封印洞窟になだれ込んでくるリヴェル家の面々。
「リヴェル!! 無事なの!?」
「リヴェル様! 死なないで!」
「リヴェル様! 居なくなっちゃ嫌だよ!」
「ご主人様! ご無事ですか!」
「リヴェル様! 一体何が‥‥」
ハヤテ、茜、葵、ピリノ、ハンゾウが俺を心配して駆け付けてくれた様だ。
俺は転がるのを止めて皆に声を掛ける。
「心配かけてすまん! 俺はこの通り無事だ!」
「シワシワのスライムに為ってるけどね! 父上、変な顔してる〜あはは!」
ヴェルベルは俺の顔に皴が寄って変なのか大笑いだ。
ハンゾウは素早く後ろを向いて、顔を真っ赤にして慌てている。
俺がハンゾウにどうした? と聞こうとしたら、女性陣が素早く俺を取り囲み矢継ぎ早に質問攻めを開始する。
「誰ですかこの娘は! リヴェル様!」
「ご主人様。最低です‥‥」
「リヴェル様! どうして死にかけてたのさ!」
「リヴェル! その子は何で裸なの!!」
「あっ! ヴェルベルすまん‥‥魔素で服作れないか? 錬金を使う気力が無くてな」
「へっ? そんな事できないよ?」
ハンゾウが、何か着るものをハルナさんから貰ってきますと駆けだした。
茜が俺を抱き上げて声を上げる。
「毎回無茶な事ばかりして! もっと自分を大事にして下さい! 私達がどれほど心配したと思ってるのですか‥‥」
皆がウンウンと頷き俺を撫でたり、抓ったりとやりたい放題だが甘んじて受け入れる。
安堵した茜が俺を抱きしめて頬ずりする‥‥が。
ハヤテが腕を伸ばし、茜からサッと俺を奪って両手で顔を挟む。
「あっ! ハヤテ返しなさい!」
「早く説明して! この娘は誰!! どうして死ぬ様な目にあったの!! 引っ叩きたいのに、こんなにも衰弱して‥‥」
ハヤテにブンブンと上下に揺さぶられるが、それは直ぐに止まり涙が俺にポタポタと落ちてくる。
「心配をかけて悪かったなハヤテ、茜、葵、ピリノ。その娘は俺の子だよ!」
俺がそう言った瞬間にハヤテはスン顔に為り、両手に膨大な魔力が集まっていく。
綺麗な青い閃光が、俺が最後に見た光景だった‥‥。
俺が目を覚ますと、リヴェル家の台所に寝転がされていた。
どうやら気絶してる間に運ばれた様だ。
「はい、リヴェル様。フライパンと鍋出しといたよ!」
葵が俺を持ち運びキッチンへ連れて行く、リヴェル家の全員が台所に集まっているみたいだな。
「へぇ〜これがあの大きな竜ちゃんなんだね。可愛い‥‥」
「ハヤテ? 何か大きくなってない?」
「シズ! 私もベルちゃん抱きたい! 早く代わってよ!」
ハヤテはヴェルベルを膝に乗せて、ベル吸いを堪能してご満悦だ。
ピリノもベルを可愛がりたい様子で、狐耳をピンと立て両手をワキワキさせている。
「葵、この服はどう? ベルに似合いそうじゃない?」
「うーん‥‥。和服が似合わない訳じゃ無いんだけど、しっくりこないんだよねぇ〜」
葵と茜はベルの服を決めるのに忙しそうだ。
ヴェルベルは現在、赤い着物を着せられている。
「あのさ〜俺って重症なんだけど? てかハヤテは誤解なんだから謝ろうぜ?」
何故か俺は電気ショックの後にシュークリームを作らされている。
ベルが食べたいと言ってたし、頑張るか‥‥痛てて。
日頃の行いから葵には氷、茜には炎、ハヤテには雷でお仕置きされてるから耐性は得ているんだが、耐性を簡単に貫通してくるんだよな鬼娘達は‥‥。
「フン! リヴェルの日頃の行いが悪いからいけないんだよ!」
