転生先生、嘯く   作:あまいろ+

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連戦、焦りと罠

 

私は早朝の朝早く、アイたちのいる家屋へと訪れた。

 

なぜならメイドとしてアイの、主人の補佐をするためだ。

 

中に入り朝食の準備を行い、同時にやかんに水を入れ火にかけお湯を沸かす。

 

ティーポットにダージリンの茶葉を入れ、モーニングティーの用意も行う。

 

朝食は食パン。目玉焼きとソーセージ。そしてサラダ。

 

リオ様の時の経験を活かし、栄養バランスのいい朝食を並べると、やかんがボコボコと気泡がはじけ沸騰を知らせた。

 

「少し沸かしすぎましたか。…まぁ皆さんを起こす間に冷めるでしょう」

 

紅茶に沸騰しきったお湯は厳禁。私はお湯が冷めるのを待つ間に、まだ寝ているアイたちを起こすため、リビングに入る。

 

リビングでは皆が仲良く床に布団を並べ、雑魚寝の体制で就寝していた。

 

早速私はアイを起こすために、彼女の寝ているそばに近づく。

 

「ご主人…様…」

 

そこで私は気付く。

 

ここで私がアイをご主人様と言っては、私が正体を知っているとバレてしまうのでは?

 

どうやら彼女たちは先生の正体を隠しているらしい。

 

ならばメイドとして主の意向にそわなければない。

 

……それにご主人様と言うと他のC&Cの方とキャラ被りしてしまう。

 

どうせなら私だけの先生の呼称が欲しい。

 

「……ん?だれ……トキ?」

 

どう呼んだものかと考えていると、私の気配に気付いたアイが目をこすりながら起き始めた。

 

そうですね。アイと、先生と共に長くいれるようにこう呼びましょう。

 

「おはようございます。お目覚めのお時間ですよ。……旦那様」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「ついに始まりました~♪忘れ去られてしまったお祭り!ですがこれから忘れられることはありません。なぜなら、今日この日の盛り上がりが永遠に続くからです!この日の為に磨いた集大成!この場にいる全員に魅せつけてあげましょう!ではアビドス砂祭り開催です!!」

 

ステージの上でノノミがアビドス砂祭りの開催の宣言と同時に、大勢いる観客は待ってましたと言うように大きな歓声をあげる。

 

歓声をあげる観客席の端で便利屋68たちは集まっていた。

 

「フフフ…カヨコからの急な依頼でびっくりしたけど…。やるからには完璧に依頼をこなすわよ。全員配置は頭に入ってるでしょうね?」

 

復活したアビドス砂祭り。カヨコからの連絡で警備の仕事を請けおった私たち便利屋は、久しぶりのアル、ムツキ、カヨコ、ハルカの四人で現場に来ていた。

 

いつもは事務所で各人に指令を飛ばし、現場に出ることも少なくなって来たため、この四人で仕事をするのも珍しくなっている。

 

なのでアルはウキウキで現場に来たのだが。

 

「ごめんアルちゃん、ちょっと静かにしてて?やっぱりイベントでしか出ないグッズはあるよねぇ~…。アヤネちゃんのグッズはすぐに売り切れるから…ここを周って…」

 

「セリカの出番は…中盤と、トリ…か。だったらここまでに仕事は終わらせて…。そしたら結構効率的に動かないとかな」

 

「復活した砂祭り…この盛り上がりの中アル様を…どうにかして布教すればまた新たな信者が……!」

 

全員が依頼とは別のことに思いをはせている中、そのリーダーである陸八魔アルは思った。

 

「………この依頼うまくいくのかしら。」

 

 

「……あちらは始まりましたか。こちらも行きたいところですが」

 

アビドス砂祭りから離れた砂漠の入口。

 

くだんの敵本拠地に突入するためのメンバーがここに集まっているのだが。

 

「なぁモフモフ。アイのやつどこ行ったんだ?」

 

そう声をかけてきたのはC&Cの美甘ネル。

 

