二度転生したらスラりんだった件   作:Kut-Ku

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03話 いつも隣に居た先輩。

 いつから俺は難聴系主人公に‥‥。

 

 蝙蝠退治でLVが上がっていたのに、超音波の影響でまったく聞こえなかったみたいだ。

 

 LVは2つ上昇して7になった。

 

 覚えたのはピオラ! 効果は単体の素早さを上げる補助魔法だな。

 

 鈍足とはおさらばだと飛び上がり喜んだが、バグのせいで効果が余り感じられない。

 

 現在の素早さ6に、ピオラの効果でなんと素早さが50%UP!

 

 そして俺の素早さが驚きの9に‥‥。

 

 でも若干速さを感じるのが泣けるぜ。

 

 思いつく速度上昇の方法は‥‥装備品で速度を上げるか、LVUPするしか今の所方法はないな。

 

 LVUPの自動振り分けボーナスで、賢さや素早さがたまに0ってどういうこと? 

 

 呪いか! 早くあくましんかんに呪いを解いてもらわなきゃ‥‥。

 

 

 

 ソロでは厳しく、魔法を撃って距離を取る場合も素早さは必須だろう。

 

 魔法の威力は賢さ依存だし、上げ過ぎると不都合な何かがあるのか? 脳筋のステ振りなのに魔法使いをしいられるとか意味不明すぎるわ。

 

 安全にいくなら、やっぱりパーティーは必須だな。

 

 ゲームでもお馴染みのいつも隣に居るせみもぐら先輩と、いたずらもぐら兄貴をどうやって仲間にするかだが‥‥。

 

 あれこれ試行錯誤していると、あっという間に中央の丘に辿り着く。

 

「サスケはどこにいるんだ?」

 

 辺りを探してみると、ミステリーサークルが出来ている場所があった。

 

 あの辺りにスライムの兄弟が居るみたいだな。

 

 成長した兄の姿を見せに行くか、兄は大魔王になってしまったぞ。

 

「ようサスケ、お土産だ! 美味しいから食べてみ」

 

 俺はキノコを焼いて弟の進行方向にそっと置く。

 

 するとキノコは、一瞬で強酸に溶かされたように消滅した。

 

「ひぇ〜消化スピードが異常すぎないかおまえ?」

 

 少し思いついたことがあるので試してみることにした。

 

「ここがドラクエ世界なのかはまだわからないけど。モンスターと言えば餌付けだよな」

 

 俺はやくそう・上やくそう・蝙蝠の羽・牙を1個ずつスライムの体に投げ入れた。

 

「できれば仲間になってくれ、パワレベリングもするから!」

 

 祈るような気持ちで見守るが、変化はなし。

 

 やっぱり魔物の肉じゃないからダメか‥‥。

 

 落胆したその瞬間、突然声が聞こえだした。

 

「あめんぼ、あかいな、あいうえお。我々は宇宙人である!」

 

「馬鹿な‥‥。この世界はSFだったのか?」

 

 いつからこの世界がドラクエだと錯覚していた? 

 

 許せサスケ‥‥。流石に蝙蝠素材はやりすぎたみたいだ。

 

「あっ、あの‥‥スライム様! 何でもかんでも食べさせたのは謝りますから! 許してください!」

 

《否定。目の前のスライムに聴覚は無く、言葉による意思疎通は不可能と思われます。》

 

 やめて! 混乱に、混乱重ねてくるのマジで止めて! メダパニかよ‥‥。

 

 冷静に、まずは頭の中を整理しよう。

 

 急に喋りだしたエイリアンスライム。

 

 我々という言葉の意味は‥‥。

 

 俺も同種のエイリアンだったということか? 更に追加で話しかけてきた人物も‥‥。

 

《否定。私はユニークスキル大賢者です》

 

 

 

―――大賢者スキル説明中―――

 

「大ちゃん、目の前のスライムに解析鑑定」

 

《否定。解析が妨害されています。逆に相手に解析を仕掛けられています》

 

「げっ、認識阻害持ちか? 相手の方が高LVだったのかも‥‥」

 

 大ちゃんからの返事がない。今も攻防戦が繰り広げられてるのか? 

 

 すぐにこの場から逃げた方がいいかもな‥‥。

 

 大ちゃんが防いでくれているし。

 

 急いで逃げようとしていたら、突然目の前のスライムから話しかけられた。

 

『おい、聞こえるか? 誰だか分からないけど、おまえのおかげで喋れるようになったんだ! ありがとな』

 

《困惑。解析の攻防でスキル同期が起きました。それにより、スキル通信と念話が可能になりました》

 

 もう! またメダパニかよ! てんしのすずを誰か下さい。

 

『弟よ、兄はもう頭がパンクしそうだ‥‥』

 

『誰が弟だ! 蝙蝠の素材くれたのおまえだろ? 喋れなくて困ってたんだよ』

 

『いやいや、気にするな。それよりキノコ美味かっただろ? 醤油が欲しいわ』

 

『醤油! おまえ日本人か?』

 

