「それロン! 大三元 親役満で48000だ」
「絶対ずるしてるだろお前!」
「我の実力だと言ってるだろう?」(碁と将棋では負け続きだからリベンジだ! クックック)
俺が何故ヴェルドラと麻雀をしてるかと言えば修行だ!
並列存在を自分では作れないのでヴェルドラに教えを請いに来たのだが‥‥
「お前はアレだ? クローンだったか? 自分の複製と捉えすぎているから意識が深く結びつき、分裂体に為っているのだ‥‥似たようなスキルを複数持つと自分の意識に引っ張られるからな」
腕を作ったのでリムルの腹の中でも再現できるか試したら可能だったので、囲碁をヴェルドラと遊んでいたのだが。
普段は口で咥えて落とす感じで、ヴェルドラも長考出来たのだが‥‥腕のお陰でバシバシ打ってたらヴェルドラがキレて麻雀に変更する事になったのだ。
「でも個体の能力とスキルは違うんじゃないか? 俺は分身も持ってないぞ?」
「同じだばかもん。固有スキルの自己再生とレアスキルの自己修復を持つ魔物もいる。両方使うか片方を使うかは己が意識して決める事だ。ややこしいのはお前の分裂が固有スキルに二つもある事だ。我も並列存在は持ってはいるが究明者では使いこなせてはおらん‥‥」
結局、究極能力に目覚めないと使いこなせないって事か?
「ロン! 九蓮宝燈 親役満 48000だ! クハハッ!」
「おかしいだろ! どんな確率だよ! 確率!? お前! 確率操作してるだろ!」
「ふむ、次はドンジャラとかいう奴にしようかリヴェル。リムルの記憶にはアンパンマンとドラゴンボールがあったぞ?」
「同じじゃねーか! 確率操作できるゲームは禁止だ馬鹿野郎!」
ヴェルドラの助言を聞きながら外にいる分裂体の俺で色々試行錯誤した結果。
並列存在はヴェルドラが作った胃袋に居る1体と大ちゃんが作った1体だけしか運用は無理そうだ‥‥。
だが助言のお陰で最初の抜け殻分裂を作成可能にはなった。
正直能力もユニークスキルが使えない、付けれるスキルは1個だけの旧分裂体に使い道はあるのだろうか?
進化しても究極能力に目覚めたわけじゃないからな‥‥。
地道でも良いから強く成る方法を考えないとな。
ヴェルドラが確率操作は絶対しないから! と泣きながら麻雀がしたいと言うので仕方なく遊んだが。
何となく今確率操作が行われたという感覚は認識できるように為ったので、俺にバレた時点で罰金点を払わす事でそれなりに楽しめた。
結局操作してバレて負け続きになり、不貞腐れたヴェルドラは横に寝転がる。
漫画のアカギを読みながら、「バレ無いイカサマは…」と静かに呟いていたが無視して帰った。
「ただいま〜」
「「お帰り俺」」
「あれ? リムルまだ寝てんのか?」
「もう昼になるけど上で寝てんじゃない?」
「朝飯食って戻ってきたがまだ寝てたぞ」
錬金担当と交易担当が返事してきた。
俺は地下から1階に上がり、リムルの寝室に入るとベッドで眠るリムルが居た。
「おーい起きろ〜もう昼だぞリムル〜」
マスターハンドくんでほっぺを伸ばすがリムルはスヤスヤと眠ったままだ。
「ラリホーで眠ると軽い衝撃ですぐ起きるんじゃなかったっけ?」
《解。強制睡眠効果が発動中に僅かな衝撃でも現状は覚醒しますが。マスターは効果が切れると睡眠を継続する為にラリホー草の継続使用を設定しています 》
「アホか! 大賢者さん起こして! 全部使い切るまで寝るつもりかよ!」
《告。状態異常を強制的に解除し覚醒させます。》
「あーよく寝た。どうした星? 今日は仕事は休みだろ‥‥ふぁ〜」
「完全に寝ぼけてるな‥‥」
「あああぁ〜スライムの身体に戻ってる〜〜!!」
久しぶりに睡眠を取ったリムルが取り乱し、暫く現実逃避した後に戻ってきた。
「すまん‥‥久しぶりに寝たもんだからな‥‥」
「これから交易でも手に入れるし、栽培できたらするから大量消費は止めてくれよ?」
「悪かったよ‥‥それとありがとな」
「ん?」
「大分心が楽になった気がする‥‥助かった。あ〜お前も何かあるなら言えよな!」
「いや、俺はお前と違って手足以外は人間と変わらんからな‥‥」
「嘘つけ、お前も何か心が濁った感じがするぞ?」
「濁ってないわ! モヤモヤする感じとかにしろよ!」
「で?」
「何だよ‥‥」
