二度転生したらスラりんだった件   作:Kut-Ku

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14話 エルドラドはあったんだ!!

「落ち着けリヴェル殿。事実だ」

 

 餅つけ俺、時の牢獄のユニークスキルはマリア・ロッゾが使ったのか‥‥。

 

 クロノアは? もし居ない場合は、夜薔薇宮(ナイトローズ)壊滅で大勢の同胞や民が死んだ事になるぞ‥‥。ルミナスさん激おこだな。

 

「ヒューズさんその戦いで勇者クロノアの参戦は?」

 

「勇者クロノア? 誰だ其れは? その時代の勇者はグランベル様だけだぞ」

 

 現状分かる事は‥‥。

 

 一つ目、シズさんとクロエが存在不明。

 

 二つ目、ルミナスはヴェルドラをサーチアンドデストロイ。

 

 三つ目、聖女マリア・ロッゾが生存している。

 

 四つ目、レオンが原作とほぼ同じがだ放浪が気になる。

 

 誰かが生き返らせた? そもそもマリアの死亡フラグが無かったのか?

 

 とりあえず聖女マリア様は生きてる。略してマリイキ。

 

 聖人扱いの聖女だから多分長生き? よって転生体のマリアベルが存在不明になった。

 

 レオンは各地を放浪して探し人? 或いは探しモノ?

 

 勇者から魔王に成る経緯は同じ? おっさん! 黄金郷はあったぞ! 

 

「はぁ〜〜〜ごめん。フューズさん最後に1個。ヴェルドラ喪失で大騒ぎなのはこの国だけかい?」

 

「そうだな‥‥。隣接してる国だとドワルゴン、ファルムス、サリオン、後は魔王の領土だ。その中で警戒していると言えば小さい我が国と、帝国に近いドワルゴンじゃないか? 他の国は純粋に邪竜の脅威が去ったと喜んでるだろうな」

 

「助かったよ、フューズさん。それじゃー俺が知ってる帝国の情報は‥‥」

 

 俺はドワルゴンの帝国による内乱の関与。

 

 ジュラの森を越えて上空から襲撃できる兵器。

 

 及び魔王の関与などの情報をすべて話した。

 

「クソッ! 頭が痛い。そんな兵器があったら帝国の西側への進行なんて楽に出来ちまうぞ‥‥」

 

「俺の個人的な感想で悪いんだが、即座に帝国の進行は無いと思うぞ」

 

「どうしてそう思う? 兵器が偽情報だとしても邪竜の脅威は無いんだぞ?」

 

「帝国は3つのルートがある。ドワルゴン、ジュラの森、ジスターヴ。クレイマンと共闘していたとしても、ジュラの森に入った帝国兵を魔王達が素通りさせるとは思えないしな‥‥」

 

「つまりどういう事だ? 帝国は魔王と戦いを避けるから海からドワルゴンを落とすのか?」

 

 観光次いでに地図スキルで色々調べたけど、対空砲が12門ほど並んであった。対飛竜用なのか帝国に備えてか‥‥

 

「ドワーフ国は鉄壁の要塞だ。西側からの援軍も期待が出来るから帝国とて長期戦は厳しいはず。空からの奇襲にも対応できる作りをしていたから短期決戦は不可能に近い。エルフとも繋がりがあるし、帝国が攻めて来た時の条約も結んでるだろ。それに帝国に技術でも並ぶんだろ? 隠し玉の一つや二‥‥」

 

 ガルムが咳払いをしてきたので、この話題を避けながら話を続けた。

 

「そこでジュラの森進行ルートだと思うが‥‥空いたジュラの森を、魔王達がその支配領域を広げる為に奪い合うだろうな。帝国はそれを見てるだけで漁夫の利だし、動かないと思うよ。俺が帝国ならクレイマンと同盟関係を築いてる場合。隣接を気にしなくて済むから、空を飛ぶ兵器を量産してからジュラの森を抜けてイングラシアを一気に落とす。そこを拠点として各地に侵攻を開始する。量産に時間は掛かるけど、これで西側は簡単に分断されて帝国に寝返る国も出て来るだろう」

 

 俺の発言に全員がそれぞれの自国の行く末を思い、暗い影を落とした。

 

 小声でガルムが話しかけてくる。

 

「おい、難しい話は後にしてくれ。さっさと依頼をして帰るぞ」

 

「ごめん、ごめん。受付に行こうか、エレン移動して」

 

「うええー!? 結構大事な話、してますよね? ひどいですぅリヴェルさん!」

 

「うるさい、俺達が国がどうのこうの話してても意味無いつーの」

 

 エレンが喚いて煩いが、受付に行き依頼を発注した。一ヵ月300人が暮らせる食料を三カ月の間に3回ジュラの森の入り口まで運んで欲しいと。

 

「ジュラの森の入り口? 軍事演習でしょうか? 商人の紹介も此方で行う場合、料金も高くなります。それでも構いませんか?」

 

「あー構わねえ。だが指名依頼にしてくれ、冒険者はカバルで頼む。金貨15枚で足りるだろ?」

 

