DD世界だと思ったらリリなの世界でした。いや両方の世界が混ざり合った世界でした!!   作:バター犬

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ヴァーリやばくね?マジやばくね?

 

---さて、図書館に着いた僕は、意気揚々と本の山に埋もれていた。

 

「神話……伝承……異聞録……お、これ“封印されし十の神器”ってタイトル超それっぽい!」

 

『完全に中二病の棚に迷い込んでるな』

 

 

 

そんなツッコミを横目に、僕はとにかく読んだ。読みまくった。

開いて、閉じて、次を手に取る。

一冊読み終えるごとに、“今度こそ!”という謎の確信が生まれ、

次の本へ手を伸ばす……が――

 

 

 

――どれも、手がかりにならない。

 

 

 

日本刀と十字架を同一視してる民間伝承、

魔剣と聖剣を混同したオカルト雑誌、

“聖剣っぽい何か”を勇者が投げた、みたいなファンジンレベルの説。

 

どれもこれも、それっぽい言葉だけが並んでて、

肝心な“どこにあるか”とか、“誰が持ってるか”とかが一切ない。

 

 

 

『おい太郎、お前もう2時間くらい無言で読み続けてるぞ……』

 

 

 

「…………」

 

 

 

ページをめくる手が止まり、僕はふと天井を見上げた。

そして、ゆっくりと呟いた。

 

 

 

「……ねぇ、ぱっつぁん。なんで僕、聖剣ほしいんだっけ?」

 

 

 

『……は? お前が言い出したんだろうが!!』

 

 

 

そうだった。

確かにそうだった。

 

あの時は、なんか……“かっこよかった”んだ。

“魔剣持ってるなら、聖剣も欲しくない?”みたいなノリで。

完全に勢いで、しかも少しだけ中二病だった。

でも今、こうして何も得られなかったまま、

分厚い本に囲まれた自分を客観視すると――

 

 

 

「……じゃあ! やーめた!」

 

 

 

『おいっ!? もうちょっと抵抗しろよ!!』

 

 

 

―――いや~、だって、剣って重いじゃん。管理も大変そうだし。持ってても、たぶん使わないし……うん、これはもうね、撤退のタイミングだよ

 

 

『てめぇ……こっちがどれだけ脳みそ使ってお前に付き合ったと思ってるんだ……!』

 

 

 

―――えー、ごめんごめん!ほんと、感謝してるよ?ありがとぱっつぁん!

 

 

 

軽く手をひらひらさせながら、僕は座ったままぺこっと頭を下げる。

 

……が、その謝罪には一切の反省の色がなかった。

 

 

 

『……お前、その態度だけで一日三回は人を怒らせてる自覚ある?』

 

 

 

―――えっ、そんなに少ない?僕的には一日五回くらいの自信あったんだけど

 

 

 

『もう黙ってろ!!!』

 

―――へい

 

 

 

こうして、

僕の“聖剣探索大作戦”は――

 

本棚のすき間に吸い込まれるように、

僕の“聖剣探し”は、音もなく静かに幕を閉じた。

 

 

 

やる気の残骸だけが机の上に散らばり、

脳内は真っ白。手元には何もない。

 

 

 

(……ま、そんな日もあるか)

 

 

 

意味もなく肩をすくめて、僕は図書館を後にした。

 

 

 

どこへ行こうという当てはなかった。

ただ――“このまま帰るのもなんか負けた気がする”、

そんな微妙な意地だけを動力源に、

僕の足は自然とコンビニへ向かっていた。

 

 

 

いつもの道。

いつもの光景。

店のドアが開くと、チリンと鈴が鳴る。

 

 

 

冷房の効いた空気が、肌をなでて通り過ぎる。

 

 

 

何を買うでもなく、

何を探すでもなく、

僕は棚の端っこにある漫画コーナーへ足を向ける。

 

 

 

(……あ、最新刊出てる)

 

 

 

手に取ったのは、どこかで完結したと思ってた異世界転生モノ。

知らないうちに続編が始まっていて、

気づけば僕はその場で立ち読みを始めていた。

 

 

 

一話、二話……

ページをめくるたび、現実が少しだけ薄くなる。

自分じゃない誰かの物語に沈んでいくこの感覚が、

妙に心地よかった。

 

 

 

時間が流れていく。

 

 

 

気づけば、外はもう夕方だった。

ビニールの反射でにじむ西陽が、コンビニの床を金色に照らしている。

 

 

 

僕は漫画を棚に戻し、深く息をついた。

 

 

 

(……帰るか)

 

 

 

――そうして、なにもないまま

ただ、日が暮れていく気配に背を押されて、

僕はグリゴリへと帰還した。

何の収穫もなかった一日を、ただそのまま終わらせるつもりで。

 

