二度転生したらスラりんだった件   作:Kut-Ku

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23話 スライム父親になる

 ―――時は少し遡り‥‥数日前の事。

 

 リヴェルは分裂体達とある呪文について議論していた。

 

「ところでパルプンテだけどこいつをどう思う?」

 

「凄く‥‥やばいです」

 

「自分の名前の如く、流星が降り注ぐとかメテオだよな? ゲームから現実に置き換わった場合、規模次第だが世界の破滅だな」

 

 本体のAとBとCがパルプンテについて意見を言い合う。

 

「どの時代のパルプンテかにもよる‥‥全シリーズごちゃまぜだと地獄だぞ?」

 

「この世界の法則の限界を知りたいから使ってみたい気持ちはある‥‥」

 

「もしこの先覚える魔法でマダンテ・ビッグバーン・ジゴスパークを覚えたとして、危険性はパルプンテと変わらないと思うんだよ‥‥」

 

「下手したら惑星破壊魔法って場合もありえるってことだろ? 宇宙の帝王もびっくりだよな‥‥」

 

「魔法はイメージ。ランダム性はあるだろうけど、ある程度の縛りはあると思うんだよな‥‥ヴェルダナーヴァの作った世界が俺の竜物語を制限してくれることを祈る‥‥祈りたい」

 

「「「で? 結論は」」」

 

 三人は溜息を吐く‥‥。

 

 試してみたいが安易に実行できないという当たり前の結論。

 

 黙り込む中でポツリと誰かが呟いた。

 

「時間が逆行する‥‥」

 

「元の地球に戻れるかもな‥‥」

 

「悟を助けて自分も殺されないように? でもあの男は特殊な力を持っているぞ?」

 

「もしもの話だ、限りなく可能性の低い‥‥もしものな」

 

 

 

 

 ―――時間は戻る。

 

 

「日本に帰ってドラクエしたいと思った罰か‥‥」

 

「あ‥‥あ、、あぅ」

 

「おっ‥‥お逃げくださいリ‥‥ヴェル様」

 

「ひっ‥‥!」

 

 余りの恐怖にハヤテは気絶し、ハンゾウは震えて動けない。葵は絶望した顔で尻もちを付いている。

 

 どうやら俺は【とてつもなく恐ろしい存在】を呼びだしてしまったようだ‥‥

 

 ドラクエシリーズで何度もみたことがある‥‥。

 

 

 

ボスキャラでもあるじげんりゅうだ

 

 

 頭だけでもマンション5階くらいか? 

 

 じげんりゅうは両手で次元の穴を少し広げてから、首を伸ばして辺りを見回す。

 

「父よ、ここは何処ですか? 知らない世界ですね」

 

 俺はビビりながらも三人を何とか背中に背負い、ジリジリと後退していた。

 

「ふえ?」

 

「いかがしたのですか? 父?」

 

「父? 俺が?」

 

「父は駄目でしたか? それではお父上と」

 

「嫌‥‥呼び方はどうでもいいけど」

 

 俺が呼び出したから父親ってことか? 何にせよ攻撃されないのは助かった‥‥。

 

「それで私はこの世界の次元を管理すれば良いのでしょうか?」

 

「うん? いや、好きに生きていいと思うよ? お前生まれたばかりだろ? なにか俺の知ってるじげんりゅうと威厳が違うし‥‥」

 

「威厳‥‥うっ、精進します。今父上から生まれましたからね」

 

「俺から‥‥。まぁ〜特にやって欲しいこともないし、次元の狭間でのんびりしててくれ」

 

「次元の綻びがあちこちにあるから、私が修復してきますね! 父上、それでは行って来ます!」

 

 顔を次元の中に戻し空間から完全に消えた息子? 娘? にポカーンとしていると背中で三人が動き始めた。

 

「流石はリヴェル様! あのような使い魔もいるのですね!」

 

「あ〜う〜あ〜♪」

 

「もうやだぁ〜おうちに帰るの〜〜!」

 

 余りの恐怖に幼児化して泣き崩れる葵ちゃん‥‥。

 

