5月時点で増加したモノと月総合評価判定。
その前に訂正したいこと、水泳について。
※身体能力が20(E)なのに25も初期からあるわけがないので25→10にします。
10+2=12
《ステータス》
学力:73→82(+9)
知性:95→103(+8)
判断力:89→91(+2)
身体能力:12→20(+8)
協調性:25→28(+3)
洞察力:91→93(+2)
演技力:82→84(+2)
戦闘力:63→65(+2)
カリスマ:51(変動なし)
美貌:99(変動なし)
合計生長値→36
1d100を行い36以下が出れば全ステータス(美貌を除く)に+3します。
【1d100:56】
結果:失敗。増加なし
《獲得した技能》
聞き耳:62
水泳:12
《好感度表》
・教師
茶柱佐枝:87(変動なし)
・一年Dクラス
綾小路清隆:82→100(+18)
櫛田桔梗:-8→-7(+1)
小野寺かや乃:48→49(+1)
高円寺六助:50(変動なし)
・一年Bクラス
一之瀬帆波:77→80(+3)
・一年Cクラス
椎名ひより:87→92(+5)
・三年Aクラス
堀北学:64(変動なし)
合計上昇好感度値+25
1d100を行い、25以下であればポテンシャルを獲得します。
【1d100:6】
結果:成功 ポテンシャル獲得。
《ポテンシャル》
・盤上の支配者
チェスをする場合、補正を行うなれば+15を確定させる。
・よし、楽しく話せたな←NEW
会話ロールする際の好感度+1を確定させる。
ダイス表
【挿絵表示】
寮の一室に時間を知らせるタイマーの音が響く。
その音によって、朱理は走らせていたシャープペンシルを止めてノートの上に置いた。
そのまま、端末から流れるアラームを止めると時間を確認した。
時間は5月1日の午前6時を指し示している。
午前6時。すなわちポイントの支給の時間である。
※入学式に配られたパンフレットと説明書には毎月一日の午前6時に振り込まれると書かれていた。
プライベートポイントの欄を確認した朱理の口元が緩む。
「………想定は……ある程度していましたが、まさかこうなるとは………」
愉快そうに笑みを溢す、目線の先には昨日と変わらない数字の羅列が刻まれていた。
ポイントの増加が無いこと……それはつまり増減があったことの証明であった
(一先ずは、清隆さんに確認を取りますか………この時間ならランニングは終わってるでしょうし)
朱理は端末を操作し、綾小路清隆にメールを送る。
『清隆さん。今日は一緒に登校しませんか?確認したいことがありますので』
数秒と経たず返信が来る。
『時間と場所はどうする?』
『では、7時半に一階のエントランスで如何ですか?』
『7時半か。いつもよりも遅めに出るんだな』
というのも、こうやって一緒に登校するのは初めてではない。
その為、いつもよりも遅めの登校であることを清隆が分かっている訳だ。
『ええ。今日は少しばかり人の反応や話し声を聞きたいので』
『少し、心配なんだが』
『学校に時間通りに着くか……ですか?』
『ああ。敢えて言わせてもらうが朱理は歩幅が小さい……端的に言ってしまえば歩くスピードが遅いからな』
「うっ」
清隆からのメールを見た朱理は図星を突かれて言葉に詰まった。
(清隆さんはやはり思いやりが欠けてます。気にしていることをズブリと……!)
ここ一ヶ月である程度の思いやりを育んだつもりではあったがやはり清隆は清隆であった。
『心配には及びません。この頃の成果なのか身体の方も良くなってますので、最初の頃よりも早くなってる……筈なので』
そうここ一ヶ月、入学した時よりも身体能力が上がっているのを感じていた。そこからもしかして……と思い高育内部にある病院に行き医者から診てもらった。結果は言わずもがなお墨付きをもらえるほどだった。
『そうか。それならいいが』
『はい、なのでそのように。……ああ、それと、もし遅れそうでしたら清隆さんにお姫様抱っこか、おんぶを頼みますね』
最後に冗談を含めつつそうメールを送る。
清隆からの返信が遅いことに調子に乗りすぎましたかね?……と思っていると返信が返ってきた。
返信は四文字。
「ふふ、任せろ……ですか」
朱理は薄く微笑んだ。
軽いメールを終え、時間を確認しながら諸々の支度を終えて朱理は部屋を出た。
その時に既に七時十五分になっており廊下では所々、人影が見て取れた。
ーーー
《聞き耳判定》
聞き耳62で判定
【1d100:4】
結果:超成功
1d3を行い技能を成長させます。
【1d3:3】
聞き耳62→65
※情報の開示。
ーー
ジュース買えないんだけど!
なんか支給ポイント少なくない?
