「まさか異世界に来てこのメロディーが聞けるとは!!」
俺は感動しながらも急いで錬金のLVを確認するが、変化は無し。
更にステータスも確認すると‥‥よっしゃ!! 生産でもLV上がるなら生き残れるぞ!
ーー LV2・HP18・MP2・力9・守12・速2・賢2・運5・EP720 ---
うわ‥‥凄い脳筋キャラじゃん。
でも、MPは増えたから魔法が使えるかも。
呪文や特技は覚えなかったか‥‥しかし、速さと賢さはもはやバグだな。
おい、青メット! 舌打ちはやめろ。
LVが上がることが分かったので、暫くは水晶エリアで薬草採取と錬金を繰り返すことにした。
「獲得経験値が少ないのか? LVが上がらなくなってきたな」
現在のLVは4! ステータスを確認すると呪文に”メラ”と表示されていた。
「念願の呪文メラを覚えたぞ! 魔法だ! 魔法! 嬉しすぎる…」
嬉しさに何度も飛び跳ね喜んだ。
夢にまで見たドラクエの魔法が使えるぞ! 早く魔法を試したい!
俺は気合を入れて大岩に向けて構えた。
そして威厳たっぷりに言う。
「今のはメラゾーマではない、メラだ‥‥」
ドゴゴオオォォーーーーーン!
決め顔が鼻水を垂らす情けない姿に早変わり。
「えっメラミ? いや、メラゾーマか? 比較はできないけどさぁ‥‥」
打ち込んだ大岩が砕け散り、焼け焦げた跡が付いている。
「な…何はともあれこれで戦えるな。この威力で消費MP2とか意味不明だけど‥‥」
今のところは3発撃てる! 3回使ってみたけど、呪文の名前を口にださないと威力が極端に落ちるようだ。
ファイヤーボールとか、口からヨガファイヤーだと小さい火玉になるみたい。
最初の高威力は言葉にメラを入れていたからなのか?
「色々、研究したいけど自動回復しないんだよなMP‥‥」
つい楽しくなりすぎて、MP0にするとか俺の馬鹿。
今敵に襲われたら終わりじゃん。
岩でシェルターを作ってここで寝てみるか。
岩に囲まれた場所では凄く寝にくかったが、MPは満タンに戻った!
「でも妙に気だるいんだよな‥‥」
生産中にステータスを確認してわかったんだが、EPは経験値じゃないってこと。
そうなると困るのが、次のLVに必要な経験値が分からないってことだ。
「錬金LVは上がらないし、上やくそうはついに99個になってしまったな」
新しい錬金素材で取得経験値上げるか、モンスターを倒すかしないとこれ以上の成長は厳しいだろう。
というわけで探索を再開だ。
呪文の研究は安全なキャンプエリアで良いだろう。
水晶エリアを抜けて奥に進むと左手に古びた大きな門があり、固く閉ざされている。
「随分と長い間放置されていたみたいだな、
太陽は恋しいが、外に出てすぐに倒されては敵わない。
幸いこの洞窟に来ている人はいないようだし、安全に探索が出来そうだ。
門を無視して更に奥へ進む途中に、滝があり小さな泉がある場所を見つけた。
「キノコ! キノコあるじゃん! 花もあるけど両方毒っぽい見た目だな‥‥」
見た目はキノコが青いマッシュルームで、花は血のように赤いコスモスだ。
「草はもう食べ飽きた‥‥ほんの少し齧るだけなら大丈夫でしょ‥‥たぶん」
ビクビクしながらキノコをかじる。
「美味い! けど毒も美味いらしいからな」
なぜかキノコを食べたら危機察知スキルが生えた。
死ぬのか俺‥‥。
[危機察知] コモンスキル・パッシブ・危機が迫ると知らせてくれる。効果範囲は50メートル。
「結局キノコが毒か判らないんですけど‥‥」
あれからキノコや花を採取して時間が経過したが、特に体に変化は無いので齧ったキノコを全部食べた。
食料にもなる水も草もあるからここは第二キャンプ場だな。
先に進む道は狭いので岩を置いて塞ぐことにした。
これで安全地帯の完成だ。
まずは無詠唱、頭の中でメラを唱える。
小さい火玉、火力は薪に火を付けるくらい。
「メラファイヤーボール」
最初ほどではないが威力高めだな、イメージとメラという単語も重要ってところか。
深く息を吐き、全身の神経を一点に集中させる。
イメージは膨大な魔力を体中に張り巡らす感じ。
限界を超えて、持てる力をすべて出し切れ!