魔方陣を抜け、施設の通路に足を踏み入れた瞬間――

耳に届いたのは、やたら元気な声だった。

 

 

 

「よぉ!太郎じゃないか! お前、今ヒマか?」

 

 

 

反射的に振り返る。

その声は、聞き覚えがありすぎる。

 

白い髪。鋭い目つき。

その目に映るもの全てを“力で測る”ような圧。

 

 

「……うわ、出たなヴァーリ。ていうか、お前、なんでここにいんの?」

 

思わず足を止めた僕は、その白髪の異端をめんどくさそうに見た。

 

 

 

「たまたま通ったら、お前がいた」

 

そう言って、ヴァーリはわざとらしく肩をすくめてみせる。

 

「……いや、うそだ。お前と無性に戦いたくなってな!今日一日中ヒマだったから、ここでずっとお前を待ってた。」

 

 

 

こいつ、清々しいほどの直球だ。

 

まるで子犬みたいな目で言ってのけた。いや、殺しにくるタイプの子犬だけど。

 

 

 

笑っていた。

 

その表情には、一点の曇りもなく、ただ――戦いを求める者の純粋な“歓喜”が宿っていた。

 

完全に、戦闘狂の顔だった。

 

理性のフリをしてるが、たぶん心の奥はいつだって血の匂いでいっぱいだ。

 

 

 

僕は、顔をしかめながら、それでも慣れた調子で言い返す。

 

「おまっ……普通にこえーよ。マジでやべぇって、お前」

 

 

 

「おう。あれはあれ、これはこれだ」

 

ヴァーリは即答した。何が“あれ”で、何が“これ”なのか説明は一切なかったが、たぶん彼の中では完璧に理屈が通っているのだろう。

 

……なおさら怖いわけだけど。

 

 

ウァーリ・・・お前の中では日常に“バトル”って単語が二回くらい重なってるのか?

 

 

 

「……いや、僕もう今日は“無”だからさ。

戦闘とかより、風呂入って布団でゴロゴロしながらお菓子食いたいモードなんだけど」

 

 

 

「へぇ~……で?」

 

 

 

にやつきながら一歩近づいてきたヴァーリを見て、僕は背筋に冷たいものが走るのを感じた。

彼の笑顔は、基本的に“開戦の合図”みたいなもんだからだ。

 

 

 

「……じゃあ、“全力で襲う”って言ったらどうする?」

 

 

 

うわ、スイッチ入ってる。

瞳の奥に宿るあの光――戦闘狂の本能が完全に目を覚ました証拠だ。

 

 

 

「……せめて風呂だけは入らせてくれない?」

 

「よし、トレーニングルーム行こうぜ」

 

 

 

「ちょっとは譲歩してほしいんだけど」

 

 

 

◆ ◆ ◆ 

 

 

 

結局、強引に連れてこられたグリゴリ本部の地下・訓練ルーム。

魔力制御と空間補強が完璧なここなら、いくら暴れても壁一つ傷つかないらしい。

……いや、それでも怖いんだが。

 

 

 

「じゃ、すぐ始めるぞ」

 

「いやいやいや!せめて軽くストレッチとか、ウォームアップとか、そういう手順をだな……」

 

「……うずくなぁ……」

 

 

 

ヴァーリがぽつりと呟いた。

 

白髪が揺れる。足が無意識に前へ出る。

彼の目から視線が抜け落ちていく。もう周囲の状況なんか見ちゃいない。

 

 

 

「うずく……なあ、太郎……。

この力が。血が。戦いたくて……うずくんだよ」

 

 

 

だんだんと空気が重くなる。

 

ぴしり。

空間に走る亀裂のような音――いや、違う。あれは彼の放つ魔力の“軋み”だ。

 

 

「……待てって、まだ僕ジャージなんだけど!?」

 

 

 

「――戦闘開始」

 

ヴァーリが淡々とそう告げた刹那、空気がピンと張り詰めた。

 

 

 

「バランス・ブレイク!!」

 

 

 

その言葉は、宣告だった。

 

静寂を裂く雷鳴のように、世界が一瞬、息を止める。

 

 

 

『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!!!』

 

鋼鉄の咆哮のような音声が轟いた瞬間――

 

 

 

ドンッ!!!

 

足元の床が砕けた。

白銀の魔力が、爆発的にヴァーリの全身から噴き上がる。

 

 

 

その圧力は暴風のようだった。

訓練ルームの空気が重力を増したかのように、僕の肺を押し潰す。

視界が揺れ、耳鳴りが走る。目の前で“異形”が、立ち上がった。

 

 

 

――白き鎧。

四肢を覆う重厚な装甲が一瞬で具現し、ヴァーリの身体を包み込んでいく。

 

 

 

ガギィィィン!! ゴオォォォ!!