ミレニアムに攻撃を仕掛けてきた者の調査と殲滅の為に、C&C総出でやってきていた。

 

「……さぁ。何やら探し物があるとか」

 

「はぁ!?こんなギリギリに探し物ぉ!?」

 

その気持ちはわかる。

 

虎丸とアビドスから借りたヘリ1機。C&Cも私たちもすぐに出発できる。こちらはすでに臨戦態勢だ。

 

「本当に何してるんでしょうか……。あ、来ましたね」

 

「おっせーぞ!!何してんだ!?」

 

砂煙の中から人影が見え、よく目を凝らしてみるとそれは、悠々とこちら歩いて来るアイたちの姿だった。

 

「いや~ごめんごめん。探し物と案内してたら遅れちゃった」

 

「はぁ…。案内って何を…」

 

アイの姿たち。それはアイ、そしてトキの姿。さらに。

 

「……どうも」

 

「風紀委員長……え?何してるんですか?」

 

ゲヘナでなら誰もが恐れる風紀委員長、空崎ヒナだった。

 

「アイに頼まれたのよ。手伝ってほしいって」

 

「あぁん?誰だぁ?」

 

「ん?あぁそっか。ネルとは初対面だっけ。彼女は今回のお助けキャラ!ゲヘナの風紀委員長!空崎ヒナちゃんだ!皆のもの、崇めろ!!」

 

「いや崇めなくてもいいのだけれど……」

 

「ヒナちゃん来てくれてありがとう、マジ感謝!」

 

そう言うとアイは風紀委員長を高い高いして回り始める。

 

振り回されている委員長も「皆見てるからやめて…!」と恥ずかしがっているが、どことなく嬉しそうだ。

 

「あんたが噂のゲヘナの…ね。まあいいか、とにかくこれで全員そろったか?」

 

「お、もう大丈夫。これで全員だよネル」

 

アイは風紀委員長を降ろすと私たちに指示を始める。

 

「じゃぁ作戦通りに、私、ミカ、ヒナ、イロハは虎丸で出発。イロハ、運転頼むよ」

 

「ええ。任せてください」

 

「そして、ネル、アスナ、アカネ、カリン、トキはヘリで空から向かって。トキはヘリの運転出来るからお願いね」

 

「はい。完璧なドライビングテクニックをお見せしましょう」

 

「ヘリ組は向かう際中に、敵がいないかの哨戒をメインで。向こうもこっちを招いてるわけだから道中、ビナー以外に出てこないと思うけど」

 

「わあったよ。ということは……」

 

「うん。ビナーはこっちでなんとかする」

 

「あたしも暴れたかったなぁ」

 

「ネルの出番はちゃんとあるから…。っし、じゃぁ行きますか!」

 

「はい」「おう!」「わかったわ」「承知しました」

 

向かう算段もつき、私たちは虎丸、ヘリと2手に分かれる。

 

「あ、イロハ。これ積み込んでいい?」

 

「何ですか?……ラジカセ?」

 

「そうそうさっき探してたやつ。いやヒマリに占ってもらったんだけど、今日のラッキーアイテムなんだって」

 

「あなた作戦前にラッキーアイテム探してたんですか?」

 

 

 

「……久しぶりだな。元気してたか?」

 

「ネル先輩。ええおかげさまで。ネル先輩に追い出されてからも元気にやっておりますとも」

 

「悪かったよ!?あん時はあたしも、忙しくって雑に追い出ししちまったからな…」

 

「ネル先輩が雑なのはいつものことでは?」

 

「なんだと!?」

 

「それに本当に大丈夫ですよ。……私にはもう旦那様がいらっしゃいますから」

 

「……は?それってどうゆう……おい!……行っちまった」

 

 

「…………え?あいつ結婚したのか?」

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

キュルキュルとキャタピラが回り、戦車が進む。

 

「またゲヘナ増えたーー!」

 

