DD世界だと思ったらリリなの世界でした。いや両方の世界が混ざり合った世界でした!!   作:バター犬

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だれかの名前を踏んでしまった。
ぬるかった。赤かった。あたたかかった。
だけど、動かなかった。

どうしてって聞かれた。
どうして、あのこが潰れてるのって。
それは、道だったから。

正しさを履いて、重さを脱いで、
ただ前に進んだだけだったのに、
なぜか音だけが残った。

どこかで泣いてる声がした。
それはきっと、石ころか何かだろう。
蹴ったら、音がしなかった。

うるさいものは、みんな黙らせた。
でも最後までうるさかったのは、
潰したやつのまなざしだった。

あんなに小さな目で、
どうしてあんなに、痛がるんだろう。
どうして、まだ見てくるんだろう。

ねえ、見ないでよ。
だって君、もう動けないじゃないか。


――フレデリカ・ベルンカステル



時は少し戻り、アースらとウァーリサイドだよ♥

【アースラ Side】

 

 

時は、太郎が海鳴市上空に転移する――ほんの数分前。

 

宇宙空間を航行する艦――《アースラ》の艦橋では、異常事態への対応が始まっていた。

 

「通信入ります!フェイトさんとアルフからです!」

 

エイミーの声が鋭く響き、艦橋に緊張が走る。

 

その背後では、無数のホログラムが立ち上がり、情報ウィンドウが点滅していた。

 

エイミーが報告する横で、情報ウィンドウが次々と点滅を始めた。

 

その声を聞いたクロノ・ハラオウンは、即座に一歩踏み出し、冷静な口調で言葉を返した。

 

「結界の種類は? 中の様子はどうなってる?」

 

短く、無駄のない問いかけ。

 

だがその声音には、ただの事務的な確認ではなく、“戦場を読む者”としての鋭さがにじんでいた。

 

「……確認中ですが、通信は完全に遮断されていて、内部との交信も魔力感知も不可能です!」

 

エイミーの指が光のパネルを叩き、即座に映し出された魔力解析データの断面を走査する。

 

「……やはり間違いありません!これは“封絶型の捕獲結界”です。外部からの干渉を一切受け付けない、高度な構造です!」

 

クロノは目を細め、画面を睨んだ。

 

「……捕獲用、か。となると、中にいる誰かを閉じ込めている可能性が高い」

 

「はい。現在、現地にはフェイトさんとユーノくん、それに帝王院くんとアルフが接近中です」

 

「わかった。戦闘を想定して、救護班と制圧部隊の両方を待機させろ」

 

「了解!」

 

 

エイミーの指が再びタッチパネルを滑り、魔力制御コンソールが淡く光を放つ。

 

艦橋内に、再び操作音だけが鳴り響いた――その、わずか一拍の静寂。

 

――ピィィィィィイイイイッッ!!!

 

甲高い警報音が、突然、艦内全体に鳴り響いた。

 

それはまるで、艦を貫く悲鳴のように。

 

「なっ……!?」

 

空気が振動し、照明が一瞬だけ明滅する。

 

コンソールパネルの端が赤く点滅し、同時にホログラムウィンドウが警告モードに切り替わった。

 

「ロストロギア反応、急上昇ッ!発生源は――さっきの結界の真上!」

 

エイミーが即座に叫び、手早く映像信号を呼び出す。

 

「映像、出します――!」

 

エイミーの指が決定キーを叩くと同時に、艦橋正面のパネルが稼働音を立ててスライド展開され、

青白いホログラムの光が空間を満たした。

 

中央に現れたのは――激しく歪んだ魔力空間の断片的な映像。

 

灰色に霞む空と、乱れた魔力風。

 

その中心に、二つの人影が揺れていた。

 

「……これが限界です。映像、ザラついててはっきりとは――」

 

「もっとアップにできないか?」

 

クロノの鋭い声が飛ぶ。

 

