完璧なRPができる魔法使い系Vtuberになりたいです! ~え、実際に異世界攻略してこい? 無理ですってば!~   作:しらほし

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ゲームプレイ中の描写を少し追加(4/28)




死にゲー配信をしました。バケモノと呼ばれました。解せぬ

 

 

二度目の配信枠、タイトルは『大切なお知らせ』にしよう。配信二回目から大切なお知らせをすることで話題性が出るといいな。

内容としては「私は下ネタでいじられるのは苦手なので、やるなら私の見えないところでなさってください。お願いします」みたいなかんじで。

 

 

私も成人済みのオタクだからそういうものがあることは理解しているけど、見たくもない気分の時にTLに流れてくるのは違うのだ。住み分けはしてもらいたいからね。初配信の直後にも私がゴブリンに襲われているエ口絵を見つけてしまったし、リプ欄も下ネタが結構来てしまっている。これでは今後の活動に支障が出ることもあると思う。もし将来的に案件の候補に挙がったとき、これが原因で選考から漏れたら嫌すぎる。

 

 

早速サムネイル作りだ。所属している企業のロゴと真っ白のマス目で格子模様をつくる。これで記者会見みたいな背景を作って、真ん中に号泣している私の姿。イメージダウンを招く発言について謝罪会見的なこともしてしまいたい。配信タイトルが大仰だけど、これで深刻そうな雰囲気は軽減できるはず。

 

 

この配信はサクっと終わらせて、直後に初配信反省会雑談をするつもり。

個性あふれる先輩たちに比べて良い意味での爪痕を残せなかったよね~とか、私がしたい配信の方向性と、リスナーの求める配信内容のギャップをそれとなく聞き出すとかしよう。

 

 

基本的にはRPG系の配信を一緒に楽しんでいきたいんだけど、もしかしたらゴブリンが出てくるアクション系の死にゲーを勧められるかもしれない。セールされているといいな……。ゴブリンみたいな名前の敵と言えばゼ〇ダか、鬼畜ゲーで有名な某魂シリーズか。

 

 

配信タイトルを載せてSNSで告知すると、サムネまで見ていないリスナーたちが慌てふためいてしまった。

 

 

そっか、ぱっと見の情報で反応する人の方が多いんだね。私のリスナーだけかもしれないけど。変な方向の話題性だけで私に注目している人にとっては、中身にまで興味は向かないのかもしれないね。今後はこういう人たちもファンになってもらえるような工夫をしていかないと。見てもらえているうちに何か動かなきゃ。

 

 

今後と言わず大切なお知らせ配信の中でもう手を打った方がいいのかも……お騒がせした謝罪として、鬼畜ゲームと言われるようなゲームをプレイします。みたいな約束をして、次のゲーム配信に誘導をかけようか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──というわけで、何かしら反省の意を示せるようなことをしたいのですが、やはり耐久配信などでしょうか。ゴブリンが出てきて、魔法が使えるゲームだと助かりますね」

 

 

大切なお知らせと一緒に、イメージダウンを起こすような発言をしてしまったことを謝罪する。最初は、私のイメージダウンだけの問題だからサクっと謝罪パートは終わらせよう。と思ったけど、私の姿を創り上げてくださった絵師様、いわゆるママさんには、せっかく生んでくれた私がデビューから汚いイメージを身にまとってしまうと申し訳ないので、きちんと謝罪と釘刺しを行なった。それはそれとして人数が多いうちに実質的に次の配信の告知をしてしまう。切り替えは大事だ。

 

 

〇注文が多い。だがアビスピなら条件を満たす

●反省する側だよね…?

〇別に反省しなくてもいいと思うけど態度はでかいなw

●魔法使いたいならデーモンスピリットとかスピリットシリーズとか?

〇デモスピ一択

●ゲーム得意なの?

〇ツボ叔父かホッピングブラザーはどう?

●アビススピリット1~3やってほしい

 

 

「ああ、想像はしてましたが、やはりスピリットシリーズがいいんですね。パソコンのスペックがすごく良いってほどではないんですが、その場合は古い作品のほうが画質は安定しますか?」

 

 

相談の結果、スピリットシリーズの二作品目、アビススピリットを遊ぶことになった。残念ながらセールはしてなかった。せめてというか当然というか、領収書だけはきちんと印刷しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけでアビススピリット配信始めます」

 

 

大切なお知らせ配信の後、結局やるつもりだった初配信反省会は蛇足になりそうだったからやめておいた。代わりにではないけどさっそくアビススピリットを購入。チラッとゲームを起動してサムネ用のスクリーンショットを撮るだけのつもりだったけど、キャラメイクがあることにも気づく。ある程度好みの顔になるパラメータを控えておいて就寝。翌日すぐにアビススピリット配信を開催した。

 

 

〇判断が早い!

●ナイちゃんのアビスピだー!

〇ナイカテちゃんはキャラメイク凝るのかな

●ナイちゃんやったことあるの?

