憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い
食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい、食べたい‥‥駄目、ごめんなさい‥‥お腹すいたよ姉様
ある日突然、大勢のオークが私達の里を襲ってきたの。
男達は全員で立ち向かい、戦える女達も皆戦った。
例え数が多かろうが、オーガがオークに負けるなどあり得ない。
魔物のB級とD級の間には、簡単には越えられない壁があるのに‥‥。
里が全滅する危機に奥方様は若君と姫様を北へ。
残りの若い女子供を、四方へ分けて逃がすように指示をした。
私と姉様と小さい兄妹の四人は西へ逃げたが、あの乱戦中に正しく西に逃げ延びているかは分からない。
何度も何度もオークと遭遇し、倒してきたが体力の限界が近かった。
「退きなさい! 豚共!」
姉様が金棒でなぎ倒すが怖気ずく事も無く、何度も襲い掛かってくる。
「ぐっ!! 離せ! ああああああああああーーー!」
「姉様を離せ! 豚共!! セイッ!」
薙刀を振るい、オークを蹴散らし姉様に駆け寄る。
肩と脇腹が食いちぎられて出血が酷い‥‥早く治療しないと!
「姉様!! 回生祈願!」
私は急いで巫術を使うと、姉様の肩と脇腹に札が数枚張り付く。
「止血はできたけど治療が‥‥札の枚数が足りない‥‥クッ」
「もう良いわ‥‥私をここに置いて行きなさい」
「嫌です!」
「兄妹も貴方が守ってあげるのですよ‥‥。行き、なさ」
姉様は言い終わる前に気絶してしまう。
「青姉様‥‥僕が囮になります。赤姉様と妹を連れてお「黙れ!」っっ!」
「姉様を置いて行けばあの豚共に食われる! そんなの死んでも嫌! 貴方達も私が守るわ。私が死んだら妹を死んでも守りなさい!」
「御意‥‥」
私と子鬼は共に姉と妹を背負いながら森を駆け抜けた。
目指すは天狗が住むと言われている山だ、ご隠居はそこで匿って貰えと言っていたからだ。
「姉様‥‥まだ息はある。大丈夫、死なないで姉様」
今にも消え入りそうな、微かに聞こえる姉の呼吸音が私を苛立たせる。
憎い、憎いと呪詛のように頭を駆け巡った。
「川の流れる音が聞こえる‥‥」
隣に居た子鬼が呟いた。
「血を少しでも落としていきましょう、豚共に匂いで嗅ぎつかれるわ」
子鬼達も私達姉妹も全員服が血だらけだ。
急いで匂いを消さないと鼻の良いオークに見つかってしまう。
出血中に身体を冷やせないので、即座に姉の服を剥ぎ取り洗濯をして巫術で乾かす。
時間を掛けられないので私と子鬼の服は移動中に乾かすことにした。
「乾いたらこのお香を塗りなさい、妹にも振りかけて」
「敵です青姉様!」
「気配が3つ。私達を置いて行きなさい! 早く!」
少し悩んだあとに子鬼は妹を背負ったまま、私の横を駆け抜けていく。
姉様を木に横たえていると、無数の矢が飛来してくる。
懸命に薙ぎ払うが体力の限界だった‥‥。
振り払えずに1本の矢が私の左目に突き刺ってしまう。
「ぐああああーーー! 豚共! 殺す、殺す、殺す!」
怒りで目の痛みが消え、突っ込んでくるオーク2体の首を薙刀で跳ねる。
残り1体かと思ったが、既に4体の増援が駆け付けていた。
「ハァ‥‥ハァ‥‥生き残れよ子鬼」
最後まで足掻こうと薙刀に力を込めようとしたが、両腕がなく地面に落ちている。
「随分と時間を取らせてくれたものだ‥‥散れ」
考える間もなく、黒い鎧を着たオークの大剣が私の腹を貫く。
そして私を貫いた大剣は大きく振られ投げ飛ばされる。
「‥‥がはっ!!」
一瞬で腕が切り落とされ、腹を貫かれたのか? 化‥‥け物め。
「そっちの”死体も”食べておけ! 王に早く合流するのだ!!」
死体? 誰が? 木に横たわる姉の足にかぶりつくオークが見えた。
やめろ! やめてくれ! 姉様に触るな! 豚共----!!