その瞳はすでに、スクリーン奥に潜む“異常”を見抜こうとしていた。

 

「はいッ、拡大します!」

 

エイミーが操作パネルを叩き、映像が一段階ズームされる。

 

ザラついたノイズが徐々に晴れ、二人の姿がクリアになっていく――。

 

そこにいたのは、まるで対極の存在のような二人の少年。

 

一人は、白銀の鎧に全身を包み、背からは青白く輝く羽を大きく展開していた。

 

その姿は神々しい天使のようでありながら、どこか人間離れした無機質な雰囲気を漂わせていた。

 

もう一人は、真逆だった。

 

もう一人の少年――

 

その姿は、見る者の心に“拒絶”を叩き込むほどの異常性を孕んでいた。

 

背中から伸びた黒い翼……その羽根には、不規則にうねる赤いの魔力がまとわりついていた。

 

いや、それだけではない。

 

全身が、湧き上がるように“赤黒い魔力”に包まれていたのだ。

 

その魔力は、通常の構造を持った魔力とは明らかに異なっていた。

 

まるで生き物のように脈動し、少年の皮膚の下から泡のように**“噴き出す”**それは、

 

まるで、肉体そのものが煮えたぎった魔素の坩堝であるかのようだった。

 

肉体を覆うその魔力は、時折ぼこりと膨らみ、裂けるように燃え、

 

 

それは“鎧”ではない。

 

“術式”でも、“変身”でもない。

 

そして彼は、その異様な姿のまま、

 

右手に禍々しく光る赤黒の剣を握っていた。

 

その表面には血管のような赤い魔力線が浮かび、静かに、だが確かに“脈打っていた”。

 

「こいつら……何者だ……?」

 

クロノが低く呟く。

 

次の瞬間だった。

 

白銀の鎧を纏った“天使”の姿が、ふわりと揺れる。

 

まるで映像がバグを起こしたかのように、輪郭がにじみ、ノイズが走った。

 

「っ……これは……?」

 

続けざまに、隣にいた“黒き災厄”――少年の身体から赤黒い魔力の奔流が膨れ上がる。

 

直後、画面全体が強烈な閃光に包まれ、警告音が跳ね上がった。

 

「――結界、破壊反応!! 二体、同時に転移反応ッ!座標ロスト……!」

 

エイミーが叫ぶ。

 

しかし――

 

スクリーンは消えなかった。

 

激しいノイズと明滅を繰り返しながらも、画面にはなお、

 

歪んだ魔力の残滓が渦巻く空間が映し出されていた。

 

まるで、何かが通った“痕跡”を映すかのように、空間がゆらゆらと波打っている。

 

その異常な余韻に、艦橋の空気が一気に冷え込む。

 

クロノは眉をひそめ、消えた二人の存在の“気配”を追うようにスクリーンを見つめ続けていた。

 

 

 

 

 

 

【三人称 Side/戦場】

 

 

崩壊した結界の中心――

地に崩れ落ちた瓦礫と、焼け焦げた空気の中に、

一体の獣人が、血の海の中で膝をついていた。

 

――ザフィーラ。

 

だがその瞳は、すでに閉じられていた。

彼に意識は、もうない。

 

全身は見る影もないほど損壊していた。

毛皮は焦げ落ち、骨が突き出し、肉は焼き裂け、

幾重もの傷口から血が溢れ、赤黒い池となって地面に広がっていた。

 

息はない。

それでも、倒れていない。

 

右足は逆関節に折れ曲がり、左腕は完全にねじれ、

内臓の破裂した音がまだ周囲に残響しているほどだ。

にもかかわらず、その肉体は、“膝をついた状態”のまま、崩れ落ちていなかった。

 

 

――まるで死にかけの体に、魂の残滓が憑き纏っているかのように。

 

そしてその顔は、意識を失っているはずなのに――

なお、“目の前の白銀の悪魔”を見据えていた。

 