学校側のミスなんじゃ……
などと混乱している声が聞こえてきた。
見た所、ジュース買えない、などと言ってる人物が同じDクラスだと確認できたりした。
支給ポイントが少ない等と言っているのが他クラスの方……Bクラスの生徒だと確認できる。
この感じからすると、クラス間でのポイントの増減があるのだろうと察せれる。
「おはようございます。清隆さん」
そうして、エレベーターから降りて一階のエントランスに設置されたソファに座って待っていた綾小路に朱理は話しかける。
「あぁ、おはよう。朱理。……それじゃあ行くか」
「はい。お話については道中でしましょう」
その後、二人は寮の外に出る。
数分程度、歩き続けたところで綾小路が口を開いた。
「ポイントについてだが、昨日、確認した時と変化がなかったんだが。朱理もか?」
「ええ、私も清隆さんと同じです。6時丁度に確認しましたので間違いはないかと」
「そうか………だとすると、朱理の想定通りポイントの増減が行われたってことか」
「その可能性が高いですね。そして、ポイントの変動がなかったということは……私達、Dクラスに振り込まれたポイントは……ゼロであると言うことでしょう。まぁ、朝のホームルームで説明がされると思いますので一先ずは……」
「そうだな。現状だとそれをオレたちは待つしか出来ないか……」
二人はそう思考を止める。確証はあるが答えのない問題をいくら考えても脳のリソースの無駄遣いだから。
二人はそのまま会話の話題を変え話しながら学校まで歩き続けた。
余談だが、無事に時間までに着いたのでお姫様抱っこやおんぶをする必要はなかった。
少々、残念そうな清隆くんが居たのは気のせいだろう。
五月最初の授業開始を知らせるチャイムが学校中に鳴り響く。
それと同時に茶柱先生が教室に入ってくる。手には筒状の入れ物を持っており、その表情はいつもよりも険しい。
件もそれはDクラスの生徒達もそうだが。
「佐枝ちゃんセンセー!生理でも止まったんですか?」
そんな空気を断ち切る為にそんなことを口走ったのは池と呼ばれる三バカの一人だった。
その言葉に笑いを起こすものはもちろんいない。
倫理観的にそう言うことをネタにするのは駄目だと分からないものなのか。
そんな池の言動をスルーして茶柱先生は言葉を繋げた。
「これより朝のホームルームを始める。が、その前に何か聞きたいことがある筈だ。始める前に受け付けよう。質問があるものは挙手するように」
そうして半数の生徒が手を挙げる。最初に当てられたのは本堂という男子生徒であった。
「あの、今朝確認したらポイントが振り込まれてないんですけど、毎月1日に支給されるんじゃなかったんですか? 今朝ジュース買えなくて焦りましたよ」
そうして茶柱先生が振り込まれなかった生徒は手を挙げるようにと言う。
質問されれば答えが道理。
ーーー
《手を挙げるか》
この判定は今後の動きを作用する大事なものです。
1〜5:手を挙げる
6〜10:手を挙げない
【1d10:6】
結果:手を挙げない
ーーーー
先程は半数の人間が挙げたが今度は四十人が………いや、高円寺、朱理を除く三十八人が挙げた。
高円寺はクラスでは『自由人』で通っている為、気分次第だと分かる。
ただ一桝朱理は品行方正で通っており所々、知性を感じさせる言動を行っている為か、少し思考の回せるものなら違和感を持つことになるだろう。とはいえ、彼女を気に掛けている余裕はクラスにはない。
それを見て茶柱先生は愉快そうに口を歪ませて嗤う。
「そうか。これだけの生徒がポイントを支給されてないのか……だが、安心しろ。ポイントは毎月1日に振り込まれている。学校側で念の為確認しているが、こちらの不備は一切ない。本堂。席に座れ」
気が動転しているのか本堂は立ったまま、視線を友人である山内と顔を見合わせる。
殆どの生徒が近くの友人と首を傾げている。
(まぁ、予定調和ですね)
朱理はある程度の想定通りなので顔を動かさずに茶柱先生をしっかりと見据える。
「____お前らは本当に愚かだな」
唐突な教師からの罵声に誰もそれを指摘できない。
怒り?悦び?失望?不気味な気配を携えた彼女に生徒達はただただ口を半開きにするしかなかった。
「もう一度言おう。ポイントは確実に振り込まれた。それは間違いない。このクラスだけ忘れられた……なんてことは万に一つもありはしない。分かったか?」
そこから暫しの沈黙が流れ声高に笑う声が木霊した。
「ははは、なるほどねティーチャー。私は理解出来たよ。この謎解きがね」
その声の主は言わずもがな、クラスの自由人、高円寺六助である。
そうして、話を告げるのかと思われた高円寺はなんとこちらを一桝朱理を指差して繋げる。
「尤もこの謎解きを最初に逸早く解き明かすことが出来ていたのはキミだろう?____聡明ガール?」
