意識を取り戻したころには私は広い病室にいた
本当に意識を失っていたようだ。その間に何かされていないかを秘かに『観測者』の権限で確認した
DNA鑑定などはされていたようだが、そんなことをされても今の『私』が『僕』であることを証明することはない
『トントン』
「はい」
病室のドアをノックされたので返事をすると赤木リツコさんが入ってきた
「何か体に違和感はないかしら?」
「まだ少し頭が痛いだけです。一体何があったんですか?」
私はあくまでも知らないふりを続けた。今は誤魔化すことに力を入れたほうが最良の判断である
「シンクロテストはできなかったという結果になったわ。エヴァパイロットとしては無理ということになるわね」
「そうですか。私は戦うためにこの街に移住してきたわけではないので安心ですけど」
「ただ今後も定期的に検査を受けてもらえるかしら」
赤木リツコさんは私のことを疑っているのかもしれないがお断りですと回答した
誰がネルフと関係を持つと思っているのか
今さら何のつもりがあるのか。ただエヴァパイロットの確保をしたいだけなのかもしれない
私がそんな案に賛同するはずがない。二度とあれに乗るつもりはないのだから
「そうですか。では今日はこのあたりで」
「ところで今は何時ですか?」
病室には時計がないので時間がわからなかった
「テストを受けてから2時間ほどが経過したくらいね」
制服はちゃんとベッドわきに置いておいたので着替えてくれたら出口まで案内するわとリツコさんは私に言った
私は病院服から制服に着替えると病室から外に出るとリツコさんが待っていてくれた
私はリツコさんと一緒に病院内の通路を歩き始めた
「ところでどうして急に私にシンクロテストをすることが決まったのですか?」
「あなたが最初の要請をお断りしたことだったから仕方がなくてね。半ば強引になってしまってごめんなさい」
本気で謝っているのかどうかはわからないが、今のところは疑っていることは間違いない
私が碇シンジとよく似ているのだから疑っているはず。
万が一、DNA鑑定をされても碇ゲンドウや碇ユイと親子鑑定で一致することはない
血縁関係が出ることがないことを立証されることはわかりきっているので問題はない
「それにしても移住したばかりの私にこんなことをさせるなんて子供を道具とでも思っているのですか?」
「私達はそんなことを思っていないわ。この街に住んでいる中学生の中から選抜されてテストを受けてもらっているの」
どこまで本気で言っているのかわからないけど今の私には関係のない話である
私とリツコさんはエレベーターホールに到着すると同時に1台のエレベーターのドアが開いた
そこから碇ゲンドウが現れた。私の顔を見て少し驚きの表情をしていた