二度転生したらスラりんだった件   作:Kut-Ku

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07話 牢屋に入るのはおまえでは?

 ハルナとの昼食を終えて、白湯を飲みまったりしているとリグルドが訪ねてきた。

 

「失礼します、リヴェル様」

 

 食器を下げ、静かに退出していくハルナに礼を言って話を始めた。

 

「何か困りごと?」

 

「いえ、大所帯になり食料確保を最優先としてきましたが、村の者が一ヵ月は暮らせる目途が立ちましたのでご報告をと」

 

 手が空く人がでてくるってことだよな? 

 

 やって欲しいことは沢山あるから助かる。

 

「我々も家の建築や整備を手伝いたいのですが、指示をお願いできますか?」

 

「わかった、女性陣は草籠や草鞋の作り方を教えるよ。手の空いた人を集めといて」

 

 リグルドに手の空いた者を集めて貰い、女性陣には先に草を縄に変える作業を教えた。

 

「建築は簡単に組み立てれるように部品を分けた、これを重ねていくだけで良い。あとはハメ込んで用意した木づちで叩いてくれ」

 

 俺はスキルで積み重ねて出していき、止木をカコンとハメて見せた。

 

 違法建築なうえに、凄く大雑把なレゴ形式だが悪くはない。

 

 あとでドワーフの専門家たちに意見聞かないと駄目だろうけど‥‥。

 

 急激に身長が伸びたせいで、今までの藁小屋では寝られない奴が多い。

 

 少々家が崩れても死なない程度には、ホブゴブリンの体は強靭みたいだから大丈夫でしょ。

 

「それじゃ〜リグルドたちに長屋は任せた。狼厩舎の方は整地だけしといて」

 

「了解です! お役に立って見せますゾォォ!」

 

 リムルが去って寂しいのか、俺への圧が凄いな。頑張りすぎなきゃいいが‥‥

 

 

 

 次は女性陣のところに行って、籠の編み方と草鞋の作り方のレクチャーだ。

 

 サバイバル動画が好きな俺には朝飯前だぜ!

 

 ドワーフ3兄弟が来るまで裸足は駄目でしょ。

 

 作り方はイメージを送れるので楽に教えれる。

 

 ゴブテには俺たちの仕事を手伝って欲しかったが、他の女性陣と楽しそうに草鞋を作る姿を見て断念した。

 

「ごめんね、リヴェル様。私も籠や草鞋が作りたい!」と満面の笑顔を向けられた俺は、残りの2人と畑を作ることにした。

 

「リヴェル様、オラ畑作れるだか?」

 

「そうだぞゴブゾウ、現状作れる物はこの謎芋だけだがな。芽が大きくなってる奴を植える」

 

 ゴブゾウは大喜びで鍬を振るうが、ゴブツはゲンナリだ。

 

「2人だと、畑作りで日が暮れそうですね‥‥」

 

 俺は手がなく手伝えないので皆に謝りながら、謎芋について考える。

 

 形は丸芋で色は紫だけど、味からして里芋だよなこれ。

 

 キノコの時も思ったが醤油が切実に欲しい! ドワルゴンに無いのかしら?

 

 一人考え込んでると、大ちゃんからお知らせが来た。

 

 どうやら竜物語の解析が終わったみたいだ!

 

 俺は二人に少し用事が出来たと告げて、家に帰宅した。

 

 

 

「なるほどね‥‥使える機能は5つ、いずれも規格外だな」

 

・身分 ステータス、どうぐ、仲間、道具袋が使える

 

 空間停止機能のアイテムボックスと仲間機能が凄い。

 

・錬金 道具、武器、防具、装飾品、だいじなものを錬金可能

 

 大賢者のお陰で移動しながら錬金可能のうえ、科学的な錬金も可能になった。

 

・地図 自分の現在地を中心に世界の地図を見る事が出来る

 

 地図の縮小・拡大が自由に出来る。人物の遺伝子情報を取り込めば監視も可能‥‥犯罪的だが迷子探し、人口統計、警備の強化にも使えるので、後でリムルに相談だな。

 

・交易 色々なドラクエ世界の物品と交易ができる

 

 ドラクエ素材が入手可能になる。

 

 錬金スキルを活かせる最高の能力なんだが‥‥最初の所持金が0で交易できる品が、どうやらドラクエの製品だけのようだ。

 

 現在、魔法の小瓶1個と木の帽子を交易品として、売りに出してはいるが果たしてどうなることやら‥‥。

 

・賭場 カジノの空間を自由な場所に創造することができる

 

 景品交換で興奮したが条件があるみたい。

 

 一定の広さが必要で、建物内にのみ使用可能と書いてある。

 

 今の村の規模では使えないな。

 

 謎が多い能力だけど、カジノの景品は魅力的だから早く使いたい!