一瞬にして高円寺に集まっていた視線が一桝朱理に集中する。
朱理はふぅと息を吐き酸素を取り込むと言葉を出した
「こちらに話を振られても些か困りますね……高円寺さん。まぁ、別に構いませんが……。さて、簡単に結論を話しましょう。つまり私たちDクラスにはゼロポイントの支給が行われた訳です」
その言葉でクラス内に静寂が走る。
だが、そんな空気を読まずに朱理に意見する人物が居た。
「おいおい。それはねぇって。だって毎月一日に十万ポイント振り込まれるって……」
そう本堂である。
「そのような言葉を私は一度も聞いていませんね。聞いたのは毎月一日に振り込まれるということだけです。………高円寺さんはどうでしょうか?」
意趣返しというように朱理は高円寺に話を振る。
「はは、聡明ガール、キミと一緒さ。さて、そろそろタネ明かしをしてもいいのではないかね?ティーチャー?」
高円寺は朱理の言葉を流れるように流し自然に教師の茶柱へと話を振る。
「態度に問題がある高円寺はともかく、一桝の言う通りだ。まったく、これだけヒントを与えた状態で他者に教えられて初めて気付くとは、嘆かわしい。私の見立てでは自分で気付いたのは……たった数名か」
そこから、平田の質問に続き、遅刻欠席が97回、私語や携帯を触った回数三百九十一回。
クラスの成績がそのままポイントに反映される。
その結果、評価ゼロという評価を受けたことが分かった。
必死な平田洋介の様子を見てクラス関係での過去を朱理は推測する。
「時間を取りすぎてしまったようだが、この説明で学校のシステムは理解出来たはずだ。____これを見ろ」
手にしていた筒から厚手の紙を取り出してホワイトボードに磁石で貼り付ける。
(なるほど、想定通りプライベートポイントとはまた別のものがありましたか。cpt……クラスポイントですか)
A:970
B:750
C:490
D:0
Dクラスはもちろんゼロ。ひよりが所属するCクラスは490。Bクラスは750。そしてAクラスは970。流れ的に1000ポイントが十万に相当すると考えれる。
(ふむ……やはり、Dが一番下ですか。どうにも綺麗に並んでいたのでそうだろうとは思っていましたが)
冷静に物事を見ながら朱理はそう心の内で思考を止める。
一カ月という時間で湯水のように無駄使いを行った者たちが阿鼻叫喚する。
「……茶柱先生。質問があります。どうして、こんなにも歴然とした差になっているんですか?」
平田の問いかけに茶柱先生は満足そうに一度首肯する。
「須藤。お前は入学初日、上級生に絡まれたな?」
「あ?何でンなことを知ってんだよ」
「良いから答えろ」
「…………確かにムカつく奴らに絡まれたけどよ……」
話の流れから察するに監視カメラにでも写っていたのだろうと朱理は結論付ける。
「……その件については放課後に職員室に寄れ。反省文の紙を渡す。……上級生に言われなかったか?『不良品』だとな」
「チッ………それがなんだよ」
須藤のイラつきを無視して茶柱先生は話の対象を彼からこちらDクラス全体に向けた。
「そう、須藤は『不良品』だと言われた。ここを注釈するが、『不良品』はお前たち全員だ。__さてここまで言えば流石に分かったか?お前たちがどうしてDクラスに配属されたのかがな」
そこから、朱理はなぜ、自分がこのクラスに配属されたのかを思考してみる。
(中学時代の資料があれば協調性が悪印象でしょうし。後は……身体能力でしょうか………いえ、確か風の噂でAクラスには先天性疾患を持っている方がいると聞いたことがありますし…身体能力の可能性は低いでしょうか…まぁ、私がこのクラスに配属されたのは協調性の低さと考える方が自然ですね)
「当校では優秀な生徒から順にAクラスに配属している。逆に不出来な生徒はDクラスだ。まあ、この制度は近年各高校でも内密ながら実施されている所もあるし、大手塾でもそうだろう。つまりこのクラスは、最悪の『不良品』が集まる最後の砦というわけだ。そしてお前たちは_この一ヶ月でそれを証明してみせた。おめでとう、よくやった。……しかし同時に感心もした。当校が創立されてから、たったの一ヶ月で十万ポイントを根こそぎなくしたのはお前たちが初めてだからな。お前たちは図らずも偉業を達成したわけだ」
わざとらしく手を叩く茶柱先生。
「安心しろ。流石に生徒を死なせるわけにもいかないからな。寮はタダで使えるし、コンビニや自販機、食堂には無料商品がある。それを使えば良い。それか、もしくは、ポイントを他の生徒から貰う方法もあるぞ?」
確かに人としての生活は出来るだろうが……今どきの高校生がそんな節操な暮らしに満足出来るはずがない。
それにポイントを貰えば良いと簡単に言うが、この状況で誰が投資をしてくれるというのか。