『おう、死んで転生した日本人の上城流星だ! よろしくな』

 

『星かよ! 俺だ、三上悟。てか何でおまえまで死んでんだよ!』

 

『悟なのか!? お前もスライムに転生したのかよ!』

 

  ―――事情説明中―――

 

『なるほど、お互い災難だったな‥‥』

 

『俺が殺されたのって、何か違和感あるんだよな?』

 

 それからお互いのスキル確認や今後の方針を話すことにした。

 

 

 

 ・思考加速 数千倍に知覚速度を上げ、時間が停止したような状態で思考可能

 

 ・解析鑑定 対象・人物を解析、及び鑑定を行えるようになる

       

 ・並列演算 思考と切り離し演算することが可能。錬金中も行動が可能になる

 

 ・詠唱破棄 無詠唱の威力調節が可能。詠唱する事で火力上昇

 

 ・森羅万象 この世界の隠されていない事象以外を把握する

 

 

 まずは思考加速の実験だ。

 

『ザッワーールドッ! 時よ止まれえィ!』

 

『まさか、貴様! 同じタイプのスタンド!』

 

『俺が時を止めた。お前が3分の時点でな』

 

 現在、能力の確認中だ。

 

 決して遊んでいるわけではない。

 

 使用するとMPがごっそり減る。

 

 効果時間は体感で3分くらいだろうか? 

 

 悟の方が俺より10秒ほど長く使えるようだな。

 

『ずるいぞ! おまえは魔法が使えて』 

 

『おまえLV上げてないだろ? そりゃ無理だぞ』

 

 どうやら悟のステータスには名前・称号・スキル・魔法・特技・耐性しかないみたい。

 

 俺だけがドラクエのステータスが使えるようだ。

 

「この世界のことを森羅万象を使って学習しないとダメだし、図書館にでも行かないとな」

 

「悟? 聞いているのか? おーい」

 

《否定。個体名三上悟は、現在、視覚、聴覚、味覚、嗅覚がありません》

 

『どうした? 急に黙って。捕食で魔法覚えるかもしれないし、メラ撃ってくれよ』

 

『さとる〜〜〜おまえ苦労したんだな〜〜〜(ガチ泣き)』

 

『なんか情緒不安定だなおまえ。でも分るぞ〜〜急にスライムに転生したら辛いし怖いよな〜〜(貰い泣き)』

 

 大賢者二人《やれやれだぜ‥‥》

 

 なあ大ちゃん、悟の目と耳を使えるようにできないか?

 

《肯定 。危機察知を解析し、魔力感知の情報を取得。足りないコストは忍び足を生贄に、作成可能です。》

 

「忍び足さーーーーーーーーん!!」

 

《続いて、魔力感知を持った貴方を捕食させれば三上悟の視覚、聴覚は補えます》

 

「えっそれ死ねってことだよね? 大ちゃん俺のこと嫌いなの?」

 

《肯‥‥否定。種族スラりんの固有能力の分裂を使えば本体は問題ありません》

 

 大ちゃーーーーん! ツンしかないなこの子。

 

 あと種族スラりんってなんぞ? 分裂って怖くね? 自我の崩壊とかしない?

 

『悟! 大ちゃんが聴覚と視覚を使えるようにできるみたいだぞ!』

 

『マジかっ! 頼む! 不便でしょうがなかったんだ』

 

 では大ちゃん先生、よろしくお願いします。

 

 できれば痛くしないでね?

 

《肯定。まずはエクストラスキル魔力感知を獲得‥‥成功。続いて分裂体にスキルを複製します。》

 

 忍び足は犠牲になったのだ。おおおおぉ体が分かれていく。

 

 そこには死んだ魚のような眼をした俺の姿が‥‥。死んでるのか?

 

《肯定。魂の抜け殻のようなものです。本体が消滅、及び魂の移転で切り替え可能です》

 

 橙子さんの人形みたいなものか、最強すぎじゃないか?

 

《否定。本体が消滅時に、スキルも消滅します。分裂体に持てるスキルは一つだけです》

 

 ふむふむオリジナルが死ぬと分身に宿れるが持ってるスキルはすべて失う。

 

 本体を置いて、分身で戦うとスキルを一つしか所持できない。

 

 大賢者、竜物語を所持できるのはオリジナルの本体だけ。

 

 結構縛りがきついな‥‥。現状魔力感知か危機感知を付けれるだけか。

 

『悟君、そこにある私の分裂を捕食したまえ』

 

 凄くまずそうなものを食べるように悟は捕食した。

 

「おおおお! 見える! 見えるぞぉぉーー!」

 

「感謝しろよ、忍び足先輩に」

 

「よくわからんが、忍び足先輩あざっす。耳も聞こえる‥‥凄いなこれ」

 

 ふふふ悟の奴、嬉しそうにぴょんぴょんしよって。

 

「おまえはドラクエのスライムなんだな、固有能力も種族も違うし」

 

「スラりんって何だよ」と笑っている悟に体当たりしながら自分の能力を聞いてみると、消化・吸収・分裂の3つの固有能力だと。

 

 悟が魔法を撃ってくれと煩いので、メラを威力低めの無詠唱で悟の前に出した。

 

 それを食べようとメラを包み込んだ悟だが、獲得できないだけでなく多少のダメージも入ったみたい。

 

 俺は慌ててホイミをかけたが、何故だろう?

