メダリストはエゴイスト   作:モリブデン42

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ジュニアで一番上手い奴

『福岡パークスFSC 高井原麒乃さん 64.32 現在の順位は1位です』

 

「よ~し!」

「よくやったな、麒乃」

 

 高得点で1位を更新したというのに、麒乃は相変わらず緩い雰囲気でガッツポーズをとっていた。

 

「いきなりノービスの子に負けちゃうかと思った」

「油断は出来ねぇぞ、バックフリップなきゃ怪しかったし、推薦組の中でも申川りんなは4位・・・ったく今年のノービスはどうなってやがる・・・」

「でも~ジュニアだって負けてないよ?」

「当然だ、今のジュニアも魔境というに相応しい」

 

 布袋野は神妙な顔で呟いた。

 

「お前もその一角だがな、紅熊寧々子に、烏羽ダリア、それに・・・岡崎いるかがいる」

「だよね~負けてられないな~」

 

 呑気に言う麒乃だがその目には明らかに闘志が宿っている。

 普段は表に出ないギラギラとして感情。

 まだ見せてことはない。

 

「終わりましたか・・・お二人とも」

 

 キスクラを降りた先では美鋒が待ち構えていた。

 

「えっと・・・美鋒さん?」

「あれほど言ったのに、また荒い跳び方をしましたね?体が丈夫と言っても限度はあるんですよ?」

「え~今から説教?勘弁してくださいよ~」

 

 

 

 

 

「なるほど、これがジュニアの実力という訳ですか」

「ま、麒乃は勿論上澄みだがな」

 

 圧力ある麒乃の演技に気圧されるように唯は嘆息する。

 その様子を見ているかがヘラりと笑った。

 

「はは、気負ってんのはお前の方じゃん」

「まさか、私は冷静に判断してるだけで・・・むしろ十分勝ちうると考えましたよ」

 

 すると唯は何かを思い出したように、いるかの方を向いた。

 

「そういえば、いるかさん。さっきもし高井原選手の秘訣がセンスなら一番上手い奴だって判断するって言ってましたよね?」

「ああ、まあそうだな」

「じゃあ、いるかさんの思うジュニアで一番上手い選手って誰なんですか?」

「え・・・あぁそうだなぁ」

 

 少し考えているかが口を開くタイミングだった。

 

「おもろい話しとるやん」

「あ?寧々子」

「うちも混ぜてぇーや」

「お前、そろそろ出番だろ?何でこんな所いるんだよ」

「あんなん見たら落ち着いてらんなくて・・・ちょっとぶらぶらしとる」

「あんなん?」

「麒乃も相変わらず凄かったけど、その前のも見たでしょ!?あのバックフリップ!」

 

 唯は少し意外そうに瞠目した。

 いるかは「ああ」と納得したようにはにかんでいた。

 

「いや、やるなよ?世界ジュニア選抜かかってんだからな」

「やらないけど!やっぱロマンじゃん!」

「お前は肯定派なのか」

 

 りんなのバックフリップ、あの瞬間は衝撃であらゆる感想をかっさらっていったが冷静になると賛否が分かれるだろう。

 

「岡崎は否定派なのか?」

「否定派っつーか・・・自分がやることはないな。リスク背負って減点とかクソだろ」

「だからいいんじゃん」

 

 恐らく感覚タイプのさらに一部にしか分からない感性なのだろう。

 

「そんなことよりさっきの話でしょ!ジュニアで一番上手い奴だっけ?」

「そんな話してたな」

 

 寧々子は唯の方に向くと、肩を組んでうんうんと頷いた。

 

「分かる分かる、そういう肩書きとかやっぱかっこいいし、無粋と言えどあえて決めたくなるが人情ってもんだよな」

「はあ」

 

 あまり話したことのない寧々子の距離の詰め方に唯が戸惑う。

 

