キミとアイドルプリキュア♪ Dream Diva   作:シロX

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今回の内容はアニメ19話なんですが、トリオ組がズキューンキッスを探している裏で、主人公がズキューンキッスと会うという感じでお送りします。


第75話 ズキューンとキッスの悩み

 思い出のある公園で、まもるは1人ベンチに座ってズキューンキッスの事を考えていた。

 彼女達は何者なのか。アイドルプリキュアと同じ理由で戦っているみたいだが、本当にそれだけなのかという疑りも否めない。何せ、ズキューンとキッスとで温度差があり過ぎる。

 

「キュアズキューンは好意的。キュアキッスは悪意的」

 

 こればかりは本人達に問い詰める他あるまい。

 

「2人が協力してくれたら百人力なんだけど。どうにか説得できないもんか」

 

 背もたれに寄り掛かり、空を見上げる。そんな彼の目の前に、意外な人物が顔を覗かせて現れた。

 

「やっほー! 君だよね、紫雨まもるって?」

 

「キュアズキューン⁉︎」

 

 噂をすればなんとやら。キュアズキューンがまもるの目の前に居る。それも、かなり間近で。

 

「な、何でこんな所に?」

 

 ズキューンが現れる所にチョッキリ団も居る。もしかして、この近辺にクラヤミンダーが現れたのか。それとも、その後の事なのだろうか。

 

「君を探してた。だよね、キッス!」

 

「えっ、キュアキッスも居るの? 何処に?」

 

 よくよく考えれば当然の事だ。デュオで行動しているズキューンキッス。ズキューンが居れば相方のキッスが居てもなんら不思議ではない。

 

「此処よ」

 

 辺りを見渡してキッスを探していると、ベンチ近くの木の上から声がした。見上げれば、猫のようにして寛ぐキッスが居た。

 

「2人して何で俺を探してたの?」

 

「それは……やっぱりやめましょう、お姉様」

 

「ダメだよキッス。さっき話し合って決めたばかりだよ。まもるの力が必要って」

 

 話の先が全く見えていないまもるからすれば、2人が何の話をしているのかさっぱり見当がつかない。ただなんとなくだが、まもるを頼って来ているというだけ。

 

「ほーら」

 

 ズキューンが背中を押す。そして、震える唇で何か言うとした時。

 

「ちょっと待って!」

 

 まもるが静止させた。

 

「な、何よ?」

 

「此処じゃ目立つ。一旦人の視線が集まらない場所に移動しよう」

 

 此処は公園。子供やその子連れの親が足を運ぶ場所。こんな目立つ所に長時間居座っていたら、一般人に見つかって大事とになる。

 特に、ズキューンキッスの熱が高くなっている今は特に。幸いしてか、今はまだ周囲に人影はない。だから移動するのなら今しかないのだ。

 

「うん、分かった!」

 

「お姉様⁉︎」

 

「じゃあ付いてきて」

 

 まもるを先頭にズキューンはわくわくとした気持ちで、キッスはしかめ面で後ろから付いて行くのだった。

 

 

 ◯

 

 

 ズキューンとキッスを引き連れてやって来たのは、まもるの家だ。今の時間帯なら、家族の人は家に帰ってはおらずまもるだけ。誰か家に誘い入れなければ今日は誰も訪ねては来ない。

 

 リビングで寛ぐ2人に、お茶菓子を差し出して対面に座る。

 

「それで、話というのは?」

 

「……貴方の、ちか……欲しぃ」

 

「ごめん、何て?」

 

 キッスが事情を説明してくれているが、声が段々とフェードアウトして終始何も聴き取れなかった。

 隣に居る筈のズキューンでさえも耳に入って来ずで、ひたすらキッスになんとも言えない視線を浴びせさせている。

 

「だ、だから! 貴方の力を貸して欲しいのよ! これで満足かしら?」

 

 上から目線なのが少々気になるところではあるが、内容としては呑み込んだ。

 

「理由聞いても?」

 

「先日、貴方達と別れた後、パッチリーネに襲われたのよ」

 

「わたし達でなんとか出来ると思ってたんだけど」

 

「負けた、と?」

 

「……えぇ」

 

