二度転生したらスラりんだった件   作:Kut-Ku

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01話 世界に二人だけのスライム

「うっ、う〜〜ん。何か酷い夢を見ていたような‥‥」

 

 ここは何処だ?

 

 辺りが薄暗い。

 

 何か草の匂いがするぞ?

 

 段々と視界が暗闇に慣れていき、辺りが見えるようになってきた。

 

 光る鉱石が淡く輝き、辺りを優しく照らして凄く綺麗だ。

 

 地面には背の高い草が生い茂っており、視界が草原で埋め尽くされている。

 

 上に顔を向けると岩の天井が見える、どうやらここは洞窟内らしい。

 

「洞窟ー!? えっ何で? 俺死んで、女神様に抱きしめられて、竜王が世界を半分くれて」

 

 言ってて余計に混乱してきたぞ!?

 

 ここはアレフガルドなのか?

 

 女神様がルビス様で、竜王は良い奴? それで死んだから俺は転生したと‥‥。

 

 つまりロトの勇者に生まれ変わったのか?

 

 とにかく王様に会いに行かないと、でもあの王ケチなんだよな‥‥。

 

 あれ? 背が縮んだ? 足も動かないぞ? 動かそうとすると身体が跳ねる、ポヨン、ポヨン。

 

「なんじゃこりゃーーーーーーーー!!」

 

「腕がねえ! 足もねえ! 水色で綺麗なボディーまじかよ‥‥スライムやん!」

 

 身体を伸ばそうとしてみるが、伸びない。

 

 ポヨン、ポヨンと跳ねるだけやな。

 

 悲しいかな‥‥どっからどう見てもスライムやんけっ!!

 

 2度目の転生がスライムとか嘘だろ?

 

 えっマジ? 酷くね? 確かに親不孝者には相応しい罰だけどさ‥‥。

 

 ファンタジー定番の最弱のモンスターは流石に無理だって!

 

 ハァ‥‥何がともあれ、まずは確認をしよう。

 

「ステータス! オープン!」

 

《ユニークスキル『竜物語(ドラゴンクエスト)』を使用しますか? はい/いいえ 》

 

 ステータスの表示を意識したら、頭にメッセージが流れた。

 

「よくわからんが‥‥はい。お〜すげー格好いい! SFでよく見るホログラム画面だ! 視界と同期してるのがたまらん! どれどれ? どうぐ、つよさ、じゅもん、なかま、以上‥‥」

 

 えっ終わり? まーそりゃそうか。

 

 自分で作戦も命令して、装備は勝手に付けろってことね。

 

 ひとつひとつ確認していくか。

 

 道具は何も持っていない。

 

 呪文と仲間の覧も空白で表示されてなかった。

 

 最後に強さだけど…。

 

 | LV1     

 | 最大HP10   

 | 最大MP0   

 | 力5     

 | 身の守り8  

 | 素早さ1   

 | 賢さ1    

 | 運の良さ3 

 | EP 520 

 

 終わったな‥‥短い人生だったわ‥‥。

 

 自分的には賢さ5くらいはあると思うんですよ。

 

 でもあれかな? かっこよさに全部吸われてるんだな〜これ。

 

 いや〜まいった、まいった! じゃねーよっ!!

 

 EPってEXPの略か? 520もあるのにLV1? 

 

 しかもファンタジー定番の魔法がMP0なら使えないじゃん! 夢も魔法も無いんだよ! 

 

 青メットの王子が笑顔でこっち見てる‥‥。あと、その親指止めろ‥‥。

 

 

 

 ステータスのホログラムは消えろと念じたらスッと消える。

 

 視界から消えても念じればすぐに使えるみたい。

 

「ステータスの確認以外は消してても問題は無いだろ」

  

 とりあえず洞窟を脱出して、外に出る方がいいな。

 

 いや待て、魔物が外に出たら兵士や勇者に倒されないか?

 

 人間と戦うのは嫌だが‥‥かといって一人で居たら殺されるだけだな。

 

 よし! 王は、王でも竜王様に会いに行く方だな。

 

 どうするかは、竜王軍に入ってから決めよう! 嫌いじゃないぜ! 悪役ムーブ。

 

「まずは現状把握だ、喉が渇いているから水の確保! そして食料に寝床と辺りの安全確保。セーブもロードも無いんだから慎重に動かなきゃな」

 

 ね、念のために一応確認だ。

 

 セーブ、セーブ、記録、記録、冒険の書! やっぱ無いか‥‥。

 

 べっ、別に忘れてませんよ? 

