キミとアイドルプリキュア♪ Dream Diva   作:シロX

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第45話 恋の季節?

 今日の学校はいつもより賑やかで溢れていた。その理由としては、近々校内対抗の球技大会が行われる為出場する競技とそのチーム分けをするからである。

 種目は全部で三つ。バスケ、バレー、ドッジボールの中から男女別且つ、その競技に属している部員はチームに1人までとルールが設けられている。

 

 まもる、うた、ななの3人はなんだかんだで同じバレーで出場を決めている。特にうたとななに関しては、バレー一択との事だった。

 

 その理由は。

 

「若葉さんが、バレー部に所属しているエースの翔太先輩に恋してるからそれを手伝う為にね。へぇー、恋のキューピッドじゃないか」

 

「そうそう! 優勝したら告白するって」

 

「でもまた何で? 若葉さんって確か、同じバレー部の人だから告白するタイミングはいつでもあるのに」

 

 疑問を投げ掛けると、ななと学校にまでプリルンとついて来ているメロロンの2人が一緒になって頭を抱えて横に振る。

 

「紫雨まもるはロマンに欠けるメロ」

 

「そういう所だと思うよ紫雨君。それに、翔太先輩は近々転校しちゃうの。だからその前にって」

 

「それで告白大作戦って訳か。青春だね」

 

 呆れるななとメロロンを隣にまもるは1人納得していた。

 

「俺にもそんな恋愛してみたいよ。はぁ……」

 

 溜め息を吐くまもる。その様子をななは、ジト目で見つめている。更にその様子をメロロンが第三者として見ており「思っていた通りの人」と、まもるを格付けする。

 

「若葉さんの為にも、2人は頑張ってバレーの練習しないとダメだね」

 

「そう! だから昼休みお弁当食べた後、そのまま練習するからまもる君とは暫くお昼一緒に居れないの! ごめん!」

 

「気にしないで」

 

「それとお願いがあって」

 

 うたは申し訳なさそうにしながらも、プリルンとメロロンを差し出した。

 

「お昼休みの時間だけ、2人の面倒見てくれない?」

 

「プリ!」

 

「メロ⁉︎」

 

 プリルンはともかく、メロロンは相当嫌そうな表情を浮かばせている。何しろ、出会えば頬擦りをしてくる相手なのだから。

 

「良いよ、それなら今から預かるよ。もうすぐお昼休みだし」

 

「ちょっと待つメロ!」

 

 プリルンとメロロンを抱えたタイミングで、お昼休みのチャイムが校内に鳴り響いた。ここで一旦競技大会の話し合いもとい午前中の授業が終わる。

 まもるは早速プリルンとメロロンの分のお弁当を受け取り、2人に見送られながら教室を後にするのだった。

 

 

 ◯

 

 

 中庭のベンチで腰を掛け、こころとお弁当を広げるまもる。その最中で、若葉の恋愛についてあれこれ話を広げていた。

 

「そーなんですね。それで暫くお2人は来ないと?」

 

「寂しいね」

 

「元気なうた先輩に、面白い話題を振ってくれるなな先輩が居ないと余計にですよね」

 

 まもるの話に相槌を打ちつつ、こころはプリルンの口の中に爪楊枝を使ってタコさんウインナーを丁寧に入れて食べさせる。

 

「ねえたまに食べさせる役割はメロロンメロ! 貸すメロ!」

 

 メロロンはこころから爪楊枝を引ったくり、代わりに自分が食べさせようとする。何から何まで、プリルンに関する事は全てメロロンが担いたいと自ら行動に起こしている。

 

「こころはクラスで気になる男の子とか居ないの?」

 

「気になる男の子ですか? 居ないけ、ど……」

 

 こころは徐にまもるの顔を見た。その視線に気が付き、まもるも目を合わせる形となった。

 いつまでも視線を外さないこころに、少し妙な感覚を覚え始める。

 

「──()()()()()()()()()()()()

 

「年齢的にも早いしね。居ないのも仕方ないか」

 

 まだまもる達は中学生。恋愛について興味を持ち始めるお年頃だが、彼氏だの彼女だのとそういう関係には少し早過ぎる段階。

 その事も踏まえて、居ないのは当然だとまもるは思った。

 

