滞在する事は罷り成らぬ。以上だ」

 

 

 王の裁定が終わり、皆で退出していく。

 

「ミラノさん、助かりました。あの胡散臭い奴に罪を偽証されるところでした」

 

「いえいえ、どういたしまして。お兄様にお礼を言ってあげてね。無罪で捕まっている弟を助けて下さいって、良い兄さんじゃない」

 

 法務官でもあるミラノさんにガン詰めされて、アクトーとかいう胡散臭い奴は死刑になった。

 

 まさかベスターも被害者だとは思わなかった。

 

 べスターのサインを使って、色々と悪事を働いていたみたいだな。

 

 次から次へと、出るわ出るわの罪状の数。

 

 もう、誰の裁判か分からなくなってしまった状況に王は激怒する。

 

「そのものを捕らえよ! 詳細を全て吐かせ、貴族共の裏を取れ!」

 

 そう言い放ったあと、王は怒りの余り目の前の机に拳を叩きつけ粉砕してしまった。  

 

 芋づる式に捕まりそうな貴族連中には、南無三としか言いようがない。

 

「偶には頼りになる兄みたいですね」

 

「あら酷い。それじゃーリムルさん、私はこれで失礼しますね。リヴェルさんに宜しく」

 

 クスクスと笑いリムルに微笑む。

 

 そして眼鏡をクイっとかけなおし、軽く手を振り去っていくミラノ。

 

「あんな巨乳の美人エロフといつ知り合ったんだ、あの野郎‥‥」

 

 

 

 他の者が退去した法廷の間で、国王ガゼルと暗部達が密談を始める。

 

「まさか、アクトーが帝国と繋がっていたとはな‥‥。ミラノにはあとで褒美を取らせよう」

 

「内乱に関与していた貴族も数名炙り出せました。流石、”千里眼のミラノ”と言ったところでしょうか」

 

「わしのスキルでも読み切れぬスライムも気にはなるが‥‥今は捨て置け」

 

「はっ! 内乱の鎮圧と、帝国が即座に撤退した理由を探る事に専念します」

 

 

 

 

「ミラノさん、駄目だ‥‥。俺にはママさんという運命の女性が‥‥」

 

「何時まで寝てんだ! この馬鹿っ!」

 

「ぎゃやあああああぁぁーーー! ガボボボ」

 

 怒ったリムルが粘糸で俺を縛り上げ、ボンレスハム状態にしてから顔に水をかけた。

 

「何しやがる! ミラノさんとママさんに引き裂かれる夢見たじゃねーか!」

 

「昨夜はお楽しみでしたねってか? もう昼過ぎたし、裁判もとっくに終わったぞ」

 

 リムルは呆れた顔をして、ランガに乗り頭を撫でている。

 

「ふぇ? すまん、寝過ごした。レンガとか銅のインゴットとかまだ購入してないんだが」

 

「俺も報酬で金を貰ったからな。鉄、銅、レンガと必要なもんは全部買っといたぞ。それより職人たちの紹介だ」

 

 俺たちのやり取りにも全く動じない、ドワーフ4人が並んで挨拶してきた。

 

「よう、愉快なあんちゃんだな。俺はカイジンっていうんだ。カイドウの兄だ、よろしく頼むぜ」

 

「俺はガルムだ、防具職人をやっている。あんたが作る防具も見せてくれ」

 

「ドルドっていいます。細工や装飾が得意です」

 

「‥‥‥ミル‥‥ド」

 

「「喋んのかい!」」

 

 ついリムルとハモってしまった。

 

「俺はリヴェル。錬金術‥‥は胡散臭いかもしれないけど。そういうスキルを持ってるんだ。色々な物を作るのが得意だ!」

 

 「「よろしく頼むぜ、よろしくな、よろしく、‥‥」」

 

 リムルがまたツッコミしてるが俺は4人に転移のルーラのことを教えた。

 

