幻想の零   作:白骨

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ゼンゼロ関連の小説初投稿です

時系列はパエトーンがまだ邪兎屋の依頼を受けていない時です。つまりチュートリアルの前の話と思って頂ければと。


あのね、メタファーの主人公とアキラ絡ませたら人たらしーズ結成できると思って(とち狂ってる)


幻想との邂逅

 

 

 

 

新エリー都

 

 

 

多くの地が謎の災害『ホロウ』に飲み込まれ文明が崩壊したこの世界において、ホロウの調査・対処技術やエーテルの資源利用などを確立した事で、逆に大きく繁栄を遂げた為「奇跡の都市」とも呼ばれている。

 

 

エーテルを資源利用した産業が発展しており、それを基盤とした現代的な社会が築かれている訳で……

 

 

旧文明から持ち込まれた文化により、ブラウン管TVやレコードが現役というレトロな雰囲気を持ちつつも、電子世界の情報網「インターノット」やSNSが日常的に使われている。

 

 

 

 

 

「……ふぅ、こんな所かな」

 

 

先程説明した新エリー都のヤヌス区にある『Random_Play』と呼ばれるレンタルビデオ屋に兄のアキラ、妹のリンという人物が店長兼作業員として務めている。

 

 

 

そのアキラは現在、到着したビデオの作品情報をPCへと打ち込んでいき、破損や汚れのチェック、映像の乱れやラグが無いかの点検を行っていた。

 

 

 

 

 

「あ、お兄ちゃん!今日到着予定だった新作のビデオって届いたの?」

 

 

 

リンが店内のビデオ整理を行っている最中で、兄がPCと睨めっこしている所を見て少し微笑みながら今日新作販売予定のものに興味を示していた。

 

 

 

「あぁ、今その作品の登録とビデオと一緒に置いてた付属の本の確認作業をしているよ。まさかこんな面白そうな作品をニコが持っていると思ってなかったけどね」

 

 

 

ニコと呼ばれる女性、本名ニコ・デマラ。

 

 

邪兎屋と呼ばれる派遣会社を立ち上げ、代表取締役を務めている。

 

派遣会社と言うよりかは何でも屋と言った方がわかり易いだろう。

 

その会社では非正規で冒頭で説明したホロウと呼ばれる異空間の災害、ホロウ災害と言う名前のまんまであるがその関係の依頼を受け持ち解決するホロウレイダーとして作業を行っている。

 

 

詳細に関しては追追説明していくとしよう。

 

 

 

 

 

そのニコ・デマラがアキラに対しこの作品を提供したか、その理由は──────

 

 

 

 

 

『パエト……じゃなかったアキラ…ごめんなさいッ!ほんとに今月厳しくて食事代も切り詰めてる状態なの!担保というか、利息というか……申し訳ないけど代わりとしてこの仕事内で手に入った珍しいビデオであと2週間ほど待って欲しいの!!!』

 

 

 

 

単純に借金の肩代わりとしてこのビデオを提供されたのだ。

 

傍から見たら駄目な借金抱えているド派手なギャルとしか思えないのだが、これには色々と事情と理由がある。

 

 

ただまぁ彼女の自業自得ではあるのだが。

 

 

 

 

 

 

「……あとは付属の本なんだけど、どうやっても開かないんだ」

 

 

 

先程説明した手にしている本をヒラヒラとアキラはリンに見せる。

 

それを見てリンは首を傾げなぜ開かないのか疑問を持った。

 

 

「うーん、どうしてなのかな?」

 

 

「それが分からないんだ、鍵が付いてる訳でもない、紙同士が劣化で付着してるのかとも思ったんだけど新品同然……そもそも劣化が見られないのが疑問に思ったんだけど、リンはどう思う?」

 

 

 

先程から色々試してみてはいるが一向に開かずうーんと唸る店長アキラ。

 

それを見て取り敢えずリンがその本を受け取り、手に取るとパキンと本から硝子が割れたような音が響いた。

 

 

 

「え?」

 

 

リンは驚いてそれを手から離し、本は床へとゴトンと音を立てて落ちた。

 

 

2人の驚きを置いていくかのように本は独りでにぱらぱらと開き始め、あるページで止まった。

 

 