 

腕部に白龍皇の宝玉が展開され、背部から放射される粒子光が空間を灼いた。

機械と魔力が融合したような構造――あれは人の姿をした“兵器”だ。

 

 

白き龍の鎧、完成。

 

 

 

「……はぁ? 開幕から禁じ手って、加減って概念どこ行った!?」

 

僕は思わず一歩後退した。

いや、こいつ……最初から“殺る気”じゃねーか。

 

 

 

「手加減なんて、最初からするつもりはない」

 

 

 

戦いに対する興奮が奮起が鋼の装甲の奥から響いてきた。

 

その瞬間、ヴァーリが一歩、踏み込む。

 

ドン、と重い音が床を突き抜ける。

 

 

 

この訓練室は“安全”なはずだ。

だが、それが何の意味もなさないと――僕の本能が叫んでいた。

 

 

 

「くっそ……やる気満々かよ!!」

 

僕も臨戦態勢へと身構える。

 

次の瞬間、閃光が走った。

白銀の砲撃が、鋼鉄の咆哮が――真っ直ぐ僕に向かって突き刺さる。

 

避けろ。構えろ。応えろ。

 

 

 

胸の奥で高鳴る鼓動を抑えながら、僕は背中から漆黒の翼を展開した。

闇を纏う二枚の翼が、風を切り、宙に音を刻む。

 

そして――

 

僕は、そっと眼を閉じた。

 

一瞬の静寂。

外界の音を遮断し、意識を深淵へと沈める。

己の中にある“写し鏡”の力に、ただ静かに、深く、手を伸ばす。

 

 

 

―――万華鏡写輪眼

 

 

 

ゆっくりと、眼を――開いた。

 

 

 

その瞬間。

闇の中から滲み出た赤い光が、視界を赤黒く染め上げた。

 

 

 

浮かび上がるのは、手裏剣のような形状をした万華鏡写輪眼。

中心から外周へ伸びる、鋭利な四つの刃。

 

赤と黒の螺旋が、静かに、そして狂おしく回転し始める。

視界が変わった。

空気の流れ、ヴァーリの体温、わずかな筋肉の収縮。

すべてが――“見える”。

 

まるでこの世界が、紙芝居のようにめくられていく感覚。

僕は今、“未来すら見えている”気さえした。

 

 

 

 

数秒間の静寂。

空間が凍りついたような、異常なまでの無音。

 

 

 

先に動いたのは――ヴァーリだった。

 

 

 

「……来るッ!!」

 

 

 

白銀の装甲が唸る。

重力なんて存在しないかのように――

ヴァーリは空間そのものを踏みつけて跳ねるように、

超加速のジグザグ移動で一直線に突っ込んできた。

 

 

 

視界の端で、その白い残光が閃くたび、

“音”が遅れて聞こえる。

空間が歪む。追いつかない。脳が、理解を拒絶する。

 

 

 

「ッ――!」

 

 

 

次の瞬間。

 

ヴァーリが僕の目の前に出現していた。

 

 

 

――至近距離。ゼロ距離。

 

 

 

そして、鋼の音を鳴らして、右ストレートを放つ。

 

 

 

それは拳じゃない。

もはや砲弾だった。

 

 

 

白銀の装甲が軋む音と共に、その一撃が空気を焼き裂き、全てを貫かんと唸りを上げる。

 

 

 

「――くッ!」

 

 

 

即座に跳躍。

 

写輪眼がかろうじて捉えた一瞬の隙。

その情報を脳が処理するより早く、体が勝手に動いた。

 

 

 

しかし――

 

それは、“誘い”だった。

 

 

 

 

 

「ッ――!」

 

拳が――視認できなかった。

 

 

 

白銀の装甲が放つ一撃は、風を裂くどころか、空間そのものを砕く勢いだった。

常人はもちろん、並の戦士ですら目で捉えることすらできない速度。

反応など、夢のまた夢だ。

 

 

 

だけど――僕は、見えた。

 

 

 

写輪眼。

 

その瞳は、万物の動きを解析する“観察の極地”。

僅かな筋肉の収縮、骨格の可動域、魔力の流れ――

その全てを、**0.01秒単位で読み取る“演算の目”**だ。

 

 

 

右肩、僅かに沈む。腰が回転。拳に重心。

 

(来る――!)

 

 

 

写輪眼が捉えたのは、“動き”ではない。

“動き出す前兆”だ。

 

だからこそ――

 

 

 

「っ!」

 

 

 

僕は飛んだ。

“反応”ではない。

予測による跳躍。

それこそが、写輪眼の真骨頂。

 

 

 

刹那、拳が僕の元いた空間を砕き飛ばした。

 

僕は空中に跳躍し、それを回避――

 

だが。

 

 

 

(――やばいっ誘い込まれた!?)

 

 

 

ヴァーリの右腕から迸るのは、空間を裂く風の魔力刃。

斬撃の雨が、嵐のように四方八方から襲いかかる!

