二度転生したらスラりんだった件   作:Kut-Ku

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閑話 姉妹の日記

――――――時は数カ月遡る――――――

 

 

「‥‥嫌! お姉ちゃん!」

 

 私は布団から勢いよく起き上がり、慌てて姉の姿を探す。

 

「‥‥むにゃむにゃ。プ、プリン‥‥」

 

 隣の布団で幸せそうに口を動かして眠る姉がちゃんと其処に居た。

 

「はぁ‥‥もう! 人の気も知らないで‥‥アグゥッ」

 

 姉のほっぺを突いていると急に飢餓感に襲われる。

 

「貪食者か‥‥私の、馬鹿。リヴェル様の分裂体は? ハァハァ‥‥何処?」

 

 姉に食らい付く衝動を必死に抑えて、私は机の上に置いてある箱を探して開けた。

 

「ごめんね、リヴェル様」

 

 私は飲み込むようにしてリヴェル様の分裂体を食べた。

 

「はぁ〜〜〜美味しい‥‥味は無いんだけど」

 

「ふふ‥‥あげませんよ葵‥‥zzZ」

 

 イラッとしたので姉の鼻を摘まんで遊んでいたが、鳥の鳴き声が聞こえ始める。

 

「うわ〜まだ外が暗いや。でも、目が覚めたし起きよっと」

 

 顔を洗いに洗面所へ向かうと先客がいた。

 

「ああぃう」

 

「おはようハヤテちゃん。ふふ、凄く眠そうだね」

 

 眠そうに頭をフラフラと揺らすハヤテの顔を、布で優しく拭いてあげる。

 

 私が顔を洗い終えると、ハヤテが両手で布を差し出してくれていた。

 

「ありがと。ハヤテちゃんも早起きだね」

 

「あうああいああう、ああいあぅ」

 

 う〜〜ん。

 

 リヴェル様じゃ無いからハヤテの言いたい事が良くわかんないよぉ〜。

 

「ごめんね、ハヤテちゃん。わかんないや」

 

 欠伸をしたハヤテがリヴェル様の部屋に向けて指を挿す。

 

 覗いてみると部屋には誰も居なかった。

 

「あ〜一緒に寝てくれなかったのか‥‥じゃー私の所に来たらいいのに」

 

 ハヤテは次からはそうすると言いたげに頷き、ハンゾウの部屋に歩いて行く。

 

「むぅぅぅんん‥‥」

 

 部屋からハンゾウの唸り声が聞こえてきた。

 

 私はリヴェル様が部屋に居ないのが気になったので地下室を降りていく。

 

「リヴェル様に分裂体のストック貰わないと‥‥うぅ〜寒いよぉ〜何で家の中で研究しないんだろ?」

 

 精霊達が光り輝き、その光が部屋の光源になっている。

 

「あっいた! 徹夜で何して‥‥この変態!!

 

「ちょ!? 何で此処に葵が! 違う! 誤解だ!」

 

 黒髪の裸体の女性を満足げに眺めて頷いている馬鹿なリヴェル様にビンタする。

 

「其処に座りなさい!!」

 

「あうちっ! 研究中でして‥‥あ〜その葵さん? 痛い、痛い! すみません!」

 

「もう! いやらしい研究何て止めて! ハヤテが見たらどうするのよ!」

 

 私はリヴェル様を正座させて小一時間ほど説教をした。

 

「果たして横に為る事が正座と言うのだろうか‥‥」

 

「じゃー火で炙りましょうか?」

 

 首を激しく横に振るリヴェル様。

 

「まったく‥‥。リヴェル様の分裂体を貰いに来たんですよ。何個か貰えますか?」

 

「おう、劣化分裂のサイズも自由にできるから味も変えてみたぞ?」

 

「‥‥味?」

 

「イチゴ味に、オレンジ、りんご、バナナ? の四つだな」

 

 リヴェル様は手のひらに乗るサイズの果物の匂いがする分裂体を渡してきた。

 

「あ、ありがとう。リヴェル様」

 

「気にすんな。魔素が常に減る訳でも無いし、食べ続けたら改善すると大ちゃんが言ってたぞ?」

 

「うん、改善してたから食べるの遅れちゃったんだ‥‥」

 