「じゃー最初はリムルと他3人送るか」

 

「あ〜それなんだが、大賢者二人が共同で開発したルーラの改良版があるらしいぞ」

 

「は? なにそれ‥‥大ちゃんから聞いてないんだが?」

 

《肯定。貴方が寝ていたときに改良出来ましたので 》

 

 消費2倍だけど、16人までルーラで運べるのは凄いな。

 

 でも名称が改造ルーラはダサいわ。ミナルーラに変更しといて大ちゃん。

 

「なんか忘れてる気が‥‥? まぁ良いか。それじゃーリヴェルよろしく」

 

「ひどいっすーーーーーー!!!! あんまりっすよ!!」

 

 血の涙を流しながら怒り狂ったゴブタが狼に乗り走り込んできた。

 

「やべっ! 素で忘れてた‥‥」

 

「リムル様もひどいっすけど、リヴェル様は鬼っす! 悪魔っす!」

 

 帰ったら銅の装備一式を作る事でなんとかゴブタを宥めて、ミナルーラで村に帰った。

 

 

 

 村にあるマイホームで二匹のスライムが干涸びていた。

 

「もう名付けは二度としねーぞ‥‥。なんだよゴブ300って、虐待してる気分だわ」

 

「お疲れさん。全部で600人位いたのか? 確かに、番号で呼びたくねーな。村の長達だけは良い名を付けたけど」

 

 村に帰ると名付けラッシュだ。

 

 俺とリムルで分担して名付けをしたが、被るとまずいので俺は数字を使う。

 

 ゴブリンロード候補になる4人はリムルが名付けを担当することに。

 

 俺の列にゴブエモンとゴブアっぽい子がいたので、リムルにどんな名前がいいかをさりげなく尋ねて名付けれた。

 

 こんな大勢の人数を名付けするって、二人で分担しても魔素が足りないのでは? となるはずだが‥‥。

 

『我がいるからな!』

 

『ごめん、ちょっと黙ってて』

 

 だがしかし! 名付けによる魔素切れの心配は当分なくなったのだ。ドワルゴンで買ってきた素材で、なんと魔法のせいすいが作れるようになった。

 

 でも、1つ問題があって生産にかかるコストが難点なんだ。

 

 素材には魔法の小瓶から作る方法と、特殊な魔物素材とマナ水で作る方法がある。

 

 どちらもマナ水が必要だが、これは魔結晶があれば簡単に作れた。

 

 魔物素材だと数を作れて、キノコだと大量に消費しないと作れない。

 

「ゴースト系の魔物とかどこに居るんだよって話だわ。なので青キノコの量産計画を発動します!」

 

「ウィプスって精霊じゃなかったか? 確かに魔法のせいすい確保は必須だな。ヴェルドラにも飲ませたことになるから、俺の魔素量もかなり上がったぞ」

 

 そうなのだ。なんか魔法の小瓶や、魔法のせいすいを飲んでいるリムルのお陰で、ヴェルドラの魔素量もかなり増えた。肉体を捨てて精神体になったからなのか、牢獄の魔素縛りから解放されたみたいだな。

 

『何が黙ってだ! 長い間放置しよって。いいから早く来い』

 

『リムルの中で見てたんだから状況くらい分かるだろうに、あと多分無理だぞ』

 

「なぁリムル。やっぱり村を移動しないと駄目なのか?」

 

「色々お前が作ったから移動したくないのは分かるが。ここをコボルト族に譲ってヴェルドラ洞窟の南側に行くってお前も納得しただろう? ミルドも今の人数じゃ道の整地もやり直しだと言ってるし」

 

 理解できるけど腹が立つ、歴史の修正力に負けた気になるんだよ。 

 

 ミルドの測量に同行したけど、数千人規模でも開拓できそうなのはそこしかないしな。

 

 シス湖から繋がる小川も近いし、土地も空いていた。

 