 

 

「やばっ、……!」

 

 

 

反射的に手をかざし、魔力を展開する。

青白い障壁が瞬時に形成され、風の魔力弾が炸裂と共に霧散する。

 

しかし―

 

 

違和感。

肌を撫でる風の流れが、不自然に変わった。

 

 

 

(――後ろだッ!!)

 

 

 

振り向いた、その一瞬。

 

拳が。

ヴァーリの拳が、もう目の前にあった。

 

 

 

視界が白く弾ける。

 

 

 

ズドォッ!!

 

 

 

が――

 

その拳は、僕の体をすり抜けた。

 

 

 

「……ふっ」

 

 

 

全身を貫く“通過感”。

空間がねじれ、接触するはずの物理法則が、僕の存在だけを避けていった。

 

まるで、僕の体が一瞬だけ“この世界に存在していなかった”かのように。

 

 

 

――万華鏡写輪眼・神威(カムイ)。

 

瞳の奥に宿る、空間干渉の力。

特定の部位を、短時間だけ異次元へと転送し、あらゆる攻撃を“すり抜ける”。

 

 

 

僕は、ヴァーリの拳がすり抜けた余波で揺れる空間を背に、口角をわずかに吊り上げた。

 

 

写輪眼が、白銀の鎧を正面から捉えた。

次は――こっちの番だ。

 

 

「……ふっ」

 

 

 

写輪眼が、ヴァーリの視線を正面から捉えた。

 

刹那――

彼の動きが、ぴたりと止まる。

 

 

 

幻術。

 

写輪眼の能力――視線を通じて精神に干渉し、感覚を“錯覚”させる力。

対象の中枢神経に、わずか数秒の“遅延”を生じさせるだけで、

超高速戦闘の世界では致命的な隙となる。

 

 

 

「――見えた」

 

 

 

僕は一気に跳躍。

魔力を拳に込める。

狙いは――胸部装甲の継ぎ目。

装甲の可動域、金属の圧接部分。あそこなら、叩き込めば内部に届く。

 

 

 

だが――

 

 

 

「ッぐ……!?」

 

 

 

その瞬間。

視界の外、死角から――

 

白銀の回し蹴りが、容赦なく僕の横腹に炸裂した。

 

 

 

衝撃。

横隔膜に激痛が走り、呼吸が一瞬止まる。

 

 

 

体が宙に浮く。

視界が反転し、床が迫る。

 

 

 

――なぜだ。幻術は確かに入ったはず。

 

 

 

着地と同時に膝をつきながら、僕は歯を食いしばった。

 

 

 

(……こいつ、無理やり動いたのかな……?)

 

 

 

視線を合わせ、精神干渉をかけた。

一瞬でも脳が“止まった”はず――それでもこの反応速度。

 

 

鋼の衝撃音とともに、体が宙を舞う。

 

空気が肺から抜け、痛みが脳を突き抜ける。

 

そのまま地面へ――叩きつけられた。

 

 

 

ズガァンッ!!

 

 

 

「……っは……は……マジで……手加減……してねぇ……!」

 

 

 

視界が揺れる。

けれど、笑うしかなかった。

 

「っ……くそ……やっぱ強いな、ウァーリ……!」

 

 

 

全身が軋む。

体内の魔力回路が、焼けつくように痛む。

地面に片膝をついた僕は、苦笑混じりに息を吐いた。

 

 

 

「……出し惜しみしてる余裕はないかんじだね」

 

 

 

ふざけた口調のまま、ぐらつきながら立ち上がると、刹那、黒いオーラが、 底なしの闇のように、体の中からこぼれ出す。

 

それは、無限に続く力が僕を包み込み、暴れながらも形を成していく。

 

 

その瞬間、爆発的なエネルギーが僕の体から放たれた。

地面が割れ、空気がひずみ、魔力が視覚的な存在として、現れる。

 

 

 

黒いオーラが、一気に膨れ上がり、全身を包み込み――

まるで魂そのものが漏れ出すかのような魔力。

濃密で、凶悪で、触れるだけで人を焼き尽くす負の波動。

それが、空間を揺らしながら――“形”を成し始める。

 

 

 

「……スサノオ」

 

 

 

漆黒のオーラが収束し、一対の肋骨が浮かび上がる。

続いて脊椎、肩甲骨、腕骨――骸骨の上半身が、次々と構築されていく。

 

 

 

骨は黒く、濃縮された魔力が表面で常にうねっている。

 

その魔力はまるで、怒りを抑え込んだ獣のように脈動し、吠えていた。

 

 

 

完成されたその巨体は、訓練ルームの天井をも突き破らんばかりの圧迫感を放ち、

僕の背後で、静かに立ち上がった。

 

 

 

――万華鏡写輪眼の権能、“スサノオ”。

 

 

僕は左手をゆっくりと前に出す。

それに呼応するように、骸骨の巨腕もまた――ヴァーリへと向けて構えを取る。

黒い骸骨の巨躯――スサノオの魔力の重圧が訓練室全体を包み込んだ瞬間だった。

 

 

 

「すごい……!」

 

 

 

ヴァーリの声が、甲冑の奥から漏れた。

 

 

 

「すごいじゃないか、太郎……!