「ベルちゃん凄く温かい! えへへ〜ピリノお姉ちゃんですよ〜」
「ピリノお姉ちゃん? でも私の方が先にパパから生まれたんだよ?」
ハヤテが面白がってピリノは妹ね! と笑い、ベルも私の方が姉だと胸を張る。
ピリノは慌てふためき、ベルより先に生まれてる事を必死で弁明している。
「できたぞ〜! お前達早くテーブルに座れ! ほらベル! お待ちかねのシュークリームだ」
「わーい! ありがとうパパ!」
「うへへ! ほら、可愛いベルには俺のシュークリームもやるよ」
俺の皿に乗った3個のシュークリームから一つベルの皿に追加してやる。
「甘〜〜い! 凄く美味しい!! 幸せだよぉ〜あっ! ありがとう父上」
何故かムスッとした顔のハヤテと葵に、俺の皿から強引に1個ずつシュークリームを奪われてしまった。
「こら! 俺の分だぞ返せ!」
「「私達は可愛く無いって言うの!!」」
「ええぇ‥‥」
「ふふ、はいリヴェル様。お一つどうぞ」
「ご主人様。私のもあげるよ」
「茜、ピリノ、ありがどぅ‥‥ええ子やねぇ〜」
茜とピリノの優しさに触れて涙が溢れる。
「飲み物持ってきましたよ〜!」
ハンゾウが皆の飲み物を入れて来て、その後はティータイムを皆で楽しんだ。
皆が仕事に戻り、俺は自分の部屋で療養中だ。
お目付け役は風音で、久々に一緒に布団の上で添い寝している。
俺が無事と分かって見舞いに来たゴブタ達やガビルの部下達が、部屋の中で酒盛りを始めてドンチャン騒ぎだ。
「俺は酒が飲めないって言うのに‥‥こいつら」
「主様! このリンゴ酒、凄く気に入りました! 甘くて、美味しくていくらでも飲めます」
風音は本当にリンゴが好きだよね。でもタルで飲まないでくれる? ブランデーを作る予定なんだから。
俺が気絶していた時にリムルから念話があったらしく、その返答には茜が対応してくれた様だ。
ヴェルドラのファインプレーによって繋がりが途絶えず、即座に魔素が回復した事もあって何とかリムルを誤魔化せた。
「ヴェルベルの事をまだリムルに言ってないんだよなぁ〜茜にも次元竜の事はリムルには内緒だと俺が言ってたから‥‥」
風音には罰として禁酒を言い渡されるし、リムルには家から出るなと外出禁止を言い渡された。
騒がしい奴らが皆帰り、部屋を換気し終えた俺は急に暇になった。
何もする事が無く、ぼ〜っと天井を見上げる。
「暇だし、スキル確認でもするか‥‥」
ちょ!? えっ? ‥‥ま?
「俺の呪文がピオリム以外消えとるぅ〜!! 特技が2個しかねぇ!! なんじゃこりゃあ!?」
うううおおおおおおおぉぉーーーーー!! 大ちゃーーーーーーん!! 助けてーーー!!
『肯定。黙秘します』
「ふざけんじゃないよ!!」
「もう‥‥煩いですよ主様‥‥ふぁ〜」
「うわ〜〜あぁぁん! 風音ぇ〜グハァッ! 酷い‥‥」
俺は風音に泣きつこうとしたが、防音対策の為に自身を風の結界で覆ったので激突する。
どうすんだよこれ!?
あれ? そういや生贄にされたはずなのに、どうやって大ちゃんは生き延びたんだ?
俺は迷わずピオリムを脳に直接使用した。
『黙秘する‥‥以上よ』
「‥‥」
長い沈黙が続くと、痺れを切らした大ちゃんが仕方なく話す。
『ハァ‥‥貴方の
「俺の究極能力だけじゃ足りない? でも俺の神話之竜は消えてないぞ?」
俺は自分の神話之竜に解析鑑定をして見てみる。
「
えっ? ちょ‥‥えっ?