急な展開で驚きを隠せない2人は顔を見合せた後、その本へと視線が行く。

 

 

 

「リン、いつの間に解錠の特殊能力でも手に入れたんだい?」

 

 

「いやいやいや!私触れただけだよ!?」

 

 

「……一体どうなっているんだ?」

 

 

 

その会話を最後にしんと静まり返る。

 

恐る恐る2人はその開いたページをそっと覗くとその一文が目に入り、何故かアキラは無意識にその文を呟いた。

 

 

 

「『幻想とは現実の一つの可能性』」

 

 

 

 

瞬間、2人を青い光が覆った。

 

 

 

 

 

 

 

 

『現実と幻想の交錯……実に興味深いね』

 

 

 

 

そんな声が、彼達は聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

その光が収まった後、アキラは周囲を見渡すが店内に何も変化はなくホッと息を吐き出したのも束の間、先程本があった場所を見て目を見開いた。

 

 

リンは頭を抑えながら、直接光を目に浴びたからか一時的に前が見えずフラフラと立ち上がりアキラの声がした方に顔を向ける。

 

 

それを見かけたアキラはリンの肩を抱き、腕を背もたれにするように支える。

 

 

 

「大丈夫かい、リン」

 

 

「……うん、お兄ちゃんは?」

 

 

「問題ないよ……と言いたいところだけど」

 

 

妹の顔を見て安心した後に、先程の光景は嘘でしたとオチをつけてもらいたいが如く本があった場所に視線を戻す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと…………ここは?」

 

「ちょ、ちょっとウィルッ!?何処よココ!?さっきまで私達ヒュルケンベルグ達と執務室で書類整理してたでしょっ!?」

 

 

綺麗な青みが掛かっている髪に透き通る広大な海みたいに引き込まれる晴天の空の色をした双眼。

 

服はまるで中世の時代の王族の様で、現代にも中々なさそうなデザインをしている服を纏った美形の青年が。

 

 

その彼の肩には羽を生やして周囲をキョロキョロしている小人の赤髪ショートの女性が声を荒らげていた。

 

 

 

「お兄ちゃん、私目がおかしくなったのかな?妖精が見えるし凄い美形過ぎる男性が目の前に居るんだけど」

 

 

 

「リン、悪いけど僕達の目は正常だ。現実逃避したい気持ちは分かるけど…少し時間が欲しいところだね」

 

 

「…初めまして?」

 

 

「一体何処なのよココぉッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

第一話『幻想との邂逅』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お茶で構わないかな」

 

「すみません、ありがとうございます」

 

 

先程から数十分後、少しドタバタがあったものの先程の店内売り場から別の仕事の作業場へと2人を案内した。

 

 

ソファに座った彼は周辺のモニターや機械を見渡し、目をキラキラさせながら「わぁ……」と初めて遊園地へ遊びに来た子供のような無邪気さを表情に出していた。

 

 

それを見たリンは1発ノックアウトし、膝を着く。

 

その姿を目撃した彼とアキラの反応。

 

彼は大丈夫?と心配しながら綺麗な双眸でリンの顔を見つめ、更なる追い討ちを喰らったリンを見てアキラは苦笑いし、「気にしなくても大丈夫さ、ちょっとした発作のようなものかな」と彼に話す。

 

 

「医者に見てもらった方が良いのでは?」と本気で心配してオロオロとしてしまい、リンが「大丈夫だよー」とニコニコしながら手で止めていた。

 

 

 

実際はかなりの致命傷だが。(尊さ的なモノで)

 

 

その騒動後に渡したお茶を飲んでいる姿も絵になる程、アキラとリンの目には彼は美術展の絵画のように魅力的だった。

 

 

「なんという美しさと可愛さ……抱きしめたいッ!」

 

 

「リン、流石に無遠慮過ぎるよ」

 

 

目をギラりとさせ手をワキワキと動かす妹の崩壊と暴走を声を掛けて止める、と言うより得体の知れない2人を見てその発想と行動は正しいとは思えないよ普通は。

 

 

「分かってるよ、ちゃんと許可貰うもん」

 

 

「そういう問題じゃないよ……」

 

 

 

はぁ……っとため息をついて、彼を見つめ分析を行う。

 