 その時の悔しさを思い出し、キッスはスカートの裾を力強く握り締める。それだけで、戦いの内容が酷かったものだと察する。

 これで、何故アイドルプリキュアではなくまもるを訪ねたのかも大体の予想がつく。大方、まもるの応援の力を使えばパッチリーネ相手でも遅れを取る事ない。そんなところだろう。

 

「で、どうなのよ?」

 

 まもるは少し考え、そして。

 

「協力したいのは山々なんだけど、多分それは無理だと思う」

 

「なんでー?」

 

 無邪気に訊くズキューンに、まもるは丁寧にその説明をする。

 

「俺の力はお互いの信頼関係で成り立っているんだ。失礼な事を承知で言うんだけど、俺は君達の事は良く知らない。知ろうとしても君達がはぐらかしてしまうから知れない。だから、応援したくても出来ないんだよ」

 

「キッス……」

 

「……クッ!」

 

 ここへきて、壁を隔ててしまった影響が出てしまっている。まもるだって、彼女達の力になりたい。何かしらの抜け道はあるか、自分の力について熟考する。

 

「いや待って。そういえば確か、強い信頼関係の他にももう一つだけ条件があった。ていうか、正直この条件と信頼がどっちか満たしていればいけると思う!」

 

「それを早く言いなさいよ。で?」

 

 ポンッと机を叩き、キッスは答えを急かす。

 

「意識させればいいんだよ」

 

「意識させるって具体的には?」

 

「早い話、目が離せないくらい夢中にさせればそれで大丈夫な筈だよ」

 

 なんて言うまもるだが、ズキューンキッスには夢中になってはいるのだ。あそこまで惹き付けられるライブは類を見ない。だからもう一押し。

 

「夢中にさせるって難しいね」

 

「お姉様の魅力を分からないなんて、貴方の目もとんだ節穴ね」

 

「あはは、中々手厳しいね……あっ」

 

 ズキューンとキッスのやり取りを見ていると、とある人物像と2人が重なって見えた。今も尚音信不通が続き、キラキランドに帰って行ったきり。一応プリキュアを名乗っている2人に、その事について触れる。

 

「ねえ、プリルンとメロロンって妖精知ってるかな?」

 

「「……ッ」」

 

 名前を出すと、2人の眉がピクリと動いて反応した。

 

「それってわた──」

 

「知らないわ」

 

 ズキューンが言い掛けたその時、キッスが上から被せて遮らせた。

 

「いやでも、さっきズキューンが」

 

「知らないわ」

 

 聞き出したくても、それをキッスが圧を掛けて黙らせる。いつの間にか、ズキューンも空気を察した何も言わずにいる。

 

 何か気に障る事を言ってしまったのか。だけど、プリルンとメロロンについて訊いただけであって、何かしら失言があったとは考え難い。

 

「……分かった。知らないなら、それでいいよ」

 

 追求をしたいが、折角の交流の場を壊す訳にもいかない。ズキューンはともかく、キッスの気持ちを尊重して大人しくする事を選んだ。

 

「でももし、その子達を見つけたら教えて欲しいな。皆が心配してるから」

 

「……その子達とはどんな関係なの?」

 

「友達だよ。大切な友達。なんだか、君達2人があまりにも似てて。それで思い出して、つい」

 

 キッスは目を伏せる。

 

「話を戻すわよ。貴方がわたし達に夢中になれば良いのよね?」

 

「あっ、うん」

 

 急に話のレール戻され、無意識に返事をした。

 

「なら夢中になりなさい。今すぐに」

 

(な、なんて無茶苦茶な事を言うんだこの子は……)

 

 こうも直球に言われるとは思いも寄らなかった。どうしたものかと困り果てていると、家内全体にインターホンの音が鳴り響く。

 

「誰だろう? 今日は誰にも会う予定無かったんだけど」

 

 呼ばれたからには一応出なきゃいけない。ズキューンとキッスはリビングで大人しくしてもらい、まもるはいつもの足取りで玄関へと向かう。

 

「はーい。今開けます、ね……?」

 

 扉を開ければ、思わぬ来客に言葉を失った。

 

「やっほー」

 

「何で君が此処に──パッチリーネ」

 

「何でってそりゃあ、頃合いだと思って」

 

「意味が」

 

「お邪魔するわね」

 