 

 安全のためにも隠れる場所が多い壁沿いを歩いて行くか。

 

 地面を這ってズイズイと進んで行くが‥‥。

 

「おそっ! 流石素早さ1!」

 

 転がった方が早いかもしれん。あっ駄目だ‥‥吐きそう。

 

 ドラクエ世界ではよくあることなので、遅い移動を生かして地面に素早さの種が落ちてないか探しながら歩いた。

 

 

 

 

 あれから何時間壁沿いを歩いたのかは分からない。

 

 時間も分からないし、鉱石の明かりが無い場所は酷く怖かった。

 

 結局、地面には小さなメダルすら落ちて無かったよ‥‥。

 

 へとへとに歩き疲れたころに、大きい穴が空いた場所が見えてきた。

 

 広い空間の終わりにぽっかりと大穴が開いており、その先に通路が続いてる。

 

 大穴の横には小さな水溜まりが出来ており、大岩の隙間から水が流れてるみたいだ。

 

「おおっ! 湧き水あるじゃん」

 

 岩の窪みから少しづつ流れ続けている水を飲んでみる。

 

「うん、飲める水だっ! スライムでも下痢になるのか? 煮沸消毒も考えておかないとな」

 

 ついでにそこら中に生えてる草も食べてみる。

 

「ヨモギ? セロリ? 食えん事はないが、味覚があるから苦い…」

 

 とりあえず水と食料の草を確保したぞ!

 

 寝床は湧き水が流れている岩の上にするか、丁度窪みで隠れ場所があるし。

 

「よしっ! ここをキャンプ地とするっ!」

 

 ドヤ顔をしながらキャンプ場の掃除を始めた俺は、スキルを使って収納していった。

 

「体に触れている物体を、どうぐに収納できるみたいだな」

 

 キャンプ周りの石、草、水、土、岩をすべて回収。

 

 水と草だけは99個入手できた。

 

 それ以上は手に入らない、持てる最大数はドラクエ定番だな。

 

 今日は色々あって疲れた‥‥。

 

 草と水でお腹も膨れたし、寝るとしますか。

 

 俺は岩の上に飛び移り、周りに敵はいないかチェックした。

 

 明日は周囲の探索をしよう。

 

 それじゃーお休みなさい‥‥Zzz

 

 

 

 

 岩で寝たから体がバキバキだ。軟体とは一体‥‥。

 

 ガチガチになった体を跳ねながら軽くほぐす。

 

 よし! これから楽しい? キャンプ地を中心としたサバイバルの開始だーー!

 

 まずは朝食のヨモギ(命名)を口に放り込み、それを水で流す。

 

 舌はあるけど歯が無いんだよ。

 

 咀嚼だと時間がかかるし、苦いから飲み込んでいる。

 

 水たまりで容姿を確認したが、ドラクエでお馴染みのスラりんだった。

 

 視野が広いので水色の身体は把握していたんだが、これはドラクエ世界で確定なのでは? 

 

 使い続けていると、道具スキルの使い方が大体分かってきた。

 

 頭の中で取り出すものをイメージ。

 

 あとは出現させたい場所に、出ろと念じれば範囲1mの好きな場所に出せる。

 

 だから口の中に直接、草と水を好きな分量で出現可能。

 

 ただし、消費に関してだが明確なルールがあるみたい。

 

 草なら一束、水はバケツ1杯くらいが現在のスキルの最大使用量だ。

 

 出現させる量を少なく消費した場合でも、きっちり回数が消費されてしまう。

 

「能力を使用していれば、熟練度で強化されたりもするのか?」

 

 今の所スキルに不満は無いんだけど強化されるなら頑張りたい。

 

 周囲の探索を開始しようと思っていたんだが‥‥。

 

 ふと、中央の空間に視線を向けると、周囲を見回せる高さの丘ができている。

 

 まずはそこを目指してみようと思う。

 

 モンスターに襲われたら逃げられないので、周囲の警戒は怠らない。

 

 頑張って無音ジャンプしていると、頭に声が響いてスキルが生えた!

 

 その名もコモンスキルの忍び足! 

 

[忍び足] コモンスキル・アクティブスキル・使うと足音が消える。効果は10分で連続使用は不可。

 

 這ってるから移動には意味が無いが、ジャンプ音と着地音が消えるのはいいね。

 

 見つかるとアウトなので、後は気配察知か気配遮断が欲しいかも。

 

 移動先で草がユラユラと揺れている。

 

 息を潜めて慎重に確認だ‥‥。

 

 よく見てみるが大きさは俺と同程度? 水色の物体! スライムだ!

