配信者が贈る青春のアーカイブ 作:配信者
後で色々修正するかもです
───みんな、ハッピーかい?
どうも、第2の人生を絶賛謳歌中の夜月ヨルです。気付けば転生してました。
最初は現代のまま生まれ変わっただけなのかと思ったが、蓋を開ければ米国も真っ青な超銃社会の世界でありんした。恐らく俺は黒船が来航してきた時の江戸庶民の驚愕を疑似体験出来たと思う。
そこから何やかんや過ごして、何やかんや小悪魔系幼馴染と仲良くなって、何やかんやミレニアムに入学して現在に至り……そして、何やかんやで配信を始めました。
何もない至って平凡な
せっかく第2の人生を得たんだ、せめて今世ぐらい自由にやりたいことをして生きていきたい───そう思って始めた配信だったわけだが……
「今日も沢山の人に来てもらえて嬉しいぜ!ありがとうな!!」
きたあああああああ
きたああああああああああ
きた!!
うおおおおおおおおおおおおお
待ってました!!
うおおおおおおお
♪───O(≧∇≦)O────♪
待ってたぜ、この瞬間をよぉ!!
───いやはや、まさかここまで多くの人に見てもらえるとは……
ぶっちゃけ、良くて数十人見てもらえれば嬉しいや〜、なんて思ってた。100人行けばそれはもう両手をあげて歓喜極まれりだろう。
だけど見て、今や2万8千人以上の───あ、3万行ったわ。
とにかく10とか100とか、もはやそんな次元ではなくなってしまった。なんか急激に増えていく視聴者数とチャンネル登録者数を見た時は歓喜とかプレッシャーとか云々の前に1周回って冷静になれたからね。やっぱり人ってすごい。
「さて、今日は─────ん?」
早速今日の本題に入ろうというところで、チャット欄に見覚えのある例の赤が見えたので言葉を過ざるを得なかった。
うおっ
うわ
出た
出た
うわ
出たわね
赤スパ三銃士キタ━(゚∀゚)━!
赤スパ三銃士とは、配信の始まりに必ず満額赤スパを投げてくれる3人の総称である。
いや、ほんと嬉しいんだけどさ……いつも5万満額で送ってくれるから此方としても胃が……胃が……
「ロールケーキさん、姫さん、セクシーフォックスさん、いつもありがとうナス!でも、君ら3人ともいつも投げてくれているけど大丈夫なん?もっと自分のために使ったほうがいいんじゃ?」
投げ銭というのは俺の配信を見て楽しんでもらえたり、応援したいという気持ちをお金という分かりやすい対価で本人に表明するシステムのこと。だから投げ銭は本人の意思で、故に俺は何かを言えるような立場でもないし、むしろその気持ちを有り難く受け取る立場でなければならない。
………それでも限度というものがあってね?流石にそんな満額をポンポン出されたら嬉しいよりも困惑が勝っちゃうんよ。
上流階級がよぉ……
相変わらず金銭感覚狂ってる
知 っ て た 。
毎度思うんですが、なんでそんなに赤スパを満額ホイホイ投げれるんですかねぇ……
あっ、あっ……(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ..
裕福層に対する眩しさと嫉妬で灰になって消えた……
こーれ、戦争です
なんかわかんねぇけどスゲェ悔しいよ、俺……
これが敗北、か……
ちくせう……ちくせう……
あ、あ、あ、あたしだってェェェェ!!!(銀行窓口)
おい待て早まるな
やばい、チャット欄が赤の極光に脳を灼かれて阿鼻叫喚に包まれてる……!!
違う、違うんだ!君たちは何も間違っていない!ただ赤スパ三銃士がちょっと可笑しいだけで、普通の人間は満額赤スパをチップのようにポンポン払えないから……!
……なんかコメント見ると一定数道踏み外しそうな人たちがいるけど多分本気じゃないだろ、ヨシ!
あ
あっ
あ
きたああああああああ!!!