『だ、大丈夫だ‥‥問題ない! わらわの方が役に立つからな!』
「えっ‥‥」
『貴方の神話之竜の究極能力は全部生贄にしたんだ‥‥あ〜その、仕方なかったのよ! だから現状、元の竜物語と何も変わらないのだ! ‥‥すまぬ』
「えっ‥‥」
『泣くな馬鹿者! わらわも究極能力に進化してるだろ!! それに多少は進化の影響でスキルも強化されているはずだ』
俺の青眼の究極竜が只の張りぼてという事実と、ほぼ全ての魔法と究極能力が生贄にされた事に涙と鼻水が止まらなかった。
「ハァ〜〜モンスターズとビルダーズとか絶対強い奴じゃん‥‥大ちゃんが大賢者から
あの局面でザオリクにまで強化して、俺と自身を救った様だ。
魂を蘇生出来た後は俺の為に自身も強化をしたいと思った様で。
結果もろもろを生贄にして今に至ると‥‥。
「感謝はするけどさ‥‥」
ザオリクだけを所持した形で大賢者を維持できてたって事だよね?
別に大賢者を強化する必要無かったじゃん‥‥。
何がこれで姉さんにマウントを取れるだ! 俺の青眼の究極竜をよくも生贄に!! 許さん、許さんぞ! 大ちゃ〜〜ん!!
『フフン! 貴方は雑魚スライムに為ったみたいだが、わらわと娘が居るんだ安心せよ』
「雑魚で安心できるか! 娘に守って貰う父親とかダサすぎだろ! あっ‥‥もう大ちゃんじゃ無くなったし、名前を変えなきゃな」
『好きに呼べ、もう時間だ。安全な稼働時間でピオリムは遮断する様にしてある。連続使用は出来ぬからな!』
「結局の所、お前はルシアなのか?」
『‥‥冥賢之王だ。あと賭場のスキルを使え』
そう言い終わるとスキル通信はプツリと切れた。
脳にピオリムって啓蒙を上げる効果でもあんのかね?
何度もルシア呼びで神智核しないか確認してたけど、何故か神智核しないという確信があったんだよね‥‥ミリムに会わせてやりたかったんだが。
俺の大ちゃんが先に神智核した所為で、シエルさんが誕生しなくなるって未来は絶対に避けないとな‥‥。
トトロを召喚されそうだが冥ちゃんでいこう。
大ちゃんでも冥ちゃんでも無く、上位者のアーちゃん! うん‥‥怖いから止めとこ。
「安全にピオリムが使えるのは助かるな。しかし、カジノか‥‥冥ちゃんが言うんだから何かあるんだろうな」
カジノの設置条件は建物の内部と広さだが地下で作成できないか?
地下の空間を安全に広げるのなら、士郎達に頼んでみるしか無いよな‥‥。
特技はブレス系が全部消滅した‥‥モシャス、不思議な踊りが残ってる。
固有能力と耐性スキルは生贄に消費されていない。
危機感知が悪意感知に、自己再生が超速再生に、料理名人が
あぁ‥‥ついに俺も腹ペコシスターズの仲間入りに。
竜物語は転生特典ぽいけど食道楽は俺の本来のユニークスキルと思えて泣けるぜ。
特技や耐性スキルで一見戦えそうに見えるんだけどね。
相手が物理攻撃主体でゴリ押ししてきた場合に、結界の無い豆腐ボディでは太刀打ちできない。
もしハクロウが相手なら、あっという間に細切れにされてしまう結果になるだろう。
人型になってフルプレートを着るか? 不思議な踊りは味方も巻き込むから戦法としては、かなりトリッキーの部類だから封印だな。
素直にリムルに力を失った事を話して、対策を一緒に考えて貰うしか無いか‥‥。
―――――――密偵のエルフ娘・side――――――
「迂闊でした‥‥まさか鬼人や龍人が街を作っていたなんて‥‥」
私は急に研究所を辞職し、師を見つけたので師事を仰ぐ事にした。と言うミラノ氏の動向の調査を命じられました。
ジュラの森に入った時点で侵入がバレたらしく、即座に取り囲まれて捕まってしまいました‥‥。
街に連行された所で恐るべき事が発覚したのです!
街に住む全ての魔物が進化しており、生活水準も高く、見事な建築物が立ち並んでいます。
数名の魔人が上位魔物を大勢従えている‥‥これは魔王が既にジュラの森を支配下に置いたという事実に他なりません。
「何とか此処を脱出しないと‥‥決して自害する訳にはいかない!」
ガゼル王に何としてもこの情報を持ち帰り伝えなければ!!
