「ここが教会か…」
ジークの手伝いをするために訪れた教会、定期的に掃除されているのか埃すら見受けられない。
向こうは戦争の余波で像やガラスも破壊されていたし血と埃と消毒液の臭いしかしかなったな…。
それに比べてここはとても平和だな、怪我人は結構いるようだが…ん?
「なんだかやたら剣や魔導銃を持った怪我人が多いな…?」
教会へ来ているのは何故か鎧や軽装の武器を持った者達だ。衛兵? いや、傭兵か?
戦争はなかったと聞いたが…。
その様子を見ながら首を傾げているとジークがそんな俺の視線に気づいたのかあぁと俺に声をかける。
「彼らは開拓者だよ、冒険者と呼ぶこともあるけど」
「開拓者?」
「魔界が現れてからこの世界に色々なものが現れてね。地下に
「なるほどな…」
この世界の主な仕事はそれなのかもしれない。開拓し色々なものを見つけ世界に還元する。となるともしかしたら俺の世界より資源に溢れているかもしれないな。
そういえば見せてもらった魔導銃もほぼ金属製だったし…*1
金属製なら無理に木材に強化魔法などを使って補強しなくてもいいから楽だろうしな…。部隊長だった俺の魔導銃は10人がかりで強化魔法をかけたやつだが金属製なら無理に強化しなくてもよかっただろう…羨ましいな。
「さて、ノアくん。そろそろ患者も増えてくるし準備を進めておこうか」
そんなことを思っているとジークに呼ばれた。
「あ、わかっ…分かりました」
一応は彼の部下という扱いだから敬語を使うことにして彼に付きそう形で補助する。
どうやら消毒した後に治療を行い。ひどい怪我だったらさらに包帯を巻き安静にさせる。魔力治療を使えば全快させることは可能だと思い聞いてみたがどうやらそれはダンジョンなどの緊急時のみだそうで本来はある程度傷を塞いであとは自然治癒力に任せるらしい。理由としては傷に汚れなどを残したまま傷を塞いだりと色々あるらしいが一番の理由はダンジョンの混雑防止らしい。結構開拓者の数は多いらしく連続で突入する人も多いようで混雑を防ぐためある程度の怪我を治療したらしばらく安静にして休養期間を出すことで混雑を防ぐとか。
まぁ無視して突入する人も多いらしいが…。
「こっちにもお願いできるかしら?」
「はーい」
俺の仕事は包帯や消毒液の運搬、あとは使用後のガーゼなどのゴミの廃棄だ。
治療を行っているのはジークだけではないのであちらこちらを歩くことになった。しかし新顔だからよく注目される…。
「あ、あの…し、新顔さんかな?」
治療の終わった開拓者の一人が俺に声をかけてきた、頬を染めて言葉も何故かたどたどしい。
首をひねりながらも無下にするわけにはいかないと用意してきた設定を話す。
「初めまして、ジークフリート先生のお手伝いをしているノアと言います。よろしくお願いしますね」
対面で大事なのは笑顔だ。全力でにっこりと笑顔を作りながらその開拓者に向けて自己紹介をする。
すると何故か顔を真っ赤にし、その開拓者は声にならない返事をしながらフラフラと教会を後にした。
はて、熱でも出たのだろうか。奇跡でもない魔力治療では病気を治療できないからな…。
そうしていると何とも言えない笑みを浮かべたジークに肩をポンっと叩かれた。なんだその顔は
「君は罪作りだね」
「…何かそれ以前からよく言われたけど何なんだ?」
「うぅーん筋金入りだねぇ」
そのまま、ふふっとジークは笑っていた。何なんだ一体。
「ノアちゃーん、消毒液持ってきてもらっていい?」
「あ、はーい」
ともかく仕事だ仕事、命の危険がない仕事の何と素晴らしいことか。
それにしても視線がよく集まる。どちらかというと男の視線が多いな…?
結局のところ特に騒動もなく仕事は終わった、軽い小競り合いみたいなのはあったけど。
終わったので別室で借りていた白い修道服を脱いで元の服に戻る。今の服装はジークから貰った服でありなんでも以前開拓者をやっていた時にいた仲間の服らしい、シンプルなシャツと短パン。胸がちょっときついがまぁそこまで気にすることではない。
勝手に借りていいのかと思ったが別に気にしなくてもいいとか。14~5歳の今の俺にも合う服だからかなり小柄な子も開拓者をやっているのかとちょっと驚いたが俺の世界でも13歳で徴兵されていたしこっちの方がましか…。
ジークはまだ少し教会の人と話があるらしく先に帰ってくれと言われた。俺は魔導銃を担いでジークの家に向かう、俺だからいいが普通は14~5歳の少女を一人で家に帰さないぞ。
まぁこの辺は治安がいいっぽいし変なことも起きないだろうし…。
「ひひっ、お嬢ちゃん少しいいかい?」
そう思った瞬間これか。ジークから聞いたな…確かフラグ回収というんだったか?
全然話が進まないね