「どうしたんですかお姫様…?またいつものゲヘナ差別?どっちかというとゲヘナ向きの性格のくせに」

 

「ゲヘナ向きじゃないもん!トリニティ向きの性格してる……いやそれはハナコちゃんだけでいいや」

 

「ハナコを真正面から刺すのやめてあげて?」

 

戦車で敵本拠地に向かうさなか、今回のお助けキャラ・ヒナーに文句があるのか車内でミカがギャンギャン騒ぐ。

 

「別に貴女がどう思おうとどうでもいいわ。私はアイに呼ばれただけだから」

 

「なに!?そのすませた態度!?言っとくけどアイちゃんは私の物だからね!」

 

「それちゃんと私の許可取った?」

 

「はぁ…。アイ、この失礼な生徒は誰?」

 

「あーミカとも初対面か…。彼女はトリニティティーパーティーの聖園ミカ。今は一緒に旅してる仲間だよ」

 

「え……?あぁ貴女が聖園ミカなのね」

 

「私のこと知ってるの?」

 

「ええ。先生からたまに話を聞いてたわ」

 

「え!?どんな話?私のことなんて言ってたの!?」

 

「あ……。その……えっと……」

 

「どうしたのヒナちゃん?こんなに言い淀むなんて☆まるで言えないことでもあったのかのようじゃんね☆」

 

「ミカ痛い痛い。私の腕を握りつぶそうとしないで」

 

「……あなたたち。随分と余裕そうですね」

 

私たちがワイワイしてる中、戦車を運転中のイロハが呆れながら言ってくる。

 

「だって本拠地までの砂漠の道中暇だから」

 

「これから戦闘なのに緊張感に欠けますね……。でもそろそろ忙しくなりそうですよ」

 

以前ホシノを救出する際には迂回したりして安全な通路で進んでいたが、今回は装備も移動手段もあるため、まっすぐと本拠地を目指し砂漠をまっすぐに突っ切る。

 

しかしそれには1つ問題がある。

 

「ほら…もう目視で視認できるぐらい近づいてますよ」

 

イロハの言葉を確かめるために私はある物を持って虎丸の搭乗口から頭を出すと、出発した時にはなかった砂嵐が我が身を襲う。

 

それでも注意して戦車の車体の上に乗り上げると、遠くで砂の中を泳ぐかのように移動する鉄の影。

 

デカグラマトンの預言者がビナーが見えた。

 

「……うん。ミカ、ヒナ、出番だよ」

 

戦車の車体を叩き中にいるミカとヒナに合図を送ると、彼女らも搭乗口から出てきて同じように車体の上に乗りあげる。

 

「はぁ…もう出番なのね…」

 

「ぺぺっ!?砂が口の中に入った~!」

 

「緊張感ないなぁ」

 

「「あなたが言わないで」」

 

仲いいじゃん…。

 

「イロハ、運転は任せるよ!できるだけ近づいて!」

 

「無茶言います…ね!」

 

私の言葉に応えるように戦車のスピードがさらにグンと上がる。

 

するとこちらに向かってる私たちの反応に気付いたのか、移動していたビナーが顔をあげ私たちの存在を確認し咆哮をあげた。

 

咆哮をあげたビナーは私たちを撃退するためにミサイルを飛ばす。

 

「ヒナ撃ち落とせる?」

 

「余裕よ」

 

そう言うとヒナは、デストロイヤーを構え銃弾を発射。

 

撃ち落とされたミサイルは爆発し、爆風で戦車が揺れるがそれでも速度を緩めずビナーに向かっていく。

 

「まだですか、アイ!?」

 

ミサイルが撃ち落とされると、ビナーはこちらに口を大きく開けパワーを貯め始める。

 

「いや…もう十分!一気に決めるよ!」

 

「うん準備はできてる」「オッケー☆」

 

私は車体から持ってきたある物…戦車の砲弾に自分の神秘を流し強化する。

 

攻撃のために、ミカは目をつぶって手を合わせて握り、ヒナは姿勢を落とし集中射撃体勢に移行した。

 

「ハイパースターライトキック!!」

 

「流れ星、あなたのために…祈るね」

 

「心を込めて…演奏する!!」

 

 

ダンッ!!ドドドド……!!ドシュウッ!!!