「か‥‥ふ‥‥」
痛みで声が出ない! 憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、オーク共が憎い!
動け‼ 私の足! 痛い、痛い、痛い、お腹が痛い、腕が痛い、眼が痛い、頭と心が壊れていく‥‥痛い!
やめろ! 姉様を食べるな! 離せ! 食べないで! お前達に食べられるくらいなら‥‥。
‥‥‥私が。
―――オーガの里―――
*リヴェル(スラぼう)・side
「クソッたれ! 遅かったか‥‥」
オーガの里は壊滅し、夥しい血の跡と建物の残骸だけが残っていた。
オーク達の姿も見えず既に移動を開始しているのか、里はもぬけの殻だ。
「大ちゃん周囲を索敵。オーガの生き残りを探して」
《肯定。オーガの里の周囲を索敵中。1km‥‥ヒットなし。5km‥‥ヒットなし。10㎞‥‥オーガの里で出会った鬼の子供を見つけました。地図を表示します》
「あーあの元気な女の子か! いつの間に登録したんだよ! だがナイスだ大ちゃん!」
《否定。鬼の子と半分に分けて食べた饅頭に遺伝子情報が含まれていましたので、登録したのはマスターです》
今聞きたくないんですけど!? そんな犯罪的な情報!!
俺は四脚で木を蹴りながら加速する。
急げ! 急げ! なんか脚がメキメキいってるけど壊れたらそのときよ!
「見つけた!! もう一人いるな? 兄弟か?」
二匹のオークに追いかけられているみたいだ。
子共の鬼が知り合いの女の子を背負って逃げている。
俺は走り込むオークに背中を斬られそうな子共の鬼に叫んだ。
「左に飛べ!!」
俺は左に飛ぶのが間に合わなくても良いように、ギラを右に曲げて撃つ。
子共の鬼は左に女の子を背負ったまま、腹から飛んで地面に落ちる。
追っては二匹だったので全て閃光に焼かれて消えていた。
「助けに来たぞ! 怪我は無いか?」
ガシャンと空から落ちてきたせいで、驚き固まっていた子鬼は慌てて答えた。
「何なんだお前は!? 魔物か? 助けてくれて感謝する‥‥」
コックピット? いえ、只の四角い穴です。から青いスライムが飛び出た。
「そんな警戒すんなって! 背負ってる女の子と知り合いなんだよ俺」
さらに警戒してしまい、背後の妹を庇うが‥‥。
「あ…う、あ、あ、あ-ーーーーーーーーー!!!」
里で遊んだ鬼の子供が、涙を流して俺に抱き着いてきた。
「久しぶり! 元気にしてたか?」
「あ、あ、ぅ、うーあ」
感動で言葉が出ないのか?
「妹は言葉が喋れなくなったんだ‥‥」
話を聞くと両親が目の前で殺されて喰われたんだと‥‥。
はぁ〜勘弁してくれよ。
「頼む!! 青姉様も助けてくれ! 僕が逃げてきた方向にいるんだ!」
「何!? わかった! 俺に任せとけ! 妹ちゃん、ちょっと離れてて」
首を振り俺をさらに強く抱きしめてくる。
あーもう時間がないのに‥‥劣化分裂体でも抱きしめててくれ!
俺は分裂してから素早くコックピットに乗り込むと、お兄ちゃんの逃げてきた方向に全力ダッシュした。
現場に駆け付けると、黒い鎧のオークと異様な姿の鬼がいた‥‥。
四足歩行で獣の様な姿の鬼が次々とオークを襲い喰う。
「痛い、憎い、殺す、食べる、食べた、食べたい! あああああああああああ!!!」
どうなってるんだ大ちゃん? あの黒いオークが青姉さんに何かしたのか?
