DD世界だと思ったらリリなの世界でした。いや両方の世界が混ざり合った世界でした!!   作:バター犬

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朝、靴を履いたら左足だけが冷たかった。
でも、そんなことは誰にも言わない。
だって、昨日の夜に置いてきたんだもの。
冷たさごと、あの子の声を。

おはようって言われたから、
おはようって返した。
その子のまつ毛に、
乾いた涙の線があったことは、
気づかなかったことにした。

昼休みは静かだった。
パンを食べる音と、
誰かがいなくなったことだけが、
今日を“いつも通り”にしてくれた。

帰り道、
道端に落ちてたランドセル。
赤い色が、
すごくきれいだった。
血じゃなければ、よかったのに。

ただいまって言った。
誰も返さなかった。
ああ、今日は“正解”だったんだ。
静かな日って、そういうこと。

ねえ、先生。
私、ちゃんと笑えました。
この顔、上手にできました。
だから、
もう明日は来なくてもいいですか?

――フレデリカ・ベルンカステル



逃げるは恥だがヴァーリは逃げる  

ヴァーリとの試合から――あれから、1週間。

 

 

 

そして今――

 

僕とヴァーリは、私立聖祥大学付属小学校の校門の前に立っていた。

 

 

 

白い制服。新品のカバン。

緊張気味の僕。

 

……と、隣にいる“銀髪の問題児”。

 

 

 

「ふふっ……今日から、学校か」

 

 

 

(いや、何で笑ってんの!?)

 

 

 

ここ5日間。

こいつはずっと“にこにこ”していた。

 

いや、“ニッコニコ”というよりは――

 

 

 

(あれだ、完全に“笑ってはいけない戦闘狂24時”だ!!)

 

 

 

原因は、あの日に遡る。

 

 

 

──僕が、気絶から目を覚ました直後の出来事だった。

 

 

 

「……知ってる天井だ!」

 

 

 

――からの、目の前に現れたのは。

 

 

 

「Yo、グッモーニン、太郎」

 

 

 

アザゼル。

距離ゼロ。顔面ドアップ。

 

 

 

「うわぁっ!?近い近い近い近いッ!?」

 

 

 

目が覚めた瞬間、視界いっぱいに広がる“おっさんの顔”。

 

 

その破壊力は、超新星爆発にも匹敵する(精神的に)。

 

 

 

「やっと起きたか。寝すぎだぞ、太郎。

ヴァーリなんか三日前には退院して、今じゃ筋トレしながら飯食ってるぞ」

 

 

 

「食えよ普通に!てかそれどうやってるの!?」

 

 

 

「歯で咀嚼しながらダンベル上げてた。まぁ奴はそういう奴だ」

 

 

 

いや、説明されても納得できねぇよ。

 

あいつ戦闘狂っていうかもう概念として“訓練”になってるじゃん。

 

 

 

ていうかほんと、このアザゼルって人は――

 

ノリ軽いくせに、全部マジなのが怖い。

 

 

 

(……てか、ここどこ?グリゴリ? てか俺、生きてるよね?)

 

  

アザゼルはポケットから、小さな銀色のカプセルを取り出す。

 

 

 

「お前の目の件だけどな。グリゴリのクローン技術、応用して作っといたぞ。

ほら、予備の“万華鏡写輪眼”。これで失明の心配なしだ」

 

 

 

「………………は?」

 

 

 

いやいやいや、

今さら当然のように言ってるけど、それ結構な医療革命だぞ!?

 

 

 

──ここで一応、説明しておこう。

 

 

 

まず、僕の“写輪眼”から採取された細胞サンプルを元に、

写輪眼そのものを培養。増やした。再現した。

 

しかもただのコピーじゃない。

僕のDNAに基づいて設計されてるけど、

“僕のものではない”新しい目として生成された。

 

要するに、

 

「太郎仕様の、でも太郎じゃない写輪眼(New ver.)」

をクローン技術で錬成したわけだ。

 

 

 

そして、その目を──僕の頭蓋に──インストール。

 

 

 

その結果――

 

僕の万華鏡写輪眼は、進化した。

 

「永遠の万華鏡写輪眼」

 

いわゆる、失明のリスクを完全に排除した上位種ってやつに、なったらしい。

 

 

 

マジで何してんのこの組織。

グリゴリ、怖すぎる。

 

 

 

アザゼルいわく、

 

 

 

「“お前のだが、お前のじゃない”写輪眼ってやつだな。

わかりやすく言えば、目の中に双子を移植した感じ? ほら、親戚の目みたいな」

 

 

 

うん、わかりやすいようでわかりづらい!