「麒乃が一番強い奴ってのは超同意!んで一番上手い奴ってなると・・・やっぱ烏羽じゃないかな!」

「烏羽選手ですか・・・」

 

 そもそもあまり演技を見たことがない。さらに先ほどと違って見た目からピンとくるものでもなかった。

 

「そそ、烏羽はさ・・・やっぱジャンプが超繊細なんよ!加えて滅茶苦茶ストイック。そりゃ上手くなるってもんよ」

「はあ」

 

 言っていることは分かる。しかし先ほどまでのいるかの解説を聞いていた身としてはいまいち説得力に欠けていた。

 

「探したぞ寧々子」

 

 ぬっと出てきたニット帽をかぶった男に唯がビクリと体を震わせる。

 

「すまん、驚かしたか」

「確か・・・亀金谷コーチ・・・いえ私の方が失礼でした」

 

 現れたのは蓮華茶FSCヘッドコーチの亀金谷だった。

 

「どうしたん?コーチ」

「どうしたんって・・・もう準備時間なのに戻ってこないから探しに来たんや」

「えっもうそんな時間!やばいじゃん!」

 

 慌てたように寧々子は走り出す。

 

「じゃあな2人とも!」

「走るな」

 

 急に来たこと思えば慌ただしく帰っていった。

 唯が目を丸くしているといるかがその目を見つめてぽつりと呟いた。

 

「紅熊寧々子」

「え?」

「あれこそ私がジュニアで一番上手いと思うやつだ」

 

 

 

 

 

 寧々子がリンクの上に現れると大きな歓声に包まれた。

 彼女はそれに手を振りながら笑って中心に向かう。

 中心に向かうほど、その笑顔は華かになっていった。

 

「ああ、楽しみ」

 

 全日本ジュニア、日本のジュニア選手で一番を決める大舞台だ。

 加えてそれ以上の意味がこの大会にはある。

 まず世界ジュニアへの推薦者を決める指標になる。

 今回の大会を終えると来年にはジュニアラストイヤーとなる。ここらで大きな結果を残しておきたいところだ。

 さらにここでの優秀者はシニア大会への推薦をもらえる。

 周りよりも速く、次のステージに挑戦できることはそれだけ挑戦の場を設けられることと同義だ。

 そんな大事な意味がある大会だからこそ、誰もが緊張するし。奮い立たせながら気負ってしまうのだ。

 

 だが、どうだろう。

 

 今氷の上に立った彼女にそんな気負いは一切見られない。

 

 ただ広くてき綺麗なリンクを見て嬉しそうに笑顔をみせるだけだ。

 それは虚勢でもはったりでもない。

 本当にただ目の前のスケートを楽しむことしか考えていない。

 

 音楽に合わせて目を輝かせながら滑りだす。

 

 一歩

 

 その静止した状態からの足踏みでグンと推進力を得ていた。

 何気なく、軽く、事もなげに。

 速いというより身軽と形容できそうなそれは彼女が複雑な動きを体現するからだろうか。

 

 体を振りながら、細やかにステップを踏むその様は氷の上の妖精のようだ。

 簡単そうにするが凄まじい緩急のある動きだ。普通にやろうとすればまず体がついていかない。

 だが彼女は容易くそれを行っているように見える。

 実際、それは彼女にとっては難しいことではなかった。

 できるからやる。

 それが紅熊寧々子なのだ。

 

 

 

 

 

「まあ・・・確かに上手いですね」

 

 唯はいるかが言う上手いとはこの体を動かすセンスのことだと思った。

 確かにやってやれない動きではないが、彼女ほど容易くできるかと言われればそうでもなかった。

 

「ん~そうなんだけど、私の言う上手いってのは才能の使い方のことなんだよな」

「才能の使い方?」

 

 いるか柵にもたれかかりながら両手で一本ずつ指を突き出し、くいっと曲げた。

 