 

「痛てて、ありがとさん。まさか解析出来ないとはな、流石ユニークスキルってところか?」

 

 気になる魔法の小瓶も検証してみた。

 

 俺の場合はMPを回復し魔素に変換可能で効率は良いみたい。

 

 逆に魔素をMPに変換するのは効率が悪いようだ。

 

 MPはサブタンク扱いだな。

 

 なるほど、岩に囲まれて寝たときは魔素をMPに変換しているから気怠かったのね。

 

 悟に飲ますと200ぶんの1くらい魔素が回復できるようだ。

 

 大賢者さんが言うには魔素を回復させることが出来るのは非常に珍しいみたい。

 

 俺の上やくそうと、悟の回復薬を交換した。

 

 俺の方が回復効果が低いらしい。

 

 しかも悟の回復薬は欠損完備だと‥‥ズルくね?

 

 大ちゃんが言うには、錬金のLVを上げれば最終的には同じ効果の薬が作れるようになるみたい。間違いなく万能薬だろうね!

 

「俺の上やくそうって実際どうなん? 効果低いんだろ?」

 

「効果は低いが、上やくそうから回復薬作るほうが草の消費が少なくて済む」

 

 なるほどウィンウィンだな。

 

 最大数を超えて持つ意味も無いし、悟に全部渡すか。

 

 魔法の小瓶と、どくけし草を悟に渡した。両方研究するみたい。

 

 俺の道具も、悟の胃袋と同じで時間停止効果があって良かったぜ‥‥。

 

 大ちゃんの竜物語の解析が進んだおかげで、仲間を選択可能になった。

 

「流星は悟を仲間にした!」

 

「しかし悟は仲間にならなかった。痛い、痛い。やめろ」

 

 これでパーティーに悟を参加させれるようになったぞ!

 

 味方のHPや残り魔素がMP表示で分かるのが面白い。

 

 準備は万端整った! 

 

 魔法が使えない! とぶつくさ文句を言う悟を無視して、一緒に洞窟を探検だ!

 

「おまえ、ゆっくり歩いてないで早く来いよ」

 

「これでも全力疾走なんだよっ!」

 

「仕方ない、俺に乗れ」

 

「ハイヨー! シルバー!」

 

 俺は颯爽とまたがり、そして壁に叩きつけられた。

 

「ごめん、ごめん、体が滑ったわ」

 

「野郎! ぶっ殺してやる!」

 

 それはぽよん、ぽよんと。激しい乱闘だった‥‥。

 

 俺は悟の背に乗り、移動先で見つけた鉱石や結晶を一緒に片っ端から採取する。

 

 通路を進んで行くと、凄く大きな地底湖エリアに辿り着いた。

 

 だが道の先が無く、崖になっている。

 

 地底湖の下の方に大穴があるが、他に道がないようだ。  

 

「落ちたらやばくないか?」

 

「なら俺に乗れ、俺なら浮くはずだ」

 

 悟を背に乗せて地底湖に向けてジャンプ!

 

 華麗に水面に着水し、そして沈む二人‥‥。

 

「がぼぼぼぼ!(浮かんのかい!)」

 

「がぼがぼがぼ!(殺す気か馬鹿野郎!)」

 

 俺は岩を出し足場を即座に作る。

 

 俺自身は悟を降ろした事で浮力を得て浮いたんだが、問題は悟を持ち上げて岩場に運ぶ方法何だが‥‥。

 

 悟の横に岩を置けばよじ登れるだろう。

 

 急いで救助に向かおうとしたが、突如轟音が聞こえる。

 

 音と共に泉の水位が急速に減っていき、やがて一か所に吸い込まれて水底だけが残った。

 

「水が吸い込まれて、消えた?」

 

 激しい濁流の音が聞こえた瞬間、俺の体が吹き飛んでいく。

 

 どうやら悟が水流ジェットで体当たりを仕掛けてきたみたいだ。

 

「何が大丈夫だ! 死ぬかと思ったじゃねーか!」

 

「痛てて‥‥大丈夫だ問題ない。岩で足場を組んで助かる予定だったし」

 

「最初から岩を落とせば足場にできたんじゃ‥‥」

 

「そっ‥‥そうとも言う」

 

 おっおい、馬鹿やめろ。やめてください!

 

 何それ? 水刃っていうんだ! わお〜過激。

 

「すぐに調子に乗るからだ、馬鹿野郎!」

 

「だって岩の回収めんどくさいんだもん」

 

 ギロリっと悟に睨まれてしまい、言い訳を並べて謝った。

 

 二人で上から見えた大穴に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 通路に入っていくと急に声が響いた。

 

『聞こえるか? 小さき者達よ』

 

 

 




ドラクエの魔法はアーツみたいなものです



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