 私もリヴェル様を食べる事によって、MPというステータスが追加された。

 

 数値はまだ低いが魔素が減ると代わりにMPから魔素が補給されるので、今朝は食べずに油断してしまった。

 

「何個でも作れるんだから、遠慮せんと食え食え」

 

 ふふ、何だかお父さんと話してるみたい。

 

「ありがとう! リヴェル様」

 

 精霊達の方に飛び跳ねていくリヴェル様は見ていて和むなぁ。

 

「お前達が知らせてくれたら良いから、お前! その要求はボリすぎだろ!」

 

 何か精霊達と交渉してぴょこぴょこ怒る姿が可愛い‥‥。

 

 でも‥‥助兵衛は絶対に治させるから。

 

 

 

 あれから更に数カ月たつと、我が家に温泉が出来た!

 

 リムル様が暴風龍様の洞窟から此処まで温泉を引いてくれたの!

 

「よし、混浴にしよう!」

 

「お前は勇者か!?」

 

 リムル様が驚愕した顔でリヴェル様を見ている。

 

「駄目に決まってるでしょ! リヴェル!」

 

「懲りないよね〜。ご主人様も」

 

「ミラノさんの裸が見たいだけじゃない! 馬鹿!」

 

 ミラノさんが師匠一緒に入りましょうね! とか言うからリヴェル様が乗り気になっちゃったんだ‥‥。

 

 私達がリヴェル様を叱ると、お姉ちゃんがリヴェル様を抱き上げる。

 

「私だけならいざ知らず‥‥姫様やシオン、あの女も居るのですよ? だ・め・で・す!!」

 

「イエッサーーあああぁぁ〜〜〜!」

 

 般若の様に恐ろしい姉がリヴェル様をギリギリと締め上げる。

 

 懲りないリヴェル様が時間帯で混浴にと案を出すが、リムル様がオーク達と男女別にササッと露天風呂を作り上げてしまった。

 

「無慈悲すぎるぞリムル! お前に心は無いのか‥‥」

 

「諦めが肝心ですぞリヴェル様? ほっほっほ」

 

 オーク達が申し訳なさそうにリヴェル様に謝り、更衣室を作り始めた。

 

「ハクロウ、麹が出来たんだがオーガの里の味噌や醤油の作り方わかる?」

 

「おおぉ! わかりますぞ。あとは大豆と塩があれば‥‥ワシに良い案が、ソウエイに作らせましょう。あ奴は醤油作りも実家がやっておりましたからな」

 

 木の上から飛び降りて来たソウエイさんが会話に混ざる。

 

「承知いたしました。私の小屋で製造する事にしましょう‥‥ではリヴェル様、私が作る醤油で煎餅を是非」

 

「任せておけソウエイ! 醤油煎餅でもおかきでも何でも作ってやるよ! 味噌も頼むぞ?」

 

「それは重畳。リヴェル様のお陰で、老後の楽しみが増えましたわい! ほっほっほ」

 

 何やら男達で盛り上がっているが、私はしょっぱいものより甘いものの方が好きだなぁ〜。

 

 

 

 今日はリヴェル様が私の為に用意してくれた葵薬局で作業しています。

 

 自分の名前が付くのは少し恥ずかしいけどね‥‥。

 

「はぁ‥‥この匂いだけは慣れないわ」

 

「洗濯ばさみ使う?」

 

 今、お姉ちゃんと一緒に湿布を作っているの。

 

 お姉ちゃんも、お母さんに調合や配合を教わっているのでよく私を手伝ってくれるんだよ。

 

 様々な野草をすり潰した匂いが駄目な姉さんは、鼻を洗濯ばさみで挟みながら涙目だ。

 

「じゃーお姉ちゃん。私、リグルドさんに湿布渡してくるね」

 

「ひゃーい。いってらすさい」

 

「あはは! 慣れたら良い匂いなんだけどね」

 

 薬局を飛び出して中央区の会議室に向かう。

 

 リグルドさんは普段は此処でお仕事してるんだよねぇ〜。

 

「おっ? 葵じゃないかリグルドに用か?」

 

「へっ‥‥誰ですか?」

 

「俺だよリムルだよ。リヴェルに身体作って貰ったんだ! どうよ?」

 