「さっきの麒乃の話に続けるなら、体質がとことんスケートに向かなかった麒乃に比べて、寧々子は誰よりもスケート向きの体をしてるんだ」

 

 唯は階下の寧々子をじっと見つめた。

 

「まず小柄、もう高2だってのにその体躯はノービス選手と変わらない。今後どうなるかしんないけどこれがまず結構な強み」

 

 麒乃の話に照らし合わせるとやはり身長が伸びるほどジャンプは跳び難くなり、怪我も多くなる。なら逆に背が小さいほど身軽でジャンプに有利だといえる。

 

「ただ小柄な訳じゃない。あいつには天性のバネが備わっている」

 

 身体的なアドバンテージは他にもあった。

 

「バネってのはようは筋が伸縮する力なんだがスケートのジャンプは勿論それだけじゃ足りない」

 

 いるかは腰を落としてジャンプの姿勢をとる。

 

「ジャンプってのは全身運動だ。足の力だけでは跳べない。高く跳ぶコツは重心を落とした時の地面からの反動を活かして、その動きに全身を乗せること。つまり予備動作が重要になってくる。それを私は頭で理解して体の動きを分解してようやく実感できた・・・が、あいつはそれを考えるまでもなくやっていた」

「才能の使い方っていうのはそういう・・・」

「そう、才能があってもそれを使えなきゃ意味がない。あいつの体は素質の塊だ。小柄な癖に密度の高い筋肉。緩急を切り替える動作感覚。複雑な振り付けを的確にこなすセンス。あいつは自分の恵まれた素質を十全に発揮する。何が怖いってあいつがそこまで考えずに『勘でやったらできた』なんて言い出すところだ」

 

 リンクの上では寧々子が足を挙げて、その片足をブンブンと振り回すというなんともアクロバティックな動きをしている。

 容易く行っているそれは一歩間違えばバランスを崩してこけるリスクのあるものだ。振り付けの一環でやっていいことではない。

 

「まさに麒乃とは対極的、寧々子の才能はジュニアでナンバーワンと言ってもいいと思う。そしてその才能を誰よりも上手く使う」

 

 感覚的な話だが、仮に数値的には高い能力を持っていたとしてもそれを活かせるかどうかは本人のセンスに依存する。

 小柄には小柄の、巨体には巨体の体の使い方があるようなものだ。

 能力を見極めて正しく使わなければ実力は発揮されない。

 それを彼女は感覚だけで見極める。

 それを敢えて言葉にするなら上手いというほかないだろう。

 

「どんだけバイタリティ高いんだよって話だ。ありゃ知らないうちに人の心折ってるタイプだな」

「紅熊選手は何を考えてスケートしてるんでしょうか?」

「あ~なんつーか根っからの感覚タイプだからな。多分何も考えてないと思う」

「それでよく勝てますよね」

「何も考えてないっていうか、自然体こそ最高の状態って感じの奴なんだよ、多分」

「なるほど・・・そう言われると納得するものがありますね」

 

 案外それが真理なのかもしれない。

 スケートで使う筋肉をスケートで磨き、スケートで使う能力をスケートで磨く。

 ただの無意識が彼女の状態をセッティングしていく。だから何もしてないというよりは、何もしていないことで安定する結果につながるのだ。

 誰もが苦心するその過程を無意識で済ませてしまうなら、残るのはスケートを楽しむことだけだ。

 

「知ってるか?あいつ今日午前中はペアの演技出てたんだぜ」

「え!?」

 

 唯は驚き、いるかの方に顔を向けた。

 

「そういう奴なんだよ。シングルの傍ら楽しそうだからって休憩時間にペアの練習してたら、競技者レベルまで上達してましたってほんとクソ笑えない」

「いや・・・やば」

 

 

 

 

 

 

 高く空をかっ跳び、鋭く地面に落ちる。

 

(その感覚こそが私の『衝動』だ)

 