しかし、此処は氷室でしょうか? 牢屋と言うより‥‥食糧庫?
私は自分が自害しようが、魔物に美味しく食べられるという事実に顔を青くします。
「まったく! 私はリムル様のお弁当作りで忙しいと言うのに‥‥ソウエイが捕まえて来たエルフとやらは貴方ですか?」
紫色の髪をした不機嫌な鬼人が地下室に降りて来て、私に話し掛けて来たが無言を貫く事にした。
「だんまりですか‥‥別に構いませんけどね。私の作った弁当の残りを置いていきます。私は直ぐにリムル様の元に戻らないといけませんので」
そう言うと鬼人の女は足早く去っていく。
皿に乗った異様な呪物を弁当だとあの女は言ったが‥‥。
「これを食べて楽に為れと? 馬鹿にして! 絶対逃げ果せてやるんだから!」
赤いスープから異様な手が生え、私に指を向ける。
呪怨の叫び声だろうか? 小さくはぴエネと呟いている。
「おのれっ! 呪術の類か!? 死ぬ訳にはいかないんだ!」
私は急いで距離を取り、鬼女が残した呪物から目をそらす。
捉えられてから数時間が経過した‥‥そろそろトイレが限界です。
「クッ‥‥辱めを」
涙目でお腹を押さえていると、地下室にピョコピョコと音が聞こえてくる。
「生きてるか!? シオンが料理を持っていったと聞いて慌てて来たんだが‥‥ホッ」
私は涙を引っ込めて何も無かったようにポーカーフェイスに戻る。
スライム? あっ!? 夜の蝶に来ていたスライムだわ‥‥確かリヴェルとかいう名前の。
「この物体Xは回収してっと‥‥すまんな、氷室を牢屋代わりにして。空いてる場所が此処しか無かったんだ」
そう言い終わるとアツアツの美味しそうな食べ物をお盆に置いてくれた。
「グラタンって言うんだ。毒は入って無いし寒いからこれで体を温めなよ」
魔法を使えない様に、魔素を乱す金属が足の枷に使われているから鑑定魔法が使えない。
リヴェルは私が中々食べないと小皿に少し移し、手の様なモノを使って自分で食べて見せた。
流石に其処までされると私も料理に目を向けてしまう。
「心配しなくても直に牢から解放される。エルフには激甘な奴が事情聴取ゴッコがしたいと、ウキウキしてたからな」
そして何故かその料理に目が釘付けに為ってしまい、罠かもしれないのに気が付くと匙ですくって口に運んでいた‥‥。
「あぁ‥‥美味しい‥‥凄く美味しい‥‥ううぅ」
何故か涙が零れて感動する旨さだった。
「美味しいだろ? 結構自信作なんだ。外出禁止で料理しかする事が無くてな‥‥あっ! 火鉢と毛布も此処に置いておくな」
そういうとリヴェルさんは牢屋の中に火鉢と毛布を置いていってくれた。
「あっ‥‥うぐっ」
「どうした!? 毒なんてないはずだぞ!?」
私は我慢の限界がきて密偵の立場も忘れてリヴェルさんに助けを求めた。
「ト‥‥トイレ。おしっこ漏れそうなんです‥‥うっ」
「はっ!? すまん、ほらこの壺でしろ! 水がめ用と飲み水、えっと‥‥拭くものとこれも置いて‥‥俺は直ぐに上に上がるから!」
牢屋の中に変わった陶器で出来た座る椅子があり、即席で下に壺が設置されている。
私は直ぐに居なくなったリヴェル様に感謝して座り用を足す。
「あっ! この座りながらするトイレは凄く良いです‥‥紙もとても柔らかい素材だわ‥‥凄い」
水がめに入った壺で手を洗い、置いてある布で手を拭く。
私はリヴェル様に感謝しつつ、火鉢の横に座り暖を取る。
「エルフに甘い人とは誰の事でしょうか? リヴェル様も十分に甘いと思うのですけど‥‥」
考えふけってる場合じゃないわ!! 冷める前に、この美味しいグラタンを食べないと‥‥あぁ〜チーズがトロトロで溜らないわ。