 両手を広げて可愛らしく笑うリムル様に見惚れてしまう。

 

「凄く可愛いらしいです‥‥ん? 作った? あっ‥‥あの変態行為はそういう事?」

 

「あいつは助平だが変態じゃない! 仮に変態だったとしても、変態と言う名の紳士だよ!」

 

 頭を押さえて溜息を吐く私に、リムル様はすまんすまん冗談だと笑い言う。

 

「何言ってんだこいつ‥‥みたいな顔で見るんじゃないよ葵。リヴェルも俺の為に色々研究してくれてたんだ、大目に見てやってくれよ! それをリグルドに渡すんだろ? 俺がついでに届けといてやるよ」

 

「あっ! じゃーお願いしますリムル様」

 

 湿布薬を受け取ったリムル様は手を振りながら去っていく。

 

 私はリムル様が可愛らしい少女にどうやって為ったのか気になったので、家に帰ってリヴェル様に聞く事にした。

 

 リヴェル家の玄関を急いで駆け上がり、廊下を曲がると誰かにぶつかる。

 

「きゃっ!」

 

「何を急いでいるんだ葵? 走ると危ないぞ?」

 

「痛った〜い! もぉ〜誰? だだだだだ誰でふかっ!?」

 

 鼻を抑えて涙ぐむ私の目の前には、私と同じ年齢くらいの美しい少年が居た。

 

 誰!? 鬼人にこんな子居た? 凄く格好良いんですけどぉ!! あ〜もう! 髪も整えてないし! 私、薬草臭くない? 嫌われたくないよぉ〜〜。

 

「熱は無いみたいだな。誰って俺だよ、昼飯のリクエスト何かあるか?」

 

 近い近い近い近い! ドキドキしすぎて胸が痛いじゃない! もう! 

 

「ちょ! 離れて! かっ顔が近いわよ!! 俺って‥‥嘘。リヴェル様‥‥なの?」

 

「俺以外に誰が‥‥あー今は鬼人に変化してるんだよ。時間制限があるからリクエストが無いなら適当に作るからな?」

 

「こんなの詐欺じゃない!! リヴェル様の男前ーー!」

 

 私の初恋が一瞬で終わるなんて酷すぎるわよぉーーーーー!! でも好きーーーー!!

 

 父親みたいな存在のリヴェル様が、急に理想の王子様に為った衝撃に耐えきれず。

 

 私は真っ赤な顔を隠す様にしてその場を逃げ出した。

 

 

 

*茜・side

 

「あれ? 葵はもう起きちゃったの?」

 

 息苦しい目覚めから起きた私は、障子を開けてまだ薄暗い朝の空を見上げる。

 

「最近、リヴェル様と余り話せてませんわ‥‥」

 

 街が急速に発展した所為でいらない箇所を更地に変えたり、大量の資材を持ち運ぶ為に私は引っ張りだこだ。

 

「ご飯時だけじゃ関係は進まないわよね? よし! リヴェル様に会いに行きましょう!」

 

 パパっと寝間着から着替えて、洗面所へ。

 

 顔を洗い、髪を整えてリヴェル様の部屋に駆け足で向かう。

 

「あれ? 居ませんわね?」

 

「茜姉様。リヴェル様は地下室ですよ?」

 

「あら、そうなの? うふふ、ありがとハンゾウ」

 

 顔に落書きをされたハンゾウが居場所を教えてくれる。

 

 地下の階段を降り、研究所に辿り着く。

 

 中央の机で何やら、左右に揺れながら何やら考え中のリヴェル様が居た。

 

「おはようございますリヴェル様。何を悩んでいるんですか?」

 

「ひょ!? あ、あ、茜さん! 何でお前までこんな所に!」

 

「‥‥茜さん? 怪しいですわね‥‥」

 

 リヴェル様が何を作っているのか机を覗いてみると‥‥。

 

「りりり‥‥リヴェル様!!! もう! もう! 何て物を作ってるんですかーーー! 没収です!」

 

 セクシーな女性用の下着を机から素早く奪い取る。

 

「それはお前にはサイズが合わないだろう? 返してくれよ茜」

 

 私は顔が熱くなるのも構わず叫ぶ。

 