 受付嬢は少し驚いた顔をして了承した。

 

「畏まりました。指名依頼料金が金貨4枚、商人への紹介料大銀貨3枚、食料代が金貨10枚、依頼発注料金込みで合計金貨15枚になります」

 

 ガルムは金を払いサインをして急いでギルドを出ようとするがエレンが止める。

 

「ちょっと待ってガルムさん。カバルやギドがまだギルマスと話してるみたいなの!」

 

「エレンの嬢ちゃん。早く外に来な、俺だけが戻れば良い話だろう?」

 

「あっ! そうですね。ごめんなさい、すぐに行きます」

 

 エレンと一緒に門を出て木の陰になった所でガルムだけをルーラで送った。

 

「それじゃー支部長室に戻るか」

 

「リヴェルさん、帝国は次に周辺国を狙うのでしょうか?」

 

「あーエレンさんや。あれは俺の構想であって皇帝ルドラの思惑何て分からんぞ」

 

 ユウキ君がクーデター起こすまで帝国に動きなんて無いからな。

 

 近藤さんがズドン! 今日から君も仲間だ! で各地で暴れ‥て‥。

 

 あー! 内乱は近藤さんがやったのか。あとは飛空艇の真偽がなぁ〜。

 

 フレイ単体で飛空艇を相手にするとは思えんし、フレイは帝国を素通りさせるだろ。

 

「もう! じゃー何であんな事を言ったんですか!」

 

「それに次に狙うならルべリオスだろ。信仰とか世界統一に一番邪魔だからな」

 

「もうやだこの人‥‥じゃないわスライムッ!」

 

 だって帝国がグランベルと組んでたらわからんやん。

 

 ダグリュールとレオンにディーノの裏切りで左から一気に侵略できる。

 

 魔王達も分断されてるし、ギィがミカエルに気づいて襲い掛かってもフルボッコにできるんじゃないか? 顔を真っ赤にして怒るなよ。

 

 エレンに嫌われたくないんだが‥‥。あっ馬鹿!

 

「何やってるんだよエレン。耳出てるぞ」

 

「えっ? 魔法効果が切れた? 感情で魔力が制御できなくなってたのかなぁ?」

 

 俺はリュックから飛び出し、ローブのフードを口で加えて頭に被せた。

 

「ほれ、偽装薬だ。早く飲め」

 

「ちょちょちょちょ! もう! もぅ! どこからツッコめばいいのよぅ!」

 

 薬を飲んだのを確認したらリュックに素早く戻り言う。

 

「早くカバルの所に戻ろうぜ」

 

「何事も無かったようにするな! 私の正体知っていたの! 偽装薬まで何で持ってるのよぅ!」

 

 リュックを両手に持ち替えブンブンと振り回すエレン。

 

「やめろ〜俺にも何故か三半規管はあるんだぞ‥‥。言うから、やめろ」

 

「ちゃっちゃと吐きなさい! 嘘ついたらひどいんだからね」

 

「正体は最初から知ってた、誰にも言わないから安心しろ。それに正体がバレたらっていう誓約掛かっているなら継続中だろ? ”なんせ最初から知っている”からバレるという誓約に引っかからない」

 

「‥‥」

 

「だからエレンは冒険者を続けられるし、問題ない。偽装薬は言いたくないんだが、知り合いのエルフのカバンから見えてる薬を鑑定しちゃったんだよね。だから作れるようになった」

 

「はぁ‥‥。パパとの誓約も効果は継続中だわ。ほ〜ぉんと、ほぉ〜〜〜んとぉうにっ! 何なのリヴェルは!」

 

 俺の口に両親指を突っ込んでびゅーんびょーん伸ばすエレン。

 

「おみゃえもひみちゅがあれだからほふがいさまでる(お前も秘密があるんだからお互い様だろ)」

 

「カバルやギドにも内緒。ジュラの森の誰にも言わない事。わかった?」

 

「だから言わないって言ってるだろう。早く戻るぞ」

 

 何故か俺の扱いが雑になったエレンに、強引にリュックに押し込まれ駆け足で二階にある支部長室に戻る。中ではまだ話し合いが続いていた。

 

「おかえりやす、エレン姉さん。指名依頼は受けときやしたぜ。1回目の食料が揃うまで二日かかるそうでさー」

 

「了解。ほんと、リヴェルの所為でどっと疲れたしぃー! 甘いものが食べたいわよぅ!」

 

 俺を又も雑に扱い、ソファーにリュック事投げるエレン。

 

「痛てっ! いい加減に機嫌直せよな馬鹿エレン。しゃーねぇな、アイス作ってやるからお前も協力しろ」

 

 大きいタライにエレンに氷を出さしてそれをギドに砕かせる。

 

 真ん中の壺にミルクと砂糖を入れ風音に風でゆっくりとかき回すように指示。

 

 砕いた氷に塩を振りかけて。

 

「固まってきたでやすね。これを器に入れていけばいいんでやすね?」

 

「冷たくて、美味しいですぅ!」

 