「これがオラの全力全開のかめはメラだーーーーーーーーーーー!!」
小さな火玉がゆっくりと地面に落ち、消えた‥‥。
「やはりイメージが大事ということだな!」
かめはめ波はビームだし、ファイヤーボールだとイメージに近いということか。
それにタメ時間も重要だとわかった。
最初のメラはセリフ中に集中して出したから、威力も上がったんだと思う。
平たい大きな石を泉で綺麗に磨いて、今日はこの上で寝よう。
おやすみなさい。
起きてすぐに無詠唱でキノコを軽く炙り、朝食を取った。
食べながらステータスを確認。
すると何故かMPが回復している。
「あれ? 無詠唱のメラ消費分が回復してるんだが?」
もしかしてMP回復キノコか? 慌てて錬金を見てみる。
[魔法の小瓶]水2・キノコ1 MPが10回復する。
「凄く美味しいから、嬉しいと悲しいが同時に来るんだが‥‥」
とりあえず10個、それ以上は駄目絶対! 花もキノコも自然保護の観点で少量は取らないで予備に置いてるけどね。
現在LVは5に上がってホイミを覚えた! 消費MPは4だ。
最大MPは10なので、2回使えるな。
やくそうがあるけど緊急時には役に立つはずだ‥‥たぶん。
道を塞いでる岩をどけて次の場所に行こうか! キノコ以外でLV上げないと。
奥に進むとそこは岩山エリアだった。
大型の蝙蝠が辺りを飛んでいて、危機感知がめっちゃ煩い。
「ドラキーじゃないな? 可愛さの欠片もないぞ」
岩で防壁を作り、隙間から蝙蝠に目掛けてメラを唱える。
見事に命中! 一撃で蝙蝠は焼け落ちていく。
仲間がやられたのを察したのか、声がする方へ一斉に襲い掛かってきた。
「単発のメラじゃきついか、クソッ! 威力が低い」
続けて撃つが集中が出来ず、威力の弱いメラでは一撃にはならなかったようだ。
手負いの蝙蝠が仲間と共に防壁に体当たりをしかける。
「まずい! 一斉に来られると岩が崩れるぞ!」
なんとか耐えた防壁に一匹の蝙蝠が超音波を放った!
音が俺を貫く、一瞬意識が飛びそうになるが瞬時に無詠唱のホイミ。
残り少ない岩を全部出して、更に全面を補強した。
蝙蝠は残り3体‥‥。
すかさず魔法の小瓶を飲み干し、無傷な蝙蝠にメラを唱えた。
頭に直撃し1体仕留めるが、仲間の超音波がお返しとばかりに俺に突き刺さる。
岩の防御で少し緩和できたが、ダメージで身体がふらつく。
痛みに耐えながらもなんとか無詠唱でホイミを唱えて回復する。
負傷して動きが鈍った蝙蝠に目掛けて、渾身のメラを放つ。
見事に倒すことができると、最後の1匹は一目散に逃げ出した。
「はぁ〜〜めっちゃ疲れた‥‥」
誰だよ! やくそうあるからホイミは微妙とか言った奴! 俺なんだよな‥‥。
無詠唱ホイミが強すぎる。
回復量は少ないだろうけど瞬時に痛みが緩和されて、即座にメラが撃てるようになるからな。
「蝙蝠の死体はどうしようか? 素材の剥ぎ取りなんて手もナイフもないからできないぞ‥‥」
焼け焦げた臭いの死体に顔をしかめながら、素材になりそうな部位を探す。
すると頭にあのメッセージが流れてきた。
《ユニークスキル『竜物語』を使用しますか? はい/いいえ 》
「はい、はい、はい!」
すると目の前の蝙蝠の死体が消えた。
「とりあえず全部回収するか」
ソロでは団体戦は厳しいので第二キャンプ場に戻ろう。
袋を見るが死体は何処だ? 思いつく限り唱えてみる、倉庫・カバン・道具袋 おっ反応した道具袋の中だ。
[道具袋] 蝙蝠の羽4、蝙蝠の牙6
解体も自動で処理してくれるのか、そういや時間停止機能とかあるんかな?
錬金で直に使うし、水も飲むから時間経過を気にしてなかったわ‥‥。
道具袋の蝙蝠素材が腐るか、袋の花が枯れるか試してみるか。
もう蝙蝠がいる通路は岩で塞いじゃえ! 封印完了!
今日は疲れたし、寝たら久々に兄弟に会いに行くか。
王子は闇落ちしてしまい…二度と現れません…(´;ω;`)