『マヤノトップガン×マックス』です。自分でもかなり攻めたと思います。ただマックスだけだと間違いなく書けないので、実質『マヤノトップガン×雷門サッカー部』です。
あと、今回はかなり独自設定、独自解釈出てきます。具体的には、
・雷門中にウマ娘専用のトラックがある
・マヤノが1年生として雷門中に所属している(後々トレセン学園に編入)
・風丸と鬼道がウマ娘への知識を多く持ってる
こんな所ですかね。それでは本編へどうぞ。
追記
すいません、めちゃくちゃ長くなりそうなんで、前・中・後編の3つに分けることにしました。無計画で申し訳ない…。必ず最後まで書き切るつもりではありますので、中編を読んで、後編をお待ち下さい。
「と、言うわけで、この子が今日サッカー部を体験してみたいって来てくれた──」
「マヤノトップガンだよ!マヤかマヤノって呼んでね!みんな、よろしくねー!」
「なんか、めちゃくちゃ明るい奴でやんすね…」
「きゃー、可愛い!わたし、音無って言うの!よろしくね、マヤちゃん!」
「おいおい、こんなウマ娘連れてきて、ホントに真面目にサッカーやれるのかよ?」
「ふうん、マヤノトップガンねえ…」
キャプテンが連れてきた、オレンジ色の髪が目立つウマ娘、マヤノトップガン。天真爛漫と言える様子の彼女にサッカー部のみんなが三者三様の反応を見せる中、ボクの内心はどちらかと言うと好意的な物だった。
(ボクと同じ、何でも出来るタイプって噂のウマ娘。どんな物か、見てみたいかな)
ボク、松野空助は、いわゆる器用万能ってやつをウリにして、今まで学校中のいろんな部活に助っ人として一時的に入る、っていうのを繰り返す日々を過ごしてた。そして、帝国学園との練習試合の時に雷門サッカー部キャプテンの円堂から助っ人を頼まれて、サッカー部に入る事にしたんだけど、これが楽しくて、気がつけばフットボールフロンティアが終わっても、エイリア学園との戦いが終わっても、円堂たちの世界への挑戦が終わっても、ボクはサッカー部に入部したままだった。…まあ、エイリア学園が来た時はずっとケガで入院してたし、その後自分達が円堂と戦うことになっちゃったんだけどね。とにかく、そんなボクにとって、現在様々な部活を転々と体験しているらしい目の前の彼女は、シンパシーを感じる存在だった。
「マヤノトップガンか、噂は聞いたことあるぜ。確か、色々な走り方が出来る凄い才能を持ったウマ娘なんだろ?」
「様々な脚質に対応する変幻自在の素質を持った、将来有望なウマ娘。トレセン学園に行かないのが不思議な位の存在だとは聞いた事があるな」
「えっ、そうなんですか?」
「へー、マヤそんなに有名人だったんだ!あ、トレセン学園には来年から転入するから、安心していいよ!」
「あれ、そうなの?じゃあ、なんで俺達の所に来たんだ?」
風丸と鬼道のマヤノの評価と、マヤノからトレセン学園に入る事が確定していることを聞くと、半田から、そんな疑問の声が飛んできた。確かにトレセン学園に入る事が確定しているのなら、そこへの準備に集中していてもおかしくない。そんな彼女が、なぜ今様々な部活を回って、ボクたちの所に来たのか。そんな疑問に対する答えは、すぐに述べられた。
「んー、『ワクワクする物』がレース以外にあるか見てみたかったから、かな?」
「ワクワクする物だと?」
「うん、先生から、トレセン学園に行く前にこの学校で精一杯思い出を作って行きなさいって言われたから、だったら今まで体験したことないスポーツをやってみようかなって。それで、フットボールフロンティアって大会に優勝したサッカー部なら、マヤもすっごく楽しくなれるんじゃないかなって思ったの!」
「そうか!それなら大歓迎だぜ、マヤノ!お前もオレたちと一緒に、サッカーやろうぜ!」
「ま、キャプテンが歓迎してるなら拒む理由も無いよね。それじゃ、ボクたちのサッカー、じっくり見てってよ。あ、ボクは松野空助。マックスって呼んでいいよ」
「やったー!よろしくね、マックスちゃん!」
「まっ、マックスちゃん…。ククッ…」
という感じで、マヤノのサッカー部体験はすんなりと話が進み、今日から少しの間マヤノとサッカーをやることになった。…あと、土門、キミが笑ったのバッチリ聞こえたからね。次の練習の時、パス強くだしてやろ。