 

 仲間のステータス画面を見るとHPが減っているリグルと、ゴブタがいたのでホイミをかけながら俺は言う。

 

「内政向けのユニークスキルだが最高だな! 夢が広がるぜ!」

 

 仲間機能で遠く離れていても援護魔法が可能のようだ。

 

 ただし、道具は使えないんだけどね。

 

 移動中に戦闘があったみたいだな、経験値美味しいです。

 

 現在LVが20になり、新しく覚えたのがキラキラポーン!

 

 マジでファッ!? ってなったわ。

 

 リムルみたいに色々な耐性を持ってないから、地味に助かるんだよなこの特技。

 

 補助魔法は効果時間は30分。

 

 2倍のMP消費で1時間ってところか?

 

 3倍は現状では無理だったので、やまびこの帽子でどうなるのか凄く試したい。

 

 

 

 あれから数日が経過し、小さな畑が完成した。

 

 ゴブゾウと、ゴブツも嬉しそうに畑を眺めている。

 

 二人を手伝えなかったので、自分が出来ることは頑張った。

 

 水汲みと木桶、柵を俺が一人でやったので許してほしい。

 

「今の村の人数じゃ〜この小さい畑じゃ足りねぇだよ、リヴェル様」

 

「今は試験的に植えてるだけだから、育つなら作付けを増やす予定だよ」

 

「畑をするなら井戸か、川から水を引いてこないといけませんね」

 

 ゴブツが言う通り、本格的に農業をするなら水が必要になる。

 

 でも、現状は水路と井戸も専門家待ちなのが痛いところだな。

 

 石のクワも強度が弱いから簡単に欠けるんだよな〜と嘆いていると、リムルから念話が来た。

 

『リヴェル着いたぞ! 分裂体は風音に渡しているからすぐに来いよ』

 

『了解、すぐにいく!』

 

 ゴブゾウとゴブツに向こうに行くことを伝え、家に帰って準備をする。

 

 まずはパーティーを俺・リムル・分裂体・風音にセットしてこれで良し。

 

「大ちゃん、オートモードで魔法の小瓶飲んでもいいから補助魔法よろしく!」

 

《肯定 。本体から分裂体をサポート。及び緊急避難としてルーラを使用します》

 

 

 

 魂の転移が済むと、俺は風音の背中のうえだった。

 

「風音、長旅ご苦労様」

 

「ああ! 主様、会いたかったです」

 

 嬉しそうに尻尾を振る風音を、笑いながら見ているリグルにも話しかける。

 

「リグル、リムルはもう門に並んでるのか?」

 

「はい、我々はここで待機しろとの命令です。道中の回復ありがとうございました、リヴェル様」

 

 俺はリグルに軽く返事をかえすと、少し悩む。

 

 同行者にリグルを連れて行くか? 風音は可愛いけど大きいからな。

 

「風音は小さくなれたりするのか?」

 

「出来ます。これでいいですか?」

 

 俺を乗せたまま1メートルくらいになった風音がドヤ顔だ。

 

「これなら人間に怖がられずに済みそうだな」

 

 急に大きな遠吠えが聞こえ、強い威圧で体が硬直する!

 

 周りの牙狼は地面に伏せ、ゴブリンたちは片膝を付いて辛そうに耐えていた。

 

 やっぱりこうなったか‥‥さすが主人公。

 

「この力はリムル様? 一体何が‥‥」

 

「あ〜リグル大丈夫だ、馬鹿な人間をリムルが返り討ちにしただけだよ」

 

 俺は周りのゴブリンたちにも説明し、落ち着いてもらうと話し始めた。

 

「リムルは買い物どころじゃなくなったので、代わりに俺が仕入れに行こうと思う。悪いのは人間だが解放されるまで時間がかかるだろう」

 

「しかし、塩も売り物の燻製肉もリムル様がお持ちですよ?」

 

 分裂体の俺には竜物語が無いし、大ちゃんも使えないのでスキル通信でアイテムを渡せない。

 

 そもそも距離が近くないと出来ないし、大賢者同士の同意がいる。

 

 なので必要なものは渡しておいた方が早い。

 

「大丈夫だ風音には、ポーションを持ち運んでもらっているから売り物はあるぞ」

 

「私の"スキル毛袋"に収納していますからね」

 

 時間経過と持ち運べる量は少ないが、便利なアイテムボックスだ。

 