 昔から高いところが好きで、それに勢いもつくとなれば興奮せずにはいられなかった。

 スケートを始めたのはそんな単純な理由だった。

 そして、彼女には才能があった。

 小柄かつ良い筋肉、バネが十全に発揮される筋、ガンガン動いてもついてくる体、複雑動きを正確に捉える動作感覚、傾いても倒れないバランス感覚、高さに怯えない精神、速さについていく心意気。

 そしてそれらを十全に活かせる潜在下でのセンス。

 スケートとはただ楽しいもので、自分はただ滑るためにスケートをしている。

 

(技術とか、理論とか難しいことかんがえなくてもさぁ)

 

 高速ターンを入れながら、速度を上げる。

 その終わり際に足を組み、体を翻しながら腕を広げると蕾が開いたかのようにステージが華やぐ。

 単なる動作ではない。曲線と螺旋を視覚的に取り入れた魅せる演技だ。

 それを理屈ではなく、この方が良いと感覚でやっているのが寧々子だ。

 

(思ったことをそのままやるだけのことでしょ?)

 

 彼女の強さはただの動作能力ではない。

 そのバイタリティや身体能力に目が行くため、誤認してしまう。本人すら気づいていないその才能。

 ただひとり、いるかだけが見抜いている能力。

 

 速度を上げて滑る中で、寧々子の体が微かに揺らぐ。

 それがまるで風に薙ぐ桜の木のように風情を生む。

 

 隠された寧々子の才能、それがインスピレーションの現実化だった。

 多くの者が彼女を見て最初に思い浮かぶのがジャンプだ。

 その身軽さと圧倒的身体能力から生まれるジャンプは新しい風を観客に吹き込む。

 しかし、表現技術も卓越している。それに気づくのは幾人だろうか。

 

 体の動きからイメージを映像的にぶつける技術が彼女にはあった。

 自分の中にあるインスピレーションを体現するとはそういうことだ。

 

(リンクが、氷が、風が、音楽が、私にイメージをぶち込んでくる!)

 

 エネルギー渦巻く世界の中、その勢いに任せて彼女は駆け出す。

 

(あらゆる要素が私の背中を押す!)

 

 正面から風を受けながら、その抵抗を押し返すように彼女の体は加速した。

 ギュルン、と音が鳴りそうなほど彼女の体が捻る。

 その反動を活かすように右足を踏みしめる。

 小さな身に莫大な推進力を得ながら、彼女は跳び上がる。

 

 2回転アクセル 着氷

 

(これだ・・・この『感覚』だ・・・!)

 

 風に歓喜する。重力に歓喜する。衝撃に歓喜する。

 

 勿論彼女がジャンプを得意とすることは言うまでもないことだ。

 彼女の精神と肉体の全てがジャンプに向いている。

 

 まさしく、スケートの愛し子。

 

 表現演技、ジャンプ、スケーティング、そのすべてを生まれ持った才能だけでコンプリートしてきた空前絶後の『天才』。

 それが彼女だ。

 

 ただ喜びだけをスケートに見出す彼女の高揚は留まるところを知らない。

 

 体を一押し、それだけで氷を割きそうなほど速くブレードが滑走した。

 残像のように世界がぶれていく。風が体にまとわりつく。

 その『感覚』を心地よさそうに彼女は全身を広げる。

 風を受ける面積が大きくなると、抵抗が大きくなる。

 その抵抗に身を任せるように、彼女は体を反転させた。その最中に足を交差させて複雑なターンを織り交ぜる。

 反転したらその勢いのままにスピンへと入る。

 小柄ながらも高速回転によって、その迫力は他選手に引けを取らない。

 

「プハッ」

 

 息を吐きながら、スピンから戻る。

 スピンから間を置かずにツイズルを入れる。

 

 それが単なる予備動作に過ぎないことを多くの者が認識した。

 つまり次に来るのはジャンプだ。

 

 そして彼女はその期待通りに動く。

 

(それじゃあ、期待通りに行くよ!)

