キミとアイドルプリキュア♪ Dream Diva 作:シロX
「『アイドル』っていいよね!」
クラスの友達に、そういきなり投げ掛けられた。
突然の質問で困惑してしまい、すぐに返答が出来ずに黙ってしまった。
ふと考えるが、その「いいよね」という質問の意味は果たしてどっちの意味なのか先にその事について考えてしまう。
単純にアイドルという存在に感心を求めているのか、はたまた自分がアイドルという魅力に惹かれているから来る質問なのか。
勿論、その質問に対しての返しは決まっている。
「良いに決まってるだろ!」
アイドルというのはとても素晴らしい。
ステージという大舞台に立ち、そこでファンの皆の為に歌って踊ってファンサを最高のパフォーマンスで提供してくれる。
そんなアイドルに心を打たれた。
自分は特に「歌」が好きだ。歌はとにかく人を笑顔に、キラキラさせて気持ちを明るくさせてくれる。まるで魔法の呪文のような。
そんな感情を抱かせてくれたのは他でもない。彼女の存在が1番大きい──咲良うたが教えてくれたのだ。
歌を歌うのが好きな彼女の歌声を聴けば、誰もがキラキラでニコニコに、キラッキランランになる。その場で即興の歌を奏で、周囲の人を明るくさせる彼女に見惚れた。
いつの間にか、彼女に話し掛けていた。彼女の歌を褒め、アンコールを求め、そして思いっきりお互いにコール&レスポンス。最後は決まって最高の笑顔を届けてくれる。
彼女の歌は誰も彼も惹き寄せる魅力がある。歌って、最高の笑顔を届けて魅せてくれる彼女は、自分にとって理想の「アイドル」だ。
だから自分は彼女の事が──好きなんだ。
◯
「うたちゃん、何処に居るんだろう?」
なんの当ても無く女の子を探す男の子が1人いた。
彼の名前は
誰かを探す姿や、そのゆったりとしたマイペースっぷりに、よく周りは惹き込まれるのだとか。
「街に出掛けたって話には聞いたけど、一体何処にいるんだ?」
まもるが探しているのは同い年で、小学生からの付き合いのある
まもるはいつも通り、彼女に会いに家に足を運びに行ったのだがあいにく不在。何処に行ったのか家の人に尋ねたところ、人探しの為に朝から街に出掛けたと教えてくれた。
それなら一緒に探せば良い、と勝手に考えたまもるは彼女が訪れそうな場所を歩き回っている最中。
なのだが、一向に見つかる気配が全く無く途方に暮れていた。
「困ったなぁ……」
思い当たる場所は殆ど足を運んだ。しかし、何処に行っても見つからず、時間だけが無情にも過ぎていくだけ。
もう諦めようかと思ったその矢先。まもるは、彼女の姿を視界の端に捉えた。
「うたちゃん!」
「えっ……あーーっ‼︎」
彼女、うたもまた、まもるの姿をバッチリその目で確認してお互いに指をさして大声を上げた。
なんという偶然。やっと見つけ出せれて歓喜のまもるだが、うたはそれとは逆の反応の示し方をしていた。
なんというかこう「何で今知り合いと会ってしまうのか」と言いたげな。そして、うたは手に何かを持っていたものを後ろに隠した。
「やあ、うたちゃん! ずっと探していたんだけど、君にやっと会えて俺は嬉しいよ!」
「あ、相変わらずグイグイくるね、まもるくん」
「聞いた話によるけど、うたちゃんは誰か探しているらしいけど見つかったの?」
「ううん、さっぱり」
「そうなんだ……なら、俺も探すの手伝うよ!」
1人より2人で探した方が効率が良い。それに、うたの為なら例え火の中水の中、嵐の中だろうと困っているのなら何処へだって駆け付ける。
「いいよ、悪いし。それに、一旦家に帰ろうかと思ってたから」
「そんな遠慮しなくていいんだよ! 俺とうたちゃんの仲じゃんか!」
「そう? なら、お願いしようかな?」
少し強引だったが、うたと共に行動出来る事にまもるはガッツポーズをして喜んだ。
とはいえ、浮かれて人探しを疎かにしてはならない。自分から手伝うと言ったからには、最後まで付き合って探し出す。