そのまま須藤がガンっと机を足で蹴った。
ここまで聞いても自分の態度を改めようとしない須藤に少し引いた。
そのまま、新たな紙をホワイトボードに貼り付けた。
小テストの一覧である。
嗤われても文句が言えない数字の羅列がそこにはあった。
一部の上位を除き、大半の生徒は六十点前後の点数しか取れていない。
朱理の名前は一番上。
その横には100の数字が書かれていた。
ここで心の内でガッツポーズ
因みに綾小路は上から数えた方が早い所……85点を取っていた。
三十一点の菊池という生徒の上で、茶柱先生はわざとらしく赤線を引く。つまり彼以下の七人は退学になっていたのだと。
「それからもう一つ付け加えよう。お前たちがこの学校を志望した大多数は、高い進学率、就職率を誇る噂を聞いたからだろう。事実、その噂は間違っていない。そして当校は、生徒が望む未来を叶えると、そう謳っている。だが……世の中そんなに上手くいくはずがない。──Aクラスだけが、その恩恵を得られる。それ以外の生徒の将来は確約出来ないとだけ、言っておこう。もちろん、必要最低限のことはする。ただ、それだけだ。あとは自分でやってくれ」
「先生! そんな話は聞いていません!」
そう口に出したのは上から数えた方が早い幸村と言う男子生徒。
「みっともないねぇ。幸村ボーイ、これは私のありがたいアドバイスだが、男が慌てふためくモノほど惨めなものは無い」
「……!? お前はDクラスに割り当てられて悔しくないのかよ!」
「何を悔しがる必要があるんだい? 私は私のことを最も理解している。学校側が私のポテンシャルを測れなかった、それだけのこと。仮に学校側が私に退学しろと言うのなら、私は喜んで退学しよう。その後泣きついてくるのは百パーセント学校側だからね」
唯我独尊は彼のためにあるのかもしれない。
ーーー
《知性ロール》
配属される理由を閃く。
知性103で判定1d100で自動成功になりますがこの場合99以下で成功とします
【1d100:66】
結果:成功
ーーー
(クラスの分けの裁定は成績だけではありませんね。例えば幸村さん。成績は上から数えた方が早いですし。例えば高円寺さん。彼の学力、運動能力の高さは分かりました。例えば須藤さん。学力こそアレですが身体能力に至っては最高のものだと分かっています。………ああ、なるほど、恐らくDクラスの生徒は何かしらの欠陥を持っている者が所属させられるのでしょう。だからこその『不良品』)
「浮かれた気分は払拭されたようでなによりだ。それだけでこの茶番劇にも意味はあったのだろうな。中間テストまで残り三週間。勉強するもしないも自由だ。たださっきも言ったが、赤点を取ったら問答無用で退学処分なのでそのつもりでいろ。赤点を回避したければ、必死に勉強するんだな。安心しろ。お前たち全員が赤点を回避する方法はあると、私は確信している。それではSHRは終わりだ。あとは好きに過ごすが良い」
茶柱先生はそう言って、教室を出て行った。扉の閉会音が虚しく反響し、誰も言葉を発せない。
全員が全員、この過酷すぎる状況と向かい合わなくてはならなかった。
ーー
《知性ロール》
赤点を回避する方法がある。という発言に違和感を持ち何かしらの対策が思いつくかどうか。
知性:103
【難易度:150】
【1d150:66】
ーーーー
(『全員が赤点を回避する方法はあると、私は確信している』ですか。……なんともまた含みのある言い方を。毎度思うのですが、この学校は含みのある言葉を使いすぎでは?……物事の裏を読む技能を鍛えると言えば聞こえは良いですが……考えるだけ無駄ですね……一応そういったナニカも頭の片隅に置いておくことにしましょう……現状の情報を精査しても無駄ですので)
朱理は取り敢えず一時限目の用意をしようと思ったところで、制服のポケット内に入れてある携帯端末が振動した。
『放課後に会えますか?」
無駄のない質素な文、送り主を確認するまでもなく朱理は送り主が誰かを理解した。
そう椎名ひよりである。
ちらりと清隆を見れば彼にもメールが送られてきたのだろう。携帯端末を開いたままこちらを見ている。
首を小さく縦に動かした。
『では、私の部屋でどうでしょうか』
『分かりました。それでは後程』
『分かった』
放課後に三人で会う約束をして端末から目の離す。
今もなお言い争いを行うクラスメイト達を見ていると三バカの一人である山内春樹がこんなことをいい出した。
「………と言うか。一桝ちゃんはなんで注意してくんなかったの?高円寺はともかく一桝ちゃんもポイントが減る事にある程度気付いてたんだろ?」
「そう言えばそうじゃん!一桝ちゃんから注意されてたら俺だってこんなことしなかった!!」