腕や足を斬られても即座に再生した? 超速再生スキルか? 地面に残った死体を食って回復してるみたいだな‥‥黒いオークの腕が今食われた。
《否定。原因はあの鬼自身のユニークスキルが影響してるようです。名は
黒いオークが大剣を構えて吠える。
「姉か妹か‥‥肉親を食らって壊れたか。だが我が王に酷似しているその力‥‥気に入らん! その力は我が王だけが持つに相応しい! ここで死ね!」
黒いオークも腕を再生中だが、片腕でだけで大剣を構えて大技を放つ。
だが鬼の化け物は真正面から剣技の魔力も喰らい、そのまま黒いオークの頭に喰らいついて貪り食ってしまう。
ボキボキバキバキゴリゴリ‥‥ゴクン。
「飢餓者と同じか? だとしたら助けることなんて不可能だぞ‥‥」
《否定。飢餓者とは違い無制限に飢えたりはしません。必要以上の魔素を取り込めば暴走は解除されます》
「何か嫌な予感がする‥‥俺を食べさせるとか? いやいや‥‥まさかね」
《‥‥ 》
「俺の魔法を食べさせるとかどうよ?」
《否定。竜物語の魔法は吸収できません。世界の法則が違うエネルギーだからです。弾く、防ぐ、相殺することは可能ですが》
「そういや‥‥リムルが捕食できなかったな」
「痛い、痛い、憎い、憎い、悲しい、姉様、食べた、美味しい、食べて、嫌、嫌、あああああああああああーーーーー」
涙を流しながら暴れ狂う。
「見てらんねぇな‥‥今にも心が完全に壊れちまう」
どんなに強くなってもMPが俺を覆っているので、魔素が漏れないのだ‥‥。
俺は鬼の化け物からは見えてないのも同じってこと。
「大ちゃん‥‥本体に連絡してこっちに呼んで」
死ぬのは怖えぇ! でも俺は並列存在だ! 今が命の使い時だろ! 腹くくれや流星!!!
「上城流星! 吶喊します!」
鬼の娘から涙が零れ落ち、目を覚ました。
「おはようさん‥‥無事みたいだな」
「貴方は誰? 私は生きて‥‥る?」
「良かった! 青姉様! 良くぞご無事で…」
「貴方も無事だったのですね‥‥」
青姉は俺にしがみ付いてる子鬼の女の子を確認すると、追いでと手招きするが泣きながら首を振られる。
「ああ、貴方には分かるのですね? 私の犯した罪が‥‥」
「状況はリヴェルさんから聞きました‥‥青姉様。ですが赤姉様は既に亡くなっていたのです‥‥」
なるほど‥‥青姉さんは皮膚が青で角も左は赤で右は青だし、赤姉さんはそう言うことだろうな‥‥うん? でも色がちぐはぐだな。
それに罪って‥‥一体なんのことだ?
あ〜~! お姉ちゃんを吸収しちゃったのか‥‥。
オッドアイもその影響だろうな。
ぼんやりと考え事をしていたら二人が話し終えたようだ。
「リヴェルさんでしたね? 助けていただいて申し訳ないのですが‥‥私を殺してくれませんか?」
「話は大体(大ちゃんから)聞いてるよ。ユニークスキルを使いこなせず、いつ暴走してしまうかわからないからだよね?」
「‥‥はい」
「それなら俺が君を名付けるから問題ないよ。制御できないなら制御できる力を持てば良いだけだし」
「‥‥はい?」
「そうだな‥‥青、青子? いや怖いから絶対駄目だ‥‥青色? よし、決めた! アオイ! お前の名は葵だ!」
青姉は光り輝き、それはやがて収まり胸の中心で消えていく。
「減りすぎ減りすぎ! 魔法のせいすいがぶ飲みやん‥‥」
俺がベッドを用意すると葵は眠りに付き、進化が始まる。
「あーうぅーあ! ああ」
「何だ? 子供の進化は駄目よ? 急激に大人になったらどうするんだよ!」
《否定。幼体の魔物への名付けによる進化において、容姿の変貌は認められますが身体の急激な成長は確認されていません》
妹ちゃんは怒って俺の身体をぐいぐい引っ張る。
「わかった、わかりましたよ。名前がないと呼ぶとき不便だしな‥‥」
「座敷童ぽいし、花子で良いんじゃね?」
「あーううううーーーアああ!!」
