キミとアイドルプリキュア♪ Dream Diva 作:シロX
「昨日からありがとう、まもるくん」
昨日のお泊まりから今日のチョッキリ団との戦いに至るまで、ななはまもるにおんぶに抱っこ。ここまで良くしてくれた彼には感謝しかない。
「お礼を言われる程でもないよ。にしても、ななからお散歩のお誘いなんて珍しいね。何かあった?」
時間は夕刻。もう帰らないといけないという時間帯に、ななから急なお誘い。特に断る理由も無く、それなら家まで見送るという形で2人きりで住宅街を歩いている。
「何もないからだよ。こうして、まもるくんと一緒にお話したいなって思って」
「話ならいつでも出来ると思うけど?」
「ふふっ、そうだね。いつでも出来るよね」
ななはふと、足を止めて公園に目を向けた。そこで、ある事を思い付いた。
「ねぇ、まもるくん。わたしと勝負して欲しいな」
「勝負って?」
ななは公園にあるブランコに指をさした。
「どっちが遠くに靴を飛ばせるか」
「ホント今日はどうしたの? らしくないよ」
「いいからいいから!」
ななはまもるの背中を押して、強引に勝負を申し込んだ。
◯
まもるがブランコに乗り、軽く漕いで勢いをつけながら昔の思い出話に少しだけ花を咲かせる。
「懐かしいな。こうやって、うたちゃんとかと競ってた時期があったよ」
「じゃあ、結構自信満々?」
「もち!」
「なら、こういうのはどうかな? 勝負に勝った方が、誰も知らない秘密を打ち明ける」
まもるの自信の持ちようを見て、ななは罰ゲームまで準備した。まもるは一瞬戸惑ったが、それを吹き飛ばすかの如くブランコを漕ぐ勢いを強めた。
「いいよそれで。て訳で、早速やらせてもらうよ!」
ルール説明を終えるのと同時に、まもるは靴を飛ばした。大きな弧を描き、ポトリと音を立てて3m近くまでやってのけた。
「結構飛んだね」
「今度はななの番だよ」
まもるは自分の靴を取り、入れ替わりでなながブランコを漕ぎ始める。
その時初めて気付いたのだが、今日のななは朝からずっと学校の制服のまま。ブランコを漕げば漕ぐ程スカートが靡き、その中まで見えようとしていた。
「なな、その、言い難いんだけど……下着が見えそう」
「なーんて、ちゃんと下にも履いているから心配ないよ。見てみる?」
「見せなくていいから!」
「気を取り直して。いくよ、せーのっ!」
からかったで満足したななは、間髪入れずに靴を投げ飛ばした。まもると同じようにそのまま遠くへ。
──とはいかなかった。
ななの靴は、飛んだというよりその場に落ちた。
「負けちゃった……」
「いや、流石に今のはノーカンで。もう一回やり直そ?」
まもるがななの取り、履かせようと素振りを見せた時だった。
「──好きだよ、まもるくん」
ななは内に秘めた想いを口にした。
「友達としてじゃなく、男の子としてのまもるくんが好き」
突然の発言にまもるは硬直してしまっている。表情には出ていないが目が泳ぎ、明らかに動揺しているのが見て取れる。
「なな、俺──」
何か告げようとしようとしたが、ななは人差し指をまもるの唇に添えて噤ませる。
「返事は急いでないから安心して」
「そんなので良いの?」
「いいよ、ゆっくり考えて。それじゃあ、わたしそろそろ行くね。また明日!」
「あっ、ちょっと!」
ななは逃げる様にしてこの場を去った。そうでもしないと耐え切れないからだ。
(言っちゃったー!)
夕陽よりも赤く染め上がった頬。足の先から頭のてっぺんまで熱くて、どうにかなっちゃいそうな感覚。
鈍感なまもるも、ストレートに行為を伝えたら今回ばかりはかなり意識してくれた。
あとは、もっと好いてくれる為に、ちゃんと振り向いてくれるように努力するだけ。
◯
少し離れた場所。木の陰に隠れて、まもるとななのやり取りを見ていた人物が独り言葉を溢した。
「ななちゃんが、まもる君のことを……?」
──うたは、自分の胸を強く握り締める。
初めて味わう戸惑い、困惑、混乱。そして喪失感。色んな感情が目まぐるしく襲われ、目の前で見た光景を直視出来ずにいた。
補足として、うたは「まもる君」ななが「まもるくん」という「くん」付けでの呼称を平仮名か漢字での差異にしました。これで今、どちらが喋っているのかというのが一目瞭然です……のつもりです(作者自信間違わないように気を付けないといけない)
現状、強化イベントだったり各ヒロインの恋愛模様については現状計画通りに進んでおります(内容は置いといて)。正直全体的に中途半端な形が多いと思われますが、どのヒロインとくっついてもいいようにした配慮なのでご理解の程お願いします。
次回からは本編へとまた戻ります。