「ほら、よしよし。まだお姉ちゃんを生き返らせてないから頑張ろうな〜」

 

 泣きじゃくる葵の頭を撫でて慰める。

 

 中学生くらいだもんな葵は‥‥年相応に精神が未熟だ。

 

「ふん! リヴェル様が竜なんて呼び出すからでしょ!」

 

「へいへい、悪うございました。魔法のせいすい飲んで再チャレンジだ!」

 

 今度はちゃんと武器を置いて、俺と皆も赤姉が生き返りますようにと両手を合わせて祈った。

 

「パルプンテ!!」

 

「「「「‥‥‥‥」」」」

 

「何も起きないか‥‥」

 

「そんな‥‥姉様‥‥」

 

「‥‥無念」

 

「あーーーー! あああーーーーーー!!!」

 

 大声で叫ぶハヤテが指を挿す。

 

「ん? 俺の後ろか?」

 

 俺は後ろを振り向いた瞬間目にしたものは‥‥。

 

 

 

 全裸の美女だった!

 

「何見てんのよ! 変態!!」

 

「あべし!!」

 

 進化した葵に殴られて、俺は鼻血を出しながら勢いよく吹き飛んだ。

 

「お姉様!! 良かった! 本当に良かったようぅ〜うわーーーん!」

 

「私、なにゆえ裸なのでしょうか? そ、それに‥‥と、殿方に裸を見られてしまいましたわ!!!」

 

 スライム風情に裸を見られたせいで、恥ずかしがって顔を両手で隠す姉。

 

 その姉に抱き着き、姉の胸を隠してギャン泣きする葵というカオス。

 

 しかし、なにかか予兆でもあったんだろうか? いきなり復活してたな? しかも全裸で‥‥おっと鼻血が。

 

「あっあっうーうー」

 

「わかってるよ、ハヤテ。今制作中だ」

 

「リヴェル様、何か赤姉様が着るものはないのでしょうか?」

 

「あるぞ! ほら今できたところだ。赤姉ちゃん皮のドレスだ、これを着な」

 

「あっ、ありがとうございます。その‥‥後ろを向いていて貰えますか?」

 

 俺はハヤテにあっちを向けと、ぐいぐい顔を押されて赤姉を見ないようにした。

 

 ハンゾウは最初から目を閉じ反対を向いている。コイツ‥‥できる。

 

「着替えました! もう良いですよ」

 

「ふむ‥‥ぱっつんぱっつんだな」

 

「す‥‥すみません」

 

 胸を押さえて恥ずかしがる赤姉にSAで親指を立てる。

 

「ちょっと葵! いつまで抱き着いてるのですか!? ん? 貴方‥‥その姿」

 

 葵の顔をペタペタさわり角を根元から‥‥ボキッ!

 

「ぎゃあああああああああーーーーー」

 

「これ私のですよ? 返しなさい」

 

 地面に転がりながら激痛で泣き叫ぶ葵ちゃん。

 

 あっ‥‥ビクンビクンして痙攣してる。

 

 ベホイミ! 良かった新しい角が生えた‥‥しかも元の青色だね。

 

「これどうやって付けたらいいのでしょう? 困ったわ‥‥」

 

「葵ちゃんが言ってた非常識ってこういうことか‥‥左側だけに角あったのか?」

 

「はい‥‥そうなのです。今は御覧の通りで」

 

「それじゃ、角を元の場所に押し付けたままにしといて。うん、そそ」

 

 名前は何にしようかな? 赤姉だから赤音? 風音と被るな‥‥葵だし茜でいいんじゃね?