 自分だけ俺に付いて行くことになった風音が羨ましいのか、大声を上げるランガ。

 

「ずるいぞ! 妹よ、お前だけいつの間に小さくなれたのだ。我にも教えてくれ」

 

「兄さんは例え小さくなれたとしても、力の制御が下手ではありませんか‥‥駄目です」

 

 絶望し、天を仰ぐランガ。

 

 固まって動かなくなった可哀そうなランガの口に、骨肉をいれて横を抜ける。

 

「買い物を済ませたら、一度ここに戻るよ」

 

「「畏まりました、リヴェル様」」

 

 リグルたちに告げると、風音に乗りゆったりと門へ向かった。

 

 門前で衛兵さんに声をかける。

 

「すみません、初めて来るものですが通っても大丈夫ですか?」

 

「ん? また喋るスライムと狼か? 騒ぎを起こした奴の仲間じゃないだろうな?」

 

 俺は冷や汗をかきながら答えた。

 

「私と似たようなスライムですか? 種族違いでは?」

 

「確かに、見た目が違うような? まぁ良いだろう、問題は起こすなよ」

 

 何とか無事に門を抜けると、講習を受ける必要があるらしい。

 

 数分だけ簡単なレクチャーを受けて、あっさり終わった。

 

「結構ルールが緩いのは良いな、魔物もドワーフの法に守られるのは助かる」

 

「リムル様は大丈夫でしょうか?」

 

「大丈夫だよ、悪いのは人間だしすぐに解放されるよ」

 

 丁度そのとき、哀れ牢獄行きになったスライムから念話が来た。

 

『あ〜その〜なんだ‥‥俺、今牢屋にいるんだけどさ‥‥』

 

『新手のオレオレ詐欺ですか?』

 

『違うわ!! ハゲ!!』  

 

 誰がハゲやねん! ゴルァ! と熱く応酬してしまい少し反省。

 

『で? 保釈金がどうのって話じゃないんだろ?』

 

『違う。事情聴取の確認や、被害確認が終わるまで俺は出れそうにないんだ。だから村に必要な物資の買い出しをお前に任せたいんだが頼めるか?』

 

『任せろ。ポーションを売って金が出来たら買う予定だが、ギルドに加入しないと売れない場合は連絡するよ』

 

 リムルとの話が一段落したので、いざ商会へと言うところで声がかかった。

 

「人間が迷惑をかけたみたいですみませんね」

 

 ロバから荷物を降ろし、背負子を背負ったところで人間のおじさんに話しかけられた。

 

 商人だろうか? 大柄でお腹の大きな、優しそうなおじさんだ。

 

「いえいえ、私ではなく連れの方がトラブルに遭っちゃったみたいで」

 

「私は行商をしてましてね、魔物の方とも取引をさせて貰っています。もし困った事があれば声をおかけください」

 

「では、失礼します」と去っていくおじさんに、俺は反射的に返事をしていた。

 

「あの! すみません、聞きたいことがあるのですが。ポーションを売る場合、何処に行けば良いのでしょうか?」

 

「ポーションですか! もし宜しければ私が買い取らせていただきますよ!」

 

 どうやら息子さんが大怪我をしたらしい。

 

 それで高級ポーションが必要らしく、この国に買いに来たのだとか。

 

 高級ポーションはドワーフ国か、エルフ国にしか現在は流通しておらず、近くのこの国に買いに来たみたいだ。

 

 しかしドワーフ国は現在戦争中で、慢性的なポーション不足。

 

 商人仲間からは見つかると良いなと慰められたらしい。

 

「現在私が持っているのは小級200本・中級100本・高級10個があります。」

 

 本当はもっとあるけど現在の市場は高級も貴重かもしれない、トラブルはごめんだ。

 

「高級! ぜひ高級2本と小級ポーション全部買い取らせていただきます! 流石に手持ちがなくて」

 

 高級は1個、金貨10枚で小級は銀貨1枚。

 

 現在は2枚まで値上がってるらしい。

 

 俺は全部定価で良いと伝え、金貨40枚を受け取った。

 

 日本円にして400万である。

 

「ありがとうございます! ありがとうございます! これで息子も助かります」

 

 涙で顔がぐしゃぐしゃになりながら礼を言う商人に俺は言った。

 

「こちらも助かりました。私は魔物なので、買取も正直不安でした。商人さんの息子さんも元気になるといいですね!」

 

「あっ! これは失礼、これだけ恩が出来たのにまだ名乗っていませんでしたな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は、トルネゴと申します!」

 




ちなみに私はブライでしたw
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