 

ていうか、目の双子ってなんだよ怖ぇよ!

 

 

 

──とにかく。

 

 

 

そんなわけで、僕は“写輪眼の失明”という呪いから、

無事、完全脱出に成功した!

 

 

やったね!

これで気軽に幻術使い放題!

 

 

 

眼力ドーン!

透視ドーン!

読心バリバリ!

幻術で現実バチコーン!!

 

 

 

――夢のチート生活、開幕だ!

 

 

 

 

 

……とか思ったでしょ?

 

 

 

残念!

現実は、そんなに優しくない!!

 

 

 

まず、“ことあまつかみ”――

僕の万華鏡写輪眼に宿る、超高等幻術。

 

視線一つで相手の認識を改変し、

自覚すらないまま洗脳してしまう、いわば“認識ごと書き換えるチート魔眼”。

 

 

 

でもこの技、使えば使うほど“脳と魂が焼かれる”仕様でして。

 

 

 

そしてなにより……

 

一発使うと、次に使えるのは数十年後!!

 

 

 

「え、技術というより封印術か何かですかコレ?」

 

 

 

いわば、“超火力の一回使い切り”。

“人生ワンチャン幻術”とも呼べる、命と精神力にガチでダメージが入る諸刃の剣!

 

 

 で、対する“神威(カムイ)”。

 

 

 

こっちは──マジでチート。

 

 

 

空間すり抜け、攻撃の無効化、部分転移、全体転送――

物理干渉すべて無効。空間支配型の最上級異能。

 

 

 

しかもこの“神威”――

 

 

 

ノーリスク!

ノーコスト!

クールタイム5分!

発動即逃げ!

精神的代償?ゼロ!

 

 

 

「ねぇこれだけ読んでると完全にバグ技なんだけど!?」

 

 

 

そう。“ことあまつかみ”が命削って撃つ技なら、

“神威”はボタンひとつで連打できる全対応チート。

 

 

 

敵の攻撃はすり抜け、

壁だろうが地面だろうが空だろうが、転移して突破。

 

 

 

「あ、危ないと思ったら空間ごと逃げればいい」

それが“神威”の使い方。

 

 

 

ある意味、“ことあま”のように命を懸けて勝つ戦術じゃなく――

“そもそも負けない”ための戦術。

 

 

 

「ロマンと現実、両目で切り替えて使いこなすのが、僕の“眼力スタイル”ってワケ」

 

つまり――

 

 

 

やったね!幻術無双生活!

 

……って思ったそこの君、詰んでるからな!

 

 

 

調子乗って使えば、

目が死ぬ前に君が死ぬよ。マジで。

 

 

 

……と思っていた、その矢先。

 

 

 

 

 

「おい太郎、試合しようぜ」

 

 

 

起床初日、病室。

 

 

 

「おい太郎、昨日の続きやろうぜ」

 

退院二日目、廊下。

 

 

「なぁ太郎、目も治ったし、“ちゃんとした決着”つけようぜ?」

 

 

三日目、風呂場(!?)

 

湯気が立ち込めるグリゴリの大浴場。

露天エリアで一人、ゆったりと湯船に浸かっていたその時。

 

「……ふぅ、やっぱ風呂って最高だな……。誰にも邪魔されない静かな時間――」

 

 

 

ガラッ

 

 

 

「よぉ、太郎。試合しようぜ」

 

 

「いやどこで誘ってんだよッ!?!?」

 

 

 

しかもずっと笑ってる。

 

こっちは胃がキリキリしてるのに、

あいつだけ目が据わったままずっと笑顔。

 

 

 

──怖い。あれは本当に怖い。

 

 

 

あの戦いの後、何かを開眼したとしか思えない。

ヴァーリ・ルシファー、完全に“覚醒後の狂戦士”になっていた。

 

 

 

そんな彼と、今日から一緒に──

潜入任務という名の小学校生活が始まるのであった。

 

 

 

(……僕の胃、大丈夫かな?)