 家主の許可無く勝手に上がり込んで、そのままズキューンとキッスが待っているリビングへ歩いて行く。今彼女達と接触するのは非常にマズい。

 

 捕まえようと手を伸ばすが、ヒラリと身をかわしてリビングの扉を開けた。

 

「あーいたいた。昨日ぶり」

 

「ん?」

 

「貴女、パッチリーネ!」

 

「このやり取りこれで2回目。いいよそんなの」

 

 何食わぬ顔でズキューンとキッスの対面に座り、まもるが口にしていたお茶菓子に手をつける。

 

「それで、2人は紫雨まもるに応援してもらえる感じなの?」

 

「……えぇ、まあね」

 

「嘘ね」

 

 キッスの僅かな呼吸と瞳の揺らぎを見て、それを嘘を暴いた。

 

「応援してもらえる、ていう点は本当みたいだけど。力を使えるかどうかはまた別の話じゃない?」

 

「君、もしかして最初から話聞いてた?」

 

「全然。それよりも意識させる、夢中にさせる事は思い付いたの?」

 

「「やっぱり聞いてたよね!」」

 

 まもるとキッスが息の合ったツッコミ。パッチリーネはクスリと笑い、その表情を崩さないでいる。

 

「簡単な話。キスでもすれば意識だったり、夢中になるんじゃない?」

 

「「なっ⁉︎」」

 

 サラッとトンデモない爆弾発言をした。まもるもキッスも赤面するが、意味を理解していないズキューンだけはのほほんとしている。

 

「キスって?」

 

「ちゅーの事よ」

 

「「教えなくていいから!」」

 

「あっ、それならキッスがいつもしてる事だよね!」

 

「お姉様、その言い方ですと色々誤解を招くのでやめて下さい」

 

 わざわざそのような事を教えるとは。一体パッチリーネは何を狙っているのか。謎が深まる。

 

「ほら、しないのキス?」

 

「やらないわよ!」

 

「キッスがしないのならわたしがやろうかな。まもる、ちょっとこっち来て」

 

 ズキューンはまもるの腕を掴んで強引に引き寄せた。そのまま顎に指を添えて持ち上げた。これでいつでも接吻する準備が整われた。

 

「ズキューンさん? 冗談ですよね?」

 

「ジッとしてて。わたしの目だけ見てればすぐに終わるから」

 

 お互いの距離が縮んでいく。それに伴ってズキューンは瞳を伏せ、まもるの唇を頂こうとする。直後、キッスはまもるを蹴り飛ばして接吻を強制的に止めさせた。

 

「わたしのお姉様になんて事するの!」

 

「不可抗力だよ!」

 

「それならキッスがする?」

 

「おっ、やれやれ! ヒューヒュー!」

 

「貴女はもう黙ってなさい」

 

 ズキューンが促し、パッチリーネが焚き付ける。キッスは頭を抱えては項垂れる。

 

「でも、やらなければ強くなれないわよ?」

 

「フン、わたし達のステージで夢中にさせれば良いだけの事よ」

 

「それなら実践でもしてみる?」

 

 パッチリーネは立ち上がり、徐に闇の力をこの場で解放させる。

 

「リハーサルはもう飽きたから、こっからはワタシもそれなりに歌わせてもらうね!」

 

 闇がパッチリーネを包み込むようにして渦巻き、その身に宿していく。

 

「プリキュア! ダークアップ!」

 

 その掛け声に3人は戦慄する。何せそれは、いつもバッサリーネが変身する口上と同じ。

 

「クラクラ、ステージオン! YEAH!」

 

 となると、パッチリーネも同様にプリキュアに変身する。

 

「キミと響く、ハートのときめき! 歌声ハミング! キュアライブ!」

 

 キュアディーヴァと対をなす衣装に身を包む。細部に音符が装飾として散りばめられ、アシンメトリーのロングスカート。髪色、そして衣装が共に紫色という幾つかの点を除いてキュアディーヴァと遜色ない。

 

 キュアディーヴァとは異なる存在感がある。まるで底が見えない。

 

「此処じゃ悪目立ちするわね。少し場所を変えましょうか」

 

 ライブが指を鳴らすと一瞬で4人は消えた。




とにかく書く時間がありません。ですが、ちゃんの最後まで書き切りますのでマイペースにやっていきます。

ここまでの拝読ありがとうございました!
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