「わかってるよ、ごめん。このマイホームともお別れか‥‥」

 

「カイジンたちがお前の理想の家作ってやるって。だから元気出せよ」

 

「めっちゃ元気でた!」

 

「あはは、単純な奴」

 

 笑いながら二人は家を出て。いざ新天地へ! とはいかなかった‥‥。

 

「結局、食料問題は解決してないんだよな。俺が風音と一緒に、エルフか、兎人族を探しに行かないと駄目だろうな」

 

「すまんが頼めるか? 移動先が食料が豊富なら良いんだが。自給自足が出来てない以上は、最悪を想定して動かないといけないしな」

 

『行くな! リヴェル、行かないでくれ』

 

『え〜我慢しろよ。リムルがそっちに行けるように出来ないのか?』

 

『それができたらとっくにしておるわ〜!!』

 

 リムルの会話中に念話で割り込むヴェルドラは、電波が悪くなるのか離れすぎると念話も魂移動も出来ない。

 

 リムルの胃袋だと、結界的なものが強いんだろう。

 

 助けてうすしおさん! 米が欲しいの! というわけでボスの命令で俺は風音と二人旅だ。

 

 人口増加と食糧危機により、ドワルゴンでは塩と干し肉は売らなかった。

 

 食料はジュラの森で自由に取り放題だと、俺たちは思っていたからだ。

 

 だが領土という概念がここで出てきた。

 

 要は魚を自由にシス湖に捕りに行ったら、リザードマンと戦争になるってことだな。

 

 元の領土では急激に増えた人口の補填の為に果物も採り尽くしてしまった。

 

 あの狭い領土ではどのみち他の領土に侵攻することになるだろう‥‥。

 

 

 

 俺と風音は、【リムル王国】の看板を地面に立てた移住先へ、ルーラで飛んできている。

 

 風音には待機してもらって今後のことを少し考え中だ。

 

 此処が物語の重要な分岐点だ。

 

 オーガの里を救うか、放置するか。

 

 いや…救う? 無理だろ。

 

 現実的に俺がゲルドを倒せるとは思えないんだよな‥‥。

 

 ヴェルドラの件ですでに原作なんて崩壊してることは判ってるけど、これ以上流れをかき乱すのも正直どうかとは思う‥‥。

 

「主様? 何を悩んでおられるのですか?」

 

「知ってて助けないのは違うよなって‥‥。いや何でもない」

 

「何の話ですか? 困っている者がいるなら、助けるのが主様です!」

 

 フンスっ! と鼻を鳴らす風音には悪いが、俺はヒーローじゃねーんだわ。

 

 だが、強くならないとな‥‥。風音の信頼に答えるだけの主にはなりてぇ。

 

「風音。縄張りを避けながら西に向かえるか? 俺は分裂体で辺りを探ってみる」

 

「分裂体は感知には引っかかりませんから有効だと思いますけど‥‥。主様は移動速度が、その、すみません」

 

「やめろ! へんな慰めは余計に傷つくんだぞ! 周辺の勢力を探るだけだ。」

 

 大ちゃん。オートモードで何かあったら連絡頼む。

 

《肯定。地図機能でマップ情報を送ります。現在、魔法の補助や風音との連絡も分裂体で可能になっています》

 

 これで本体が危険になるまで、分裂体をサポートしてくれるだろう。

 

 ピオラで速度がメタルスライム(気分)になった俺はオーガの里に向けて移動を開始した。

 

 全員を救うのが理想だが、現実的に考えて厳しいだろう。

 

 鬼が村を捨てて逃げるとは思えないからな。

 

 何も言わずに見捨てるのはやっぱり駄目だ。

 

 伝える前に鬼に殺されたら諦めよう‥‥。

 

 俺はハクロウとソウエイに真っ二つにされる幻影を首を振りながら追い払った。

 

 

 

 

 




作者「すまん、ゴブタ。素で忘れてた」
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