 

 

 

ヴァーリの笑顔(※殺意込み)を横目に、僕はそっとため息をついた。

 

 

 

それはさておき──

 

今、僕たちは校門をくぐり、正面玄関から職員室へと向かっている。

 

 

 

静かな朝の廊下。

響く足音。緊張と期待と、少しの不安。

 

 

 

そして、職員室の扉を開けた、その瞬間――

 

 

 

「……あれ?」

 

 

 

そこにいたのは、僕たちと同じくらいの年の、

綺麗な金髪をした女の子だった。

 

 

 

制服に袖を通しているけど、どこか不慣れな仕草。

 

まっすぐな立ち姿なのに、どこか肩に力が入っていて、

その表情からもわかる。彼女も、転校生らしい。

 

 

 

(よし……ここが勝負だ)

 

 

 

第一印象ってのは、重要だ。

 

ここでちゃんと“好青年ムーブ”をキメておけば、

後々の人間関係がグッと楽になるってもんだ。

 

 

 

僕は、笑顔を全力で生成し、声をかけた。

 

 

 

「君も転校生? 僕は鈴木太郎。で、こっちがヴァーリ。

今日からこの学校に通うんだ、よろしくね!」

 

 

 

“爽やか・友好的・無害そう”の三点セットを全開で発動。

我ながら完璧な社会性モードだ。

 

 

 

そして――

 

 

 

金髪の女の子は、ほんのり頬を赤らめながら、口を開いた。

 

 

 

「わたしは……フェイト・T・ハラオウン。よろしくお願いします……」

 

 

 

その声は静かだけど、はっきりとしていて。

でもやっぱり、少し緊張しているのが伝わってきた。

 

 

 

(おお……何かこう、育ちの良さと影が同居してるタイプ……!)

 

 

 

思わず僕の“好感度アンテナ”がビンビンに反応してしまった。

 

 

 

 

 

――ちなみに、僕の横にいた銀髪。

 

 

 

「…………」

 

 

 

無言。

 

 

 

何も言わない。

 

 

 

いや、正確には──

 

 

 

気配すら消してた。

 

 

 

存在感ゼロ。

まるで忍者。

自己紹介タイムなのに**“エアモード”発動中**。

 

 

 

(いや!なんでだよ!自己紹介しようぜ!?)

 

 

 

あいそゼロかよ。

 

せめて「よろしく」くらい言ってくれよ。

初対面で“気配ごと消す”とか、どういう対人戦スタイルだよ。

 

 

 

──このあとフェイトちゃん、ちょっと引いてたからな。

 

 

 

 

 

担任の先生(おそらく)が僕たち3人を連れて、教室へと案内してくれる。

 

 

 

どうやら、僕とヴァーリ、そしてフェイトちゃんは、同じクラスになったらしい。

 

 

 

(よし……ここは、印象操作のチャンスだ!)

 

 

 

緊張と好奇の視線が降り注ぐ中、僕は胸を張って一歩前へ。

 

 

 

「鈴木たろうです! 趣味は……ヒミツ! 好きなものは、まぁいろいろです!」

 

 

 

(どやぁ!爽やかドヤ顔フルパワー!!)

 

 

 

クラスに軽く笑いが起きる。狙い通り。

 

 

 

続いて、隣の銀髪。

 

 

 

「……ヴァーリだ。

趣味も好きなものも、別に言う義理はない」

 

 

 

(ああ……全力でめんどくせぇ……)

 

 

 

いやいや、何その“鋼のコミュ障スタンス”。

クラスの子たち、ちょっと引いてるよ!?

 

 

 

最後は、フェイトちゃん。

 

 

 

「フェイト・T・ハラオウンです。……よろしくお願いします」

 

 

 

少し恥ずかしそうに、けれど凛とした声。

 

やっぱり育ちが良さそうというか、上品なオーラ出てる。

 

 

 

(可愛い+品がある=最強……なるほど、これが金髪枠か)

 

 

 

 

 

――自己紹介が終わると、僕は指定された席へと移動する。

 

 

 

前の席には、当然のようにヴァーリが座っていた。

 

フェイトは少し斜め後ろの窓際。

完璧すぎる三角陣形。というか、転校生固めすぎでは?