「そう言えば、マックスちゃんの帽子、すっごいカワイイ!ねえねえ、マヤもそれつけてみていーい?」
「えっ、帽子?いやまあ、スペアならあるから、それ貸してもいいけど…」
「良いの?わ~い!マックスちゃん大好き!」
「え?って、うわぁ!?」
「す、すげえ大胆なやつ…!あいつ、ホントにオレたちと同じ1年かよ…!?」
「あ、あはは…。元気だね、マヤノちゃん…」
…ホント、元気が有り余ってるやつだなあ。
「あ、そうだ!マヤにサッカーさせてくれるんだから、マヤも何か返さなくちゃ!そうじゃないと、オトナっぽくないよね!」
そんなやり取りを続けていると、マヤノからお礼の提案があった。
「返す?何するつもりなのさ、マヤノ」
「うーん…。そうだ!マヤの走りをみんなに見せるっていうのはどう?」
どうやらマヤノは、思ったより礼儀はあるみたいで、自分の噂の元となった走りをボクたちに見せようと提案してきた。確かに、マヤノの走りが本当にスゴイって言うなら、案外いい刺激になるかもしれない。
「へえ。なら、俺は見てみたいかな、お前の走り。良いだろ?円堂、皆」
「ああ。彼女の走りも、見て損することはないはずだ」
「おう!それじゃあオレたちに見せてくれよ、マヤノのすごい走り!」
「アイ・コピー!それじゃあ準備してくるから、ちょっと待っててねー!」
「……こ、こぴー?」
「…アメリカの航空機で使う、了解を意味する無線用語だったはずだ。彼女の親はその辺りの関係者だったのか?」
「準備完了!それじゃ見ててね、マヤの走り!みんな夢中にさせちゃうよ!」
「お手並み拝見ってとこだね。どんな走りか見せてもらおっかな」
あれからマヤノがジャージに着替えて来たあと、ボクたちは校内にあるウマ娘専用の練習トラックに向かった。中等部の途中からの編入や、高等部からの入学を考える子、単純にトレセン学園に行かない子の為に建設、整備された、中ぐらいの大きさの練習場。流石に中央の方には全然敵わないけど、ある程度整備された練習場だ。…エイリア学園に破壊された校舎を数ヶ月で再建した時から思ったけど、この学校、財政やばくない?
「距離はそっちで決めてもらって構わない。オレ達はお前の走りについての噂が本当かどうか、確かめてみたいだけだからな」
「じゃあ2000mにしちゃうね!この距離が今のマヤ向きみたいだから!」
「中距離か、1番重賞の多い距離だったはずだ。ライバルも多くなりそうだぞ」
「そいつらと張り合えるかどうか、オレ達が確かめてやるって事だな」
「ボク達がトレーナーやるわけじゃないけどねー」
そんな事を駄弁ってる横で、マヤノは準備運動を終えてたらしく、いつの間にかスタートラインに立っていた。その横には音無が立っており、タイマーを持ってスタンバイしてた。
「開始の合図とタイム計測は私がやりますから!それじゃマヤちゃん、始めちゃって大丈夫?」
「大丈夫だよー!それじゃあ合図始めちゃって、ユー・コピー?」
「アイ・コピー!」
「楽しそうだな、春奈…」
さっきの鬼道の解説、ちゃんと聞いてたんだ。
「それじゃ、始めますよー!位置について、よーい……スタート!」
音無の合図と共に、マヤノは駆け出し始めた。スタートダッシュは順調だったようで、その後のマヤノのスピードはどんどん加速していった。
「すっげぇ…!やっぱりウマ娘って速いですね!」
「ああ!しかもあいつの速さ、相当だ。あんな速さのウマ娘を実際に見るのは初めてだ!なあ鬼道、今のあいつの走り方って多分…」
「ああ、お前の想像通り先行で合ってるだろう、風丸。逃げほどではないが、一定のスピードを維持している。一般的な先行のイメージと当てはまる走り方だ」
「へえ、そうなのか。風丸に鬼道も良く知ってるな?」
「そりゃあ円堂、俺、元陸上部だからな。同じ陸上の競技のレースにも興味あったから、知識だけは付けてたさ」
「オレも、鬼道財閥に連なる会社の中に、ウマ娘向けの製品に関わる会社があったからな。財閥の御曹司としての帝王学の中で、彼女達の事についても学ぶ必要があったんだ」
