生に恋を死に愛を   作:まえがみ

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美しき出会いに感謝を

私の名前は 朧 鏡夜(おぼろ きょうや)。現代社会の綻びに影響を受け、高校生で裏社会に迷い込み、朧組を創った。そして、私の考えに賛同する者、支持する者、志を同じとする者が数多く集まり、邪魔する奴らを処理することを続けていると、気づけば裏社会最強の極道組織となり、日本の裏社会を支配するまでに至ったことで、力も集つまり私は現代社会の綻びを正しく結び直す方法に一つの結論をつけた。だが、それが本当に正しいのか?という疑問が私の心を乱し続け行動に移せずにいた。

 

 

 そんな私には日課にしていることがある。それは、毎日とある神社に参拝することであり、今日もその日課をこなすべく、神社に向かう。

「今日も暑いな」

 今年は近年まれにみる猛暑が続く夏であり、今日は普段よりも一層気温が高くうだるような暑さで辟易としながら長い階段を登りながら一人ぼやていた。そんな時ふと後ろを振り向くと、違和感のあるが美しくも感じる夕暮れで早々と階段を登り、いつものように神社に参拝へ行くと、誰かが話しかけてきた。

「いらっしゃい」

その『声』は普段は脳に直接響くような響き方だが、今回は境内の方から距離のある響き方に先程の違和感の正体について理解した。

そして、

「ああ、お邪魔するよ」

いつも通りの受け答えで返した。

「そのまま、境内にあがってらっしゃい」

「めずらしいね。というより、初めてじゃないか」

 すると、いつもは閉まっている扉が開き、その奥が見えた時は鏡夜は少し驚いた表情を浮かべた。なぜならそこには美しい龍が居たのだから。しかし、その姿は弱々しく今にも消えてしまいそうな雰囲気があった。その常識を逸した光景に鏡夜は少し呆然としたままに見つめていると、

「来てくださったのですね。感謝します」

その声はとても美しく鈴を転がしたような響きであり、自然といつもの精神性を取り戻すことが出来た。

「これはこれはご丁寧に。私に何か御用でしたか?」

「あら?驚かれないのですね」

「いや、驚いたよ。顔に出ていなかったか?」

「ふふ、言ってみただけです。あなたは毎日この神社に来てくださる唯一の方なので、会話する時の表情を見ているとこちらも分かるものです」

「はは、それは少し私としましては恥ずかしいですね」

照れくさいようで、頬をかいて話していた。

「あらあら、それは初めて見る反応ですね。とてもかわいらしい」

「やめてくれ。あまり言われることのないことをあなたみたいな美しい龍に言われると恥ずかしさの一つもあるよ」

「う、うつくしい龍ですか?」

すると、今度は美しき龍が恥ずかしそうに答えた。

「ああ、生まれて此の方一番美しいと思ったまであるよ」

「えぇ、お世辞もほどほどにお願いします」

「お世辞など私は言わない。知っているだろ?」

と微笑みながら私の本心を答えた。

「ううぅ。これ以上わたくしを苛めないでください」

「それは申し訳ない。初めて対面で会うことが出来たからついつい少しテンションが上がってしまった」

おどけたように答える。

「ごほん。そ、それでは本題をお伝えします」

すると、美しき龍の纏う雰囲気が変わった。

「今やこの神社に参拝する者はあなたのみとなり、信仰心が減り、わたくしは存在をもう保つことが難しくなりました。なので、ここまでずっと参拝してくださったあなたにお礼としてわたくしの最初で最後の祝福である『開花の種』をお渡ししたいと思います」