伝 統 行 事
い つ も の
今日のノルマ達成
はじまた
「はい一旦ストップね〜」
あと君ら毎度の如く喧嘩腰になるのなんなん?毎回赤スパの応報を繰り広げてるけど、こっちにも視聴者にも飛び火してるのよ。主に精神的ダメージ的なアレで。
それとちゃんとチャット機能使って?なんで赤スパで会話してんの?赤スパでレスバかますヤツなんて初めて見たぞ。
「チャット欄で喧嘩はダメ絶対。これ約束な?あともっと自分の財布に優しい人間になってくれよ〜」
割と切実に。だって見てよ、始まって数分でもう55万よ?
もうね、怖いっス。マジで。一般庶民出身の俺には身体が持たないんですって。
その後、赤スパ(3万円程度)と共に気持ちの良い『はい!』のひと文が送られてきたことで、この場は一旦終息することになった。
いや、まぁ、うん……普通にチャットじゃダメなの……?チャット欄っていつから有料になったんですかね……?
▲▼▲▼
「気を取り直して、早速今日の本題!ちょっとやらなかっただけなのにもう満杯近く溜まり込んでしまったお便りコーナーに移っていくぜ!ほんと、いつも沢山のお便りどうもありがとうな!」
ちょっとキレてて草
だから定期的にやった方がいいとあれほど……
ピキピキ(#^ω^)
でもいうて最後にやったのって1ヶ月半前とかだよね?
もうみんなかまってちゃんなんだから〜(お便り書きながら)
お前や
俺の配信スタイルはなんでもござれのごちゃ混ぜスタイル。
例えばゲーム配信もしたり、外で活動したり、コラボしたり、雑談したり、お便りを連投連打したり。……言ってて気づいたけど別に普通の配信者だったわ。
まぁ、結局は楽しめそうと思ったやつを率先にやってるだけなんよね。
「じゃあいつも通りランダムで選ばせてもらうわ。最初のお題は───これだ!」
「はい、早速怪文書が混ざり込んでいましたね〜。これはゴミ箱行きです」
は?
おい
逃げるな
怪文書でもなんでもないが?
逃げるなァァ!!責任から逃げるなァァ!!!
きーろ!きーろ!
もうロボットのメイド服姿でしか萌えなくなった責任を取ってください(憤怒)
¥5,000
いや、マジ勘弁してくれよ……
あのメイド服はほんのちょっとした気の迷いだったんだ……出来心だったんだ……。まさか俺史上*1最大の黒歴史と化すとは思わなかったんだ……
ちなみに忍者コスは普通にアリだと思いましたね。……いや、普通じゃなくてめっっっっちゃアリだわ。え、何であの時忍者コスにしなかったんだろう。じゃないとこんな切腹ものの黒歴史なんて誕生しなかった筈なのに……
いや、分かっている。どうせアレだろ?何を血迷ったのか、メイド服を着た超カッコいい先輩の衣装を真似てみたくなったんだろ?男という生き物はカッコいいと思ったものを即座に真似したがる悲しき性を持つ者の総称を指す、漏れなく俺もその運命を辿ったに過ぎない。
しかし、気づかなかったのか?あのメイド服は先輩方が着るからカッコいいのであって、別にクソロボットなお前が着てもただの変質ロボットと化すだけということを……!まぁ、気づかなかったからこうなってるんですけど。
「君たちは何も見なかった。ロボットがメイド服を着てオムライスを作っている場面なんて見なかった……いいね?ということで次のお題は!んン〜……これだ!!」
おぉ、久々に来たな、この質問。
「新参さんど〜〜も!俺が男か女か、ねぇ。ちなみに視聴者のみんなはなんだと思ってんの?」
男だろ
男でしょ
男
俺って言ってるじゃん
前の時はなんて言ってたっけ?
分からないっスよ。今まで明言されたこともないですし す細目は開眼したときが勝負
いや待て、もしやオレっ娘という線も捨てがたいのでは……!?