これでこそ、俺の“相棒”だ……!!」

 

 

 

その声には、明確な興奮が滲んでいた。

 

全身を鎧に覆われているせいで表情こそ見えない。

けれど、僕にはわかる。

 

あの声の抑えきれない熱。

微かに震えるトーン。

そして――

 

――たぶん、頬、ちょっと赤い。

 

くそっ、こいつ、戦闘でテンション上がると照れるのか!?

 

 

 

「……ねぇ、ヴァーリ」

 

 

 

僕はスサノオを構えたまま、少しだけ声をかけた。

 

「ひとつ聞きたい。さっきのさ――僕、たしかに幻術かけたよね?写輪眼で、しっかり目ぇ合わせたはずなのに。なんで……動けたの?」

 

 

 

一拍。

彼は少しだけ沈黙してから、あっけらかんと答えた。

 

 

 

「……あぁー、あれか。

アルビオンに解いてもらったんだよ。

俺の中にいる相棒が、とっさの判断でな」

 

 

 

「……ほう」

 

 

 

一瞬、僕の思考が止まる。

 

アルビオン?

白い龍?

とっさに幻術を解除?? それって――

 

 

 

「……えっ……えぇ!?

ヴァーリもツーマンセルだったの!?」

 

 

 

全身に衝撃が走った。

 

僕の脳内に、あの無表情で無慈悲なヴァーリが、僕とぱっつぁんみたいに心の中で龍と雑談してる姿が浮かんでしまった。

 

 

 

『なあアルビオン。あいつ今、幻術かけてきたっぽくね?』

『ああ、感覚が鈍ってる。解除するか?』

『頼むわ。俺、攻撃したいから』

 

とかそんな想像だけどそんな感じの会話が!?

「いや、こっちが必死こいて目ぇ合わせて幻術かけてんのに、

心の中でドラゴンと“相談して解除”って、なんかズルくない!?」

 

 

 

そう言いながらも、僕の足は自然と後退していた。

 

次の瞬間――

 

 

 

ヴァーリは無言のまま、拳に魔力の奔流を纏わせ、一直線に迫ってきた。

 

音を置き去りにする加速。

 

 

 

「ふっ!」

 

 

 

僕は即座にスサノオの右腕を前に出す。

次の瞬間――

 

ドガァッ!!

 

 

 

白銀の拳と、漆黒の腕が激突。

空間が震え、魔力の衝撃波が周囲に広がる。

 

 

 

だが、受け止めた。

スサノオの堅牢な骨格と魔力の密度が、衝撃を吸収していく。

 

 

 

(これが、今の僕にできる“防御形態”)

 

燃費は――くそ悪い。

通常の魔力では、数十秒も維持できない。

 

けれど今は――

 

 

 

「――ぱっつぁん、頼んだよ」

 

『おう、任しとけ!』

 

 体内を巡る、異質な魔力。

 

八尾のチャクラ。

 

それが燃費のくそ悪いスサノオ状態を、無理やり維持してくれている。

 

 

 

ぱっつぁんの魔力を使うことを考えてからは、スサノオの維持時間は格段に伸びた。

 

 

だが、その分、出力が上がりすぎてコントロールが難しい。

 

 

僕はさらにスサノオに魔力を注ぎ込む。

 

スサノオが反応するように、さらに魔力を収束――

 

 

 

その右腕に、漆黒の刀剣が形成され、

左腕には、宙に浮かぶ勾玉型の魔力弾が展開される。

 

 

 

「……いっけぇぇええ!!」

 

 

 

次の瞬間、僕は勾玉を一気に三発、連続で投擲した。

 

空気を裂いて飛翔する漆黒の光弾――だが、

 

 

 

ヴァーリは、動く。

 

 

 

残像を残しながら、音速で軌道を逸れて回避。

勾玉は訓練ルームの壁に激突し、地面を抉り、爆煙を巻き上げた。

 

 

 

「チッ……!」

 

 

 

その隙に、刀を振り下ろす。だが――空を切る。

反応速度で、完全に“上回られている”。

 

 

 

(……消耗が激しい)

 

 

 

スサノオを維持するだけで、ぱっつぁんの魔力をかなり削っている。

攻撃を当てられなければ、意味がない。

 

 

 

(……デカい分、どうしても速さが犠牲になるな)

 

 

 

スサノオの漆黒の剣が、唸りを上げて振るわれる。

 

ドガァッ!