 

 

 

そして、先生がゆるっと言い放った。

 

 

 

「今日は転校生も来てるし、一時間目は自習にしまーす」

 

 

 

……その瞬間だった。

 

 

 

\ ザザッ /

 

 

 

突如、僕たちの周囲に殺到する人影。

どこから湧いた。いやマジでどこから湧いた。

 

 

 

「ねぇねぇ鈴木くん!好きな食べ物は?」

「どこ住んでるの?」

「前の学校ってどこ?」

「ヴァーリくんって友達?兄弟?恋人!?ねぇ恋人!?」

 

 

 

 

 

やかましいわ小学生どもォォォォ!!!???

 

 

 

(質問量!!勢い!!距離感ゼロ!!)

 

 

 

なんだこのラッシュ。

こっちはまだ転校して5分なんだが!?

 

ていうか、息継ぎしてる!?

 

 

 

一方、前の席を見ると──

 

 

ヴァーリも囲まれていた。

 

 

 

いや──囲まれてはいるんだけど。

 

 

 

その顔。

 

完全に殺意。

 

完全に「触れたら死ぬ」顔。

 

 

 

「……話しかけんな(圧)」

 

 

 

ってオーラ全開で睨んでるのに──

 

 

 

小学生たちは……まったく空気を読まないッ!!!

 

 

 

「ヴァーリくんって兄弟いるのー?」

「好きな人いる?将来の夢は?転校前はどこ住んでたの?」

「あとさ、ゲーム何が好き?漫画読む?プリンは固め派?柔らかめ派?」

 

 

 

もう質問が雑多すぎて哲学みたいになってるんだが。

 

 

 

(……やべぇ。これもう、限界だ)

 

 

 

ヴァーリの目が、完全に“戦場モード”になっていた。

 

 

 

なんなら――

 

「このクラス、全員砂利だな」

 

とか本気で思ってそうな顔してる。

 

 

 

いや、待て。砂利っていうか……

 

「生物としての分類:障害物」

 

そんな冷たい視線だった。

 

 

 

頼む……! 頼むから……!

 

 

 

チャイムよ、今だけは時間外労働してくれ!!

 

 

 

……って祈ったけど、そんな都合よくは鳴らなかった。

 

 

 

(あかん。ヴァーリが動いたら誰か死ぬ……!)

 

 

 

その瞬間、僕は決意した。

 

 

 

 

──逃げよう。屋上へ。

 

 

 

なんとか地獄の一時間目をやり過ごし、

ようやく、昼休みという名の“自由時間”が訪れた。

 

 

 

僕とヴァーリは、

クラスメイトたちの好奇心ミサイルから逃れるように、

廊下を駆け上がり、校舎の最上階──屋上へと辿り着いた。

 

 

 

幸い、誰もいない。

 

高いフェンス越しに見える青空は、

まるでさっきまでの小学生地獄が嘘だったかのように穏やかだ。

 

 

 

風が心地よく吹き抜けて、ちょっとだけ……癒された。

 

 

 

「なぁ、ヴァーリ……どう思う? 僕たちのクラス」

 

 

 

ヴァーリは、無表情でフェンス越しに遠くを見つめたまま、ボソッと呟く。

 

 

 

「どうもこうもあるか。あれは……騒音だ」

 

 

 

「超同感。あれは質問じゃなくて暴力だよね。てか、あのさ──」

 

 

 

僕が本題を切り出そうとした、その時。

 

 

 

――カツ、カツ、カツ。

 

 

 

誰かが、階段を上ってくる音。

 

 

 

(……誰か来る!?)

 

 

 

反射的に、僕の身体が動いた。

 

 

 

気配を消し、フェンスの陰に身を潜める。

 

 

 

もはや“自衛本能”の領域。

 

油断は死に繋がる、それが僕の世界だったから。

 

 

 

ヴァーリは……そのまま堂々と立ってたけど。

いやあんたも隠れようよ!? 少しは警戒して!?

 

 

階段から現れたのは――

 

 

 

金髪のツインテール少女。

黒髪のおっとり系美少女。

そして……銀髪の、オッドアイの少年。

 

 

 

(……ん?)

