彼は、どうしてあんなにも女性たちに囲まれても、全く平然としていられるのだろう?
この社会では、女性はどうしても男性を守るべき存在として見る傾向がある。それが当たり前で、自然なことだと思っていた。けれど、彼は、その枠組みをまるで気にしないかのように、女性たちと接している。
最初に彼を見たとき、少し驚いた。男性は、どうしても女性に対して高圧的だったり、逆に遠慮しがちになるのが普通だと思っていたから。特に、私たち女性が持っている男性は保護対象であるという認識。それを、彼はまったく感じさせない。
彼はその常識をあっさりと壊してしまう。無理に女性に近づくこともなく、むしろ自然体で、まるで対等な存在として接している。それがとても不思議で、私たち女性にとっては、何だか新鮮で、心地よいような気さえする。
女性が男性に対して無意識に守らなければならないと思い込んでしまうのと同じように、彼は、女性に対して一切の偏見や壁を持たない。彼のその自然な姿勢が、逆に私たちの守られたいという感覚を引き起こしてしまう。彼はただ、そこにいるだけなのにその存在が、私たちを引き寄せていくような気がする。
まるで、私たち女性が彼に惹かれていくような感覚だ。どんなふうに接しても、気づけば彼に意識を持っていかれてしまう。その姿勢が、逆に私たちを不安定にさせる。彼が他の女性と話しているのを見ると、胸の奥がざわめき、どうしようもなく落ち着かなくなる。
その自然な振る舞いが、私たちの中にある守らなければならないという気持ちを壊し、私たち女性の心を引き寄せていく。その力が、私たちの心にどんな影響を与えるのか、私はまだ分かりきっていない。彼は、この世界の常識を無意識に壊している。そして、その壊れた常識が、私たちにどんな作用を及ぼすのか、それを見届けるのは、少し怖くもある。
ここ最近は彼が他の女性たちと会話しているのを見るたびに、心がざわめく。彼に対する独占欲と、彼が他の女性に興味を示していることへの嫉妬。その気持ちが、どうしても抑えきれなくなる。
私の内面でじわじわと湧き上がる欲望の火種が、ますます強くなっていることも。抑えようとしても、どこかでその欲求があふれそうで、思わず胸が高鳴るのを感じる。まるで、彼に触れたくて仕方がないかのようなそんな感情が、私を支配し始めていた。
それは、単なる憧れや好奇心なんかじゃない。もっと深いところから沸き上がる、本能的な欲求。
彼の存在を確かめたい、触れたい、誰よりも彼の近くにいたい。そんな衝動が、抑えきれないほどに膨れ上がっていく。
彼の声が、耳に届くだけで意識が持っていかれる。他の女性と話す姿を見るだけで、胸の奥が軋むように痛む。こんな気持ちになるなんて、今まで想像したこともなかった。
自分の中の理性が、かろうじてその感情を押しとどめている。でも、いつかこの均衡が崩れたとき、私はどうなってしまうのだろう? ただの憧れでは済まされない。私の中で燻っているこの感情は、彼に向けて一直線に放たれるものだ。
彼を、誰にも渡したくない、そんな醜い独占欲が、じわじわと私を侵食していく。
こんな感情、認めるわけにはいかない。でも、認めてしまったら最後、私はもう、戻れなくなってしまう気がする。
なら、どうすればいい?
答えは、まだ見つからない。
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