 

地面が抉れる。空気が悲鳴を上げる。

 

だが――当たらない。

 

 

 

僕は何度も、何度も、剣を振った。

軌道をずらし、角度を変え、タイミングをずらしても――

 

 

 

ヴァーリはそれをすべて躱す。

 

跳ねるように。すり抜けるように。

まるで“未来を見ている”かのような動きで、

僕の攻撃を、ことごとく紙一重で回避していく

 

 

(ヴァーリのような高機動・一点突破型には、この“パワー重視の構成”は不利だ……)

 

 

 

そのとき――

 

 

 

『おい、太郎。』

 

 

 

体内から響く、低く、落ち着いた声。

 

 

 

『そろそろ戦闘方針、変えたほうがいいんじゃねぇか?

でかくて硬いもんで正面から殴るの、あいつには通じねぇぞ』

 

 

 

―――ぱっつぁん

 

 

 

僕は少し目を伏せて、浅く笑った。

 

―――やっぱ思った? 僕も、同じこと考えてた

 

 

 

『なら、話が早えぇ。

次は“狩る”スタイルだ。逃げ道を潰して、動きを削れ』

 

僕はスサノオを解き、魔力の流れを――一度、断ち切る。

 

 

 

骸骨の巨体が崩れ、霧のように散っていく。

空気に残ったのは、燃え尽きた魔力の残滓と、重たい沈黙。

 

 

 

「……調整。入れる」

 

その一言の直後――

 

 

 

「……ほう、ガイコツを解いたか」

 

ヴァーリが静かに呟いた。

 

だが、その声には皮肉も驚きもなかった。

あるのは、むしろ**“興味”と“期待”**。

 

 

 

 ―――ぱっつぁん、貸してくれ。次は“狩り”だ

 

 

 

次の瞬間――

 

 

 

「ウィィィィィィイイイイーーッ!!」

 

 

 

全身から赤黒いチャクラが爆発的に噴き出した。

 

そのエネルギーは、もはや霧でも風でもない。

それは**“生きているオーラ”**だった。

 

 

 

チャクラはうねり、僕の全身を包み込みながら装甲のように凝固していく。

 

手足は獣のような形へと変貌し、爪が伸び、脚部の形状が野性に近づく。

 

背中には尾のようなエネルギーの帯が八本、炎のように揺れながら波打ち、

左肩には――巨大な“牛の頭蓋骨”が形成された。

 

その骸骨はまるで、僕を“主”と認識する獣の仮面のように静かに乗っていた。

 

(――来た)

 

身体中を駆け巡る魔力の奔流。

体温が跳ね上がり、神経が剥き出しになる感覚。

 

筋肉の反応速度が一段階――いや、二段階上がる。

 

 

 

けれど、意識は明瞭。

理性は保っている。制御できている。

 

これが、僕の“完全制御”による八尾チャクラ――バージョン2。

 

赤黒の獣装甲といったところだろう。

 

制御された怪物。

 

 

「っ……!」

 

 

 

手が、自然と握り込まれる。

ぱっつぁんの魔力に体をあずけ、全身の感覚が鋭敏になる。

 

骨格が強化され、筋力が限界を超え、“身体”そのものが武器へと変わっていく感覚。

 

力の通り道が変わった。

思考と肉体の境界が、薄れていく。

 

 

 

その瞬間――視界が、赤黒に染まった。

 

 

赤黒い尾獣の衣が瞳を包むように覆っているせいで、

見えるすべてがほんのりと赤黒いヴェールをかぶっている。

 

目の奥が熱い。

 

その隙を狙って――

 

 

 

ヴァーリから、無数の光球が放たれる。

 

一点集中の速射ではない。

拡散、連射、曲射、反射、散弾、追尾――

あらゆる角度から同時に、僕へと襲いかかってきた。

 

 

 

数、速度、方向すべてがバラバラ。

 

そして――

 

僕の背後で、八本の尾が一斉に展開する。

 

 

 

一本は左前方、一本は右上空、

一本は真後ろ、一本は死角の真横から――

残る四本は防御特化の連携パターンを組み、

僕の全周囲に、**半球状の“尾の盾”**を形成する!

 

 

 

ドゴォン! ガギィン!! ビシャアァァ!!

 

 

 

放たれた魔力弾が、尾に直撃するたびに火花と衝撃波が巻き起こる。

尾の一本一本が、独立した盾のように打ち払い、弾き返し、逸らす。

 

 

チャクラが軋む。

筋肉が悲鳴を上げる。

制御はギリギリ。

 

けれど――

 

破らせない。

 

 

 

「うおおおおおおおッッッ!!」

 

 

 

僕が叫ぶと同時に、尾がさらに強くうねる。

尾の先端が防壁のように交差し、網目のように空間を覆う。

 

 

 

衝撃波。

光と熱と風が交差するその中心を、

僕は――獣のように跳んだ。

 

 

 

爪を構え、牙を剥き、四足に近い姿勢のまま――

ヴァーリの胸部に真正面から飛びかかる!!

