「あーあー。今日から俺はこのクラスで縁あって高校生をもう一回やる事になった。ジャック・クーパーだ。BT…これでいいのか?」
『お見事です。しかし、今の状況で私に話しかけるのは推奨しません。』
「おいどうしてだBT俺とお前の仲だろ?」
『パイロット以外に私の声は聞こえていません。虚無空間に話しかける変人です。』
「もっと早く言ってくれ…あー、言っておくが俺は変人じゃないぞ?タイ…ISにBT-7274っていう相棒が居るんだ。一人でなにもない空間に話しかけてた訳じゃないぞ?」
「おい。話が長いぞ。」
「悪かったって痛てェ!!」
どうなってんだこの女。銃弾より痛え出席簿なんて聞いたことねえぞ。
「ったく…最近の男子はまともに自己紹介も出来んのか。」
こうなったのはちょうど1週間前の事だ。
「心配するなBT、どこにもいかない。」
「了解です。クーパー。」
俺は不安定になったアークに相棒と一緒に突っ込んだ。ただその時だった。俺の片手につけっぱなしだった装置が悪さしたらしく、アークのエネルギーを全て使って俺とBTは世界軸を渡った。
アークの超高密度のエネルギーと俺の持ってる壊れかけの時空転移装置が干渉し合って…細かい話はBTが知ってる。それよりも今だ。過去は放っておこう。
「……BT!!システムチェック」
「損傷率、96%。基幹システムがオーバーロード。今の私は会話が限界です。」
「BT、俺のヘルメット内に移動できるか?この機体は捨てる。勿体ないが…データコア摘出の準備も。」
『了解。ハッチを解放します。』
BTがハッチを開ける。
R-201カービンとクレーバーAPスナイパーを背負って外に出た。
「手を上げろ。武器を捨てて投降しろ。」
「wowおっかない鬼がいたもんだ。」
重武装の見たことないタイタンに搭乗する女性パイロットがグレネードランチャー向けて降伏勧告。
「ここはIMCの占領下か?」
「いや、ここはどこの国にも帰属しない、」
「ちょっと待て、じゃあこの星はミリシアでもIMCでも無いのか?一体どこの星だ?」
『パイロット。この星の大気成分を調べました。この星は地球です。』
「俺はジャッククーパー、ミリシアSRSのバンガード級タイタンパイロットだ。階級は少尉。」
「BT…俺はどうしたら良い?」
『思考中。回答、ヘルメットのスピーカーをオンにしてください。』
言われた通りにヘルメットのスピーカーをオンにした。
「こちらに一切の敵意はありません。武装の解除を要請します。私のシャーシは深刻なダメージを追っています。コアが不安定になっています。このまま放置していると爆発の危険性があります。」
実際、BTからはプスプス音がする。嫌な音だ。
「実際、俺達は兵装のすべてが使用不能…おまけにこのマガジンが最後のマガジンだ。このマガジンを使うのは俺としては避けたい。」
「低い確率とはいえ、次元の壁を越え、この場所にワープした可能性があります。」
「………にわかには信じがたいが…映像状況を見る限りお前らが言ってる事のほうが辻褄が合う。ったく…ISに関わる男は面倒事を運んでくる…」
「IS?なんだそれ?」
「それすら知らないのか?」
「データーベースに該当なし。」
「BTが知らないなら俺も知らないな。俺よりも物覚えが良いBTが言うんだ。間違いない。」
「…山田君、武装解除だ。格納庫にその機体を運ぶ。慎重にだぞ。」
「織斑先生!?」
「協力に感謝します。」
「俺からも感謝する。ありがとう。」
「勘違いするな。あくまでも危険物を片付けただけだ。だが、もう一見あってな。」
「お前は不法侵入罪でもあるって事だ。」