 

 

「…………うっわ。ここまでする必要ありましたか?」

 

私の蹴り放った砲弾はビナーの頭部を貫通、ミカが落とした隕石群がビナーの背に大量に落ち、ヒナが撃ち込んだ開演:イシュ・ボシェテは何度もビナーの胴体を撃ち抜いた。

 

ズズゥン……!!

 

結果。ビナーを熱戦を吐く前に撃破し、ビナーは音をあげ砂煙をまき散らしながら砂漠に沈む。

 

「よっし。これで本拠地まで邪魔をする物はなくなったね」

 

仕事を終え戦車内に戻った私たちにイロハが言う。

 

「もうあなたたちだけで行ってきてくださいよ」

 

寂しいこと言わないでよ……。

 

ちなみにこの後本拠地前で合流したネルにも「本当にあたしたちの出番あんのか?」と言われた。

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「なっがい通路……」

 

ビナーを倒し無事に本拠地に潜入した私たちは今、以前ホシノがとらえられていた部屋まで侵入を果たしていた。

 

以前来た時とほとんど部屋の様子は変わっていなかったがただ1つ、新たに扉が出来ており扉を開くとどこまでも続くような無機質な通路が現れた。

 

「これ本当にこの先にいんのか?」

 

「……大丈夫だよ部長。うん、きっといる」

 

ネルが訝しげに独り言ちるが、アスナが確信めいたように答える。

 

「では私が先陣を務めます。皆さん私についてきてください」

 

トキは自分のアサルトライフルを持ち、残弾を確認すると通路へ進み始めてしまう。

 

「あ!?待てテメェ!?抜け駆けすんな!!」

 

せっかくの獲物を取られるのを阻止する為か、ネルもトキの後を追う。

 

「2人とも行ってしまったな……」

 

「私たちも行くべきでしょう。アイちゃん、ここから先はC&Cが先行します。アイちゃんたちは後ろからついてきてください」

 

 

「戦う相手を間違えたなあっ!!」

 

「各機…撃破……!次へ!」

 

トキ、ネルに続いて通路を進んでいきしばらくすると、大きなシャッターが私たちの前を塞いだ。

 

それを壊して進もうとすると、シャッターがゆっくりと開きだした。

 

除々に開いていくシャッターの奥には……大量のドローンとAMAS。

 

普通なら突然出てきた大量の敵に驚くところだが。

 

「……ここには多少は骨がある機械兵がいるって楽しみにしてたんだがなあ」

 

「……完璧になめられてますね。どうしますかネル先輩」

 

「そんなあたりまえのこといちいち聞くんじゃねぇよ」

 

「ですね。……それでは」

 

「ブッ潰すっ!!」「ブッ潰しましょう」

 

流石はC&C。このぐらいの雑兵はなんのその。

 

ちぎっては投げ、ちぎっては投げ。文字通り破壊されたドローンやAMASの部品がこちらへ飛んでくる勢いで突き進んでいく。

 

「……ヒナ、最近風紀委員会の調子どう?」

 

「え?……そうね。おかげさまで後輩たちが順調に育ってきているわ」

 

「アイ、あまりにも暇だからって世間話を始めるのをやめてください」

 

C&Cを除く私たちが特にやることなくついていくと、微かなピアノの音が聞こえてくる。

 

私たちの向かう先を見るとまだ遠いが、この無機質な通路に不釣り合いな大きく木でできた扉が見えた。

 

「はっ!やっとお出ましかあっ!!」

 

出てきたドローンたちを全て片付けた私たち(ほぼネルとトキ)はピアノの音がだんだんと大きくなっていく通路を進み、ついに木の扉までたどり着いた。

 

「皆さん離れてください」

 