「こ、こ、こんなエッチな下着をどうしてリヴェル様が御作りに為ってるんですかーー! あっ!」

 

 手に持った下着が宙に浮く手に奪われると、下着の姿が清楚で可愛らしい物に変化していく。

 

「あっ凄い! 可愛い下着ですね。これは何ですか?」

 

「それはブラだな。胸に当てる下着だぞ」

 

「ふむふむ、乳房を支える構造何ですね‥‥良いかも」

 

「胸の形が崩れるのを防いだり、服がこすれるのを防ぐし、身体を動かす時も固定するから動きやすいぞ」

 

「リヴェル様!! 少し後ろを向いていてください!」

 

「俺は一向に構わん!」

 

「私は構います!! 早く後ろを向きなさい!」

 

 私は強制的にリヴェル様を後ろ向きにして、置いてある布を被せた後に素早くブラを装着する。

 

「うまく留まりません‥‥何故でしょうか?」

 

「ホックがあるだろ? 引っ掛ける奴‥‥任せろ、よし! どうだ?」

 

「あっ‥‥ありがとうございます。って! 見えてませんよね!? リヴェル様!」

 

 リヴェル様を確認すると、ちゃんと後ろ向きで布を被りSAを操作している様だ。

 

「ふっ俺ぐらいになるとセブンセンシズに目覚めてるからな‥‥」

 

「せぶんせんしず? 新しいスキルですか? あっ、凄くサイズがぴったり! 動きやすいし、着心地も‥‥」

 

「もうこれ取っていいか茜?」

 

「どうして私のサイズを知ってるんですかーーーーーっ!!!」

 

「ぎゃあぁぁぁーーーーー!!」 

 

 リヴェル様をお慕い申してますけど‥‥この助兵衛な所を早く治さないと。

 

 

 

 街に水道橋から水が流れ、巨大なタンクを経由して各家庭に水を運ぶ。

 

「カイジンさん達とリヴェル様凄いですね‥‥こんなものまで作るなんて 」

 

 私は山の頂上から続く長い水道橋を見上げながら感嘆の息を漏らす。

 

 それに家にも取り付けてある水洗トイレ! あれを知ったらもう昔には戻れませんわ‥‥。

 

「師匠は本当に発明家ですね‥‥アルキメデスでしたっけ? 地下水を汲み上げる仕組みは実に素晴らしい」

 

 私の横に並び立ったミラノさんが眼鏡を中指で押し上げ呟く。

 

「貴方ですか‥‥ふふっ! そうですとも! リヴェル様は凄いんです。何でも全てデンジロウの原理? 法則? らしいですわよ!」

 

 リヴェル様を狙う女狐。トレイニーといい‥‥油断なりませんわ。

 

「デンジロウ? ぜひ師匠に詳しく教えて頂きたいですね‥‥」

 

「貴方が中央区に居るのは珍しいですね? リグルドさんに御用でも?」

 

「いえ、このまま西の農業エリアに向かう途中です。師匠から水道橋の水が水路を正確に流れているかの確認と、この子を‥‥水の精霊を畑に置くように頼まれまして」

 

 亀の姿をした精霊がミラノの頭の上で水を出して遊んでいる。

 

「可愛い‥‥あっ」

 

 近ずくとミラノの背中に隠れてしまった。

 

 精霊は鬼と相性が悪いとリヴェル様が言ってましたわね‥‥グスン。

 

「それじゃー茜さん。またね」

 

「えぇ」

 

 軽く返事をした後に手を振りミラノを見送った。

 

「それにしても困ったわ‥‥姫様とシオンに目を付けられるなんて‥‥」

 

 私はふと、昨夜の事を思い出し憂鬱になってしまう。

 

 露天風呂が出来たお陰で私は毎日のお風呂を楽しんでいましたわ。

 

 ですが‥‥。

 

 試着室でリヴェル様に作って貰った下着の間々、お風呂に行ってしまったのがそもそもの間違いだったのです‥‥。

 

「茜! 何です! その可愛い下着は! 装飾も凄いですね‥‥」

 

 目ざとく下着を見つけたシオンが、私の籠から取り出して眺めている。

 

「凄く大きい‥‥ごほん!! 何ですか茜、その可愛らしい下着は! 私も欲しいです!」

 

「ちょっとシオン勝手に籠から取り出さないでよ! 姫様‥‥え〜っと、その‥‥内緒です!!」

 

 二人にしつこく問い詰められ、居心地の悪い湯舟を堪能する羽目になりましたわ!