そんな山内に同調するように池が続く、その瞬間、クラスの大半が共通の敵を見つけたかのように朱理に視線を向けた。
「そう言えばそうだよね。一桝さんは茶柱先生との会話で気付いてたみたいだし、なんで私達を注意してくれなかったの?」
「ふ~ん。要するに私達の行動を嗤ってたってこと?ひどいなぁ一桝さん」
「うっわ。性格悪っ」
等と言いたい放題である。
そこで言葉を出したのは平田だった。
「混乱する気持ちも分かるけど同じクラスの仲間をそういう風に言うのは間違ってるよ!それに一桝さんにもきっと考えがあっての事なんだと思うよ。そうなんだよね?一桝さん………?」
いつも優しく爽やかな平田がクラスメイト達を宥めようとするが、そんなことでクラスメイト達が収まる訳が無い。朱理を庇い立てる様子を見て、クラスメイト達は標的を朱理から平田に変え言いたい放題の応酬を投げる。そんな彼らをじっと見ながら朱理は言葉を出した。
ーーー
《会話ロール》
1〜5:高らかに笑う
6〜9:不敵に笑う
10:特別処置
【1d10:9】
ーーー
「ふふっ」
朱理が溢したのは、蔑みと嘲笑を含んだ小さな失笑。
その声とその眼を見たクラスメイト達はゾワリとした感覚を味わう。
「なに………笑ってんだよ」
「失礼。あまりにも滑稽だったもので」
「こ……滑稽……?」
「貴方達の考え方が、あまりに自分達の置かれている現状を理解できていない。愚か者の行動そのものだったもので、つい」
朱理は平然と淡々と言葉を繋ぐ。
「な……なんだよそれ!俺達がバカだとでも「違うのですか?」ッッッ」
整った容姿から絵になっていた。
「他責思考で自身で考えようともしない。少しはその小さな脳で考えてみては良いのでは?……ああ、それとも、自分で考えることすらも出来ない哀れな生き物なのですか?」
「ッ!」
朱理は面白いように反応してくれるクラスメイトたちに内心、面白さを感じながら言葉を繋げた。
「……言い過ぎでしたね。失礼。そもそもあなた達に私を責める権利が何処にあると言うのでしょうか。クラスポイントが減らされた要因となる、私語や無断欠席等の行いを積極的にしていたのはあなた方では?」
「……でっ、でも注意されりゃ俺だってやんねぇよ。そんなこと!!」
自覚はあるのだろう。口籠りながら答えるのは池だ。
その他はだんまりな人物とは別に朱理としては答えようとする池にある程度評価を行う。
とはいえ、
「注意されないと止めない……ですか?それはつまり、貴方は自分で考えることも出来ないただの能無しだと言っているようなものですよ?……仮に私が注意したとしましょう。その場合、何人が素直に聞くのでしょうか?……貴方みたいな男でしたら、まぁ……聞くとしますが他の方々は?特にそこの女性のグループ。いい子ちゃんぶりきっしょ……等とでも心の内で思いながら聞かなかったのでは?」
少し言い方は悪いが正論を返されたクラスメイト達は黙り込んでしまった。
とはいえ、朱理にも非はないのかと言うとNoである。
なんせ、入学当日と次の日に確信を得て知っていながら、少しの注意や忠告をしなかったのだから。
そんなことは朱理も重々承知である。
ではなぜ、注意や忠告をしなかったのか。
それは簡単である。
黙っていれば能無しの馬鹿どもの滑稽な面が眺められると思ったからだ。
要するに、朱理は性格面が壊滅的ということだ。
言いたいことは言ったし見たいものも見れたため、視線もそろそろ鬱陶しくなったため話題を変える……と云うか別の人物に流すことにした。
「取り敢えずの現状のやるべきことは中間テストにて赤点を取らないように対策を取ること……ではありませんか?……ねぇ。平田洋介さん?」
「えっ……あっ……そう、だね。………少し言いすぎな部分もあるけど一桝さんの意見はご尤もだ」
そのまま、平田は皆の注目を一身に受けるために教卓に立つと言葉を繋いだ。
「そこで放課後に対策会議を開きたいと思うんだ。もちろん、これは強制ではないよ……部活や先約がある人は欠席しても構わない。………欠席する人は出来るなら僕に個人的に連絡を貰えるとありがたいかな」
暫しの沈黙が流れる、その後に、賛成の声が上がり纏まり始めたが……無論、協調性の低い赤髪ヤンキーが反対意見を出した。
「…………チッ。勝手にやってろ。俺を巻き込むな。じゃあな」
別れの挨拶を一方的に行い須藤は教室から出ていった。
大方、このまま全ての授業をぶっちする気なのだろう。
そこからまた言いたい放題の押収。朱理へのヘイトが上手い具合に須藤にいったようだ。
取り敢えず、朱理は放課後は先約があり対策会議には出席できない旨を伝えることにして、席から立ちあがり平田の元へ向かった。
放課後のSHRが終わり、朱理は他、退席者と同じように教室から廊下へと移動する。
廊下に出て数秒、後ろから声をかけられる。