その瞬間に鏡夜の眼前に虹色に光る種が浮遊していた。

「これがその実?しかし、その前にあなたがいなくなるのは辛いな」

言葉では平然を装っていたが、内心では久々に感じる焦燥感が激しく渦巻いていた。

「そのようなことを最後に言って頂けてわたくしはとても心持で消滅することが出来ますよ。

 では、その実を飲み込んでください。

 それはあなたの性質によった能力を具現化するのです。

 これは、あなたが教えてくださったアニメや漫画のユニークスキルのようなものと似たものです」

そんな鏡夜の心情を見透かした上での、深い覚悟がひしひしと伝わる言葉で告げる。

「畏まりました。頂きます」

そういうと多くは語らず飲み込んだ。

すると、途轍もない眠気とともに視界がかすみだした。

「ありがとうございます。すぐに眠気が来ると思います、こちらに来なさい」

かすむ視界の中、微かに視認できたのは龍の姿からとても美しい女性に変化し、

正座しながら自らの太ももをとんとんと叩いている所であった。

「わかった」

そうして、直ぐに鏡夜は深く眠った。

 

ーーーーーーーーーー

 

(ここは?私は眠ったはず、ならここは夢の中か?)

しかし、その問いに答える者はいなかった。

(確か、俺の性質によって能力を得るだったか?)

そして、自身に強く意識を向けると、

『ーーーーーーー』

どうだ?

すると、突然鏡夜の体から光が発せられたと同時に、

「なるほど、あなたの性質は面白いです。とても興味深いです。

 あっ、申し遅れました種の発芽、誘導のアシスタントプログラムです。長いので『アプロ』とでもお呼びくださいです。短い間ですがよろしく。です」

謎の声が響いてきたが感情が一切感じられない。

「私は朧 鏡夜。どうぞ良しなに」

「これはどうもご丁寧に、鏡夜さん。まず、鏡夜さんには、『独裁者』、『召喚』、『漫遊』、『百鬼夜行』、『福音』の六つが発現しましたです。

これら一つひとつについて説明をいたしましょうか?です」

「あぁ、頼めるのであれば頼みたい。名前だけでは分からない物ばかりなのでな」

「分かりましたです。

ではまず『独裁者』から順に説明いたしますねです。

『独裁者』

これは鏡夜さんに対して屈服した意識ある「もの」すべてを絶対服従として配下にすることが出来ます。

さらに、副次効果として鏡夜さんの力の具現化可能になります。

これは鏡夜さんの実力によって左右されます。

 

『召喚』

特殊で年に一度しか使用できないですが、既に亡くなっている方や架空の存在、

または鏡夜さんの想像した存在など何でも召喚可能です。

ですが、召喚された存在は各々に自我があり、反抗してくる可能性があるので注意が必要です。

ただ、『独裁者』も併用が可能なため屈服させれば絶対服従となります。

そして、副次効果としてなのですが、別次元の生成が可能なり、

自身はもちろんのこと、

暁さんが信頼する者や『独裁者』により屈服させた「もの」を自由に入出させることが可能となります。

では、今からこの次元をつくってもらいます。です」

「どうやればいい?」

「そうですね、そもそもこの空間自体が別次元なので、このように日常的に生活する世界とは別世界があるということを理解することで大事なので暁さんが考える異なる次元、あるいは理想とする世界の「言葉」を唱えて頂ければよろしいかと、一度開いてしまえば暁さんに付随する次元が構築されますのです」

「なるほど」

(私の考える理想の世界か、一人ひとりが夢を持ち、そのためだけに力を使い、何物にも邪魔されない世界、現世では少し離れた価値観の国、可能性に満ち溢れ成長や探求がやまない理想、こんな絵空事のような空間で私の家族が伸び伸びと過ごせる家のような場所でありたい。

 

    『()()()()

 

その瞬間私の中に「なにか」が生まれるのを感じた。

「おめでとうございます。ただいま、次元の構築がされました。中の確認をされますか?です」

「いや、まだいいよ」

「そうですか。では、残りの説明をさせて頂きます、です」

「頼む」

 

「では、続いて、

『漫遊』

存在する“すべて”の場所へ移動可能であり、その移動対象は鏡夜さんはもちろんのこと、鏡夜さんの意志で決定も可能です。

 