「…BT、ここから逃げて助かる確率は?」
「25%あれば良い方でしょう。」
「わかった、大人しく投降する。」
武装を解除する。データナイフは装備したままだが。
「だがそうだな。警察に引き渡す前に傷の処置位はしてやろう。」
「勘弁してくれ…」
タイタンがBTのシャーシを持ち上げて
「重っ!?」
なんとか持ち上がったシャーシを運んでいた。
格納庫にて、同じ型のタイタンが無人で動かぬままのタイタンがいた。データコアが挿入されていないのか?それとも整備中で電源を入れていないからなのか。
「ジャンプキットまで取ることあるか?」
身ぐるみ剥がされてスーツだけになった。データナイフも勿論没収された。
「それにしても…このタイタン、型番が」
俺がそのタイタンの装甲に触れた瞬間だった。
「なんだ!?」
頭にタイタンとリンクするような情報の列。機体のシールド残量から弾薬に至るまでの情報が頭に直接流される。
気がつけば俺はタイタンに登場していた。BT以外にも乗れるとは思ってなかった。と言うかBTとリンクしていたのによく乗れたな。
「!?!?!?!?!?お…織斑先生!!」
「…………はぁぁぁ?お前…ったく…本当にIS学園に関わる男は面倒ごとしか運んで来ないな。」
「……そんなにまずい事をしたのか?」
「ああ。かなり、不味いことをしてくれたもんだ。」
「そりゃすまないな。」
「ったく…少なくともこれで警察に突き出す事はできなくなったな。」
「何が起こってるのかさっぱりわからんが…この機体にパイロットはいないのか?」
「いるわけがないだろう。そいつは専用機でもないんだ。」
「?わからんな。」
「そうだろうな。ほら喜べ、ちょうどここはIS学園だ。一から教えてやるからな。」
「ありがたい事だが…俺は学生じゃないぞ?」
「拒否権はない。あると思うなよ。」
「え?」
「パイロット。良かったですね。失った青春を取り戻すチャンスですよ。」
「皮肉かBT。」
こうなって今に至る。いや…精密には国籍偽造やらBTのデータコア摘出とか地獄の基本を叩き込む本を頭に詰め込んだな。
「私がこのバカ共のいるクラスの担任の織斑千冬だ。私の授業は理解しなくてもいい。頭よりも体に刻んでやる。」
わぁわかりやすくて結構。そんなわけ無いだろうこの暴力教師め。だというのにこのクラスは黄色い歓声で溢れてしまった。
「BT、俺このクラスでやっていける気がしない。」
『ご心配なさらずとも、貴方なら大丈夫でしょう。』
「痛み入るよ…」
暴力装置がその場を収め、早速授業に入った。一限目から早速授業とはな…
織斑一夏…だったなそうだ一夏だ。あいつはこの授業についていけるのか?
俺でも結構キツかったぞ。
「……とこの様な原理でISは駆動します。ここまででわからない事はありますか?」
「はい、先生!!」
「何でしょう?織斑一夏くん。」
「ほとんどわかりません!!」
一気に空気がズッコケた。なんだろうか、確実に何かがズレた音がする。
そして一夏の後ろには出席簿という金棒を持った鬼が立っていた。
「痛っつぅ!?」
「さて、教科書を一個も出していない時点でなんとなく察したが一様理由を聞いてやろう。」
「参考書を古い電話帳と間違えて捨てて痛いって!!」
本日3度目の出席簿アタック。あれはかなりのダメージだな。
「えっとクーパー君は?」
「俺は大丈夫です。それにしてもクーパー君か…」
もうそんな年じゃねえんだけどな…まぁ、まだ新兵だった頃から年はほぼ取ってないからな。
「再発行してやるから一週間で覚えろ。拒否権は無い。あると思うなよ。」
「はい…千冬姉4度目は酷い!!」