「何か不満とかあるんじゃないのか? 俺も何となく分かるんだから言えよな」
俺は大きなため息を吐いてから、懺悔するように呟いた。
「先生‥‥俺‥‥コーヒーが飲みたいです‥‥」
「あーー! 確かにお前コーヒー好きだったな‥‥豆をミルで引いて飲んでたし」
ドワルゴンにはコーヒーや紅茶も無かったから他国に行くしかないだろうな。
「毎朝の日課のコーヒーが飲めないのって結構精神にくるよね‥‥」
「コーヒー‥‥コーヒー? あっ! タンポポコーヒー!」
「!? あーそんなのあったな‥‥確か根の部分だったような‥‥」
睡眠の礼だ任せとけと言って、リムルは家から飛び出していった。
「優しいのはお前の良い所だが、この世界にタンポポがあるのかまずリグルド達に聞こうぜ‥‥」
「主ーーーーーーーーー!!」
空を飛ぶリムルを慌てて追いかけるランガにすまんと心の中で謝り俺も家を出た。
「何だこの劇的ビフォー・アフターは‥‥」
俺達が休暇を楽しんでる間に村が町になっていた。
「こんにちは、リヴェル様。リムル様が飛んで出て行かれましたが何か知りませんか?」
俺が惚けていると、渋いおじさんが話しかけてきた。
「ん? あーログルドか。タンポポを探しに行ってるんだよリムルは」
「えっ! 食虫植物の魔物であるタンポポをですか?」
「まって‥‥それどんな見た目なんよ」
首を傾げていたログルドが一つ頷くと、紙と羽ペンでサラサラと描いていく‥‥結構上手いな。
「見た目はこれです。黄色い花びらに黒い斑点があって葉と茎がこんな感じです」
「口が無いモルボルじゃねーか‥‥食べ物ですらねぇ」
「食べれますよ? 葉と花びらは私も食べたことがあります。若い個体限定ですが」
新芽は柔らかいみたいな感じか? でも食べたいのは根なんだよな‥‥
「根とか食べれたりする?」
「毒では無いと思いますが‥‥体液も流れますし味が酷いかと」
「うげ〜そういや口が無いから根から虫食うのか」
「甘い香りを出して虫を誘い根で絡め取り、獲物を突き刺して養分を吸うんですよ」
若い個体はタンポポの綿毛で飛ぶのか? ホラーだな‥‥
「ログルドは何かリムルに用事でもあるのか?」
「いえ、私ではなくリリナがです。私も資材と人員の調整で関係していますので」
大変だな‥‥リリナって事は農業だよな? 一緒に立派な村長になるって予定だし手伝うか?
「何か手伝おうか?」
「いえ! リムル様とリヴェル様には休暇を取って頂かないと、開墾予定日もまだ先ですし」
「そっか、ありがとな」
「礼など必要ありません。御ゆるりと寛ぎください」
ログルドと別れた後、修行をしようと広場に行くとゴブタとゴブエモン達、それに何故かカバルとギドも訓練していた。
「こうっすか?」
「違う、握りが甘ぇよ」
カバルに軽く振られた木剣で自分の木剣を落とされたゴブタが再度木剣を握り直して振っている。
「何でお前達が此処に居るんだ?」
「「‥‥‥」」
「まっ…まさか、置いて行かれたのか…?」
「そうだよ!! ジュラの森で防具も武器もボロボロで帰えりたいけど、帰れねえんだよ!」
「すいやせん、世話になってやす。怪我を治してくれたのって旦那方でしょ? その礼に皆さんを訓練してたでやすよ」
「いくら強くても丸腰でジュラの森はきついか‥‥」
俺もカバルに剣術を教わってみるか? ギドは今はナイフで指導中か…ナイフは速度重視だし、俺には向いてないよな…。
「防具と武器も鉄ですぐに作ってやるぞ?」
「ずるいっすよ! 自分には銅でゴブエモンやカバルさんとギドさんには鉄っすか!」
「そんな変わんねえだろう…防御面でも機能面でもよぅ」
ゴブエモンの言う通り、性能的にはゴブタの銅装備の方が高かったりする。
・青銅の鎧 防御21 ・鉄の鎧 防御25
防御性能では劣っているけど付加価値というか、錬金lv補正で鉄より銅の方が生産時に+ステが付きやすい。
・青銅の鎧 防御21 +守備力5 ・鉄の鎧 防御25 攻撃力+2
という風にプラス幅が青銅の方が大きいので性能に差は無い感じだ。
「じゃー俺の鉄の兜やるからお前の青銅の兜くれよ」
「嫌っすよ! 力と生命力も同時に上がる、超〜〜凄い頭装備何すから〜」
ゴブエモンとゴブタが仲良く装備を奪い合ってるのを見ていると俺の名付けの影響なのかと不安になる‥‥。