 

その隣に、“鉄槌の騎士”ヴィータが仁王立ちしていた。

 

赤いスカートの裾が、焦げた空気に小さく揺れている。

 

彼女の全身から、魔力とは違う“熱”が滲み出ていた。

 

真紅の瞳が、怒りで燃え上がっている。

 

今にも爆ぜそうな火山のように。

 

涙すらも、怒りに焼き尽くされて蒸発するほどに。

 

目の前の光景――

 

ザフィーラの、見るも無惨な姿。

 

そのすぐ隣で、死体のように膝をついたまま、目の前の“敵”を見据え続ける守護獣の執念。

 

「てめぇ……よくも……よくも……ザフィーラを……!!」

 

ヴィータの声は――叫びではなかった。

 

咆哮だった。

 

全身が震えていた。

 

怒りで。悔しさで。悲しみで。

 

そして、それらすべてを飲み込んだ“殺意”で。

 

その小さな身体から溢れ出した魔力が、地面を裂いた。

 

アイゼンがヴィータの感情に共鳴するように、ゴォォッ!と赤黒い光を迸らせる。

 

「ふざけんな……ふざけんなよ……!

てめぇみたいな奴にっ……あいつがっ……あいつが……ッ!!」

 

叫びは、もう言葉になっていなかった。

 

感情が剥き出しの衝撃波となって、周囲の空気を焼いていた。

 

ヴィータの真紅の瞳が、涙で濡れることなく、ただ怒りで燃え上がる。

 

悲しんでいる暇などない。

 

戦わなければ、何も護れない――そう教えてくれたのは、いつだってザフィーラだった。

 

「てめぇだけは――絶対に許さねえッッ!!!」

 

叫びと同時に、アイゼンが魔力を吹き上げ、鉄槌が咆哮する!

 

怒りに、悲しみに、悔しさに――そして、たった一つの“誇り”に。

 

彼女の手には、アイゼンがあった。

 

震える手で、それでもしっかりと――

まるで壊れた心臓を握りしめるかのように、

鉄槌《Eisen》を、ヴィータは強く、強く、握り締めた。

 

「アイゼン……行くよ。泣いてるヒマなんて、ないんだよッ!!」

 

その声に、アイゼンが低く唸り、赤い魔力が収束し始める――!

 

その全身から吹き上がる魔力は、もはや火山のようだ。

 

冷たい視線が、血に濡れた戦場を横切った。

 

ヴァーリは、ただ一瞥をヴィータに向ける。

 

その目には、もはや戦いへの高揚も、侮辱も、何もなかった。

 

ただ冷たく、淡々と――まるで足元の虫を眺めるかのように。

 

「……まだ戦意があるか。雑魚にしては、よく踊るな」

 

その一言に、ヴィータの奥歯がギリギリと軋む音が響いた。

 

怒りが再燃し、魔力が全身を駆け巡る。

 

「アイゼンッ!!」

 

鉄槌が応じるように、轟音をあげて魔力を圧縮する。

 

「ラァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!――テン・ハンマアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

怒号と共に、ヴィータの身体が地を蹴った。

 

大地が砕け、砂塵が爆ぜる。

 

ジェット噴射を伴ったアイゼンが、ヴィータとともに弾丸のようにヴァーリへ突撃!!

 

その圧力、速度、破壊力は――まさに鋼鉄の流星。

 

轟く鉄槌が、戦場の空気を引き裂く。

 

だが――

 

ヴァーリは一歩も動かない。

 

口元に薄い笑みすら浮かべながら、ヴァーリは静かに手をかざし、防御方陣を展開する。

 

魔力の紋が空間に刻まれ、複雑な陣が音もなく回転を始めた。

 

その目は、先ほどまでの退屈を通り越した無関心とは違っていた。

 

瞳の奥に、うっすらと――愉悦の色が浮かび始めていた。

 

「いいぞ……そうだ、もっとだ」

 

口元に笑みが広がる。だが、それは喜びではない。

 

狩人が獲物に爪を立てる直前の、獣の嗤い。

 

「さぁ――もっと、俺を楽しませてくれ」

 

その姿は、まるで“絶対の防壁”を確信している者の余裕。

 

――衝突の瞬間が、迫る。

 

ゴガアァァアアアアン!!