拙者、女の子説信者。義によって助太刀いたす
声色からじゃ判断できないもんね
機械音声の加工入ってるから分からん
言動が男
視聴者も4割男で3割弱が女、3割が分からないという結構まばらな結果になった。
……そういえば、『細目は開眼したときが勝負』さんが言ったように過去に聞かれた時もなぁなぁに済ませてはぐらかしてきたっけ。主に身バレ防止のために。
一応ロボット設定ということでやらせてもらっているが、もしかしたら視聴者の中に『コイツ人間では?』と察しているヤツもいるかもしれない。
そこで俺が“男”って言ってみろよ。な?もはや一部の人権と裸体以外は全て曝け出す状態に陥るバカになるわけ。半ばVtuber的な存在の俺にそれは絶対NG。バレたら配信者として
だから音声も変えてるし、ロボット姿で本当の姿を隠してんよね。
……まぁ、ロボット姿である理由のひとつに深いようでクッッッッッッソ浅い事情があるんだが……それはまた今度。
「まぁ、いつもなら秘密で〜す☆って感じではぐらかしてきたけど……」
ん?
お?
まさか
ついに?
「ふっ、察しのいい視聴者は嫌いじゃないぜ。配信歴も長くなってきたし、この際もうこの場でぶっちゃけようじゃないか!!」
おおおおおおおおお!!!
きたああああああああああ
やっとキヴォトス七不思議のひとつが暴かれるか
888888888
新参さんありがとう!
七不思議になってたのか、知らんかったわ。
ん?さっき言ってたやつ*2は何だったのかって?ふふっ、浅いね。こういう時のために色々用意してんのさ。
「フフフッ、よくお聞き。俺の性別はな───────
───── ロボットなのでそんなものありましぇ〜〜ん!!期待していた人ごめんね〜?でもロボットだし〜、しょうがないよね〜?ということで、これまで通りみなさんの好きな性別を当てがって、どうぞ」
は?
は?
は????
お?やるか??
キレちまったよ……
訴訟します。覚悟の準備をしておいてください
クソガキがよぉ
なんだァ、テメェ……
あ〜、めっちゃ分からせてぇ〜……
でも
分かる
その二次創作需要あるん?我、一応(設定上)ロボットぞ?
「はい、ではみなさんの阿鼻叫喚を眺めながら次のお題に行くど!次は───こちら!!」
「───ッスー………やらなきゃダメ?」
はい(即答)
当たり前だよなぁ?
むしろやらない選択肢があったことに驚いている
また悲鳴聞かせて♡
無言赤スパこわ
赤の圧が強い(確信)
赤スパってこんなに恐ろしい存在だったんだね。文字に起こさなくても伝わる文があるもん。否応にも意志を感じちゃうもの。
そんなん送られちゃったら……そりゃあもうやるしかないじゃん……
───
──
─
そんなこんなで数十数百と連なるお便りを読み捌いて約数時間、そろそろ時間的にもキツくなってきたのでいよいよラストのお便りへと突入しようとしていた。
「次で最後のお便りにするわね!最後に選ばれしお便りは───これだッ!!!」
「ほう、これまたタイムリーな話題だ」
エデン条約───詳しいことはよく分かんないけど、確かゲヘナとトリニティが仲良くしましょうって感じで条約結ぶんだよな?
「う〜ん、俺っていつも自分が感じたことをそのまま話すから、今回もそんな感じになるんだけど〜」
そう前置きした上で述べさせてもらうなら───
「俺は率直に良いことだと思ったね。確かその2校って結構仲悪いらしいし、最初は上手く機能するかも分かんない。もしかしたら問題も色々起こるかもしれない」
政策に不満が出るのは仕方のないこと。それは避けられようのないものだろう。
でも、未来に目を向けて考えるのであれば────
「でも、それじゃあ永遠に分かり合えないって思うな。ほら、アレよ。最初は毛嫌いしていたピーマンだけど、食べてみるとそこまで苦手じゃないかも……みたいな現象があるかもしれなくない?」
ピーマン草
やけに実感の籠った感想でしたねぇ……
ノクス ピーマン 苦手
う〜ん、ちょっと分かるのが悔しい
経験談でしたか
イブキもピーマン苦手!ノクスと一緒だね! すI☆BU☆KI
なんか可愛らしい生き物が混ざって来ましたな
(2人とも)かわいい
アレってあるあるだよね〜。何でこんなもの苦手にしてたんだろうっていう空虚感と食えるんだっていう高揚感が半端ないやつ。
あとピーマンはもう苦手じゃないし。ノアの手料理でなんとか乗り越えることが出来たし。
「まぁ、お互い啀み合うよりも仲良く出来た方が良いよな。やっぱ平和が1番だし。だから各校のトップの皆さんには是非頑張ってもらいたいね」
それな
うんうん
……私トリニティ生で不安だったけど、確かにその通りかもって思えてきた
頑張ってもらいたいよね
ナギサ様頑張れー!