 

 

 

初見だ。

少なくとも僕のクラスでは見たことがない。

 

だが一目でわかる。

“普通の小学生じゃない”。

 

 

 

金髪ツインテは怒りMAXのご様子。

 

 

 

「もうなんなのよアイツ! いつもいつもいつもっ!!」

 

 

 

おっとり系が、慌ててなだめに入る。

 

 

 

「アリサちゃん、落ち着いて……」

 

 

 

そして問題の銀髪――

爽やかな笑顔を浮かべながら、空気も読まずに言い放った。

 

 

 

「アリサとすずか、今日は“なのは”がいないんだね。

寂しいなぁ……でも大丈夫。俺がいるからさ──」

 

 

 

……なにその“俺にまかせとけ感”。

さわやか風味で包んだ自己主張強すぎ発言、マジでキツい。

 

 

 

(……キモい!)

 

 

 

すると、隣からひょいっと声が飛んでくる。

 

 

 

「おい、銀髪って俺のことか?」

 

 

 

……やめろよヴァーリ。

ちげーよ。てかなんで思考読んでんだよお前!!!

 

 

 

「違うわ!! 心読むなヴァーリ!!」

 

 

 

僕は即座にツッコんだ。

ちょっとした気配の緩みに、無駄に反応する超戦闘民族。

それが我らがヴァーリくんです。

 

 

――あとあと考えたら、

別に隠れてる必要、なかったよね。

 

 

ってことで、屋上の出入り口へ向かったその瞬間――

 

 

 

バチッ。

 

 

 

目が合った。

 

 

 

廊下の向こうから、こっちに向かってくるのは──

金髪のツインテール少女。アリサ。

 

 

 

その背後には、すずかもいる。

 

 

 

そして彼女は、まっすぐ僕たちを指差して──高らかに宣言した。

 

 

 

「今日は私たち、あの転校生たちに学校を案内するって言ったのよ!

だから──ついてこないでくれる!?」

 

 

 

 

 

 

 

……は?

 

 

 

 

 

What????

 

 

 

いやいやいやいやいや!?

何その謎シナリオ!? いつそんな話した!?

僕、マジで知らされてないんだけど!?

 

 

 

どのタイミングで、誰が、いつどこでその約束を!?

 

 

 

いやまてよ……俺が意識を失ってる間に何かあったのか?

いやでも昨日は普通に寝てたし!?

 

 

 

(えっ、なに?これ俺、初期設定からして不利な立ち位置なの???)

 

 

 

って僕が完全に思考を爆散させてる間に――

 

 

 

ドス……。

 

 

 

空気が、明らかに変わった。

 

 

 

視線を感じて振り返ると――

 

 

 

そこにいた。

 

 

 

銀髪の、オッドアイの少年が。

さっき屋上でイキってた、あの“爽やかキモい”やつだ。

 

 

 

ギロッ。

 

 

 

とにかく、睨んでくる。

めちゃくちゃ睨んでくる。

 

 

 

目つきが完全に『処刑対象を見るソレ』。

 

 

 

「おいそこのモブども……アリサとすずかが、嫌がってんじゃねぇか」

 

 

 

……なんでそんなに威圧してくるの?

 

え、僕ら、ただ屋上にいただけなんですけど?

 

 

 

(なにこの世界観……小学校って、こんなにサバイバルだったっけ……?)

 

 

 

やべぇ。これ絶対、関わっちゃいけないタイプのやつだ。

 

地雷臭が五感にビシビシくる。

 

 

 

(……あー、これヤバいやつだ。関わったら絶対めんどい)

 

 

 

心の中で“絶対に関わっちゃいけない人リスト”に登録しながら、

僕はとなりにいたはずのヴァーリに助け舟を求めようと――

 

 

 

振り返る。

 

 

 

……いなかった。

 

 

 

「……は?」

 

 

 

いたよね!?

さっきまで隣にいたよね!?!?!?

 

 

 

(どこいった!? 消えた!? 気配も残してねぇ!?)

 

 

 

──忍者かお前はァァァ!!!???

 

 

 

完全に“存在がなかった”レベルでフェードアウトしてた。

いやほんとにどこいったの……!?

