キミとアイドルプリキュア♪ Dream Diva 作:シロX
握手会を終えたその日の夜。キラキランド出張所の一室で、田中はピカリーネに今日までの出来事の報告をしていた。
『彼女達も頑張っていますね。感謝してもしきれません』
「ええ。彼女達に助けられるばかりで」
『ところでタナカーン。彼は、まもるのキラキラはどのように見えているか訊いても?』
眼鏡を掛け直し、田中はゆっくりと口を開けた。
「プリルンの話では、うたさん達以上のキラキラをあるらしく。この前の握手会で更にキラキラした、と」
ピカリーネは険しい表情をして僅かに俯いた。今の発言から、ピカリーネは何を思ったのか。
その答えはすぐに分かった。
『そうですか、それは由々しき事態になりつつあります』
「それはどういう?」
『タナカーン、貴方はキラキラがどんなものかご存知ですか?』
「その人の心が発する光だと私は解釈してます」
ピカリーネは静かに頷く。概ねその解釈で合っている。それを踏まえた上でピカリーネは目を伏せて、話を続ける。
『彼は人並み外れたキラキラを宿しています。それもプリキュア以上の』
「それはとても良い事なのでは?」
『確かにとても良い事だと思います。ですがそれが、かえって彼の肉体と精神を蝕んでしまっているのです』
良い事なのに、それが何故が悪い方向に働いている。この言葉の意味を田中は今ひとつ理解していない。
良い事は良い事ではないのかと。
『タナカーン、何故薬は摂取する量が決まっているのか分かりますか?』
「はい。どんなものにも、その適量を間違えればそれだけで害をなす毒と……まさか!」
察しのついた田中は目を見開く。
『キラキラも同じです。今の彼は恐らく、際限無くキラキラを増やし続けて、溜め込んでいます。このままでは、良くない結末が待ち構えてます』
「でしたら、一刻も早くその根本の解決をしなければ」
『貴方の報告を聞く限り、その原因を作っているのは恐らくアイドルプリキュアの皆さんかと』
「……はい?」
予想外の内容に、田中は素っ頓狂な声を出して眉を顰めた。
『彼女達と接しているだけで、彼は満たされているのでしょう。ならば、その解決策も最初から分かり切っております』
ピカリーネ自身も、これを口にしようか少し躊躇する。だが、躊躇したところでだ。それで状況が良い方向に変わる訳でもない。寧ろ悪化の一途を辿ってしまう。
『まもると彼女達3人──その関係を断ち切れば良いのです』
「女王様、しかしそれはあまりにも……」
『分かってます。無理強いはしませんが、決断しなければなりません。あの子達にとっても』
聞いてはいけないものを聞いてしまった気がする。だけど、それは遅かれ早かれ知る真実。
この問題にまもるが直面した時、どうなってしまうのか。あまり想像したくないものだ。
『もう少しだけ様子を見ましょう』
田中は小さく頷いた。
『ですが、まもるは常に危険と隣り合わせの状態。その事を、肝に銘じておくように』
その言葉を最後に、ピカリーネとの通信は終了した。
胸のざわめきは鳴り止まない。不安は募るばかり。
キラキラは独自解釈。溜め込んだら体に毒ですよー、という女王様からのありがたいお言葉でした。
ここまでの拝読ありがとうございました