扉を破壊すべくアカネがC4を設置し、扉を爆破し破壊する。

 

扉を破壊すると、耳にダイレクトに入ってくるピアノの音。

 

燭台の明かりで、照らされるステージ。

 

ステージ脇には数多の聖歌隊。

 

それを指揮るように人工天使、グレゴリオがこちらを見下ろしていた。

 

「これがアイの言っていた……?」

 

「グレゴリオってやつなの?」

 

「そうだね。こいつがミレニアムのMDの原因、グレゴリオだよ」

 

イロハとミカの質問に私は肯定すべく答える。

 

全員がグレゴリオを倒すために戦闘態勢をとる。

 

……ただ1人、ネルを除いて。

 

「リーダー、どうしたの?」

 

いつもなら意の1番に飛び出すネルを不審がってアスナが聞く。

 

「……長かったなぁ」

 

敵を目の前にしてぼんやりするネルは珍しい…どうしたのだろうか?

 

「本当に長かったなぁ。ミレニアムのMDの対処。それとは関係ねぇバカ共の起こす事件。リオのふざけた無茶ぶり。そして…セイアからのトリニティへの呼び出し。…………ほんっっっっとうに長かったなぁッッ!!!」

 

「あ、まずい。全員後ろ下がって」

 

私はすぐさまネルの異変を見抜き、全員後ろへ避難させる。

 

「それもこれも……テメェをブッ倒しゃ終わるんだよなぁッ!!!」

 

ネルの溜まったストレスによる威圧。

 

あまりにも激しいネルの気迫にグレゴリオも聖歌隊も一瞬演奏を止める。

 

「アイ……。あいつの後ろに先に続く扉あんだろ?ここはあたしらが何とかする。だから先に行け」

 

「……うっす」

 

「あとトキ。オメェもだ。アイと一緒に行け」

 

「ですがネル先輩。全員で戦ったほうが……」

 

「あ、こらトキ……」

 

「うぜぇっ!!!あたしはそろそろゆっくり!!!ひっそり!!!暴れてぇんだよ!!!」

 

「……あの…ネル先輩もこう言ってるので、先に行ってください。トキちゃんもアイちゃんをよろしくお願いしますね」

 

「おっけ。……心配する必要もないかもだけど、頑張って?」

 

「はははっ!!わかってんじゃねぇか、アイ!!そうだ…黙ってあたしたちに任せときなっ!!」

 

アカネに促され私たちは先に続く扉へと、グレゴリオを避けながら進む。

 

当然グレゴリオはそれを許さず邪魔をしに来るが、それをすさまじい勢いの銃弾の嵐が制した。

 

「おいおい…。間違えんじゃねぇよ。敵はこっちだ。……行くぞテメェら!!」

 

「ふふっ」「お任せください」「殲滅する」

 

 

「コールサインダブルオー、……掃除を始める!!」

 

 

ネルのおかげで先に進めた私たちは通路の先へと急ぐ。

 

「鮫みたいな人でしたね」

 

「アイちゃん置いてきちゃってよかったの?」

 

「大丈夫だよ。多分邪魔したらもっと酷いことになるだろうし……。それに戦闘面で彼女ほど頼りになる生徒はそうはいないしね」

 

「そう…。アイが言うなら問題ないのでしょうね」

 

最初は不安がっていたが、私が言うならとみんな納得してくれる。

 

「いえ…納得できません」

 

しかしトキだけは不満げな顔をしていた。

 

「えぇ……トキもネルの力は十分知ってるでしょ?同じC&Cなんだし」

 

「いえ、そうではなく。……戦闘面でも頼りになるメイドは私が1番です」

 

「あ、そっち?」

 

「なのでこれからは私が先頭になって皆さんをお守りします」

 

「まってまって……」

 

トキはまたもや先に行こうとずんずんと歩き出す。

 

私は戦闘続きのトキを心配し止める。

 

「トキさん、待ってください。…ほら水でも飲んで落ち着いてください」

 