 

 ゆっくりと、警戒しながら近づくがスライムは俺には気付かない。

 

「ドラクエのスライムじゃ無いなこいつ、俺が異端なのかこの子がそうなのか‥‥」

 

 何か哀愁漂うスライムさんは、モソモソと草を食んでらっしゃる。

 

 近くにいるけど襲われないし、無理に戦うこともないやろ。

 

 何かプルプルして可愛いなこいつ。

 

 絵にするならタイトルは‥‥。

 

 世界に二人きりのスライムだ!

 

「スライムさ〜ん! 聞こえてますかー! おーい!」

 

 返事が無い、ただの屍のようだ‥‥。

 

 いつまでもここに居ても仕方がない、とりあえず先に進むか。

 

 強く生きろよ、ブラザー!

 

 山頂に無事到着。

 

 そして周囲をぐるっと確認だ!

 

 キャンプ横の大穴と、その反対側にも大穴があるな。

 

 広い洞窟の空間に左右に通路が確認できる‥‥他に道は無いみたいだな。

 

「キャンプ横の大穴は補給に帰るときでいいし、まずは反対側から探索するか‥‥あっ!?」

 

 急に足場が崩れ落ち、斜面を転がるように滑り落ちていく。

 

「ぎゃあぁぁ〜〜〜〜〜〜〜目が回る〜〜!」

 

 そのまま反対側の大穴の中に、猛スピードで加速し突っ込んで行く。

 

 ドガーーーーン!! 

 

 周囲に大きな衝突音が鳴り響く。

 

 どうやら俺は巨大な水晶に激突したようだ。

 

「痛ってぇ‥‥駄目だ、激痛で、体に力が入らない‥‥意識が、やばい…」

 

 大穴の中にある綺麗な巨大水晶に激突したみたいだ‥‥。

 

 ステータスを確認して見るとHPが残り1になってる!!

 

「ホ、ホイミ‥‥ホイ‥‥やくそう‥‥」

 

 一か八か口の中にヨモギと水を流し込む。

 

 すると身体の痛みが次第に消えていく‥‥。

 

 ようやく意識がはっきりしてきた。

 

「しっ‥‥死ぬかと思った。あの衝撃で良く生きてたな俺‥‥。速度的に絶対”即死”かと思ったわ」

 

 落ち着いて辺りを見回すと、辺り一面に水晶が虹色に輝いている。

 

「眩しいくらいに輝いてるけど、触っても大丈夫かな?」

 

「凄い! 採掘しなくても触れるだけでどうぐに収納できるぞ」

 

 この部屋にある鉱石と水晶を、片っ端からスキルに入るだけ入手した。

 

 手に入れたのはいいけど‥‥光り輝く鉱石とか危険なモノじゃないよな?

 

 鑑定スキルを持ってないから、名称が分からなくて不便だ。

 

「しかし、本当に酷い目にあった。運も悪いのか俺は‥‥」

 

 この水晶エリアにモンスターがいなくて本当に良かったよ。

 

「それにしても、ヨモギがやくそうだったのはうれしい誤算だったわ」

 

 回復手段になるなら99個のやくそうを、上やくそうに錬金したいな。

 

《ユニークスキル『竜物語』を使用しますか? はい/いいえ 》

 

「所持上限の開放か!? とりあえずはいで、きたきたきた! 錬金できる!」

 

        ーーー  錬金 lv1  ---

 |道具      上やくそう 魔法の小瓶 どくけし草

 |防具      木のシリーズ

 |武器      木のシリーズ

 |装飾品     

 |だいじなもの     

 

 作れる道具は今の所上やくそうだけか。

 

 防具は木のシリーズが作れるのは嬉しいんだけど、肝心の素材の木が無い。

 

 他には作れる物が無いみたいだな。

 

 だいじなもの? だいじなものか‥‥

 

 Hな本と下着‥‥。いやなに、学術的興味だよ。 

 

 そんなことより、やくそうを上やくそうに錬金開始だ! 

 

 おおぉ! 目の前にホログラムの巨釜が出てきたぞ。

 

 とりあえず上やくそう10個で20分を作成っと。

 

 自動でどうぐから消費されたやくそうが、上やくそうに錬金されていく。

 

「ん? 体がピクリとも動かないぞ? 錬金中は動けないのか‥‥。でも解除は可能だから緊急時も大丈夫そうね」

 

 

 

 死にかけたし、精神的に参ったわ‥‥。

 

 少しの間休憩タイムにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャラララッチャッチャーー♪

 

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