「ゴブエモンの獲物は槍なのか?」
「はっ! 未だ自分に合う武器が良くわからず‥‥」
刀はクロベエが来ないと作れないからな‥‥ふむ。
「まじか! 助かるぜリヴェル 普通に鉄装備を買うより強そうだ」
「助かりやす。早く帰らないと忘れられそうで怖いでやすよ‥‥」
ゴブリン達の稽古に一段落したカバルとギドが会話に混ざってきた。
「カイジン達に頼んでも良いけど、今ドワーフ達も休暇中なんだよ」
「何! あの有名な鍛冶師のカイジン殿が来ているのか?」
「何だ? 滞在してたのに知らなかったのか?」
「ドワーフが一緒に住んでるのは知ってやしたが、伝説の鍛冶師のカイジン殿とは知らなかったでやすよ」
錬金担当に作って貰い道具から出していく
「へ〜同じ鉄装備なのにデザインが違うんだな」
「サイズ調整の刻印はまだ勉強中だから数を用意したんだよ」
「あっしはこれにしやす」
「俺はこれとコレだな」
俺は二人が手にした装備の全てに+かしこさが付いてるのを見て必須だなと思ったのは内緒だ。
俺もカバルに稽古を頼んだが軸がブレブレで剣術以前の問題だった。
「その義手上手く使えてるみたいだが相手との距離が全然掴めてないな。打ち込んだ剣筋もかなりズレてるぞ? もういっその事、剣自体を動かせば良いんじゃないか?」
「魔力の通りが非常に良い武器と中級精霊を宿らせないと駄目だから無理だな」
「魔剣クラスかよ‥‥腕のサイズは大きくできるのか? できるならハンマーとか大盾とか装備しろよ」
「この腕は生産用で戦闘用はまだ試行錯誤中なんだ。デカいハンマーも良いよな…参考にするわ」
皆と軽い別れの挨拶をして旅の準備をする二人。
「装備を新調したカバルとギドは勇ましくジュラの森を横断し、ブルムンドに向けて旅立って行くのだった」
「いやいや! ブルムンドまで送ってくれよ!」
「何に変なナレーション付けて追いだそうとしてるでやすか! ブルムンドからも長旅でやすから送って欲しいでやすよ!」
「防具も武器も新調したんだからジュラの森で経験値稼いで帰れよ‥‥チッ」
「「それが本音かこの野郎! でやす」」
ヒューズさんに宜しくと転移ポイントの件も頼んで二人をルーラで送り届けた。
二人を見送った俺はゴブリン達と訓練を再開しようと、訓練広場に戻ろうとしていたが‥‥。
ドサッ! ドサッ! 背後に二つ大きな音がして振り返ると‥‥。
「貴方が落としたのはこのタンポポですか? それともこっちのタラクサクム?」
リムルが無表情で黄色いモルボルと白いモルボルを見せつけてきた。
「リボンを装備してないのでちょっと‥‥」
「正直な貴方に両方差し上げますね」
「お前が取って来たんだから自分で捕食しろよ!!」
「いらんわ! 見た目が気持ち悪い!」
その後、壮絶なスライムの喧嘩が始まったとか始まらなかったとか‥‥
SAを使いこなしたリムルに勝てず、一方的にボコボコにされた。
「何だよ! SAに鱗なんて生やしやがって、超格好いいじゃねーか! アホ! 馬鹿リムル!」
「身体装甲で覆ったんだ、良いだろう? 悪かったよ、そんな怒んなよ」
「コーヒーはお預けか‥‥臭っ! 嫌だがモルボルも早く道具袋に仕舞うか」
《肯定。どちらの素材も貴方の記憶にあるコーヒーの味と成分になるような部位は含まれていません 》
遠くでリリナがリムルを呼んでいる。
「リムル様〜〜〜! 休暇中申し訳ございません。肥料の件なのですが‥‥」
「それならリヴェルが錬金で作れるから問題ないぞ」
「肥料なら既に俺が作った奴があるよ」
「本当ですか! 助かりますリヴェル様」
共有トイレの有効活用だよね‥‥。
「えっ!! リリナ! その籠に入ってるの!」
「えっ? これですか 花瓶に生けようかと‥‥」
「「ツヅミグサ!!」」
俺とリムルは鑑定して叫んだ!
「田舎の爺ちゃんがそう呼んでた気がするなぁ〜」
「良かったなリヴェル。これでコーヒーが飲めるぞ」
俺はリリナに生息場所を教えてもらい、ツヅミグサを数本採って家に帰る。
根を細かく切ってフライパンで煎り、布で包んでお湯を掛けた。
「「「まずい! もう一杯!」」」
俺達は泣きながらツヅミグサコーヒーを飲んだ。
小説ではまずいって言ってるけど普通に飲める味です。
流星はコーヒーの味にうるさいという設定なので。