「だから二人とも詳しいわけか。オレもウマ娘の身体構造なんかは本で読んだことはあるが、レースとかの詳しいことは良く知らなかったんだ。だから、参考になるよ」
「そっか、豪炎寺の父ちゃんって、医者だもんな。…それにしても、サッカーの話、全然してないような…」
「ウマ娘の話ばっかりしてたもん、しょうがないでしょ。──っと、帰ってきたみたいだよ、マヤノ」
ボク達が色々話している間に、マヤノは目印のゴール板の近くまで来ていた。猛スピードを維持したままゴール板を通り過ぎると、減速しながら、笑顔で体をこちらに向けてきた。
「とうちゃーく!ねえねえ、マヤの走り、ちゃんと見てた?」
「おう!ホントにすげえ走りだったな!」
「中央に行けるのも納得だな。なあ、その走り、どうやって身につけたんだ?」
「え?……うーん、なんとなく、かな?」
「なんとなくだぁ!?お前なあ…」
「でも、マヤ、ホントに分かっちゃうんだよ?『ここでこうしたらどうなるのかなー』とか、『ここはこうするんだろうなー』とか、そういうのすぐに分かっちゃうの」
…なるほど。マヤノって、そういうタイプの天才か。余計に親近感湧いちゃうなあ、そういうの。
「あー、マヤノ、それボク分かるかも。要はマヤノって、何か見たらそれに1番重要なのが何かって、すぐに理解できるタイプでしょ?」
「分かるの!?さっすがマックスちゃん!」
「うん、ボクも一応何でもすぐに出来るってタイプで通してたから、そういうの分かるんだ。マヤノほどじゃないけど、スポーツのコツとか、すぐに掴んじゃうんだよね」
「うんうん!一度やってみると、どうすれば良いかすぐ浮かんでくるの!…でも、すぐに分かっちゃうから、一度出来ると飽きちゃうの」
うわ、こういう所まで似てるんだ…。
「成る程。おそらくマヤノは、動きの一つ一つを瞬時に見極める観察眼と、その動きの意味を瞬時に理解する洞察力に優れたウマ娘なんだろう。それこそマックスと同じ、天才肌気質のタイプだ」
「へえ、そりゃ確かにマヤノが変幻自在の脚質持ちって言われる訳だ。どっかで見たレースのウマ娘の走り方も、大体真似できるかもしれないってことだもんな」
「うん!土門ちゃんの言う通り、走り方なら大体分かるよ!いろんなレース見てきて、キラキラしてた娘の走り方ってどんな感じだったかなーって思い出しながらやってみたら、みんな出来ちゃった!あ、次は他の走り方見せちゃおうかな?」
「土門ちゃんって、オレもちゃん付けか…」
「いや、今日はもう走るのは辞めておけ。練習とはいえ、既に本気に近い走りをしている。これ以上行えば、確実に次のサッカー体験に影響を及ぼすだろう。そろそろ一度休憩して、体験に移るべきだ」
「あ、それもそっか。よーし、それじゃあ休憩したら、マヤちんサッカーに大はっし〜ん!」
「よし!それじゃあ休憩終わったら、次はオレたちのサッカーだ!マヤノにサッカーのワクワクってやつを、教えてやろうぜ!」
「「「おーっ!」」」
そんな訳で、マヤノが少しの間休憩を取ったあと、ボク達とサッカー体験をすることに決まった。土門、ちょっとショック受けてたな。パス強く撃つのは無しにしてあげよう。…ちなみに休憩中もマヤノにみんなが振り回されてた。主に1年が。
「わぁ〜!宍戸ちゃんのアフロヘアーおもしろーい!どうやってるの〜?」
「うわ!急にもみくちゃにするなよ〜!?」
「ねえねえ少ちん!カンフーも出来るってホント?見せて見せて〜!」
「しょ、少ちん!?」
「…ふふっ、楽しそうだね、マヤノ…」
「って、ワヒャア!?」
「あっ、自己紹介してなかったね。俺は影野、よろしく…」
「あ、うん、よ、ヨロシク…」
影野だけマヤノを驚かせてた。流石だねぇ。
器用設定が活かされてるのか活かされてないのか分からないマックス、自分は好きです。主にデザインが。まあ2だともう倉庫の神様になって出れないけど。
実際、トレセン以外の学校にウマ娘用のトラックってあったりするんでしょうかね?如何せん情報がまだ掴めてなかったりするので、もしそういう描写あるなら教えて欲しいです。
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