二度転生したらスラりんだった件   作:Kut-Ku

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24話 理不尽とは突然やって来る

「お目覚めになられましたか? リヴェル様」

 

「三刻ほど眠っていたわよ? リヴェル様」

 

 スリープモードから目覚めると綺麗な角と同じ髪色の美人姉妹が俺に話しかけてきた。

 

「悪いな茜。魔素が回復する度に大きくなるから膝枕辛くなかったか?」

 

「ふふふ、意外とリヴェル様は軽いので大丈夫でしたよ」

 

 茜はコロコロと笑う。

 

 進化して赤い角は左右二つになり、こめかみ辺りに少し後ろ斜めに伸びる感じだ‥‥姉妹揃って竜人ぽいな。

 

 ハンゾウとハヤテは額より少し上に小さい角が生えてるけど他の鬼はどうなんだろ?

 

「ほら見てリヴェル様! 角が元の青に戻ったらスキルが自由に使えるようになったわ!」

 

 葵は角が青になり、眼もオッドアイじゃ無くなってる。貪食者だったか? あらゆるモノを食べる事が出来る奴か‥‥。

 

 葵は近くの木の枝を齧って腕に生やした。

 

「それって取り込んだ物質を創造できるのか? それとも性質を取り込めるのか?」

 

「ん〜〜と…前者かな? 木が無制限に生える訳じゃないし、取り込んだ分を創造できるよ」

 

「武器や魔法とかも? 精霊や悪魔も食えるんだろうか? 面白いな‥‥」

 

「絶対いや! モノに魂があると私の精神に影響が出るじゃない!」

 

 自我が崩壊して化け物になっちゃう奴か‥‥相手の武器を食べて武器強奪とか鬼だな‥‥鬼だったわ。

 

「リヴェル様‥‥私も力を得ちゃいました! 健啖者(ヨクタベルモノ)‥‥です」

 

 恥ずかしいのか両手で顔を覆っちゃったが耳まで真っ赤だよ茜ちゃん。

 

「ふむふむ、茜のは純粋な強化系だな食べれば食べるほど強く成る感じか」

 

「私は何でもは食べれませんが。美味しいものをお腹一杯食べれば強く成れますわ!」

 

「二人揃って腹ペコシスターズだな‥‥」

 

 二人共、俺の言葉にガーーーーン!! と項垂れてしまった。

 

「只今戻りました! お目覚めになられたんですねリヴェル様」

 

「あーあーとぅ」

 

「二人で何処かに行ってたのかハンゾウ? おはようハヤテ」

 

「はい、昼を過ぎましたので魚を獲りに、コレです」

 

 ハヤテが持ってる木の皮の上に色鮮やかな魚が並べられている。

 

《肯定。左の小魚以外全てが毒魚です。筋肉、内臓、背びれに毒があり食せる部位は少量です》 

 

「ハンゾウ君! アウトーー! 小魚以外全部毒です!」

 

「えええええええええーーー!!」

 

「あいあーあーあいーた」

 

「小魚はハヤテなのね。えらい、えらい」

 

 項垂れている姉妹に混ざって、項垂れるハンゾウ君。

 

「米が無いから麦ごはん100%だけど、皆のオムライス作るか。小魚はフライだな」

 

 木のテーブルと椅子を出してハヤテを座らせる。

 

 簡易コンロに炭を入れてささっと5人分作る。

 

 項垂れていた鬼達が匂いにつられて鼻をヒクツかしながら続々と椅子に座り始める。

 

「ドワルゴン産のトマトケチャップは美味いぞ! ハヤテはスプーンの使い方は分かるか?」

 

 全員箸以外も使えるみたいで無言でかき込んでる。

 

「飲み物は笹茶で良いか? 松茶といい勝負なんだが、俺の中では今の所笹茶がお勧めなんだが‥‥って誰も聞いちゃいねえな」

 

 何となく食うだろうと思った姉妹の大盛が今にも無くなりそうだ‥‥。

 

「ああーあーうあーた!」

 

「ごちそうさまでした」

 

 ハンゾウ達が食べ終わり、ハヤテの口周りを拭いていると空の皿が二枚差し出された。

 

「「おかわりです」」

 

「やっぱり腹ペコシスターズじゃねーか‥‥」

 

 

 

 食器を水石鹸で洗い終わり、まったりお茶を飲んでるとハヤテとハンゾウがお眠なのでリムルが作ったハンモックを木にかけて寝かす事にした。

 

「先にルーラで町に帰るべきだったか‥‥でも食事も必要だしな」

 

 あれだけ食べたのに体形に影響しない姉妹が会話に混ざる。

 

「私、生き返った後の事が良くわかっていないんですが‥‥此処は何処なのでしょう?」

 

「姉様が乱戦の中、皆を率いてクシャ山脈に向かっていたはずだけど‥‥」

 

 姉妹が辺りを見回すと山脈どころか丘すらない。

 

「当たり前だろ? このまま東に直進したらミリムの住処に突撃する所だぞ?」

 

「姉様! あれだけ自信満々にこっちよ! 急いでとか言ってたのに方向音痴じゃないですかっ!」

 