 

空間に響き渡る、砲撃のような破砕音――!

 

ヴィータの鉄槌が、ヴァーリの防御方陣を真正面から叩き割った。

 

魔力陣が砕け散る瞬間、空間そのものが歪んだ。

 

バリバリと亀裂を走らせながら、防御方陣が音を立てて崩壊する――

 

そのまま勢いは止まらず、鉄槌は白銀の鎧を真正面から殴り抜けた!!

 

ギィィィ……ッッ!!

 

白龍皇の鎧が、軋んだ。

 

鋼の装甲に、鮮明なヒビが走る。

 

ヴァーリの身体が一瞬後方に揺れる。

 

視線がわずかに揺らぎ、白銀の鎧の破片が爆風に煽られて舞う。

 

――沈黙。

 

ほんの刹那、戦場が“止まった”。

 

その中で、ヴァーリはゆっくりと視線を鎧の胸元へ落とす。

 

装甲に刻まれた、明らかな“損傷”。

 

そして、口元に笑みを浮かべた。

 

 

崩壊する建物、舞い上がる粉塵。

 

「……ほう。俺の鎧に――傷をつけたか。」

 

ヴァーリが胸元のヒビに目を落とし、そして――

 

口元に、僅かに笑みを浮かべた。

 

その笑みは、どこか楽しげで――

 

「遊びが始まった」ことを告げる戦闘狂の証だった。

 

一方、ヴィータは肩で息をしながらも、決して一歩も引かない。

 

「ふざけんなッ……!

お前なんかに、ザフィーラも、みんなも――負けるわけねーだろ!!」

 

その叫びと同時に、ヴィータの手から高圧の魔力弾が次々と発射される!

 

「おおおおおおッ!!」

 

連射、連射、連射――

 

空を裂く無数の魔力弾がヴァーリへ殺到する!

 

だが――

 

「無駄だ」

 

ヴァーリは微動だにせず、防御方陣を展開。

 

その足元すら動かすことなく、迫りくる全弾をあまりにも容易く打ち消していく。

 

そして――

 

「今度は、こっちからいくぞ!」

 

次の瞬間、ヴァーリの掌から放たれたのは、“嵐”だった。

 

無数の魔力弾が、暴風のごとくヴィータを襲う!!

 

「っく……!!」

 

ヴィータはギリギリのタイミングでかわし続ける。

 

その小さな身体が、紙一重のステップで爆風をすり抜けていく!

 

だが――

次の瞬間、ヴァーリの声が空気を斬った。

 

「Divid(ディバイド)Divid Divid Divid Divid Divid Divid Divid!!」

 

ヴィータの全身に走る、鈍い重力のような感覚。

 

「くっ……な、に……!?」

 

身体が明らかに重い。

 

いや――違う。

 

重いんじゃない、抜けていく。

 

力が、

魔力が、

命の芯が――一気に引き剥がされるように抜けていく!

 

「っ……ぐ、あ……な、に……!?」

 

一歩踏み出そうとした足が、まるで地面に縫い付けられたかのように動かない。

 

腕にも力が入らない。

 

肺が縮む。呼吸すらもままならない。

 

頭は動けと叫んでいるのに、身体がまったくついてこない。

 

感覚と動作のズレが、まるで悪夢の中にいるような“鈍さ”として襲いかかる。

 

魔力の核が、どんどん削られていく。

 

魔導師としての“軸”がズレていく。

 

これは、ただの鈍重ではない。――力そのものが“奪われている”。

 

「や……め……っ……!」

 

反撃どころか、防御すら間に合わない――その刹那。

 

ヴァーリの声が、耳の奥に突き刺さった。

 

「――遅い」

 

「なっ――!」

 

次の瞬間、ヴィータの身体がビクンと跳ねた。

 

彼の手が、ヴィータの“髪の毛”を無造作に鷲掴みにしたのだ。

 

その勢いのまま――地面に向かって叩きつける!!