「朱理の想定通りに物事が動いたな」
朱理の後を追うように出てきたのは清隆だ。
「想定通り……というのは少々語弊がありますが、まぁ、概ね予想通りですね。……さて、ひよりさんと合流して今後の付き合い方を考えなくてはなりませんね」
「そうだな。……朱理はどうする?Aクラスに上がりたかったりするか?」
ーーー
今後の重要な判定。
《Aクラスについて》
1〜5:興味がない
6〜9:興味がある
10:特別処置
【1d10:1】
《クラス内競争について》
1〜5:興味がある
6〜9:興味がない
10:特別処置
【1d10:10】
《クラス内競争について》特別処置
1〜5:めっちゃ興味がある(リーダーなろっかな)
6〜10:めっちゃ興味がない(必要最低限関わろう)
【1d10:9】
結果:Aクラスに興味はないしクラス闘争には興味がない。
ーーー
「いえ、特には。進学先就職先100%というのは魅力的ではありますが、やはり、勤め先は自らで勝ち取るものだと思っていますので…………それにクラス間の競争には一ミリも惹かれませんね………清隆さんはどうですか?」
「オレも別にAクラスに特別な拘りはない。……まぁ、Aクラスで卒業して良い大学に進学して良い企業に就職するってのが、一番楽な将来だとは思うが」
他愛もない会話をしながら気が付けば昇降口に着いた。
既にひよりの姿があった。いつも通り、読書中である。こちらに気付いたのか文字の羅列から視線を上げる。
「こんにちは。清隆くんに朱理ちゃん。朝はごめんなさい。急な連絡をしてしまって……」
「気にしなくて良いですよ。ひよりさん。私達も遅かれ早かれ連絡を飛ばすつもりでしたので……ね、清隆さん?」
「ああ。朱理の言った通り、遅かれ早かれこっちからアクションをかけていた。それがたまたま、ひよりからだったってだけだ」
「………そう言ってもらえると助かります」
「それでは、寮に行きましょうか」
『一年Dクラス綾小路清隆くん。担任の茶柱先生がお呼びです。職員室に来てください。繰り返します。一年Dクラス────』
穏やかな効果音の後、無機質な声がスピーカーから発される。
「先生からの呼び出しのようですね」
「清隆さん。何か心当たりはありますか?」
「……全くないな……とはいえ、呼び出しだからな。ちょっと行ってくる」
少し不機嫌そうな声色でそう言いながら職員室へと向かっていく清隆を見送り、朱理はひよりと向かい合う。
「さて……一足先に寮に戻り清隆さんを待つか、それともここで待って一緒に寮に帰るか……ひよりさんはどちらがいいですか?」
「そうですね……道中で本題とは別の会話がしたいので私は後者を選びます」
「それでは少し待ちましょう。ところで一つ気になったのですが……」
「はい?なんでしょうか?」
「その本……」
ーーー
《会話ロール》
1〜5:仲良く話した(好感度1)
6〜7:楽しく話した(好感度2)
8〜9:盛り上がった(好感度3)
10:特別処置
ポテンシャルボーナス+1
【1d10:7】+1
+2
結果:92→95
ーーー
そこから数十分程度の時間が経ち合流した三人は寮へと揃い踏みして寮の一室に入っていく。
「まぁ、入ってくれ」
「お邪魔しますね」
入っていくひよりを確認しながら朱理は一つ言葉を溢した。
「私の部屋でも別に良かったのですが……流石の清隆さんもここ一ヶ月で女子の部屋に入ることに危機感を覚えた……ということでしょうか?」
「………まぁ、そう思ってくれて構わない」
少し間はあったものの清隆がそう肯定する。ここ一ヶ月である程度の社会……というか一般常識を学習(朱理とひよりから)して、入学式当日の最初の朱理(女子)の部屋で晩御飯を食べたことがどれだけあり得ないことかを実感したのだろう。
そんなこんなで朱理はひよりの後に続いていく。
「……案外、結構、物が有るんですね」
椎名が意外そうにそう呟いた。
清隆の部屋は最初に備え付けられている物に加え、綺麗に区分けされた本と、ベットにはカモノハシらしき抱き枕がぬそっと顔を出していた。床には白いカーペットも敷かれており、そのまま床に座っても痛くはないだろう。
「カモノハシ……お好きなのですか?」
可愛いカモノハシの抱き枕を見ながらひよりが清隆に聞いた。
「ん………? ああ、つい十日前に買い物に出かけた時にそのぬいぐるみと目が合ってな。……衝動買いみたいなものだな。好きかどうかで言えば好き……になると思う。……変か?」
「いえ、気になったもので。清隆くんが何かに、いえ……本以外に興味を持つというのは無縁と勝手に思っていたので」
「そうか………そうだな。今までのオレなら多分だが、ひよりの思ってた奴だったかもしれないな……まぁ、取り敢えず、好きな場所に座ってくれ」