 

 観客を驚かせるという意味で効果的な方法は予想外のことをすることだ。その行為自体にどれほど意味をもたらすかは人によるが、楽しむことの次にエンターテイナー気質な寧々子ならそういう思考をしても不思議ではない。

 しかし、ことジャンプに関しては寧々子は真っ向勝負だ。

 

 ジャンプをするぞと期待させて、しっかりその目にジャンプを見せつける。

 

 その上でその期待を超える演技をするのだ。

 

 氷を突く感触、この急激な浮遊感もまたジャンプの魅力だ。

 その軽い体を浮かすのに力みはいらない。

 スピードに乗せて、氷を突いて、身を任せる。

 キュルルと、体を巻くと空中で軸が生まれる。

 世界が流れる様子を堪能しながら、重力を感じる。

 

 3回転ルッツ 着氷

 

「高っ」

「ていうか到達点までのスピードどうなってんの?回転もありえんくらい速いって」

 

 高くて、速くて、正確。

 小難しいテクニックではなく、見ただけで分かるパラメーターの高いジャンプだった。

 誰にでも分かる、単純な構成要素。それを突き詰めただけで別物のようになってしまう。

 

(ははっ、楽しいな!)

 

 その中で演技を一番楽しんでる寧々子が輝くような笑みを浮かべる。

 自然な笑みにつられて、観客たちも演技に引き込まれていく。

 

 ステップシークエンス、事細かに決まられたそのエレメンツですら寧々子は楽しそうだった。

 

(ターンは敢えて体を寝かして、ふんわりと起き上がりながら回れば花びらが舞う。ステップは緩急をつけて全身を躍動させれば風がビュンビュン吹く感じ!)

 

「ふわふわ、ビュンビュン、ギュルギュル、ぱっかーん」

 

 擬音を口ずさみながら、演技に彩を付けていく。

 ダイレクトなビジョンの具現化だからこそ、淀みなくその心の内が観客へと伝わる。

 冷たいリンクの上がまるで春が訪れたように日に照らされる。

 

 不安も緊張も気負いもない。彼女は何に縛られることなくただ『自由』だった。

 

 細やかな指使いすら彼女の無意識化で制御された表現だ。

 全身で歓喜を訴える彼女の姿に無粋な混じり気はない。

 

 やりたいことをやりたいようにやる。

 それができる才能と実力。

 

 それを目の当たりにするほど観客の意識が寧々子に集中していく。

 会場のボルテージが高まっていることを彼女も自覚していた。

 

(そっかぁ・・・ならみんなでこの楽しみを共有しようか!)

 

 それに合わせて自身も高揚している。

 彼女のもたらした表現が世界を作り、それを会場中が同時に知覚するシンクロニティ。

 

 トウを突く位置は『感覚』だ。考えなくても体が覚えている。

 体が回りながら巻き込まれる風を抱え、それが自分を持ち上げる様な不思議な推進力。

 そしてその風を解き放つように体を開いて着地。

 その右足の感触が残っているうちに左足が氷を突いた。

 その振動と視界のブレの中で確かに感じる空気の冷たさ。

 

 その小さな身がシュルと空気を切る音が聞こえた。

 氷に着いた音はどこか軽かった。

 

 才能が蹂躙する。

 

 3回転フリップ+3回転トウループ 着氷

 

 歓声が鳴り響く。

 技術的な凄さは言うまでもないことだ。

 しかし今ここにおいて、そこに言及する者は多くはない。

 誰もが寧々子の楽しさに共感していた。

 打算も作戦もない。

 ただ彼女のなしたことに惹かれただけだ。

 考えるまでもなく、誰かを惹きつける魔性の『才能』。

 その『才能』を使いこなすが故の『天才』。

 

 ジュニアいちの天才児。

 

 ジュニアで一番上手い奴。

 

 それが紅熊寧々子だ。

 

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