鏡夜は現在山の麓の最後の鳥居をくぐろうとした。
その時鏡夜は微かな殺気を感じ、発生源に目を向けると大体1kmほど離れたビルの屋上にライフルを構えた人間が見えた。
(久しぶりだな。何かに殺気を向けられるのは)
「ごめんね。ちょっと、飛ぶよ」
「え?、あ、はい」
その瞬間、鏡夜がいた場所を弾丸が通り過ぎて行った。
「ちょっとここで待ってて」
そうして、完全に射線は通らない場所におろした。
「行ってらっしゃいませ」
あまり動揺していないあたり、鏡華も肝が据わっていると言わざるを得ない。
「ありがとう」
そして、死角を通り一気に駆け出すしものの数秒で殺気の位置にたどり着く。
そんな中、暗殺者はいきなりターゲットを見失ったことで少し動揺し、罠にはまる。
それは、家の反射で先程抱えられていた女である鏡華を見つけたことでその周辺を探してしまったのである。
その索敵の間に鏡夜は既に暗殺者の背後に立っていた。
「おい…誰を狙っている?」
その瞬間に強烈な殺気が放たれた。
(うっ、いつの間に?気配が全くなかった、だがな)
振り向きざまに懐のナイフを振りかぶった。
だが、そんなものが鏡夜に当たるはずもなく、簡単に止められた。
しかし、
「へっ、かかったな!」
そう言うと、不審者はナイフの柄の突起を押し、ナイフの先端から極細の針が飛び出した。
ま、それも当たるはずがない。
「はぁ、小細工もありきたりか…おもしろくない。お前何のために生まれたんだ?
もっと頭を使えよ。まぁ、いい」
そう言い、暗殺者の意識を即座に刈り取ったり、後方に声をかけた。
「こいつを組に運んでくれ。後はわかるだろ?賢史」
「了解。このゴミは完璧に処理しますよ」
後ろにはすでに若である城戸賢史が立っていた。
その後に続いて、鏡華と一緒に一条朔も上がってきた。
「ところで鏡夜、こちらの女性は?」
「僕も気になってた~」
二人とも当然の疑問を鏡夜に投げかけた。
「あぁ、今日から私の妻になってくれた」
「ええ、わたくし鏡夜さんから鏡華と名を頂きました。
朧 鏡華です。どうぞよろしくお願いします」
一拍置き、二人が向き合うと、
「「まじですか!?」」
と盛大にツッコミを入れた。
とてもいい驚き方に鏡夜は満足しながら、
「そういうことだ、これからは新しい家族として仲良くしてくれ」
「それは、もちろん」
「鏡夜にぃのお嫁さんを嫌う人なんていないよ!」
二人とも動揺すれども、否定的な印象を持つことは無く。
むしろ歓迎的な態度である。
「だから、帰宅が遅れたのか。
だが、連絡くらいしろよな。みんな心配してたんだぞ」
「それはすまない。私も人生初めてのことでな…」
「何事もなかったし、いいじゃん!」
「ありがとな、朔」
「あたりまえだよ~」
「なんか、俺が悪者みてーじゃねーか」
「仲がよろしいのですね」
その様子を微笑まし気に眺める鏡華に、
「そらぁ、みんな鏡夜に救われてここにいるからな」
「鏡夜にぃのとこ嫌いな僕たちの家族なんていないよ、
状況はみんな違えど境遇は同じだから仲良くなるのはあっという間だったな~
だから安心して!