 

 

「初見プレイです! だからネタバレしないでね~。画面上に書いておこっか。キャラメイクだけはあらかじめ練習したからサクっとかわいい女の子作っていくよ~」

 

 

目の大きさや眉間の広さ、アゴの尖り具合などなど、顔パーツのバランスを数値化したものは控えてあるのでサクサクと入力していく。完璧に私の好みそのものとまではいかないけど、まぁまぁカワイイ子が出来上がった。

 

 

「さぁ! 早速やっていくよ~! 初期職業は(まじな)い師でGO!」

 

 

このゲームはいくつかの職業を選んでゲームを始めることができる。基本的には剣を使ううか斧を使うか棍棒を使うか……みたいな違いでしかないらしい。けど、私が選んだ(まじな)い師だけは炎の魔法を撃つことができる。

 

 

チュートリアル的なところで画面上の指南を確認しながら通り過ぎていくと、明らかに動きのいい敵が出てきた。実戦で学べのフェーズだね。

 

 

「試しに魔法使ってみようか」

 

 

さっきまでは武器攻撃の操作説明をされていたので魔法を使うタイミングがなかった。武器を杖に持ち替えて炎魔法を撃ってみる。つい自分があっちの世界で炎魔法を撃つときのノリでいたけど、遅い。炎が手の中で燃え始め、ドッジボールくらいの球体になり、ようやく投げつける、という流れだからだ。

 

 

「んーーーーー」

 

 

威力自体は申し分なく、一撃でゾンビっぽいやつを倒せた。でも、こんなに時間がかかっていたらあっちの世界のゴブリンには撃てないかな。私も訓練場の対魔法カカシで速射の練習をしていた。懐かしいな。

 

 

「最初から使える魔法だからだろうけど、ちょっと練習不足な感じだよねぇ」

 

 

〇というと?

●魔法使いの視点だ

〇お気に召しませんか

●遅いよね、わかる

〇魔力も少なくよわよわ魔法使い

●ナイちゃんのほうが早い?

 

 

「まぁ、そうだね。私の方がもっと魔法の発動早いよ。でも、最初はこのくらい時間かかってたかもしれない。私はきちんと教育してもらえる場所で猛特訓して、最初は何人かでパーティ組んで魔法使える隙を作ってもらってたから言える立場でもないんだけど」

 

 

全滅して私だけが生き残ったり、それで悪い噂が流れて次に組んだ仲間に売られたり、宿屋で強盗等の襲撃を受けたりと、あっちの世界の人間が信じられなくなってからは一人で冒険していたけど、最初は仲間と一緒にレベル上げをさせてもらっていた。

 

 

「この子みたいにソロで戦うなら隙の少ない魔法が欲しいね。あと魔力も沢山ほしい」

 

 

〇これからだね

●レベル上げだ

〇地道に積み上げていくしかないね

●とりあえず剣振ってもろて

 

 

 

──と、元気に配信を始めたときにはコメント欄もある程度動いていたのに、ゴブリンやモンスターと戦っていたときのノリで死んで覚えて死んで覚えてレベル上げをしてを繰り返していたら、いつの間にかコメント欄がほとんど動かなくなっていた。

もう少し話題や質問を多くしたり、一つの話題から広げられるようにならないといけないか。現代日本の価値観を前提としたトークにならないよう、おしゃべりを抑えてしまっている自覚がある。そう考えると、魔法使いロールプレイVとしては、あちらの世界の価値観や知識、生活エピソードをもっと仕入れないといけないか。

 

 

「もっとコメントしやすいトークとかできるようにならないとだね」と反省をつぶやいたら、「みんな寝てるだけだと思うよ」と貴重なアクティブリスナーさんが答えてくれた。

 

 

それで気づいたけど、無自覚にもう十二時間近く配信していた。耐久罰ゲームだから時間がかかるのを見越して十七時に配信開始して、今は午前四時半だ。

 

 

「そっか、私はモンスター退治で飲まず食わずの生きるか死ぬかをしてたから余裕だけど、みんなは見てるだけでも眠くなっちゃうか」

 

 

単にそういう事実があるんだろうなと思って言っただけなのに、リスナーには煽りに聞こえたみたいだ。

 

 

〇お、やるか?

●喧嘩か?

〇画面見るだけなのに眠気に負けるザコって?

●ナイちゃんがバケモノなだけ説

 

 

「違う違う普通は十二時間も見てられないよねって!!」

 

 

十二時間以上連続で配信するとアーカイブが途切れるそうなので今回はここまでにして、片づけ終わってからエゴサをしてみると、体力お化けとかバケモノとか戦闘狂とか散々な言われようだった。

こっちの体でも疲れをほとんど感じてないのは予想外だけど、実際に体を動かして戦っていた私からすると、指先だけ動かせばいいゲーム配信は楽勝なのかもしれない。

 

 

ついでにTLを見ていると、所属企業の連絡アプリに通知が来た。

 

 

『十二時間配信余裕なんだって? 耐久コラボしようよ。バケモノ分からせコラボ』

 

 

笹原ロロ先輩。ゲームが上手で長時間配信もする人と言えばうちの企業ではこの人が真っ先に挙がると思う。

 

 

バケモノ分からせコラボって、何!?






4/20 割と大きめの加筆修正
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