「仕方ないでしょ! 屋敷が焼かれて這う這うの体で逃げ出したんですもの!」

 

「結果よければ全て良し! 迷ったお陰で俺が…いや俺達がお前達を助けることが出来たわけだしな!」

 

 良い事言って纏めようとしたのに、姉妹は聞く耳を持たずで喧嘩が始まってしまった‥‥。

 

 俺は言い争う姉妹を放っておき、眠っているハヤテとハンゾウの方に行くとハヤテがうなされていた。

 

「あ〜ああ〜ぅ‥‥はぅは‥‥」

 

 俺は劣化分裂人形をハヤテの胸に置き頭を撫でる。そして小声で魔法を唱えた。

 

「精神安定…ホイミ。精神回復…ベホイミ」

 

 気休めに過ぎないが俺はイメージを強く籠めて唱えた。

 

 涙を流してうなされていたハヤテは人形を抱きしめて、静かに寝息を立て始める。

 

 精神安定の魔法ってドラクエであったっけ? ザメハは違うし‥‥あっ! ひかりのはどう!!

 

 ゴールデンスライムに進化する事が出来たらハヤテを治せるかもしれないな‥‥。

 

「凄い‥‥ハヤテの心が安らいだ? ハヤテをありがとうございます。リヴェル様」

 

 俺の隣で茜がハヤテの髪を優しく整えながらそう言った。

 

「只の気休め程度の魔法だよ‥‥肉体にしか効果が無いんだ」

 

 そう言って後ろでタンコブを作り、地面に倒れている葵ちゃんにホイミを唱える。

 

「心の傷はそう簡単には癒えませんものね‥‥」

 

「そうだな‥‥まぁでも解決する方法も思いついたよ」

 

「まぁ! そうなのですね! それでその方法とは一体?」

 

「俺が進化して力を得る事だな‥‥いや、まてよ? 何も俺だけがって訳じゃ無いな‥‥」

 

「なるほど‥‥。私にも癒しの力があるかもしれないと」

 

「ん? 茜は物理特化だろ? 怪力・強打・威圧・痛覚無効・身体強化じゃん。ないない」

 

「ひどいです! リヴェル様! 怪力女だなんて!」

 

「ひどいのは姉様です! 口で負けそうになるとすぐに手が出るんですから!」

 

 回復した葵が巫術と能力で茜を縛り懲らしめる。

 

「ハヤテ自身が強く成れば治るかもって話だよ。ちょっと葵ちゃんその縛り方はやめなさい!」

 

 ハヤテやハンゾウはエクストラスキル持ちだがユニークではない。

 

 まだ発現してない可能性もある‥‥まだ子供だしな。

 

 

 夕方近くに二人が目を覚ましたのでルーラで帰る事にする。

 

「全員集合! 俺達の町に帰るから集まれ〜!」

 

 姉妹で談笑しながら石の上でクッキーを食べていたが、急いで駆け寄る。

 

 ハンゾウとハヤテは俺の上で寛いでるので問題ない。

 

「よし! ミナルーラ!」

 

 町に着いたが出迎えも無く祭壇周りに人だかりができている。

 

 俺が卵だった時の祭壇か‥‥何かあったのか?

 

 何がともあれようこそだ! お前達!

 

「リムル王国町にようこそ!」

 

「「「「王国? 町? あーぅ?」」」」

 

「王国予定地みたいなもんだ気にするな! まだ町だがな」

 

 俺達は気になる祭壇に向けて歩き出した。

 

「遅かったじゃないですか! リヴェル様! 何をしていたんですか?」

 

 ゴブツが俺を見つけるやそう言ってきた。

 

「あー悪い。全部合体して出てきたから直ぐに帰るつもりだったんだがな」

 

「連絡ぐらい‥‥あ〜っと、すみません。後ろの方は新しく仲間になったオーガさん達ですね。ゴブツと言います。よろしくおねがいします」

 

 ゴブツは茜達にぺこりと頭を下げて挨拶をした。

 

「こちらこそよろしくお願いします。茜と申します」

 

「葵です。よろしくお願いします」

 

「ハンゾウ‥‥です」

 

「ああぁて」

 

 ゴブリン達が茜達と打ち解けてる間に祭壇に辿り着いたが、そこで膝枕でうちわで仰がれているスライムがいた。

 

「シュナがいるって事は名付けでスリープしてたのか‥‥どうりで連絡が付かない訳だ」

 

 驚いたシュナが答える。

 

「貴方がリヴェル様ですか? あの時は申し訳ございませんでした‥‥」

 

「俺こそ悪かったな‥‥里を助けてやれなくて」

 

「いえ‥‥我が民を救って頂き感謝いたします。我々オーガにも驕りがあったのも事実ですから‥‥」

 

 死ぬ時にちらっと見ただけだが、ほんとお袋さんによく似てるな。

 

「お袋さんは驕ってもいないし冷静だったよ。生まれ育った里を捨てたくない、当たり前の話だ」

 

 俯き黙るシュナを横目に固まったスライムに魔法のせいすいをじゃぶじゃぶかける。

 