これからはよろしくね。ねぇさん」
「そうなのですね。早く皆さんにお会いしたいです」
本当に楽しみと言った雰囲気を出す鏡華に朔も
「みんな絶対喜ぶよ」
と人懐っこい笑みで答えた。
「そうだな早く帰るか」
と自然に鏡華へ手を差し出した。
「ええ」
「あれ、僕たちはー」
「やめとけ、あれはもう二人の世界だ。ほら、一緒にこいつ運ぶぞ」
「ええーやだ。こんなゴミ触りたくない」
先程とは打って変わって表情から目の色を変えた、別人のような顔をしていた。
(ほんと、朔は鏡夜と俺たち以外には…)
「じゃあどうやって、」
「これを使うんだ。ほい」
そう言うと、ポケットからスマホを取り出し、
操作すると大きな鳥が2羽飛んできて足で掴むと飛び立ち、
その暗殺者と一緒にあたりと同化した。
「おいおい、あんなものいつ作ったんだよ」
「最近よー。冬真にぃがステルス機能の開発の副産物だってくれたんだ!優しいよね」
「そんなこと聞いてないんだが!報連相しろっていつもいってるだろ?」
「はいはーい」
「こいつ」
「何してんだ?早くいくぞ」
「鏡夜さんあんなもの作れるものなのですか?」
鏡華は本当に驚き、少し口を開けていた。
「ああ、私の家族はね。それぞれの分野において才能が有り過ぎて、
社会からはじかれた者たちだからね。
あんなので驚いてたらきりないよ」
「鏡夜、さっきのやつ知っていたのか?」
「家族が今何しているのか把握するのは親の責任だからね。
当り前だよ。
家族が何が好きで何が嫌いか。
なんでも知っているし、これからも知っていきたいね」
「な、何だよ。気色悪いな…」
「照れ隠しやめなー。嬉しいくせに」
「なんだと!?」
そんな感じで言い合いをする2人を見ていた鏡華が
「ふふ」
「どうしたんだ?」
「いえ。なんだか、暖かくてつい」
「そうか。なら、早く帰ろうか」
「ああ!ちょっと待ってくださいよ~」
その後は何も問題なく帰宅した。
組につき玄関を開けると、
「あっ!やっと帰ってきた!鏡夜にぃおかえり~」
「おかえりなさい。鏡夜兄様」
「ああ、ただいま。莉緒、莉奈」
「待ちくたびれたよ!ご飯できてるし、みんなで食べよ♪」
「食べたいです」
そう、朧組では夜ご飯は組員全員でご飯を取ることが暗黙のルールみたいなものが出来ていた。
これは、鏡夜が決めたのではなく、みんな鏡夜と一緒に食べたくていつの間にか出来ていた。
「そうだな。早く食べようか」
「「うん!」」
「ところで、そっちのめっちゃ綺麗な女の人だれ!?」
「うん、気になってた」
「はじめまして」
「「うつくしすぎる」」
やはり双子だ。性格が真反対でも感情が大きくなる時は言動が一緒になる。
そんな興味津々の表情で鏡夜に聞いた。
「ご飯の時に話すよ。一緒に行こう」
「「うん!楽しみ!!」」
「あぁ、鏡夜。その前にこいつらどうする?」
「えぇ、何こいつ。きたなーい」
「汚いです」
「こいつはボスに向かって発砲したんだー」
「おい!馬鹿!いうな!!」
「あ、やば」
「「ころす」」
さっきとは打って変わって殺戮オーラ全開の表情とオーラを浮かべる双子であった。
「やめとけ、飯がまずくなるぞ?」
「「でも!」」
「やめとけ」
少し圧をかけ、強めに言うと
「「はい、ごめんなさい」」
素直に謝り、抑えた。
「いいよ。私のために怒ってくれてありがとう。でも、こいつは地下のポットに入れるからな」
「「あっ、ならいっか。あそこは地獄だしね」」
「そういうことだ。そいつをここに入れてくれ」
そう言うと、さっきの鳥がゴミ箱のような大きな箱にぶち込んだ。
「これでゴミは無くなった。さぁ、行こう。今日はどんなご飯なのか気になる。鏡花もいこう」
「ええ、行きましょう」
彼女は彼女で倫理観は神の領域のため生物に対して、基本無関心である。
ただ、鏡夜にとって大切な存在かそうでないかの話である。
「やったーいこいこ」
「いきます」
「はぁ」
「はーい」
そうして、6人は居間へと向かった。
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