 

「よし! 決めた。お前の名前はアカネだ! 字は茜と書く」

 

 ふぇ? と可愛らしい声をだして赤姉は横に倒れて進化に入った。

 

「あっ‥‥やべ‥‥」

 

《肯定。MPの消費上限を超えました。体内の魔素をMPに変換して消費します。お休みなさいマスター》

 

 俺は意識がなくなり気絶した。

 

 

 

 

「そう‥‥リヴェル様と言うのね。小さくなっても可愛い‥‥」

 

「うううう!!! 酷いです姉様! いきなり角を折るなんて!」

 

 茜が生き返ったことにより、混ざった魂が抜けて正しい進化が葵にも起こった。

 

 進化が終えた妹が、先に目覚めている姉にぐいぐいと詰め寄る。

 

「もう! 貴方が私から角を奪うからでしょ? 鬼は角が生命の源なんだから、返して貰わないと生き返ったのにすぐに死んじゃうわ」

 

 茜の言葉に我に返り、ポロポロと涙を零す葵。

 

「ご‥‥ごめんなさい。ごめ、う~許して。痛かったよね? ごめんね? お姉ちゃん‥‥うわーーーーん」

 

 茜は葵を優しく抱きしめて頭を撫でる。

 

「それに私の角が体内の魔力循環を阻害してたでしょ? リヴェル様に直して貰った今の方が体が楽じゃない?」

 

「グスン‥‥確かに体の異物感がなくなりました。目も良く見えるようになった気がします」

 

「別に気にしてないわ。あのときは自分の命で貴方が助かるならと、そう思っていたもの」

 

「でも‥‥お、姉ちゃん。意識あったのに。わた、わたし‥‥許して、ごめん、ごめんな、さい‥‥」

 

 さらに強く茜は葵を抱きしめる。

 

「馬鹿ね‥‥姉は妹を守るものよ」

 

「‥‥」

 

 慈愛に満ちた優しい瞳で、涙を流しながら葵を抱きしめる茜。

 

 だが辺りに嫌な音が鳴り響く。

 

 それに素早く反応したハンゾウが茜に告げる。

 

「茜姉様。葵姉様の首が折れてしまいます‥‥」

 

「あーーわーーあーあ」

 

「ふぇ!? ご、ごめんなさい葵! 進化して力の加減が!」

 

 幸せそうに? 泡を吹いて倒れる葵ちゃんであった。

 

 

 

 

―――リムル・side―――

 

 

「わかった! 直ぐに向かう!」

 

 ゴブタ達から緊急連絡が入った俺は急いで現場に駆け付けた。

 

 数名が地面に倒れており、現在乱戦中のようだ。

 

「ふむ、随分と装備に助けられておるのう‥‥フッ」

 

 年老いたオーガの連撃がゴブタを襲うが盾を構えて必死に凌ぐ。

 

「重っ! 爺の癖に何て斬撃っすか! 自慢の装備っすよ〜ハッ!」

 

 もう片方では若いオーガの二体にリグルとゴブツが相対している。

 

 今にもスクルトが破られそうだ加勢しないと危ういか?

 

 良かった‥‥。地面に倒れているゴブリン達はどうやら寝ているだけのようだな‥‥。

 

「何だ? お前達は‥‥リグル状況を説明してくれ」

 

 オーガから一度距離を取り俺の元に来るリグル。

 

「面目在りません‥‥強力な力を感じたので向かってみればオーガが相手だとは‥‥」

 

 ゲームとは違い化け物じゃなく人間ぽいんだな‥‥。

 

「お兄様‥‥スライムです」

 

「あー母上が言ってた北に拠点を構えてる奴らか‥‥」

 

 鬼の美少女が兄と何やら俺達の話をしているみたいだな。

 

「事情は分からんが戦闘は止めてくれ。俺達は争う気は無い」

 

「若様、こやつら中々の強さです。共に戦えましょう」

 

「まずは詫びよう。すまなかった‥‥俺達も気が立っていたのでな」

 

 話が分かる奴らで良かったよ‥‥。

 

「ほら貴方。頭を下げて謝りなさい‥‥本当に申し訳ございませんでした」

 

「姫様!! スライム如きに謝らなくても良いじゃありませんか! あっ痛い! 翁まで痛っ!」

 

「別に俺の仲間も無事だし、そこまで謝らなくても別にいいぞ?」

 

「いえ‥‥貴方の仲間のスライムをこの者が斬って殺めてしまったのです‥‥」

 

「はあーーー!? 何だと!!」

 

『おい! リヴェル! お前オーガの里で死んだのか!』

 

『食料探しのときかな? ちょっとスラぼうが呼んでるから後にしてくれ』

 

 何で黙ってたんだ…痛覚無効もない癖に! 死の感覚を共有してショック死したらどうするんだ!