 

ゴギッッ――!!

 

コンクリが砕け、少女の顔面が地を擦る。

 

ヴァーリはそのまま手を離さない。

 

髪を掴んだまま、地面に押し付けて滑空を始めた!!

 

「う、が……っ!!」

 

ヴィータの小さな身体が、まるで“雑巾のように”地を引きずられていく。

 

地面に擦られ、火花と血が弾け、服が裂けていく。

 

それでも、彼は容赦を一切見せなかった。

 

速度を上げる。翼で風を切り、滑空が加速する。

 

そして――

 

目の前に迫る、瓦礫の山。

 

「――終わりだ」

 

その一言とともに、ヴァーリは髪を掴んだままヴィータの身体を振りかぶり――

 

「ドガァァァァン!!!」

 

ヴィータの身体は瓦礫の山へと叩き込まれ、爆音とともに崩壊が巻き起こる!!

 

コンクリの破片が空に舞い、地響きが周囲を震わせた。

 

粉塵が漂う静寂の中、

 

ヴァーリは無表情で、崩れ落ちたその瓦礫の山を見下ろし、低く呟いた。

 

「……この程度か」

 

その声に、情は一滴もなかった。

 

静かに、足を踏み出す。

 

瓦礫の中に埋もれたヴィータの身体に近づくと、躊躇もなく髪をつかみ、ずるりと引きずり出した。

 

鉄槌《アイゼン》が金属音を立てて地面に擦れ、

 

ヴィータの小さな身体が、血と埃の上を引きずられていく。

 

同じように、その傍らに崩れていたザフィーラの腕を無造作に掴み、

 

片手でヴィータ、もう片手でザフィーラを引きずりながら歩き出す。

 

それはまるで、重さも命も気にも留めぬ“運搬”作業のようだった。

 

二人の瀕死の身体が、血と土の地面を音もなく滑っていく。

 

一歩、また一歩と歩き出す。

 

ヴァーリにとって、戦いはもう終わっていた。

 

「……疲れたな」

 

視線の先――

 

破壊された街区の先で、魔力がぶつかり合う気配がある。

 

空間が軋むような魔力の衝突。剣戟の金属音。

 

赤と黒が交錯する戦場。

 

そこにいたのは――

 

「……太郎」

 

シグナムと太郎の交戦。

 

だが、ヴァーリはそこに参戦しようとは思わなかった。

 

自分が動くまでもないと判断したのだ。

 

彼はただ、歩く。

 

太郎のもとへ――

 

“帰ろーぜ”って、言いに行くために。

 

彼にとって、これは戦争じゃない。

 

名誉も復讐も、そんなものに興味はない。

 

ただ、“戦う価値があるかどうか”を確かめて、飽きたら帰るだけ。

 

足取りは重くも軽くもない。

 

ただ、黙々と。

 

髪を掴んだヴィータと、腕を引きずるザフィーラをぶら下げながら、

 

いつも通りの無表情で、崩れた街並みの中を突っ切っていく。

 

風が吹いても、魔力のうねりがあっても、彼は気にしない。

 

ただひとつ――頭の中には、ぼんやりとした“目的”があった。

 

「太郎、そろそろ終わったか? じゃ、帰ろーぜ」

 

その一言を言いに行くために。

 

こうして――

 

“白龍皇”ヴァーリ・ルシファーは、

 

誰も勝てなかった戦場を、まるでコンビニ帰りのような気配で、静かに去っていった。

 

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