「ここでは織斑先生だ。」
そうして2時限目の授業が終わって休憩時間…と言っても15分ほど。その時だった。一人の女子生徒が一夏に話しかけた。
「ちょっと、よろしくて?」
「へ?」
一夏が素っ頓狂な声を上げた。話しかけるのは金髪ドリルヘアのいかにもなお嬢様。良くも悪くも今どきの女子生徒だ。この世界じゃどうやらISっていう女性にしか動かせない兵器のおかげで男女平等から一気に女尊男卑に変わっちまったらしい。何しろISは世界のパワーバランスを崩壊させる性能を持っていたからな。戦闘用タイタンも確かにパワーバランスをぶっ壊した兵器でもあるが…大尉のような男性パイロットもサラのみたいな女性パイロットもいるしな。そこんとこは平等だ。この学園から外には出たことも無いが…どうやらすれ違っただけで女にパシリにされるくらいなら別に不思議な事じゃ無いらしい。腰に手を当ててるのが妙にしっくり来るから実際こいつは本当に偉いお嬢様かもしれん。
「聞いてますの?お返事は?」
「聞いてるよ。で、どうゆう要件?」
「まぁ!なんですの、そのお返事。私に話しかけられただけでも光栄なのですから、それ相応の態度と言うものが」
「悪いけど、俺君が誰か知らないんだよね。」
あ。多分こいつ地雷踏んだな。確実に踏み抜いたぞ。このタイプのお嬢様にそのワードは禁句だぞ。
「わたくし、セシリアオルコットを知らないとおっしゃいますの?イギリスの代表候補生にして入学首席の私を?」
「あの、まず代表候補生って、何?」
一夏のバカがさらに地雷を踏みつけやがった。まずい、こっちにも被害が出そうなんだが?
「あ、あ、あ…」
「あなた本気でおっしゃってますの!?」
「おう。知らない。」
「じゃあそこのもう一人の男性は?」
「あー…国の顔にまで慣れるエリートってくらいしか。」
そう聞いたセシリアの顔色が良くなった。よし、このまま行けば…
「そう!わたくしはエリートなのですわ!!」
「BT、セシリアオルコットの戦績は?」
『ファイルにアクセス中』
「86%ですわ!!」
『過去の勝負の勝利率86%』
「おう。高いが俺よりも低いな。」
『パイロット、その様な言動は彼女の前では控えた方がよろしいかと。』
「だな。BT」
今にも顔真っ赤でこっちに食って掛かりそうだ。
「貴方達、わたくしを」
「あ。やべ!!あと2分で次の授業が始まる!!」
時計は既に授業開始直前の時間を示していた。今の俺達にとっては福音だな。
「いい!?あなた達、決して逃げないこと!!」
「だってさ一夏。」
「言われてますよクーパー。」
「俺が?逃げるわけ無いだろう?たかだか学生の宣戦布告なんて手足ちぎれたストーカーに追いかけられる方が怖いね。」
「だろうな。………ん?」
そうして授業開始のチャイム。3限目はどうやら次のイベントに出すクラス代表を決めるらしい。学生らしいねえ…
『そういう貴方も今は学生です。』
「確かにそうだったな…BT。」
クラスの生徒が次々に、織斑一夏くんを推薦しますってどんどん一夏の名前が上がってくる。…所々から俺の名前も聞こえてくる。
「そうだな…じゃあ一夏かクーパーかだな。」
「ちょっと待ってくださいよ!!何で俺なんです!?」
「別に俺は良いけど…」
「納得いきませんわ!!」
そう言って声を荒げる金髪のドリルヘアー。セシリアだ。
「大体そのような選出は認められません!大体男がクラス代表だなんて恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味合わせるつもりですの!?」
おっとこいつ、マジで言ってる?