そんな普通の高校生みたいな会話をしながら、三人は向かい合う。
「さて……本題に入りますが、お二人はこれからどう動きますか?」
「それは個人的にどうするのか……という認識で良いでしょうか?」
「そうです。今日私たち一年生は、ほぼ例外なく担任の先生からこの学校のシステムについて教えられました。簡単に考えて今日から卒業まで、私たちはクラスとして競い合うことになると思います」
「まぁ、そうだろうな。オレたちは学校の恩恵……進学就職100%という甘い蜜のために互いを蹴落とし合う関係になる」
「……早速、何かしらの行動を起こす人物も居るのでは?」
「……朱理ちゃんの推察通り、私のクラスではリーダーに名乗り出た生徒が居ました。もちろん、反対する方も居ましたが」
Dクラスなら平田洋介、櫛田桔梗が挙げられる。
Cはまだ分からない。
Bは一之瀬帆波と分かる。
Aは分からない。
「率直に言いますと、私とお二人は違うクラスです。先月までなら兎も角、私たちが時間を共有するとスパイの疑いを掛けられてしまう。故に、お二人が上のクラスを目指すのなら、今後、会うのを控えるべきだ……というのが私の考えです」
ひよりの懸念点は当然のものだった。
だが、そこで終わらずひよりはそのまま言葉を繋げ自分の本心を吐露する。
「ですが、これはあくまでクラスのことを考えた意見です。私、個人としては違います。この三人の、読書愛好家同盟の関わりを続けて行きたいと思っています。この三人での関わりは私にとってクラスの方々よりも大事で守りたいんです。私は別にAクラスに拘りはありません。………進学、就職先に絶対応えるというのは魅力的ではありますが、その恩恵を受けて就職、進学したとしてその後を考えると少々不安が残りますので。長くなってしまったので結論を言いますね。この三人での関わりが一番大事で、Aクラスに拘りはなく、クラスの方には最低限関わる……ということです」
「オレもひよりと同じ……とはいかないがAクラスに特別な拘りはない。精々、成れればいいな……ぐらいだ。クラスの競争には必要最低限だけ参加するつもりだ。……要するにオレとしてもこの三人の関わりを出来るなら続けて行きたいと思っている。朱理は?」
「そうですね……私はクラスはクラス、個人は個人で考えています。………簡単に言いますね。クラス間では取り敢えず競争相手として競い合いをしながら、そして個人としてはこれからも友人として、清隆さんとひよりさんと共にあり続けたいと思っている……ということです」
そんな感じで取り敢えずは纏まった。
とはいえ、ある程度のルールは欲しい。ということで。
一つ、クラスの話はしない
二つ、リーダー格の人物にある程度の事情を説明する。
そんなこんなでルールを決め終わり。
ここからはなんの変哲もない普通の会話である。
「………朱理ちゃん。聞こうと思ってたのですが、ポイントの方は大丈夫なのですか?」
「……オレも気になってた。だいぶ前に外食した時はオレたちの分も払って二万近く使ったはずだが、残ってるのか?」
ひよりと清隆は問いかけながら端末を取り出す。それを見ながら朱理は微笑む。
「ふふっ。そこはある上級生達との繋がりがありまして、気になさらず。というのも結構グレーゾーンでして……」
グレーゾーンという言葉にひよりも清隆も反応する。ただ、この場で過剰に反応したのは清隆だった。ガシッという音がしそうな勢いで朱理の肩を摑むと、問い詰めるように声を溢した。
「朱理……それは誰のことだ。男か?…いや、そもそもどうやって知り合ったんだ?」
「痛っ………落ち着いてください清隆さん。……上級生についてですが……簡単にッ言えばぁ、少し縁があったというか……」
ヘルプミーという感じで朱理はひよりの方を見る。ひよりは少し考えた後に二人に近付くと、肩を掴む清隆の手を優しく擦る。
「落ち着いてください。清隆くん。このままでは朱理ちゃんの肩が砕けてしまいますよ?…………それと、朱理ちゃんも含みのある言い方はせずにちゃんと説明してください。私も友人として穏やかではありませんので」
ひよりに窘められて清隆は、はっとしたように力を緩めてくれる。それはそうとして、ニコリと笑ったひよりから黒いオーラが見えている。まるで嘘は許さないというように。
(どうしましょうか……)
ーー
《会話ロール》
1〜5:包み隠さず話す。賭け事やってます。
6〜9:ちょっとした遊びを(誤魔化す)
10:特別処置
【1d10:3】
ーー
(関係の悪化は避けたいですし、ここは包み隠さずに話すとしましょうか……というより、二人が怖いというのが本音ですが……それはそうとして、リンゴぐらいなら軽く握りつぶせるぐらいの握力を、私に使わないで頂きたいです。私一応、病弱で通ってるんですよ!?)