 

 

 

「チッ!」

 

ヴァーリはそれを察知して後退するが、遅い。

肩を掴み、そのまま地面に叩きつけた。

 

 

 

ドガァァン!!!!!

 

 

 

地面が陥没し、訓練室の床が抉れる。

 

だが――それだけでは終わらない。

 

 

 

「――喰らえ」

 

 

 

口元が光る。

 

魔力が集束する。

 

喉の奥で、紅黒の弾丸が生まれる。

 

 

 

「尾獣玉ッッ!!」

 

 

 

僕の口元から放たれたのは、

高密度に圧縮された、赤黒の“死の塊”。

 

チャクラと魔力が渦を巻き、

訓練室の空間ごと歪ませながら――

一直線に、ヴァーリを貫かんと飛ぶ。

 

 

 

だが――

 

 

 

すでに、僕の身体は触れられていた。

 

あの拳を喰らった瞬間――

ヴァーリの背から伸びる白き光翼《ディバイン・ディバイディング》。

その羽が、僕の力を“半分にする”発動条件を満たしていた。

 

 

 

以降、僕の魔力は――刻一刻と喰われ続けている。

 

 

 

放った尾獣玉すら、

その瞬間から――半減を繰り返していた。

 

 

 

『Divide』『Divide』『Divide』『Divide』

 

 

 

無機質な機械音声が、空気を震わせながら連打される。

 

尾獣玉に込めたはずの破壊力が、

発射の直後からみるみる縮んでいく。

ねじれ、崩れ、粒子の残骸となって、ただ空を舞う。

 

 

 

奪われた魔力は、

ヴァーリの背後、白銀の翼へと吸い込まれていく。

 

そして――

 

その羽の根元から、赤黒い粒子の光として空中へと“排出”されていた。

 

まるで、

吸いきれなかった過剰な魔力を吹き飛ばす、安全装置のように。

 

 

 

「……チッ!」

 

その隙に、ヴァーリが飛び上がる。

白銀の残光を描きながら、真上――

 

そこから、雨のように魔力弾を撃ち込んできた。

 

 

 

ドゴォォン!! ガァァン!! バギィィィッ!!!

 

 

 

尾で迎撃するも、間に合わない。

数発が胸元、左腕、肩に直撃。

防御を突き破る激流のように、尾獣の衣ごしに鈍い痛みが全身を駆け巡る。

 

 

 

『太郎、気ィ抜くな! 来るぞ!!』

 

 

ぱっつぁんの怒声――その直後。

 

 

 

『――Divide』

 

 

 

無機質な音声が、訓練室に響き渡った。

 

 

 

次の瞬間、ヴァーリの拳が僕の腹部に突き刺さるように打ち込まれる。

 

その瞬間から――

チャクラの装甲が、音を立てて剥がれ始めた。

 

 

 

「っ、ぐぅ……!」

 

 

 

ただの一撃じゃない。

ヴァーリの半減は、すでに複数回発動していた。

 

尾獣玉を撃った時から、僕のバージョン2の魔力は断続的に喰われ続けていた。

 

 

 

この一撃で――

 

『Divide』『Divide』『Divide』

 

 

 

一気にとどめを刺された。

 

 

 

八本の尾が次々と霧散し、

赤黒の装甲が砕け、

牙が煙のように消えていく。

 

左肩にあった牛頭骨の仮面が――**バキィィッ!**と粉砕された。

 

 

 

バージョン2を強制的に解除された。

 

だが――すべてを失ったわけじゃない。

 

 

 

まだ、残っていた。

 

 

 

全身をうっすらと包む、赤黒いチャクラの膜。

それは皮膚の上を漂い、

手足から細く尾を伸ばし――

 

尾獣の“衣”。

 

完全な装甲ではない。

でも、この身を守る最低限の加護として、なおも存在している。

 

「……やばっ、めっちゃけずってくんじゃん…」

 

 

 

膝を突き、息を荒げながらも、僕は顔を上げた。

 

 

 

「っ、はぁっ……!」

 

膝が落ちる。

息が切れる。

視界がぐにゃりと歪む。

 

 ―――助かる。

ぱっちゃん。さんくす。

 

 

 

体の奥、中心から湧き上がるように――

チャクラの奔流が、一気に脈動し始めた。

 

 

 

それはもはや感謝を言う暇もないほどに、

激しく、速く、強く――この身体をもう一度、動かすために走ってくる。

 

壊れかけていた細胞が再構成される感覚。

筋肉の奥に熱が走り、焼けるような再起動音が脳裏を走る。

 