百鬼夜行からですが応援してまーす!!
みんながんばえー!
や さ し い せ か い
や さ い せ い か つ
まぁ、俺はトリニティの生徒でもなければゲヘナの生徒でもない。それに加えて何かしら権力を持つ人間でもなければ、何かを動かすことの出来る人間ですらない。俺はただこうやって、配信を通して自分の気持ちを伝えるだけの、ただの傍観者よ。
でも、今言ったことは間違いなく本心だし、何かの間違いで本人たちに届いてくれたらいいけどな……
ん?本人たちが見てるかもしれないだろって?いやー、流石にそこまで自惚れちゃいませんよ……。前世で言うなら大統領だとか総理大臣みたいな国のトップが配信を見に来てくれるってわけでしょ?
どうやらセミナーでは少し話題になっていたらしいけど、多分それはミレニアム産のゲームやグッズを度々紹介したり実況してるからだと思う。
「はい、それじゃあ今日の配信は終わり!明日は休みだから、また明後日会おうぜ!そんじゃな〜」
その言葉を最後に配信を切った。
伸縮性抜群の椅子の背凭れに背をかけながら、半ば余韻に浸るように目を瞑る。
───ふふっ、フフフッ……
「やっぱ楽しいな〜!配信!」
顔も分からぬ人たちと会話するって何だか不思議な感覚で、だけどそんな相手とだから遠慮のなさがある。
以前のような見てる側でも楽しかったけど、やってる方はもっと楽しいかもしれない。むしろ何でもっと早くやらなかったのかと後悔している程だ。
だけど、その後悔を神様が汲み取ってくれたお陰で
「ん?」
背伸びをしているタイミングでメッセージ。その差出人は俺の親友兼相棒の彼女からであった。
ンスの時期なのですが覚えていますか?
…………ふむ。
「危ね、普通にド忘れしてたわ」
まぁ、ここで馬鹿正直に言わなくてもいいだろう。ここは分かっていた風で──
でしょう?
必死に考えている頃でしょうか?
ハッカーには全てお見通しですから
君は超能力者か何かなん?
▲▼▲▼
「────似ている」
小型の液晶から眺めているのはとあるロボットの姿。今日の下校の最中、彼との会話でも話題の中心となっていた配信。
私は目の前の画面で流れる物に釘付けになっていた。
それは何も酔狂になるまで目の前のロボットに魅了されたわけではない。確かに、不思議と人を惹きつけてやまない雰囲気を醸し出しているが、そんな部分さえなお疑問を増すばかり。
以前からユウカちゃんや会長も話題にしていたノクスさんの配信。事務的な観点から見ればとか述べましたが、本当はそこまで気乗りではなかったのです。
データ的に見ても、周囲の反応といった客観視的立ち位置から見ても、かの配信者がミレニアムプレイスで莫大の効果を生み出すのは目に見えていた。それが此方があの方に求める効果であるのだから、別にわざわざ時間を割いて閲覧する程でもない───そんな本心を抱いてはいましたが……
『ノアは見ないの?』
………あんなにも目を輝かせ、期待するような眼差しを向けられてしまったら一度くらいならと思うのが自然でしょう。
そして、いざ配信を見てみたら───
「───動作、息づかい、言葉の紡ぎ方、間延びの間隔、その他諸々の所作が……ヨルくんに似ている」
流石に声色だけでは断定は難しい。何故ならロボット特有の機械音声なのだから。
だけど、それ以外の部分なら。その動き、その所作の所々で彼の面影が見受けられた。
……気のせい?他人の空似?そうかもしれない、その可能性の方が高いだろう。
ただ、もしあのロボットが彼であるならば。それは……それは何だか───
「……モヤモヤしますね」
自分でも説明困難で不可思議な感情に動かされながら、その後もノクスさんの配信を閲覧するのだった。