そう心の中で愚痴を溢しながら、朱理は話すことにした。
「お二人はポイントが譲渡可能というのはご存知ですよね?そこから私はある事を考えました。……さてここまで言えば聡いお二人なら分かると思います」
「……なるほど、賭け事ですか」
「はい。その通りです。……言ってしまえばチェス部に赴き勝ち負けで賭け事をしていたのです。その結果、ある程度のポイントが手元にあるというわけです。先程の上級生というのはチェス部の部員さん達です。あと、お二人が気にするような懸念はありません。……これで良いでしょうか……」
「なるほど………納得しました。一応、聞いておきますけど上級生の方々とは何もないのですね?」
「ええ。神に誓えます。………神は信じていませんが」
ある程度の説明を終えたあと、ずっと無言だった清隆は申し訳なさそうに言葉を声に出した。
「……そうか……急に肩を掴んですまない。痛かった……よな……?大丈夫か……?」
「別に大丈夫ですよ……と言いたい所ですが、と〜っても痛かったですね。今度やる時は加減してくださいね?」
「あっ、ああ、すまない。気を付ける…………本当にすまない」
そのまま、清隆はしゅんと耳の垂れた犬のようになってしまった。
数分、それとも数秒か、朱理は小さめのため息を吐きひよりをちょいちょいと手招きしてこしょこしょと作戦を伝える。
作戦を聞いたひよりは右手の指でOKサインをした。
そのまま、右から朱理が左からひよりがゆっくり近づく。
指定の場所につき目線で言葉を伝え、二人は一緒に清隆の両頬を指で摘み引っ張る。
「へにゃ……!?……朱理、ひより……どういう……?」
二人の可愛い制裁に清隆は面食らう。
朱理とひよりはやっとこっちを見た清隆に向けて言葉を繋げた。
「やっと、前を向きましたね。いつまでも辛気臭い顔をしないでくださいな。別に私は怒ってないので。………まぁ、痛くないのかと言われれば痛かったので、今後は注意してほしいってだけです。良いですね?」
「…………朱理ちゃんに嫌われるかもしれないと思ってしまったなら勘違いですよ」
朱理の言葉と、こしょりと耳元で清隆にしか聞こえない声のひよりの言葉から、清隆は自分が朱理とひよりを心配させているんだと理解した。
「……すまなかった」
「謝罪は結構ですよ。……本当に分かって頂けたなら、私としてはそれで良いので」
一先ずは話は纏まった。そこから気が付けば夕方になっていた。
今日は流石に、二人と食事するのは遠慮して朱理は部屋に戻る。
「痕……残らないと良いですが」
鏡の前で自分の両肩を擦り、朱理は誰に言うでもなくそう呟きため息を溢した。
ーーまとめーー
ダイス表
【挿絵表示】
【挿絵表示】
【挿絵表示】
←聞き耳の上がり幅
《今回の生長値》
聞き耳62→65(+3)
《好感度》
椎名ひより92→95(+3)
《ポテンシャル》
〝よし、楽しく話せたな〟
会話ロールする際の好感度+1を確定させる。
《最後に幾つか》
と言うわけで、朱理ちゃんが協調性が低い理由を説明します。
朱理は馬鹿が嫌いです。簡単に言えば自分で思考しようしない、知識を蓄えようとせず現状で満足する思考停止人間は嫌いです。ただ、そういった人物が絶望……又は慌てふためく姿を見るのが結構好きだったり。
Aクラスに興味がなく、競争についてもなんら興味を持ってないのは、初心者同士で潰し合いをして何が面白いのか……と思ってるからです。普通にダイス振ってぇぇ?となりましたが。
須藤くんの反省文の件はそもそも別のコンビニに居たと思って貰えれば。
堀北さん、茶柱先生、清隆くんの二者面談に呼ばれなかったのは普通に堀北さんと面識がないからです。あとは、清隆経由で協力するだろうと茶柱先生が思ってるから……という感じ。
最後の動揺する清隆くんですが……普通に朱理ちゃんが取られると思ったからです。可愛いですね。痕が見えるほどの力は可愛くないですが。カモノハシが好きらしいです。かわいいですね。
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次回はどうなるか……。
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もう全部やっちゃえ