 

 

皮膚の下から、赤黒いチャクラの装甲が再び染み出してくる。

 

僕は両足に力を込め、背中を起こす。

 

チャクラが渦を巻き、

八本の尾が、ゆっくりと立ち上がっていく。

 

再び僕の背を預ける“獣の影”――

全てを薙ぎ払う、静かな咆哮の構え。

 

 

「ウオオオオオオオオオオッ!!」

 

 

 

獣の咆哮が訓練室の空間を揺らす。

 

いや、叫んだのはチャクラそのものだった。

バージョン2として再構築された太郎の肉体が――

まるで獣そのもののように、全身を“弾丸”へと変えて跳躍する。

 

 

 

跳ぶ。

 

魔力が炸裂する。

足元の床が砕け、地面が遅れて悲鳴を上げる。

 

視界が一瞬でヴァーリに接近し、

その白銀の鎧が、眼前に現れた瞬間――

 

 

 

すでに、拳が動いていた。

 

 

 

魔力弾が飛ぶ。

視線の端に捉える――即回避。

 

無駄のない頭の傾き、重心のズレ、膝の角度。

 

一撃、滑り込むようにかわし――

 

 

 

正面から、拳を叩き込んだ。

 

 

 

ガギィン!!!

 

ヴァーリの鎧に拳がめり込む。

骨と骨がぶつかり、空気が弾け、

そのまま、さらに拳を押し込む――

 

 

 

だが、それだけじゃ終わらない。

 

次の瞬間、

 

 

 

尾が動く。

 

右から二番目の尾が、後方へ弧を描きながら跳ね上がる。

左の尾は、ヴァーリの側面に回り込み、牽制の一撃。

背後から伸びた尾が、地面をなぎ払いながら上段に跳ね上がり、爆風を巻き起こす。

 

 

 

ヴァーリがそれに反応するのを読み切って、

太郎自身は低く潜るように滑り込む。

 

 

 

「……そこ」

 

 

 

その一言とともに、

牙が展開された。

 

赤黒いチャクラが口元に集まり、

チャクラの牙――実体を持った“殺意”が喉元を狙う。

 

 

 

ガバッ!!!

 

獣の反射。人間の予測不能な軌道。

牙が、白龍皇の喉元をかすめる――!!

 

 

 

 

「チッ……」

 

 

 

ヴァーリも迎撃する。

拳と拳が激突した。

 

ガァンッ!!

 

骨が軋む。空気が砕ける。

 

そして、ヴァーリが――

口角をわずかに吊り上げながら、低く呟いた。

 

「……ああ、やっぱこうじゃないとな」

 

口調は淡々と。

けれど、その目の奥は笑っていた。

 

拳を引き、構え直す。

 

ここからは――

 

ただの、殴り合いだった。

 

拳と拳。魔力と肉体。

砕ける鎧。裂ける皮膚。流れる血。

 

でも、吹き飛ばされても、再生する。

砕かれても、再構築する。

 

 

何度でも。何度でも。

 

壊れてはぶつかり、叩かれては打ち返す。

 

数分間の戦闘の果て。

 

 

 

僕は、バージョン2を解いた。

赤黒いチャクラがふわりと消えていくのを見届けてから、

「はぁ……」と、深く息を吐いた。

 

 

 

ヴァーリも、それを見て拳を下ろす。

動作に、微かな疲労が滲んでいる。

 

 

 

お互い、全身に無数の傷。

ところどころ腫れ、裂け、血と汗が混じって滲んでいた。

呼吸は荒く、口から漏れる息すら震えている。

 

 

 

でも、それでも――どちらも、倒れなかった。

 

 

 

静寂。

 

壊れた訓練室の天井から、鉄粉が静かに舞い落ちる音だけが響いていた。

 

 

 

沈黙が満ちる。

 

二人の間に、言葉では測れない“何か”が残った。

 

 

 

その空気を――

 

僕が、切り裂いた。

 

「……あの。うんこ行きたいんだけど」

 

 

 

「……」

 

 

 

ヴァーリが返す言葉もないまま、

その場に、完全なる“沈黙”が走った。

 

空気が重いとかじゃない。

ただ――想定外すぎて、何も言えなかった。

 

 

 

僕は、ひとつだけ息を吐いて、

ボロボロの足取りでくるりと背を向けた。

 

 

 

足元、ふらつく。

膝にきてる。

でも――倒れるほどじゃない。

 

 

 

ただ、トイレに向かって歩くだけ。

勝者の背中らしからぬ後ろ姿で。

 

 

 

ヴァーリは、何も言わなかった。

でも、たぶん――ツッコまなかったのは、“敬意”だ。

 

そう信じてる。

 

 

こうして、

獣と龍の暇つぶしは――静かに、便意で幕を下ろした。

 

 

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