 

「俺の兄弟を‥‥許さんぞ! お前ら!」

 

 俺はSAを装備し身体装甲で覆って強化する。

 

「くっ!! 何と言う魔力だ‥‥」

 

「お許しを! 貴方様のように力をお示しにならなかったのです‥‥お許しを」

 

 俺は翼を展開し、速度を乗せた一撃で若と言われたオーガの鎧を爪で薙ぎ吹き飛ばす。

 

 続けざまに、リヴェルを殺した女を守るように立つオーガの男達を水刃との連撃で武器事破壊して裏拳を叩きこんだ。

 

 邪魔者がいなくなったところで、女に手刀を叩きこむが翁に刀で防がれる。

 

「刀が持たぬか‥‥お主の怒り。ワシの首で勘弁してくれぬか?」

 

 俺は全包囲を囲むようにしてファイヤーランスを素早く300展開した。

 

「駄目だ『あーこっちもオーガ助けたから。連れて帰るわ』はぁ!?」

 

『お前! オーガに殺されたんじゃないのか!? 何故助ける』 

 

『ちょちょ! 何でそんなに怒ってるんだよ? 死んだのは分裂体だぞ?』 

 

《告。リヴェルの旧分裂体は死んでも本体に影響は無く、精神に負荷はありません》 

 

 殺された件であいつは怒ってもないし、死んでも問題なかったってことかよ‥‥たくっ。

 

『旧分裂体だと痛みはないし、精神にも問題はないんだな!』

 

『あーすまん。そりゃお前は怒るわな‥‥VRゲームでMSに乗って死んだら現実に戻る感覚だよ』

 

「そこのお前、リヴェルにはちゃんと謝っておけよ? お前達も悪かったなフルポーションだ」

 

 俺は倒れたオーガ達に回復薬をかけた。

 

 力を俺が示した所為かオーガ達は従順になったので、一度町に戻ることにした。

 

 そして今までの経緯を若様とやらに聞くことができた。

 

「オーガの里がオーク共に襲われ我ら以外は生き残りはいない‥‥。母上が貴方様と協力して事に当たれと遺言を残しました‥‥」

 

「リヴェルの方もオーガの生き残りを助けたみたいだぞ?」

 

「真ですか!」

 

 桃色の髪をした子が俺の目の前まで押し寄せる。

 

「あ、ああ。子供のオーガ二人と姉妹の二人だな」

 

「あやつらも無事であったか‥‥」

 

「よがっだーよがったよー」

 

「感謝いたします‥‥」

 

「あの子も無事だったのですね」

 

 爺さん、おっさん、イケメン、おっぱいが順番に話す。

 

「お前達は俺の配下になるってことで良いんだよな?」

 

「はっ! オーガは元より強さを誉とした種族です。何より貴方は力を示し、許しも与えてくれました。仕えるに値する主です!」

 

 拳が震えているな‥‥己自身で敵が討てないのが悔しいのだろうな‥‥。

 

 なら俺ができることはその力を与えてやる事だ!

 

 6人のオーガが一斉に跪き頭を下げ俺に忠誠を誓った。

 

「よし! お前達全員に名を授けてやる!」

 

「お待ちください! リムル様 名付けとは本来危険が伴うもの! 安易に行うべきではありません!」

 

 桃色ちゃんが止めるが大丈夫だ! 魔法のせいすいも7本あるし、ヴェルドラもいる大丈夫だ! 問題ない!

 

「大丈夫だって、それとも俺に名付けられるのは嫌か?」

 

「そういうわけでは‥‥」

 

「俺は異論はない。謹んで名を貰い受ける」

 

「ほれ、順番に並べ〜名付けていくぞ〜」

 

 

    

―――ベニマル、シュナ、シオン、ソウエイ、クロベエ、ハクロウ。

 

 リムルが名付け終わり盛大に溶けた。

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