 

「これも全部リヴェル様が悪いんです! もう!」

 

 殿方に下着を作って貰い、あまつさえそれを嬉しそうに着てるなんて! い、言える訳が無いでしょ! 恥ずかしくて死にます!

 

「それに‥‥他の女性がリヴェル様が作った下着を着るなんて嫌ですわ‥‥」

 

 私以外の誰かの為に作っていた‥‥のでしょうか?

 

「私を嫉妬させてヤキモキさせて! リヴェル様の馬鹿! もう! 抗議しに行きますわ!」

 

 家に急いで帰り、玄関を開けると其処には旦那様が居た。

 

「おかえり茜。今日は炒飯だぞ」

 

「はい♡ 旦那様〜!」

 

 理由は良く分からないけど、リヴェル様が私の為に鬼人に為ってくれたのは事実でしょう。

 

 家に帰るまで怒り心頭だった事が全てがどうでも良くなり、リヴェル様が鬼人化した所為で私は嫁入りする事で頭が一杯です。

 

「旦那? 俺はどっちかっていうと主婦って感じだけどな」

 

「あっ私のエプロン‥‥スライム形態では使ってくれなかったのに‥‥」

 

 不格好で葵にも笑われたし、もう着てくれないと思っていたのに‥‥嬉しい。

 

「えっ? だって顔が隠れるだけじゃん。人型だとサイズも小さいし、また作ってくれよ茜」

 

「ふふ、本当に仕方ないリヴェル様ですね」

 

 愛しい旦那様の為に、妻である私が更に良いエプロンを作って見せますとも!

 

 私は旦那様の可愛い後姿を眺めながら、出来上がるご飯を楽しみに待つ事にした。

 

 

 

 今日はソウエイの小屋の改築をリヴェル様が為さるらしいので、私達姉妹は資材を運ぶ手伝をしています。

 

「おねーちゃん! あれ見て、あれ! 何処かで見た覚えがあるんだけど‥‥知ってる?」

 

「どうしたの葵? ん? あーオークロード討伐の時に先陣を切っていたトカゲですね」

 

 屋根の上で何かを見つけた葵が私に問いかけたので答えます。

 

「あーあいつか‥‥何しに来たんだろ?」

 

 会話を聞いていたリヴェル様が不思議そうに呟きました。

 

「ガビルの奴、こっちに来るのが早いな? 養殖を任されたんじゃないのか?」

 

「リヴェル様。その件もこちらで学んで来るようにアビル殿から言い渡されたようです」

 

「こっちとしても地底湖で養殖を始めるなら、魚が定期的に手に入るし助かるな」

 

 リヴェル様はソウエイと話しながらもドンドンと醤油と味噌の小屋を建て、風呂場や暖炉も作ってあげた様です。

 

 何かソウエイに凄く甘くないですかリヴェル様? と抗議するも一蹴される。

 

「護衛はもちろんだがキノコの栽培も手伝って貰ったし、山菜やハーブも取って来てくれる。オマケに今後は味噌と醤油を提供してくれる事に為るんだぞ?」

 

「わ、私だって荷物運びに掃除や護衛だって‥‥あとは味見をしたり、作りすぎても残さず食べてますよ!」

 

「そうだね‥‥茜はスーパーウルトラメイドだからスゴクタスカッテルヨー」

 

「片言!? 愛が足りませんわ! 愛が! 何でスライム形態に戻ったままなんですか!」

 

「お前が暴走するからだろ‥‥」

 

「私の精神衛生上もリヴェル様はスライムの方が助かるよぉ〜はぁ‥‥」

 

 葵がリヴェル様を抱きしめて頬ずりする。

 

「こら、くすぐったいぞ葵」

 

 何故か最近この子もリヴェル様と距離が近くありません!?

 

 

 

 そうこうしている間に、ガビル一行はようやくソウエイの小屋前まで辿り着いた様ですわ。

 

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