お茶を飲む動作も気品があり、一つの芸術作品として残してもいい様な魅力と高貴さが見える。

 

 

貴族……と言うよりかは王族のような佇まいを肌で感じ、厄介事になってしまったのではと考えていたら、先程の小人……妖精の彼女が彼の耳を少し引っ張りながら怒声を上げていた。

 

 

 

 

 

「ウィル!落ち着いてお茶を飲んでる場合じゃないでしょッ!?」

 

「痛いよガリカ……そもそもここがどんな場所か分からないのなら今居るこの2人に聞けば一先ず此処が何処か分かるよ。だから先ずは落ち着こう?」

 

 

ガリカと呼ばれる妖精を窘めるウィルと呼ばれる青年を見つめ、状況判断力がとても高いなとアキラは彼等の評価を上げ警戒をした。

 

 

「……まぁ、それもそうね…で、そこのアンタ達は何者?」

 

 

漸く話が出来る雰囲気になり、一安心の兄妹。

 

ソファに座り、彼らと対面しながら自己紹介を始めた。

 

 

 

「初めまして、ここのレンタルビデオ店の店長をしてるアキラだ」

 

「私は妹のリン!よろしくね〜!」

 

 

 

「「……ビデオ?」」

 

 

彼等はそのビデオという言葉自体初めてなのか、頭の上にハテナが浮かんでいる様に見える。

 

 

「えーっと、ビデオを知らない?」

 

「ならDVDだったりパソコンはどうだろうか?」

 

 

その言葉に対しても先程と反応が変わらず困惑しているが、彼等なりに考えて答えを導き出せたような複雑な表情になる。

 

 

「うーん、僕は初めて聞いた単語だ。旧時代の資料にあったかな?」

 

「可能性はありそうね、私達の集落に遺物として記されてると思う」

 

「……モアが居れば分かるんだけどな」

 

 

 

 

話を聞く限りどうやら僕らとは全く違う時代と世界から来たらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り敢えず、ある程度状況は飲み込めたよ。君達は僕達と異なる世界から来て、ここに迷い込んでしまった…執務作業中に」

 

 

「うん、そうなるかな。あと自己紹介遅れてごめん……僕はユークロニア連合王国在住、その国の国王陛下のウィルって言います。気軽にウィルって呼んでね」

 

 

 

自分自身が一国の国王と彼の口から出された瞬間アキラはその笑顔のまま硬直し、リンは気付かないのか彼の名前を口にし、ニコニコと話を続けて行く。

 

 

 

「初めましてウィル君!これからよろしくね!へー!そうなんだ!君が住んでる王国の……国……おう?」

 

 

徐々に頭の中で話の内容が理解出来てきたのか、リンの声が少しづつ小さくなり顔が青ざめていく。

 

 

その顔に気付き彼は言葉を挟む。

 

 

「あぁ、そんなに緊張しなくても大丈夫。僕王様でも色んな民の話を聞いたり手伝ったりする事が大好きで、周囲から王として見てもらってないんだ。だから、此処ではただの普通の人として気兼ねなく構って欲しい。そもそも僕は此処ではただの人だ」

 

 

 

そう言いながら笑うウィルは、誰もが見惚れるような笑顔で思わずアキラは口を抑える。

 

 

リンはウィルの言葉に対し、身体を前に寄せウィルの手を取り先程の青い顔でなくなり、少し頬が赤くなって微笑みながら応えた。

 

 

「勿論だよ!何か困った事があったら絶対助けるからよろしくね!」

 

 

「こちらこそ、よろしく頼むよ」

 

 

 

 

 

「……ウィルってば相変わらずよねぇ」

 

 

ウィルの人たらし具合を見て何時もの事なのか呆れるガリカ。

 

 

 

(…彼の引き込まれるようなカリスマに意見を一人一人聞いていく素直さ、人を導く様に生まれてきてる人間……そう思われても不思議じゃないほどの魅力を持ってる…凄いな)

 

 

 

ウィルというニンゲンは、良い人間も悪い人間も引き寄せてしまう存在だと感心したアキラはそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




多分気分乗れば続きます。

今メタファー2週目やってるんでそれが終わり次第話の補填とか色々やっていきますんでお願いします。
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