『百鬼夜行』

生物として恐れる事象を具現化し、操ることが出来る能力です。

ただ、注意点としてこの具現化にはさせた本人にも影響があるための具現化させた事象に舐められる、

もしくは負ける。

そんなことがあれば鏡夜さんはその事象に飲み込まれ壮絶な死を迎えることになります。

そして、こちらは『召喚』とは違い恐れる事象の恐怖度合いにより強さが変わります。

例えば、静電気はちょっと嫌だで済みますが、地震は生命の危機的なものであり、

具現化の際桁違いな強さの違いがあります。

しかし、その具現化したものを屈服させるとその能力を使えるようになります。

なので、ハイリスク・ハイリターンといえるでしょう。

 

『福音』

条件次第で鏡夜さんの新たな能力の可能性を芽生えさせたり、

芽生えた可能性を昇華し、

能力化することが可能です。

そして、この能力の真価は、鏡夜さんの意志で他者や物にも使用可能という所です。

ですが、条件として真に信用に値する者や相手自身が鏡夜さんを信頼しているかが問われます。

 

これらの能力をどう使うかはあなた次第です。これで私からの説明は以上となります。です」

「ありがとう。大体は把握することができたよ。使い方もね」

「そうですか。では、そろそろ夢から目覚めるでしょうし、最後に聞きたいことはありますか?です」

「特にないな」

「そうですか。それではおわか」

「いや、一つだけあった。アプロ君短い間だったけどありがとう」(また会おう)

「いえいえ、こちらこそありがとうございました。

 これから先暁さんに幸多からんことを、、、そして、願わくば、神龍様にも救いを、、、」

最後だけはとても人間らしい感情が感じられた。

そうして、鏡夜は夢から覚めた。

 

ーーーーーーーーーー

 

目が覚めると俺の頭には柔らかな感触とともに何か懐かしくもあたたかな優しさを感じた。

「目が覚めましたか?」

(美しい声だ)

と体を起こし正面に座り、向き直った。

「ああ、それはもうしっかりと」

「能力の発現は確認できましたか?」

「完璧ではないがある程度は理解できたよ」

「そうですか。ならば安心です。これで悔いなく消滅することが出来ます。」

口ではそういうものの、目、雰囲気、からして何か悔いを残して死ぬ者

特有の気配があることを見逃さなかった。

「では美しき龍よ。最後に私から一つだけよろしいかな?」

「ええ、なんでしょうか?」

「私は私が欲しい物を必ず手に入れるタイプ。だとだけ」

「ふふ、何ですか、それは」

とクスクスと美しく笑う。

(あぁ、私にまだこんな感情が残っていたなんて)

「ははっ、直ぐに分かりますよ」

「そ、そうですか」

ときょとんとした表情で小首をかしげていた。

「本当にあなたは本当に美しい」

「な、なんですかいきなり!」

顔を赤らめながら声を上げる姿も美しい

(今日ばかりはダメだな私は。感情を抑えられない)

「いえいえ、少し最後に本音で意地悪がしてみたくてね」

「もう!やめてくださいよ鏡夜さん!そ、それでは、そろそろわたくしの体も限界ですので」

そういうと体がかすみだしていた。

「さようなら朧 鏡夜さん

 あなたの旅路に幸多からんことを、、、」

「ああ。さようなら」

そういうと光とともに完全に消失した。

「まぁ、そんな簡単には終わらせないがな」

確か『召喚』では何でも召喚可能

強欲な私にはピッタリだな

私は私が欲しいと思ったら必ず手に入れなければ気が済まないものでね

『召喚』

その瞬間本日何度目であるだろうかの眩い光に眼前が覆われた。

 

 

その日、その瞬間に1柱の神が世界から消滅した。

そして、一人の野心家であり、異端者が巨大な力を手にする結果となった。

この2つ事実が今後『あらゆる世界』に大きな影響を与えるものとなるであろう。




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