腰の入ったボディーブローが連打で叩きこまれる。
「痛い、痛い! お前は特徴がないんだよ‥‥角も小さいし。誰かに似てたり‥‥あーーーハヤテ。颯って書いてはやてにしよう」
「お兄ちゃんの名も決めるか‥‥見た目が忍者だし、半蔵しかないだろ。お前の名はハンゾウだ」
二人が光り輝き進化するために眠りに付いた。
俺は葵に用意したベッドを追加で用意し、三人の進化が完了するのを待った。
途中にリムルからの念話が来たが、鬼を助けて数日動けないと伝える。
何日か経過し、三人の進化が終わった。
そこには美しい黒髪で人間の肌を持ち、青と赤の左右で違う色の角を生やした美女がいた。
「えっ!? はっ? 進化したの私? あっ…貴方様は一体‥‥」
「名を頂き感謝いたします。ハンゾウの名、ありがたく拝命いたします」
台詞や動作は凄く格好いいんだが見た目が小学生だからな‥‥可愛い。
「あぁああ! あうぃ?」
「うん、ハヤテも可愛い、可愛い」
ハンゾウは黒い髪に青色のメッシュでハヤテは黒い髪に金のメッシュか二人共角は小さく髪に隠れるんだな。
「リヴェル様!? この子達まで進化して! そんなポンポン名付けしちゃ駄目でしょ! 何考えてるんですか!」
「大丈夫だぞ葵? 命削れるとかないから、平気平気」
SAで横に手を振り、ないないと言っていると頭を抱えだした葵さん。
「助けて姉様‥‥非常識は姉様だけだと思ってたのに‥‥」
「そうだな‥‥。方法はないこともないが、赤姉も生き返らせるか? なあ、ハヤテは進化しても喋れそうにないか?」
「あーーーあ、ううううう」
「すまん、無理すんな。念話でもあーとかうーなのは参ったけどな‥‥」
「ちょ! えっ!? 今サラっと姉様を生き返らせるとか言わなかった貴方!?」
素早く駆け寄って、俺の腹を握り掴み揺らしてくる。
「おおぉ! 葵さんの俺への敬語がどんどんなくなるんですけど‥‥Why?」
「いいから! 答えなさい!! 本当に姉様を生き返らせることなんてできるの? 肉体もないのよ!! 魂だって‥‥」
大粒の涙をポロポロ零しながら最後は声にならない声を漏らす葵。
「泣くな、泣くな。失敗したら下手すりゃ世界が壊れる。それでも姉を生き返らせたいか?」
「……」
「あ〜聞き方が卑怯だわな‥‥世界が壊れたら俺も責任とってやるよ! 生き返らせたいんだろ姉ちゃんを?」
「‥‥うん。別れなんて嫌! 会いたい! 謝りたい! ごめんなさいって」
俺のオーガ達への罪滅ぼしか‥‥。
お前達を見捨てたら、世界の異物である俺自身を見捨てるようなもんだ。
「どうして貴方は私にそこまでしてくれるんですか‥‥お姉様も助けようと」
「助けたいから助ける! それだけだ‥‥。あとほら葵は美人だろ? 姉さんも美人に違いねえじゃん!」
葵は少しだけ照れた顔をした後に、姉様は鬼族一の美女よ! と言った。
リムルにバレたら何されるか分からんが‥‥悟が怖くて、隠れて高級バーボンなんて飲めるかってんだ!
《否定。姉さんが既にバラしています》
「よし! 皆コレを装備してくれ木のシリーズ装備だ」
「「「‥‥‥」」」」
「リヴェル様‥‥赤姉様を生き返らせてくれるんじゃないんですか?」
「ああーあーぶーぶー」
「木の桶被って、棍棒と木の盾持って、木の鎧着て、何をさせるきじゃボケーーー!!」
「葵の俺への尊敬とか敬意がマイナスになってる気がするんじゃよ‥‥」
律儀に一式装備した後にノリツッコミしてくれる葵に感動しながら、俺は咳払いをして真面目な顔で話す。
「この木の装備には運の良さが付与されている。少しでも成功確率を上げたいなら全員装備しろ」
俺が長いバケツを被ると皆もしぶしぶ装備をする。
盾と棍棒はSAに持たせても効果があるが俺は鎧は着れないしな。
「MPも満タンだ‥‥はぁ〜緊張する‥‥まじで怖いんだよなこの魔法」
俺は気合を入れて唱えた!