「大体こういう行事の顔たるクラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれは私ですわ!!」
「わたくしにこんな文化的にも後進的な国で過ごさせる事自体が耐え難い苦痛で」
「そこまでにしとけよ。」
クラスが一気に静まり返った。続けて一夏が
「大体、イギリスだってお国自慢がろくなもんじゃないだろ。3枚舌外交とか狂牛病とかで鬼畜行為ばっかりしてた国だろ」
「なっ…!!」
一夏のカウンターパンチが炸裂、命中し相手に効力弾。
「あなた、祖国を侮辱しますの!?」
「先に侮辱したのはセシリアだろ?」
「あんまり自分の住む所を悪く言うもんじゃないぞ。」
「実力が自分が一番上って自惚れると足元ガサッと行かれるぞ?それにお前が上って誰が決めたんだよ。」
『極度の怒りを検出。推奨、速やかな撤回とケア。』
「決闘ですわ!!」
「間に合いそうにないな。」
「おう。いいぜ、俺ら二人っていうのは野暮だ。一対一で戦ってやるよ。」
「あなた、わたくしをどこまで侮辱して」
「高飛車お嬢様、現実を知るチャンスだ。俺一人でいい。」
「あなたまでも!?」
「決まったな。丁度いい。1週間後にアリーナによる決戦で代表を決める。異論はないな?」
「構いませんわ!!貴方達負けたら私の小間使いえ、奴隷にしますわよ!!」
「まさか。俺が負けるわけ無いだろう?そっちこそ負けたときの言い訳を考えておくんだな。」
こうして売り言葉に買い言葉で戦うことが決まった。だがたかが学生一人に軍人が本気になってどうするんだ。
そんなこんなで戦う事が決まって一週間という猶予期間内に、BTの基本装備を直さなければいけない。
直せれば勝てる。無ければ生身の身体でISと機動戦を繰り出す事になる。
「BT、修復の状況は?」
ISコアをBTが独自に組み込んで、一様タイタンでもありISでもある様になった。待機状態?不要だそんなもの。その気になればワープキットで呼び出せる。
「リージョンキットがおよそ67.2%それ以外は1%も進んでいません。」
「OK、リージョンキットの修復を最優先にしよう。」
「了解。リージョンキットの修復を最優先にします。」
そうして俺は特殊装甲板をBTに組み込んだ。
修理と肉体の維持に放課後の全てを費やし、なんとかリージョンキットだけは修復できた。勝てるな。余裕だ。
「あの…まだ届かないんですか?俺のIS…」
「丁度輸送中なんだ。あと30分以内には届く。」
「30分もかかるのかよ…」
「じゃ、俺が出るよ。」
アリーナのピットで俺と一夏と千冬が喋っていた。
「BTの修復はできたのか?」
「ロードアウトが一個だけな。まぁ十分だ。」
「じゃあ今格納庫から出す」
「その必要はない。」
「おい待て!何してる!!」
ジャンプキットにヘルメットを装着し、そのまま飛び降りた。
「あなた…ISは!?」
「俺のことより自分の事を心配した方がいいぜ。だって、」
「眼の前にいるのはバンガード級タイタンのパイロットだ。」
そうして俺は全パイロットに勇気を与える言葉を言う。
「タイタンフォール!!」
BTが空中にワープして降下してきた。
「相変わらず巨大だな。」
6m以上の大きなシャーシにプレデターキャノンを携えたBTがフォール。
その大きさと威圧感に押されてビビったセシリアが反射的に引き金を引くが、タイタンシールドに防がれる。
「行くぞBT!!」
「了解です。パイロット。」
BTがハッチを開けて俺は飛び乗る。
「さぁ、ここからが本領発揮だぜ?」
スクリーンに周囲が映し出される。
プレデターキャノンの回転数を上げる。唸りを上げてパワーショットをチャージする。
「…っ!?」
飛びのけたセシリアの後ろのアリーナシールドが一撃でヒビが入る。
「待て!!試合中止だ馬鹿!!お前なんて物を撃ってんだ!!」
「あ…あっ…」
後ろのヒビ割れを見たセシリアが戦慄する。
目の前にいるのはISと違う、本物の戦闘用兵器。装甲もましてやシールドも桁違い。
「アリーナのシールドってこんなに脆いのか?」
「脆いわけがあるかっ!!」
結果として俺は失格で負けたが、当の本人のセシリアの傲慢な性格をへし折る事は出来た。………脅かす目的で撃ったが…ちょっとやりすぎたか?
BTについて
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人の身体を持たせる
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そのままでお出ししろ