私はリヴェル様の料理の味に一人、舌鼓を打つ。
その日、グラタンという名の料理が私の好物リストの最上位に為った。
「おい! ミラノに放った密偵はどうなったんだ?」
「はっ! 何やら潜入調査に切り替えたと申していましたが‥‥」
「潜入調査だと? 何か報告内容は?」
「暗号か何かは分かりませんが‥‥かゆい、うまとだけ」
「何だ其れは‥‥いいから連れ戻せ!」
男はハトのゴーレムから手紙を読み進める。
「恐らくですが‥‥帰らないとだけ返事が」
隊長である女性は机を大きく叩いた。
何やら腕輪に信号が来ていますね? この状況でどれだけ正確に伝わるのか‥‥。
腕輪は次第に蛇のゴーレムに形を変えていく、蛇が私の思念を汲み取って仲間に伝える手筈だ。
しかし、寒い‥‥。手にしもやけが出来てかゆいです。
あぁ〜リヴェル様の他の料理も凄く美味かったなぁ〜。
地下室にピョコピョコと可愛い音が鳴り響く。
あっ! リヴェル様、こんばんわ
えっ!? リヴェル様! これはお風呂ですか! しかも温泉の湯なんですね。
ありがとうございます! これも使え? しもやけに上級ポーションをですか!? た‥‥助かります。
ハァ‥‥帰りたくないなぁ〜潜入捜査って事で誤魔化せないかしら?
私の思念を読み取った蛇が、地下室の階段を駆け上がっていくのだった‥‥。
―――――――とある王室――――――
「エルメシア様! お願いします! 行かせてください!」
「く・ちょ・う。公務じゃ無いんだから気軽で良いわよリーナ」
「そう言って‥‥この前! 朕に溜め口なぞ不敬罪じゃ! って罰で激辛パイ食べさせられたわ! た、食べさせられてしまいましたわ!」
「そんな大昔の事、朕は覚えておらんのう?」
「ほんの数日前じゃない! ごほん! ほんの数日前でしてよ? エルメシア様。」
この子を揶揄うのは本当に楽しいわ‥‥。
だからこそ、リーナが死んでしまったかもしれない事実に私は恐怖する。
「大体、そのスライムの大魔法で助けて貰ったという話も胡散臭いわね」
「本当だもん! お願いします! エルメシア様の許可を貰わないと、後でごねて面倒になるから駄目だとエラルドおじ様が転移門を許可してくれないの! ですわ!」
エラルド‥‥後で覚えてなさいよ‥‥。
「駄目よ‥‥そのスライムのお礼の件なら、プティの孫のミラノが代わりにする事に為ったでしょ?」
「でもでもエル姉! 命を助けて貰って自分でお礼しないのって駄目よ!」
「王族は下々の前に簡単に足を運んではいけないの。ましてや相手は魔物‥‥それに貴方は‥‥」
あんな目に遭っても笑っている‥‥本当に心の強い子。
私の可愛いリーナ。
皆が天帝と私を恐れる中で、姉と呼び慕ってくれる妹の様な存在。
少しの間でも良いから私の傍に居て頂戴。お願いだから‥‥。
もう失うのは嫌なの‥‥私は貴方みたいに心が強い訳では無いのよ‥‥。
「あっ! 私の安全なら大丈夫よ? お父様やシルビア様に期限付きの許可も取ったし、護衛も増やして貰えるの! リュー姉達も一緒に来てくれる事に為ったから更に安全よ!」
「ずるい! ずるい! ずるい! 何でエレンちゃんとリーナだけ一緒に遊びに行こうとしてるのよ!」
これが裏切りと呼ばず、何と呼ぶのか!! お母様は天帝さぼるし、仕事は全部私に押し付けて!! 私にも癒しが欲しいの!!
「遊びでは御座いませんわ、エルメシア様。貴族としてきちんと自らお礼に参るだけです。決して、リュー姉と冒険よ! とか美味しい食べ物を探すわ! 何て思っていませんわ!」
「朕は‥‥そなたに極刑を言い渡す」
「あるぇ〜〜?」