例えうたが嫌と拒もうと、草の根を分けてでも探し出す。まもるにはその覚悟がある。
「で、何か当てはあるの?」
「『アイドルプリキュア』って知らない?」
「アイドルプリキュア、ねぇ……」
聞く限り、何処かのアイドルグループなのだと思う。しかし、そのようなユニットは聞いた事も見た事もない。そもそも、それは誰から聞いたのか気になるところ。
「名前だけを頼りに色々探し回ったのだけど、それらしいCDも見つからなかったの」
「となると、俺達の世代じゃないかも知れない」
年代のユニットとなると、それだけで見つけ出すのは一苦労。しかも、そこまで売れていないユニットなら尚更困難を極める。もしかしたら絶版という可能性も捨て切れない。
様々な考えだけは念頭に置いておくが吉。
「そこら辺も含めて、もう一度片っ端から探そうか」
「うん!」
歩き出したその時だった。暗雲が立ち込み、この街「はなみちタウン」を暗くさせて、街中の人達の不安を煽らせていた。
夜にはまだ時間が早過ぎる。急な気象変動にまもるとうたが困惑していると。
「ブルっときたプリ!」
「えっ?」
「あっ!」
うたが隠していたものが動き、言語を発した。その瞬間を見て、まもる、うたの2人はそれぞれのリアクションをする。
「うたちゃんそれ、ぬいぐるみかな? 今明らかに喋ったよね?」
「さ、さあどうだったかなぁ? あはは……はぁ……」
不穏な空気が漂う中でもいつものペースを乱さず、意外と冷静でいる。
しかし今はそんな悠長にしている場合ではない。その事をすぐさま思い知らされる2人だった。
身体が浮かび上がってしまう程の地響きが、突如として街全体を襲い異変が生じた。
その発生源が、2人からかなり近い事も自ずと判明した。
「何がどうなってるの⁉︎」
「あっちからだ!」
この騒ぎの中心地の様子をこの目で見るべく、2人は慌てて顔を覗かせる。
そこでは、大きな筆を持って街を破壊して回る巨大な怪物が居た。
街の人々は怪物に恐怖で慄き、逃げ惑い、冷静な判断での対処が出来ないでいる。
「えぇー⁉︎ な、なんなのあれ?」
「──ほう、こんな所にキラキランドの生き残りが?」
背後から、しかも上から男性の声がした。振り返れば、珍妙な服装をしたガタイの良い男性が2人を見下ろしていた。
「『ダークイーネ』の手下プリ!」
「手下? 名前は自分カッティー。チョッキリ団所属ですぞー!」
「チョッキリ団? まもるくん知ってる?」
「知らないな」
次々と訳の分からない情報が飛び交う中で、うたが隠し持っていたぬいぐるみが動き、事態の深刻さを伝える。
「中に漫画のお姉さんが居るプリ!」
「中に居る」。そう言いながらぬいぐるみは、先程から「マックランダー」と雄叫びを上げて暴れている怪物へ指差す。
「えっ、それって絵真さん?」
「閉じ込められてるプリ。キラキラじゃなくなったプリ……」
「あの怪物に閉じ込められ……だとしてもどうやって助けるのか?」
当然、力の無いまもる達じゃ太刀打ちどころか近づく事すら困難。故に、助け出すこと事態不可能の結論が最初から出ている。
怪物は未だに街で暴れている。車を横転させたり、建物を破壊、地面を筆で抉ったりとやりたい放題。
どうする事も出来ない。
「取り敢えず、今は逃げる事が先決だ。行こう、うたちゃ……えぇ⁉︎」
まもるがうたの手を引こうと伸ばした直後、うたは覚悟を決めた表情をして怪物「マックランダー」へ駆け出していた。
伸ばして握るつもりだった手は虚空を掴んでおり、彼女を、うたを引き止めるには一歩遅かった。
「──ッ! うたちゃん!」
恐れる事なく向かって行くそんな彼女の背中に不安を隠し切れず、心配してまもるもその後を追い掛けるのだった。
ストックが切れるまで毎日垂れ流していきます。
出来ればわんぷりも更新していきたいけど、あっちはあっちでストップしちゃってるので暫くはキミプリ中心でやっていきます。
またお付き合いして頂ければ幸いです。
ここまでの拝読ありがとうございます。