「お前達、俺の部屋で料理を始めるんじゃない! あっ美味いなこれ」

 

「うめぇ‥‥酒にも合いそうだなコレ」

 

「美味いでやすね。エレン姉さんは何でリヴェルの旦那に怒ってるでやすか?」

 

「食べ過ぎたら太るぞって、ひでぶーー!」

 

 エレンが杖でホームランし何事も無かったようにアイスを食べニコニコするのを見てギドは察した。

 

 アイスを食べ終わったカバルが言う。

 

「んじゃ俺達はジュラの森の探索に戻るぞ! 追加の調査依頼で金はもう受け取ってるからな」

 

「え〜食料が揃うまでお休みがいいよぅ〜」

 

「カバル。お前、リヴェル殿の護送依頼も受けたんだろ? 協力者の依頼優先で構わん。ある程度の情報は得られたし、二日は休息と準備に当てろ」

 

 横目で俺をチラチラ見てくるカバル。頭を下げるギド。エレンは風音とお喋りだ。

 

「あーなんだ、フューズさん。俺が転送魔法で送れるからジュラの森にすぐに帰れるんだよ。あと門を出た東側の大きな木が並んでる場所に小さい小屋置いていいか? 転送ポイントになるから」

 

「国の権限無しに置ける訳が無いだろう! と言いたい所だが現状うちにも利点がありすぎる。なので多少の事には目をつむる。ただし! 期限はお前達の依頼が終わる三カ月だ」

 

「サンキュー。流石、話が分かるぜフューズさん」

 

 何やら下が騒がしい。受付のお姉さんが階段を急いで登りドアを勢いよく開けた。

 

「大変ですギルマス! スタンピードです! ジュラの森から出てきたキノコの魔物の数が尋常ではありません。周辺の村に大軍が向かっている知らせが」

 

「わかった! 国の兵を出して貰わないとどうにもならん! ベルヤード大臣に連絡しろ! 冒険者はジュラの森から出て来るモンスターの駆除に全員出している!」

 

 急ぎ出ていく受付嬢を見送りながら俺は言う。

 

「フューズさんあいつらの胞子って毒だけじゃないんだ食料も腐らせるぞ」

 

「何だと! 進行方向に穀倉地帯は無いだろうな? うちは農業国だぞ‥‥」

 

 他人事じゃねえ、あいつら退治しないと俺らも飢える。

 

「カバル! 俺達もいくぞ! キノコ狩りじゃーーーー!!」

 

「たくっ! エレンもリヴェルも俺がリーダだっつってんだろーが!! 行くぞお前ら! ギルマス! 報酬は出してくれよな」

 

「ちゃっかりしてやがる。頼んだぞ! お前達」

 

 俺達はギルドで馬を借りて急ぎ現場の村まで駆けた。

 

 村から数キロの草原に見渡す限り、魔物のキノコが敷き詰められている。

 

 他の冒険者がちらほら居るが、その異様さに皆及び腰だ。

 

「軍隊は動くでやすかね? この村の避難を先にした方がいいでやすよ」

 

「無理よ、村人も冒険者の言う事なんか聞かないわよぅ。国の兵士さんが動かないと」

 

「あいつらは足が遅いから、魔法で削るしかねぇ! エレン頼んだ!」

 

 リヴェルは目の前の大量の経験値を前にして暴挙に出た。

 

「私の名前は大魔法使いエレン!! この程度のキノコなんてすぐに殲滅なんだからぁ!!」

 

「ちょ!! 微妙に似てる私の声で真似するの止めてもらえますぅ! この馬鹿リヴェル!!」

 

 俺は魔力を全力で溜めた。

 

 私はキノコ狩りの女! スパイダーエレン!

 

「究極殲滅炎熱魔法! べ・ギ・ラ・マx3!!」

 

 エレンのリュックから肩越しに顔を出し、何処かの巨神兵のようなレーザーで薙ぎ払う。

 

「チュィィーーーーン! ドゴゴゴゴオォォォーーーーンンン!!!!」 

 

 辺りに静寂が満ちる。

 

 周りの冒険者もカバルもギドもエレンも声を失う。

 

 やがてポツリと誰かが呟いた‥‥。

 

「大魔法使いエレン‥‥」

 

「「「うおおおおおおおお!!!! エ・レ・ン! エ・レ・ン! エ・レ・ン! 大魔法使いエレン様が倒したぞ!!」」」

 

 冒険者と村人が大合唱を始めた。

 

 辺りにエレンコールが鳴り響く。

 

「どどどぉぉしてくれるのよぅ!! 変に目立つのもダメなのにぃ〜〜〜」

 

 すまん、俺も目立ちたく無いんだ‥‥。

 

 俺をリュック事、グチャグチャに揉みしだくエレンに決め顔で言った。

 

「正直、我慢できんかった」

 

「チェストオォーーーーー!!!!」

 

 上空高くまで打ち上げられた俺の脳裏に、ちゃらららっちゃちゃ〜♪ と連呼する心地よいメロディーが鳴り響くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

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