「話を変えますけど、お兄ちゃんは球技大会どの種目に出るんですか?」

 

「俺? 俺はうたちゃんや蒼風さんと同じバレーボールだよ」

 

「だったらお願いがあるんだけど、良いかな?」

 

 こころからのお願い。兄として、先輩として断る理由はどこにもない。まもるは頷いて、こころのお願いを聞く事にした。

 

「わたしとバレーの練習付き合ってくれませんか?」

 

「練習? それは別に良いけど、こころって運動神経良いからそれとなく熟るんじゃない? それこそ俺よりも」

 

「わたしのチーム、全体的にバランスは良いけど決定打が無いんですよ。そこで、わたしが少しでも頑張ればチームの貢献になるかなって」

 

 実にこころらしい考えだ。客観的に仲間の方を分析して、何が欠けているのか解析して答えを導き出す。

 しかしまもるも自分のチームがある。こころばかりに相手をする訳にもいかない。別に放って置いても問題はないのだが。

 

「付き合ってくれますか?」

 

 まもるは少しだけ考えを纏めさせる。その結果、問題無しと判断してこころに了承の意味である微笑みを向けさせる。

 

「分かった。こころの熱意に折れてあげるよ」

 

「ありがとうまもるお兄ちゃん。早速、今日の放課後でも」

 

「準備して待ってるよ」

 

 こうして、急遽球技大会大会へ向けてこころの練習相手として付き合う事となったのだった。

 

 

 ◯

 

 

 放課後となり、体操服に着替えた後バレーの練習という事で校庭へとやってきた。プリルンとメロロンはうたの元へ戻して目の前の事に集中出来る。ただ一つ不満があるとすれば練習する場所だ。本当なら安全も兼ねて屋内で練習をしたかったのだが、運動部が使用している為仕方なく屋外で妥協をした。

 

「それじゃあまあ、ぼちぼちやって行こうか」

 

「はい!」

 

「「「「「お願いします!」」」」」

 

 こころに続いて元気な挨拶が聴こえる。こころの背後には体操服姿の女の子5人の一年生が居た。もしかしてかと思いつつ、こころに視線を向けると苦笑いで返された。

 

「すみませんおに……じゃなくて、まもる先輩。先輩と一緒に練習すると口に出したら皆付いて来ちゃった」

 

「それは構わないけど、また何で?」

 

「それはですね──」

 

 こころが説明しようとすると、それを押し除けて5人が一気にその理由を喋り始めた。

 

「紫雨先輩とお近付きになりたかったからです!」

 

「こころちゃんがいつも口にしてた紫雨先輩を一目見たかったんですよ」

 

「それに、クールに何でもそつなくこなす姿がとてもカッコよくて」

 

「そのうえ誰に対しても手を差し伸べて優しい」

 

「そんな先輩と一緒に練習出来るなんて願ってもないこと!」

 

 憧れや尊敬の目でまもるを見つめる少女達に、まもるもたじろいで思わず身を引いてしまった。自分の知らないところど何が起きているのか。

 もう少し説明が欲しい。

 

「わたしのクラスメイトで今回の球技大会に出るチームでもあります。という訳で、まもる先輩良いですか?」

 

「人数が増える事は喜ばしいけど、そこまで期待されても何も出ないよ? それに俺、バレー部どころか運動部でもないんだけど……」

 

「そこは大丈夫です。皆それは知っていますから」

 

 知っているのなら尚更まもるにここまで頼って来るのかが疑問にしか思えない。しかし頼られる事は実に悪い気はしない。

 当初の予定より大幅な人数の激増だが、可愛い後輩のお願いとあらばその望みを叶えてあげたい。

 

「追い返すなんて失礼な事はしない。皆纏めて先輩が面倒を見てあげるよ。期待に添えられるかどうか怪しいけど、取り敢えず出来るところまでしようか」

 

 こころとマンツーマンでの練習から、急遽大人数でやる事となったバレーの練習。いつもとは違った騒がしさのある時間が始まった。




この後場面が多分2回くらい変わりそうだったので、ここで一旦区切りましたー。

ここまでの拝読ありがとうございました。
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