「私は落ち着いています、イロハ」

 

トキの様子を見てイロハも同じ気持ちだったのか水筒を持ってこっちに近づいた。

 

その時。

 

パカっ

 

「「「え???」」」

 

突如床が開き、私たちは下に落ちてゆく。

 

「アイちゃん!?」「アイ!?」

 

私たち3人が落ちていく際中、ミカのヒナの声を最後に、突如開いた床がだんだんと閉まっていくのを感じた。

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

「ど…どうしよう…アイちゃんが…」

 

「……起きてしまったことはしょうがないわ。こっちでも下に降りる階段を探しましょう」

 

「……っ!わかってるよ!」

 

ほんと最悪!せっかくまた先生の役に立てると思ったのに!

 

しかもゲヘナの生徒と一緒……。

 

見た目は小っちゃくて可愛いんだけどなぁ。

 

あんまり表情が変わんないとことかセイアちゃんみたいで嫌なのかも。

 

「まぁこちらもゆっくりはしていられないかもね」

 

「え?」

 

ヒナちゃんの言葉を聞いて前を見てみると、奥から淡く青く光る機械兵達がこっちに行進してきている。

 

「うわぁ…今からあれを相手しないと行けないの~?めんどくさいなぁ」

 

「はぁ本当に面倒くさいわ……」

 

「でもあれって多分だけど、アイちゃんが言っていたケセドの兵隊だよね?」

 

「ええ。私も事前に資料で貰ってたけど情報通りね」

 

「じゃぁこの先にケセドってのがいるのかな☆」

 

「そうね。とりあえずそれを倒してからアイを探しましょう」

 

そうと決まったら、よ~しパパッとスクラップにしちゃうぞ~☆

 

私はぶんぶんと腕を回しながら機械兵に向かっていった。

 

「元気がいいのね。それにしてもあのメイド。……なんであんなに焦っていたのかしら」

 

 

「いたた……」

 

「抱えてもらってすみません……。怪我はありませんかアイ?」

 

「大丈夫だよ。トキも平気?」

 

「……ええ問題ありません」

 

突然の落とし穴に落ちた私は、空中でイロハとトキを抱え、2人が怪我しないように下敷きになるように落下した。

 

ゲヘナの地下でも思ったが、この丈夫な身体に感謝だ。

 

「守っていただいてありがとうございます旦那様」

 

トキはすぐさま立ち上がると恭しく私に頭を下げる。

 

「気にしないで。この通り怪我もないし」

 

「ですが……」

 

「はいはい。先に行くよ」

 

私も立ち上がりトキの横を通り過ぎる際に、軽く彼女の頭を撫でる。

 

「お待ちください。私が前を進みます」

 

「……じゃぁ任せようかな」

 

落ちる前とは違って薄暗くなった通路を私たちはトキを先頭にして歩き出す。

 

不思議なことにC&Cといた時のような敵襲はなく、すいすいと進むことが出来あっという間に新たな扉の前に出ることができた。

 

「この先は何があるんでしょうか?」

 

「進んでみるしかないね」

 

「……では開きます」

 

トキが警戒しながら扉を開けるとそこは、広く天高い天井、多くのディスプレイにあふれた広間。

 

床には資料が散乱し、機械のパーツのようなものまで散らばっている。

 

そして、

 

「……待っていましたよ」

 

中央にある手術台を模した椅子にはいくつもの管につながれた人物が身体を倒すように座っていた。

 

「邪魔者もいるようですが、ようやく来ましたか……私の糧になる存在、アイ」

 

その人物は赤い肢体を持つゲマトリア。アリウスと共に打ち倒したはずの人物。

 

ベアトリーチェが腰を降ろしていた。

 




転生先生、嘯く 24話目
ブルアカのMVいいよね
私はノアとRabbit小隊のMVが好き
それとは別にフウカのMVの破壊力が強すぎる
拙き作品ですが、よろしくお願いいたします
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