 

 

 

(……逃げやがったな、あの野郎)

 

 

 

僕は、心の中で深くため息をつく。

 

 

 

面倒くさい。でも、放っておけない。

 

 

 

逃げたくても、逃げないのが僕のスタイルだ。

 

 

 

――しょうがない。優しいからね、僕。

 

 

 

 

 

そこで僕は、爽やかスマイルをフルパワーで発動した。

 

 

「あっ、ごめ~ん! 完全に忘れてた!

今からでも、案内お願いできるかな?」

 

 

 

その一言に、アリサとすずかの顔がパッと明るくなった。

 

緊張がほどけたような、小さな笑顔。

 

 

 

「ありがと……えっと」

 

 

 

「太郎でいいよ。鈴木太郎」

 

 

 

「私はアリサ・バニングス。アリサでいいわ!」

 

 

 

「私は月村すずか。すずかで大丈夫だよ」

 

 

 

アリサの頬には、ついさっきまでの怒りが嘘のように、柔らかい色が戻っていた。

 

 

 

……が、そこでふと。

 

背後から“殺気混じりの視線”を感じた気がした。

 

 

 

(……やっべ。忘れてた。あの銀髪オッドアイ、まだいたわ)

 

 

 

振り返らずに横目だけで確認。

 

案の定。いた。

 

階段の上で、未練たっぷりにこっちを睨んでる銀髪の男子。

 

 

 

こえぇぇぇ!!!

 

あの顔、絶対「クラスの女子奪われた」って思ってる系の顔してる!!!

 

 

 

(この場で長居はヤバい……!)

 

 

 

「じゃ、案内よろしく!」

 

僕はさりげなくアリサとすずかの背中を押す。

 

 

 

そのまま階段を下りて、屋上から離脱開始。

 

“撤退は迅速に、かつ自然に”が鉄則だ。戦場でも学んだ。

 

 

 

銀髪くんの存在が背中に刺さるようだったけど、

それを断ち切るように話を続けた。

 

 

 

「……二人ともさ、嫌ならちゃんと“嫌”って言ったほうがいいよ?」

 

 

 

アリサがふてくされた顔で応える。

 

 

 

「言ってるのよ!? でもあいつ、“ツンデレ”とか言って流すのよ!!」

 

 

 

「うふふ……でも、ちょっと分かる気もするよ?」

 

 

 

すずかがクスッと笑う。

 

その笑みに、僕も自然と釣られて笑っていた。

 

 

 

……少しずつ、何かが始まる。

 

そんな予感を胸に抱きながら、

僕たちは階段を下りていった。

 

 

 

 

 

 

アリサがプンスカしながら怒ってるのを、すずかが微笑ましそうに見守っている。

 

 

 

その構図が、なんだか妙に心地よくて。

 

 

 

僕も、つい笑ってしまった。

 

 

 

(……なんだかんだ、悪い子たちじゃないんだよな)

 

 

 

 

 

──そのとき。

 

 

 

チャイムが鳴った。

 

 

 

コーン、コーン、と

少しレトロな校内放送の音色が、昼休みの終わりを告げる。

 

 

 

ああ、そういえば僕、

「学校」っていうのに通うの、今回が初めてだったっけ。

 

 

 

……案外、悪くないな。

 

 

 

 

 

「……行こっか」

 

 

 

「うん」

 

 

 

アリサとすずかが、僕の顔を見て微笑んだ。

 

 

 

僕も自然と、微笑み返していた。

 

 

 

さっきまであった緊張や困惑が、

ほんの少しだけ、遠くに感じられた。

 

 

 

ゆっくりと階段を下りながら、僕は思う。

 

 

 

たぶん、これからもきっと、いろんなことが起こるんだろう。

 

異能。戦い。正体不明の魔力。そして──人との出会い。

 

 

 

でも――

 

 

 

(……悪くない、かもな)

 

 

 

そんなことを思いながら、僕たちは教室へと戻っていった。

 

 

 

──そして、僕の“日常”が、静かに動き出す。




この話をAIにフレデリカ風に隠語マシマシであらすじお願いしますと、たのんだら、上記の詩がでてきたお!めっちゃ怖いお!
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