「うっ‥‥あ…俺? スリープモードに入ってたのか」

 

「おはようさんリムル。魔法のせいすい全部使い切っちゃったぜ!」

 

 うへぇと声を漏らしたリムルは量産化早くしないとなと考え込んだ。

 

「は!? 何ですか今の! どうやって魔素を回復させたのですか? リムル様! リヴェル様!」

 

「どうどう! 落ち着けってシュナ。えっ! シュナ!? めっちゃ美人さんじゃん! これはリヴェルが作った魔素回復薬だ」

 

「俺のユニークスキルで作った奴だよ。ほれ! 材料はこのキノコだ」

 

「あっ! 鍋に入れても生でも美味しいキノコですね」

 

 でもこのキノコにそんな効果あったかしらと首を傾げるシュナ。

 

 群衆をかき分けて一目散に鬼娘が走り込んでリムルを抱き込んだ。

 

「お目覚めになられたのですか! リムル様!」

 

「シオン! 交代の時間はまだですよ!」

 

 騒ぎを聞きつけ、続々とオーガ達が祭壇前に集まってきた。

 

 皆がリムルに目覚めの挨拶をしている。

 

 挨拶を終えたベニマルが俺に話しかけてきた。

 

「お前が母上が言っていたスライムか‥‥力は無いようだが安心しろ。リムル様共々俺が守ってやろう」

 

「あっ‥‥はい」

 

 茜と葵が若様! と抗議しようとしたが俺が止めた。

 

「何故ですか! リヴェル様! 若様の目は節穴です! いっそ殴って正気に?」

 

「何があっはいですか! 言い返しなさいよリヴェル様」

 

「いやいや。馬鹿にされてるわけでもなく守ってやるって話だろ? お願いしま〜すで終わる話やん」

 

 次はシオンがシュナにリムルを奪われて渋々謝罪に来た。

 

「すみませんでした‥‥。リムル様が貴方に謝れというので斬った事は謝りますが、私は悪いとは思っていません‥‥フン」

 

 茜さんの右ストレートがシオンの鳩尾に綺麗に入ったーーーー!!

 

「シオン! リヴェル様にしっかり謝罪しなさい! 殴りますわよ」

 

「お姉様もう殴ってるよ! 昔のノリみたいに殴っちゃだめですよゴリ‥‥力が強いんですから」

 

 シオンがノックダウンしたのでベホイミをかけてハルナに引き取ってもらった。

 

 次はソウエイが挨拶に来た。

 

「甥と姪を助けて頂いて感謝します。この恩は必ずや‥‥リヴェル様」

 

 片膝を付き頭を下げ礼をするソウエイ。

 

「忍者装束? あぁ〜そういう繋がりか‥‥。ハンゾウとハヤテの事だな。助けられて良かったよ、ハヤテに関しては声も出るように努力はするつもりだ」

 

「何卒よろしくお願い申します‥‥。我が姉の忘れ形見なのです」

 

 ソウエイは静かに礼をした後、ハヤテをおんぶしてハンゾウと談笑しながら去っていく。

 

「茜! 葵! よがったな〜よがったべ」

 

「叔父さんも無事でよかったわ」

 

「うええええん〜叔父さん! お姉ちゃんがひどいの」

 

 クロベエに抱き着きながら姉の傍若無人の話を延々とする葵ちゃん。

 

 会話から察するにクロベエさんの親戚なのね。

 

「リヴェル様! オラ、クロベエ言います。あんたにゃ感謝してもしきれねえぇ! 妹の子供達を助けてくれてありがとな!」

 

「お互い様だろ? 同じおっさん同士仲良くやろうぜ! 美味い酒があるんだ今晩どうだ?」

 

「おっリヴェル様はいける口だか? オーガの里の酒も此処でしこみてえな」

 

「ほっほっほっワシも一献賜りたいですぞ。リヴェル様」

 

 進化して凛々しくなった渋い爺さんが会話に混ざる。

 

「ハクロウさんかよろしくな。これ酒のつまみにどうぞ香草ジャーキーです」

 

「これはこれは忝い。お返しにオーガの里で作った佃煮ですじゃ」

 

「こ‥‥これは味噌と醤油じゃないですか!!!」

 

「ほほう‥‥博識ですなリヴェル様は、オーガの里で豆から作っていたのですが‥‥里がのうなってしまいましたからな‥‥」

 

「オーガの里に在ったのか! 醤油と味噌があれば大抵の料理は美味しくなるというのに‥‥」

 

 許すまじオーク! だけど悪いのはゲルミュッド!! そして大元はクレイマン!!! 貴様だ!!!!

 

 遠くの屋敷でワイングラスが急に割れて驚く魔王の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




すみません、少し変更します。

葵の角が茜と混じっていた時にクロベエと同じく黒髪でしたが、当初の予定では角が正常化されたときに赤髪と青髪になる事を書き零してました‥‥。

別に黒髪のままでも良いんですが。鬼は何かと原初と関わっちゃうので当初の予定は茜の髪(ワインレッド)と葵の髪(スカイブルー)でした。

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